TVアニメ『名探偵コナン』OP曲でメジャーデビューのdps「70年代のフォークソングを意識して作りました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

TVアニメ『名探偵コナン』OP曲でメジャーデビューのdps「70年代のフォークソングを意識して作りました」【インタビュー】

TVアニメ『名探偵コナン』の新OPテーマ「タイムライン」を歌う関西在住の4人組ロックバンドdps。曲に込めた気持ちや、“コナン愛”について直撃したインタビューが「アニメディア10月号」に掲載中。「超!アニメディア」では …

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 TVアニメ『名探偵コナン』の新OPテーマ「タイムライン」を歌う関西在住の4人組ロックバンドdps。曲に込めた気持ちや、“コナン愛”について直撃したインタビューが「アニメディア10月号」に掲載中。「超!アニメディア」では、掲載できなかった部分を含めたロング版をご紹介。

デジタル社会に警鐘を鳴らし、コナンくんの時間のすれ違いを表現

──メジャーデビューが人気アニメ『名探偵コナン』OPテーマであることについて、どんなお気持ちですか?

木村
 メジャーデビューというのは、個人的にはずっと憧れていて夢でもあったので、今はうれしい気持ちでいっぱいです。それと同時にプレッシャーや不安もありますが、それ以上に気合いも入っていますし、これからどんなことが待ち受けているのか、楽しみでワクワクしています。『名探偵コナン』のOP曲ということについては、まさかよく観ているアニメのOP曲で自分の声が流れる日がくるとは思っていなかったので、自分が一番ビックリしています。

森丘 国民的なアニメのOPテーマに選んでいただいて、本当に光栄に思っています。僕自身『コナン』を読んで観て育ったのでTVで流れるのが楽しみでした。メジャーデビューに関しては、当然自分だけの力ではなく、メンバーやスタッフの方々、家族や友人、dpsのファンのみなさんのおかげなので、少しでも音楽でお返ししていきたいという気持ちです。

安井 音楽をはじめたときの目標が、メジャーデビューとアニメのテーマソングを担当することだったので、これからが楽しみで仕方がないです!

川村 たくさんあるアニメのなかでも『名探偵コナン』は、観ている方の層が特別に広いと思うので、自分たちの楽曲が子どもから大人まで、いろいろな人たちの耳に届くのは本当に光栄です。


──OPテーマ「タイムライン」は、作詞をベースの安井さんが担当。SNSのタイムラインをテーマにした歌詞で、メッセージ性がありますね。

安井 「タイムライン」は、僕が人通りの多い駅の地下道を歩いていたときに、人とぶつかりそうになりながら“歩きスマホ”をしている人を見て着想を得ました。最近の“デジタル社会”というか……便利になりすぎたことの代償のような問題に対して、フォーカスを当てたテーマになっています。アナログな部分が見えなくなっているのではないかというメッセージと、コナンくんの身体と住んでいる世界との時間のすれ違いみたいなものを意識して書きました。

──作曲はドラムの川村さんが担当。早口でたたみかけるようなAメロが印象的ですが、どのようなことを意識して作った曲なのですか?

川村 じつは70年代のフォークソングを意識して作りました。吉田拓郎さんのライブアルバムを聴いたことがあって、そのときに聴いたものが衝撃的にかっこよかったんです。それで、今の時代にそういう曲があってもいいんじゃないか、と思ったことがきっかけです。とくに早口のAメロは、拓郎さんの曲がそういう特徴を持っていたので、そこから強くインスピレーションを受けています。

──激しくうなりをあげるようなギターを中心にした、荒々しいバンドサウンドがとてもかっこいいですね。

森丘 ハードなギターが入ったロックサウンドはdpsのスタイルで、今回はとくに“スリリング”をテーマにアレンジしたので、これまでよりいっそう緊張感のある仕上がりになっていると思います。ギターリフが特徴で、速くて細かいフレーズに半音階で動くコードの不安定感によって、スリリングさを演出できたのではないかと思っています。ギターソロに関しては、起承転結をしっかり付けることを意識してプレイしました。『コナン』の犯人が自供するシーンを思い起こすような、切なさを表現できたのではないかと思います。あとCDを再生して最初に聴こえてくる効果音はギターで弾いているのですが、これはコナンくんが推理するときの、「数々の手がかりを頭のなかで繋ぎ合わせて真実にたどり着く」までを想像して音を作りました。ニュアンスにもこだわったので、細かい部分にも耳を澄ませて聴いてもらえるとうれしいです!

──超絶テクニックのバンドとして、インディーズ時代から評判のみなさんですが、「タイムライン」という楽曲では、どんなことを意識して演奏しましたか?

森丘 とにかくギターリフが細かく速いので、しっかりリズムに乗って無駄なノイズが出ないように注意して演奏しています。Aメロの後ろで弾いているギターは、バッキング(伴奏)→ソロフレーズ→バッキングと、切り替えが多いので、つねに身体の中心でリズムを感じることを意識しました。

安井 曲のテンションの起伏が激しいので“静と動”を意識しました。

川村 Aメロ&Bメロとサビとのギャップが魅力の曲なので、その表現を意識して演奏するよう心がけています。

──少しハスキーがかった声色で、ワイルドでエモーショナルに歌い上げた、木村さんのボーカルも特徴的ですね。

木村 dpsで歌うときはいつもそうなんですが、その曲、その部分に合った声色で歌うように心がけています。今回のタイムラインでは、とくにオチサビで切ないニュアンスを感じたので、ファルセットを入れました。歌詞で表現している“便利な時代すぎて、大事なものを見落としていないか?”というメッセージを伝えられるように意識して歌っています。『コナン』ファンのみなさんへは、「はじめまして、僕たちがdpsです!」といった、自己紹介代わりになる楽曲になったと思います。新一くんと蘭ちゃんの絆を意識した表現も入れているので、そういったことも感じながら聴いていただけるとうれしいです。

──みなさん、『コナン』がお好きらしいですね。

木村 子どものころからアニメをよく観ていたのですが、新一くんが小さくなった経緯を詳しく知らなかったので、気になって最近コミックス第1巻を読んだんです。そうしたら薬の本来の作用を知って驚いたし、コナンくんの姿になってから蘭ちゃんと初めて会ったシーンが工藤邸だったというのもなかなかの驚きでした。あと阿笠博士の家も、「横にあったんだ!?」ってなりました(笑)。

森丘 僕は小学生のころに合気道を習っていたのですが、月曜日の18時から19時まで稽古をして、そこから自宅に帰って晩ご飯を食べながら毎週欠かさず『コナン』を観るのが習慣でした。これも小学生のころの話ではあるのですが、姉が誕生日のプレゼントで『コナン』のコミックスを10冊ほど一気に買ってくれたことがあります(笑)。

安井 僕は、「黒ずくめの組織」にまつわるエピソードの放送のときが、とても楽しみで仕方なかったです。

川村 殺人事件の数々に、幼いころから恐怖させられてきました。今でも自分がジェットコースターに乗るときは、ピアノ線が張られていないか気になることがあります(笑)。

──好きなキャラクターや、好きなエピソードがあれば教えてください。

木村 迷いますね……でも、やっぱりコナンくんが好きです! かわいいときもあればかっこいいいときもあって、無敵ですよね。劇場版第13弾『漆黒の追跡者』の東都タワーのシーンが好きで、そのときのコナンくんが最高にかっこいいです。すごく緊張しながら観たのを覚えています。

森丘 原作マンガでは、小学生のころに読んだ第8巻の「闇の男爵(ナイトバロン)殺人事件」が、一番記憶に残っています。今もですが当時の僕はかなりのビビリで(笑)、ナイトバロンが不気味な笑みを浮かべながら空から落ちてきたり、エレベーターが開くと死んだはずのナイトバロンが立っていたり……それが結構トラウマでした(笑)。このインタビューに答えるために改めて読み返したのですが、「憧れの人がまさか犯人なのかも?」と、蘭ちゃんが苦悩するシーンが切なかったです。

安井 少年探偵団が力を合わせて宝の地図を解読していくところが、とても好きでした。

川村 光彦くんがとても気になります。

──では最後に、楽曲を聴く人、『コナン』ファン、アニメディア読者にメッセージをお願いいたします。

木村 歌詞やギターソロなど、隅々まで楽しんでいただき、たくさん聴いていただけるとうれしいです! そしてぜひみなさんには、曲をマスターしてカラオケでたくさん歌ってほしいです。AメロとBメロが、本当に大変なんですよ(笑)。動画などで、みなさんが歌っているのも観てみたいです! ライブでも一緒に盛り上がりましょう! お待ちしています!

森丘 今回『コナン』のOPを聴いて、初めてdpsを知ってくださった方がほとんどだと思います。「『タイムライン』を聴いて、『コナン』の映像が自然と頭に浮かんだ」というお声もいただいて、本当にうれしく思っています。まだスタートラインに立ったばかりのバンドなので、これからよりたくさんの方に知ってもらえるように頑張ります。dpsはライブもアツいバンドなので、ぜひ一度お気軽に遊びにきてください!

安井 この「タイムライン」がきっかけで、僕たちの音楽を知っていただけると、とてもうれしいです。そして、ぜひともライブに足を運んでください。一緒に歌いたいです。

川村 “ロック”なOPを、ぜひ楽しんでください!

(プロフィール)
【dps】メンバーは木村涼介(Vo)、森丘直樹(G)、安井剛志(B)、川村篤史(Dr)。ドキュメントバラエティ番組MBS『good M 僕に逢いたくなったら…』にQyotoと共に出演して話題を集め、これまでにタワーレコード限定で3枚のEPをリリース。バンド名は「d-project special」の略。

(CD情報)
「タイムライン」
発売元/ビーイング
1080円(税込) 
激しくノイジーなギターとパワフルなビート、畳みかけるようなメロディラインが、『コナン』の謎解きや黒の組織とのスリリングな攻防を想像させてくれる。フルバージョンでは泣きのギターソロや切なさあふれるオチサビが、胸を熱くさせてくれる。

取材・文=榑林史章

《超!アニメディア編集部》
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