声優・歌手として活動する柿原徹也の7枚目となるミニアルバム「GET OVER HERE」がリリース。アニメディア2019年10月号ではロックをテーマにした本アルバムの楽曲制作について聞いている。
――今回のミニアルバムを作ることになった経緯を教えてください。
今年の4月にもミニアルバム「United Star」を出したばかりなので、「どうして？」と思いますよね。ただ、今回のリリースは前から決まっていたものでした。むしろイレギュラーだったのは「United〜」のほう。というのも、昨年のツアーファイナルが台風の影響で1時間に短縮してしまい、せめてその映像を特典として早くファンのみなさんに届けたいという思いから、急遽ミニアルバムを出すことになったんです。結果的に、短期間で12曲もの新曲が生まれたので、僕としてはうれしい限りですね（笑）。
――では、今作のアルバムはどのようなコンセプトで作られたのですか？
大きなテーマとして“ロック”にこだわってみよう思いました。ひと言でロックといっても、人によっていろんな解釈があります。なので、いつも一緒に音楽を作ってくれている作曲家の方に、「自分が思うロックを自由に表現してください」とお願いしました。
――リード曲「Get over you…」の中土智博さんは、初めて柿原さんの楽曲に参加されていますね。
はい。キャラクターソングで何度かお世話になっていて、いつも素敵な曲を作ってくださるので、ぜひに、とお願いしました。そうしたら誰よりも早く曲をあげてきてくれて。少しR&Bの要素も入っていたりと、「これ、ロックなのかな？」という疑問もあったのですが（笑）、聴いた瞬間にそんな疑問を吹き飛ばすぐらい大好きになったので、歌わせてもらうことにしました。
――柿原さんの想像を超えるほどの楽曲だったわけですね。
まさに！ これまでのキャラクターソングは役に合わせて世界観を作っていただいていたのですが、「純粋に柿原徹也をイメージするとこういう曲になるんだ！」という新鮮さがありました。しかもオシャレさやエモさもあり、何よりこれまで僕が歌ったことのないジャンルだったので、中土さんのセンスにやられてしまいました。
――リード曲以外にも、挑戦的な楽曲がそろっています。
みなさん、毎回どんどんハードルを上げてきますからね（笑）。sweep作曲の「wundervolle Nacht」は、「ついにドイツ語を歌詞のなかに入れてきたな」って思いましたし、佐伯youthKの「To The Next」は過去の楽曲の歌詞が散りばめられていたりと、僕と彼の関係性を知っていればニヤリとしてしまう面白さがあって。それに前作では多忙のために不参加だったバンドマスターのまこっちゃん（宮崎 誠）も今回は「パンドラ」という曲を書いてくれています。どれも素敵で、本当にすべてがリード曲候補でしたね。
――そして、10月からはファン待望のツアーもスタートします。
ツアー名は、前作と今作のアルバムタイトルを引っ掛けて「TO THE STARTING OVER」にしました。来年、音楽活動10周年を迎えるので“10年目に向けての再始動”という意味も込めています。いきなり12曲も増えたのでどんな内容になるのか見当がつきませんが（笑）、そのハードルを乗り越え、みなさんに喜んでもらえるライブにしていきたいですね。
取材・文／倉田モトキ
PROFILE
【かきはら・てつや】12月24日生まれ。ドイツ出身。Zynchro所属。2010年に『still on Journey』でソロデュー。これまでにシングル6枚、ミニアルバム6枚、フルアルバム2枚をリリースしている。主な出演作は『あんさんぶるスターズ！』明星スバル役、『なむあみだ仏っ！-蓮台 UTENA-』大日如来役など。
アルバム情報
「GET OVER HERE」
発売中
バンダイナムコアーツ／Kiramune Project
豪華盤3,100円+税
通常盤2,000円+税
4月にリリースした「United Star」に続く、7枚目となるミニアルバム。柿原の音楽をバンドマスターとして支える宮崎 誠による「パンドラ」や、ジャジーなテイストで大人なロックを漂わせる「ジェラシーメイカー」、遊び心たっぷりの佐伯youthK作詞・作曲の「To the Next」など、全6曲を収録している。
Kiramune公式サイト
http://kiramune.jp/
（C）Kiramune Project
