中島 愛のニューシングルは『星合の空』『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』のWタイアップ。「みんなを驚かせたい」というチャレンジ精神にあふれた2枚を同時リリース【インタビュー】 | 超!アニメディア

中島 愛のニューシングルは『星合の空』『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』のWタイアップ。「みんなを驚かせたい」というチャレンジ精神にあふれた2枚を同時リリース【インタビュー】

中島 愛が『星合の空』のOPテーマ「水槽」と『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』のEDテーマ「髪飾りの天使」を収録したシングルを11月6日に2枚同時リリース。それぞれの楽曲で新しい挑戦をしたと …

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 中島 愛が『星合の空』のOPテーマ「水槽」と『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』のEDテーマ「髪飾りの天使」を収録したシングルを11月6日に2枚同時リリース。それぞれの楽曲で新しい挑戦をしたという彼女に、制作について語ってもらった。


■「水槽」では力まずに、ところどころに苦しさを表現

――『星合の空』のOP「水槽」は、静かなようでいて盛り上がるもある曲ですね。作詞はポルノグラフィティの新藤晴一さんです。

 作品のシナリオを読ませていただき、新藤さんに詞を書いていただきたいとお願いしました。以前、「サブマリーン」という詞を提供していただいたときに、落ち込んでいる自分を潜水艦に見立ててインナーに入っていく言葉がすばらしいと感じていたんです。『星合の空』は、少年たちの個々の人生のなかで、壁にぶつかったり、どうしようもできないことがあったりということを描いているので、そのもがいている感じを新藤さんならきっと素敵な詞にしていただけるだろうと思って。この曲では“抜け出せずにいる苦しさ、「真水の水槽」を表現する”ということがテーマでした。

――歌詞ができあがってきたときの感想は?

 キャラクターの試合中の顔が浮かんでくるなと思いました。自分が中学生ぐらいだったときのことを思い出すような、時間が巻き戻されるような感覚もあって。1行ごとにグサグサと心に刺さるような歌詞だなと。攻撃的ではないんですけど、心をえぐってくるタイプだなと感じました。

――でも歌声では、それほど苦しさや、つらさを押し出していませんね。

 ずっと苦しそうに歌っていたら、聴く人の息が詰まってしまうだろうなと思ったんです。では、苦しさをどう表現するかと考えて、つらすぎて泣けない、ぼーっとするしかないみたいな、誰しもあることをヒントにしました。誰かに言いたくても言えない、押さえつけられちゃって伝える選択肢すらない、あきらめも入っているようなボソボソとした感じ。力まず、ちょっとぼんやりした感覚で歌い、声をのばすところで苦しそうにするような色を付けていきました。サビは自分でもあまり出したことがないくらいの高さのキーでしたが、そこで感情を爆発させるようにしていきました。


――主人公が存在する歌だと思いますが、中島さんはどの立ち位置で歌いましたか?

 私は、この主人公は、曲中に登場する「クジラ」に向かって歌っているんじゃないかと感じたんです。クジラは主人公にとって、自由に人生を選んで泳いでうまくいってる大人たちであり、そこに向かってずっと声のボールを投げ続けている。なので、歌うときは主人公の視点もありつつ、さらに主人公たちを俯瞰で見て「泣けないよね」と感じている私の視点も入っているようなイメージで歌いました。

――「泣きじゃくるほどに弱くはないけれど、強くもない」という内容は印象に残ります。

 この部分を語らせたら、きっとその人の人生観がわかるんじゃないかなと思います。私は、幸せは探したら見つかると簡単には言えないタイプなので、強くなったからといって楽しいと言い切れないところにも共感できました。それでも、もがくことに意味があるという歌詞なので、最終的には希望を感じていただけたらいいですね。

――ご自身のなかで特に印象的だったフレーズはどこですか?

 「不安は誰にもあるって本当?」と問いかけるところから始まるブロックです。中学生くらいのときの悩みって、根っこにあるのは「自分が人と違うんじゃないか」「自分だけがうまくできずに取り残されているんじゃないか」ということなのかなと思っているんです。でも、このブロックでは、隣の人にも悩みはあるかもしれないと教えてくれていて、もし中学時代の私が知ったら、きっと気持ちがラクになっただろうと感じました。なので、そのメッセージが、私より年下の方たちにも届いたらうれしいです。

――ミュージックビデオ(MV)でも、このフレーズで表情がほぐれますよね。

 MVは水族館で撮らせていただいて、間奏で大きな水槽に光が差込む演出があるのですが、そこから少しずつ感情が動いていくというストーリー仕立てなので、それにそって表情も出していきました。

――撮影で印象に残っていることは?

 これまで無表情でMVを撮ることがあまりなかったんです。しかも私、無表情だと怖いって言われがちなので、どの程度表情を無にしたらいいのか戸惑ってしまって。でも、笑顔になっていくシーンを撮るためには無表情の部分も必要なので、何回もチェックをさせていただきながらトライしました。

 それから、これは個人的なことですが、今回撮影させていただいた水族館が、茨城県にあるアクアワールド・大洗なんです。自分の故郷にある水族館で撮影ができてすごくうれしかったです。

――衣装も独特ですよね。

 ジャケット写真がワイドなパンツスタイルなので、MVは少し印象を変えたくて、ワンピースをとお願いしました。でも、あまりガーリーな感じにはしたくないなと思っていたら、シャツワンピースをスタイリストさんが持ってきてくださって。腰のあたりについていた長い2本のリボンを、熱帯魚のひれをイメージしているとおっしゃっていて、素敵だなと思いました。

――「水槽」が表題になる「星合盤」のジャケットは、公開されたときにすごくドキッとしました。ここまでラフなスタイルも、挑むような表情をしているのも珍しいですよね。

 カバーアルバムやベストアルバムのジャケットはかなり作り込んでいたので、今回は思いっきり自分をさらけ出したものが作りたいと思っていたんです。その念が通じたのか(笑)、ディレクターさんもそういうタイプの案を提示してくださって。ジャケットに使っていただいた写真は、撮ったなかでもかなりにらんでいるほうでしたね。ちょっと怖いかなとも思いましたし、斜め向きでもいいかなと考えたのですが、正面向きのスタイルはなかなかほかの場では出せないので、きつく見えてもいいからこの表情でいってみようということになりました。

――「水槽」は、7月に行われたライブ「中島 愛 10th Anniversary Live~Best of My Love~」でいち早く披露されました。

 レコーディングのときは感情の出し方をストイックに考えていましたが、ライブだともうすこし感情を出してもいいんだと感じました。それもあって、CDとライブとではまた聞こえ方が違うものになるのかなという印象もあります。

■アウトロなしで終わる潔さが「髪飾りの天使」の魅力


――『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』のED「髪飾りの天使」は、アウトロなしでスパッと終わることに驚きました。

 昭和の歌謡曲が好きな私からすると、3分くらいで終わる簡潔で短い曲はすごくいいなと思っていたので、この終わり方には大満足でした。シンプルなんだけど、あまり短く感じない、不思議な曲があがってきたなという印象でした。

――この曲は、シンガーソングライターの吉澤嘉代子さんが作詞・作曲を担当されています。

 『本好きの下剋上』は異世界転生や本作りというテーマもありつつ、家族も大きなテーマのひとつだと感じていて、それをもとに曲が作りたいなと思ったんです。吉澤さんとは、松本隆先生の作詞活動47周年記念イベントでお目にかかったんです。以前から気になっていたシンガーだったので、それを機に曲もたくさん聴くようになって。そんなご縁もあり、今回作詞、作曲をお願いしました。

――編曲は、シンガーソングライターの清竜人さんです。

 吉澤さんからのご提案で、アレンジをお願いしました。さらに、ボーカルのディレクションもお願いして。清さんは、歌い方の強弱やさじ加減をとても的確に指示してくださいました。地声とも裏声とも取れないキーでずっと歌っていくのでとても難しい曲ですが、つかみどころのない、年齢不詳な感じが歌でも出せていたらと思います。

――歌詞を読んでいると「天使」が誰をイメージしているのかも気になります。

 作品の主人公のマインは、私が演じさせていただいている姉・トゥーリのことを原作で「天使」と言ってくれるんです。でも、トゥーリからしたらマインが「天使」。私としてはこの曲の主人公はマインの気持ちに近いと思っていて、でも私が歌うとトゥーリの声だし……という難しさはありました。キャラクターソングではないので、マインの気持ちもトゥーリの気持ちも両方を感じていただけるように歌いました。

 作品を離れたところで言うなら、その人にとって家族だと感じられるつながり、友達、好きなこと、趣味……あなたにとって大切なものが「天使」だという捉え方でいいと思うんです。断定していないところが吉澤さんのすばらしいところだなと感じました。私は基本的に白黒はっきり付けたいタイプなので(笑)、こういったグラデーションのちょうど中間のような曲を歌えるのも楽しかったです。

――この曲も、歌声的にはシンプルですよね。

 言葉数が少なくて詩的な曲なので、力む必要はないなと感じていました。清さんからも「もっと小さい声で歌ってほしい」というアドバイスをいただいて、自分が想像したよりもさらに小さな声でささやくように歌ったのが印象に残っています。

――MVは、白が基調の明るい印象です。

 監督が同年代の女性の方で、とてもみずみずしい感性をお持ちだなと感じました。全体の色合いも美しく、撮影もスムーズでした。

――とはいっても、表情はそれほどコロコロと変わるわけではないですね。

 モナリザの表情をイメージしながら撮影していただきました(笑)。思いっきり笑って撮るほうがどちらかというと得意で、抑えめな表情があまり得意ではないので、苦戦もしましたが、このくらい控えめにしておくと何を考えているかわからない感じも出ていいのかなと。

――ジャケットはまるで絵画のような仕上がりだなと思いました。

 髪飾りは本物の百合で作っていただいて、自分の顔よりもアイテムを前面に押し出すようなものがいいと思っていたので、必然的に横顔になりました。あと、この写真のなかで一番生き生きとしているのは花であってほしかったんですね。それもあって、人間っぽさをなるべく消しました。伏し目がちな写真は割と珍しいので、自分でも新しさはありますね。

■それぞれテイストの違うカップリング曲

――「星合盤」と「本好き盤」とでカップリング曲が異なります。

 「星合盤」に収録されている「夏の記憶」は、□□□というユニットの三浦康嗣さんにお願いしました。□□□は日本語ラップがメインなんですが、歌ものをやっているアルバムもあって、そういうテイストの曲を歌いたいと思ったんです。三浦さんに書いていただいた曲は、ポエトリーリーディングと歌とラップの狭間みたいで、Aメロは歌うというよりもしゃべるような感じのリズム重視。韻を踏んでいく感じとサビが気持ちよくて、かなり作り込んだ曲になりました。三浦さんの書かれた歌詞は、意味を持ちすぎず、記号的な言葉が並びつつも、音にのせていくとエモーショナルになるんですね。それもあって、私は何かを伝えるために歌うというよりは、楽器の一部になったつもりで歌いました。いつも私が歌うときよりは低いキー設定なので、輪郭がはっきりした息づかいのわかるような歌になりました。

――「本好き盤」のカップリング「Kailan」は、ベストアルバム『30 pieces of love』の初回限定盤に同梱されたBlu-rayの特典映像で使われていましたね。

 音源化できるといいなと思っていたのを叶えていただけました。この曲はフィリピンのバラードで、学生の片思いの曲で、いつになったら私の気持ちをわかってくれるの、って自分の中で訴えかけ続けている曲なんです。感情をさらけ出した歌がフィリピンでは好まれるようで、母からもオブラートに包んだような表現では雰囲気が出ないと言われていたので、食らいつくように、自分のなかにある情熱的な部分を思い起こして歌おうと心がけました。

――また新しいアーティスト像が感じられるCDになりましたね。

 2枚ともチャレンジングなCDになりました。自分でも、なんでこんなに難しい挑戦を毎回するんだろうと思うんです。でも、少し頑張れば超えられるくらいのラインでは自分が楽しいと思えないし、性格的に飽きてしまうと思うんです。そうなると、チャレンジせざるを得ない。今回も周りのスタッフの方々やクリエイターのみなさんがそんな私に難題をたくさん出してくださって、今の私にできる歌い方、見せたいものを詰め込むことができました。

――では、最後にメッセージを。

 1年以上ぶりにシングルをリリースすることになり、しかもWタイアップ、どちらにもMVがあるという贅沢な2枚になりました。タイアップ作品である『星合の空』と『本好きの下剋上』を大切に思いながら歌ったので、ぜひふたつの作品を観ながら聴いていただけたらと思います。そして、アニメが終わってからも人生のどこかに引っかかり続ける曲になると思っているので大切に聴き続けていただけたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
中島 愛【なかじま・めぐみ】
6月5日生まれ。茨城県出身。e-stone music所属。2007年にTVアニメ『マクロスF』のランカ・リー役で声優・歌手デビュー。2009年にシングル『天使になりたい』で個人名義のリリースをスタート。これまでに、シングル12枚、アルバム4枚、カバーアルバム1枚、ベストアルバム1枚をリリース。声優としての主な出演作は、『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』トゥーリ役、『聖闘士星矢 セインティア翔』美衣役など。

イベント情報
中島 愛 ニューシングル「水槽」「髪飾りの天使」リリース記念イベント
2019年11月17日(日)
座席抽選/開場:17:00 開演:17:30
場所:アニメイト池袋本店9Fイベントホール
内容:ミニライブ&特典会(中島 愛本人からポスターお渡し予定)

ニューシングル「水槽」「髪飾りの天使」CD購入者対象プレミアムイベント
※(トーク、MV上映会&ミニライブ)
開催日時:2019年11月30日(土)
第1回目 13:20集合 開演:14:00~
第2回目 15:50集合 開演:16:30~
会場:都内某所 
応募締切:2019年11月15日(金)当日消印有効

参加方法などの詳細は公式サイトをチェック

リリース情報
『水槽/髪飾りの天使』(星合盤)


『髪飾りの天使/水槽』(本好き盤)


フライングドッグより11月6日発売。
星合盤、本好き盤各1,400円(税別)

中島 愛公式サイト
http://e-stonemusic.com/mamegu/

中島 愛公式Twitter
@mamegu_staff

《超!アニメディア編集部》
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