固定観念を覆すから面白い!『映画HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』引坂理絵&本名陽子インタビュー | 超!アニメディア

固定観念を覆すから面白い!『映画HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』引坂理絵&本名陽子インタビュー

歴代55人のプリキュアが勢ぞろいする『映画HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が、現在絶賛公開中。『HUGっと!プリキュア』で野乃はな/キュアエール役の引坂理絵と、『ふたりはプリキュア …

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 歴代55人のプリキュアが勢ぞろいする『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が、現在絶賛公開中。『HUGっと!プリキュア』で野乃はな/キュアエール役の引坂理絵と、『ふたりはプリキュア』の美墨なぎさ/キュアブラック役の本名陽子が、作品についてや『プリキュア』シリーズに込めた想いを「アニメディア12月号」で語ってくれている。超!アニメディアでは、本誌に入らなかった部分も含めたロング版をご紹介する。

プリキュア(左から)美墨なぎさ/キュアブラック役の本名陽子、野乃はな/キュアエール役の引坂理絵

――今回、映画で歴代のプリキュアが全員登場すると聞いた時の感想は、いかがでしたでしょうか?

本名 ビックリでした!

引坂 本名さんと同じく、とてもビックリしました!

本名 私からすると「ぶっちゃけありえな~い!」という感じでしたが(笑)、すごくうれしくもありました。

引坂 『オールスターズ』でメインのキュアエールを演じさせていただくのは、ちょっと重圧もありましたが、すごくうれしかったです!

――おふたりは『HUGっと!プリキュア』のTVシリーズ22話で、すでに共演されていますよね。

本名 じつは、TVシリーズのアフレコより、劇場版のCG部分のアフレコのほうが早かったんです。たしか、今年の1月だったかな?

引坂 そうですね。

本名 TVシリーズは5月だよね。

引坂 はい。放送前にお会いしていたことを、やっと話せました(笑)。

本名 そうだね(笑)。なので、私はTVに出られることのほうにビックリしたんです。ほのか役のゆかなさんのことを、私は「ほのほの」って呼んでいるんですが、SNSでやりとりをして、喜びを分かち合い、頑張ろうねって言ったのを覚えています。

――引坂さんは、先輩プリキュアと共演するというのはどんな気持ちでしたか?

引坂 私も『ふたりはプリキュア』を観ていた世代なんですが、当時はもちろん声優になれるとも『プリキュア』に関われるとも夢にも思っていなくて。だから今、一緒に並ばせていただけるのは、うれしい反面、正直なところ何が起きているのか自分でもわからないなというところもあります。

本名 キャリア的には先輩と後輩になっちゃうんですけど、なぎさやほのかの年齢を考えると、はなちゃんとは大して変わらないんです。なのでちょっと上のお姉さんという気持ちで接しています。それはシリーズが15年続いた賜物なんだなってありがたく受け止めつつ、気持ち的には同世代という思いでやらせてもらっています。


――劇場版のストーリーを、最初に知ったときの感想を教えてください。

本名 プリキュアが想い出を奪われて小さくなるというのが衝撃的でした。それから、敵であるミデンがとにかく切ないんですね。ミデンに寄り添ってあげたいなという思いも湧いてきましたし、ミデンを励ますプリキュアの姿を観た子どもたちが、「明日から、頑張ってみようかな」と元気になってもらえたらいいなと思いました。あとミデンのような、使われていない何かを大切にしようという、やさしい心が芽生えたらいいなと。

引坂 私もシナリオを読んだときは感動して涙がポロポロとこぼれてしまいました。想い出を奪われる側もつらいし、想い出を奪っているミデンもつらいなと。私は、どうしてもミデンを敵だとか悪い子だとはどうしても思えなくて。

プリキュア

緊張を乗り越えて夢の共演を果たす

――本名さんは、アニメとしてはなぎさを演じるのは久々になりますね。

本名 そうですね。ゲームなどでアフレコをする機会があったので、比較的なぎさとは距離が近くて、改めて演じるとなっても戸惑いはありませんでした。ただ、やっぱり『オールスターズ』に出演できるというのは感慨深くて。最初の『映画 ふたりはプリキュア Max Heart』って、女児アニメで初めて1本立てで公開されたものだったんです。だから、劇場版には並々ならぬ思い入れもありましたし、今回はタイトルに『ふたりはプリキュア』とまで入れていただけて、本当にすごいことなんだなと感じました。

――かなりファンの方などから反響がありましたか?

本名 当時観てくれていた子たちで、今それこそ20歳くらいになっている子たちからの反響がすごかったです。その反響に触れて、大事な子ども時代を『プリキュア』で過ごしてくれた子たちが、成人して新たな一歩を踏み出すときにこの映画ができるんだ……ってさらに感激しました。今、3歳の娘は『HUGっと!プリキュア』に夢中なんですよ。

引坂 ありがとうございます! 大人から子どもまで、幅広い世代の皆さんに応援して頂けて、感謝の気持ちでいっぱいです。

――劇場版では、なぎさ/キュアブラックにどんな魅力を感じましたか?

本名 なぎさは、すごくおっちょこちょいなところもある子なんです。でも、はなちゃんに最後にかける「あーあ無茶しちゃって」っていう言葉を聞いたときは、改めて好きだなぁと思いました。文字だけ見るとちょっと強い言葉ですが、愛があるんです。はなちゃんとの距離がすごく近づいているからこそ言える言葉になったんだなと感じて、そこではなぎさがお姉さんに見えて素敵でした。あと、ほのかとの絆を深く再確認できて、ふたりの絆が揺るぎないものだというのがわかったこともうれしかったです。

引坂 きっと、はなちゃんひとりだったらパニックになっていたと思うんです。キュアブラックが安心感を与えてくれました。

――はな/キュアエールの劇場版ならではの魅力は?

引坂 アフレコの段階では、まだはなの過去もくわしくはわからず、元気いっぱいで、どんどん突き進んでいくようなイメージが強かったんです。でも、映画の中のはなちゃんは少し大人びている印象があったので、想像を膨らませながら、そのときできるかぎりのはなちゃんを演じさせていただきました。今は、過去もわかって、少しずつ成長してきて、大人びた部分がリンクしてきているなと感じていますし、そこが魅力的なのかなと。「自分がやらなきゃ」ってひとりで思いがちなはなちゃんが、みんなからパワーをもらって頑張る姿も描かれていて、そういう『HUGっと!プリキュア』本編とリンクするところも、素敵だなと思いました。

本名 はなは天真爛漫に見えて、ちょっと負の部分もあるというのが、なぎさと違うところだなと感じていました。転校してきて、頑張ってお友達を作っていく姿を観て、背中を押された人もたくさんいると思うんです。それがとにかく魅力的でした。ビジュアル的にもすごくかわいいですよね。眉毛が見えているところがチャーミングで、理絵ちゃんのチャーミングさにも通じるものがあって。映画のアフレコを経て、この間TVのアフレコで会ったときは、すごく驚きました。後ろ姿もはなちゃんに見えるくらい頼もしくなっていて、きっと私の知らないところでいろいろなことを乗り越えてきたんだろうなと感じましたね。

引坂 成長していくはなちゃんに追いつかなきゃっていう焦りがあったので、そう言っていただけると、私も成長できているんだなと思えて、すごくうれしいです!

――劇場版のアフレコで印象に残っていることはありますか?

本名 『HUGっと!プリキュア』チームは、TVシリーズの収録が始まったばかりで、5人の合わせセリフのときは、すごく緊張していましたね。

引坂 とくに私はガチガチでした(笑)。

本名 心臓の音が聞こえてきそうなくらいの緊張感だったので、とにかく心をほぐしてあげたいなと思っていました。私たちがやっていたときと、理絵ちゃんが背負っているものは全然違うと思うけど、初めての不安や緊張はすごくわかるので、心のなかで「理絵ちゃん頑張れ~!」って、ずっとエールを贈っていました。

引坂 本名さんと(キュアホワイト役の)ゆかなさんは、顔を見たり息を合わせたりしようとしなくても、声が合っていてもうとにかく、それがすごく衝撃でした。

――おふたりが思う、今作の見どころを教えてください。

本名 なぎさとほのかのシーンは「絆が深いな」って感じました。「ほのかがいないとダメだから!」って、小さくなったほのかに直接伝えるシーンがあるんです。「ほのかのこと大好きだから!」「ほのかが忘れても、私は全部覚えてるから!」「私の一番大事な人を返して!」って言う言葉のひとつひとつに、ほのかと築いてきたつながりの深さを感じました。心のなかで泣きながら、全身全霊で演じましたので、ぜひ注目してほしいです。あとは、ミデンの演じ分けでしょうか。ミデンを演じる宮野真守さんは、たくさんのプリキュアの口グセをマネるんです。その演じ方がすばらしい。あとは、エンディングのダンスは破壊力満点です。

引坂 はなちゃんが「私のなりたい野乃はなじゃない!」って言ったときに成長したんだなと感じましたし、そこから立ち上がって戦いに行く姿は、みなさんにぜひ観ていただきたいです! あと、『HUGっと!プリキュア』のみんなも小さくなっちゃうんですが、とにかくそれぞれが個性的で。さあやは泣き方が激しいし、ほまれはめちゃくちゃキュートだし、ルールーは……劇場でのひとつのお楽しみにしてもらえたら。なかでも最強だったのは、えみるの泣き声ですね。とにかくすごいです。はぐたんがしっかり者に見えてくるくらいでした(笑)。

本名 えみるは1歳になるから、はぐたんのほうが年上になっちゃうんだよね。

引坂 不思議な感覚でした。それから、離れてみて改めて、はなちゃんは4人がいたからこそ頑張れたんだなと感じました。ベビープリキュアは、わがままし放題だったけれど、最後にはみんなが、はなちゃんを応援してくれるんです。その応援で、はなちゃんはもう一度頑張れた。『HUGっと!プリキュア』らしさがあるなと感じました。

プリキュア
固定観念を外してきた『プリキュア』という作品

――『プリキュア』というシリーズが15年にわたって愛されてきたのは、どんなところがポイントだったと思いますか?

本名 固定観念を覆してきたところじゃないでしょうか。女の子といえばピンクと思われがちなところを、『ふたりはプリキュア』では黒と白でしたからね。アクションものという点もそうでした。じつは当時、もっとウエストがくびれていたほうがいい、とかいろいろ言われたらしいんです。でも、等身大の中学生って、そんなにくびれなんてないんですよ。しかもなぎさはラクロス部のエースだから、腹筋がたくましい。そういうところは「女児アニメっぽくない」とよくいわれていました。でも、1話の放送から子どもたちが受け入れてくれて、おもちゃも売り切れてしまって。女の子だって暴れたいし、女の子でもブルーやイエローが好きな子もいる。そういう多様性を大切にして、あえて言葉にしなくともきちんと描いていました。それが伝わってうれしかったです。

引坂 『HUGっと!プリキュア』も、世間の固定観念をかなり外していっている作品だなと思います。だから、今本名さんのお話を聞いて、やっぱり『プリキュア』の根底にあるものは変わらないし、ずっとつながってきているんだなと感じました。

――おふたりにとって「プリキュア」とはどんなものですか?

本名 自分のなかにつねに生き続けている存在です。私のなかにはなぎさとキュアブラックがずっと存在していて、演じるというよりも、もはや自分みたいな感じでなんですね。私もそろそろ40歳を迎えるんですが、今でも新しいことに取り組むときなどは、中学3年生のなぎさと対話をします。なぎさが、後押しをしてくれるんですよ。私にも「なぎさみたいになりたい」という思いがずっとあるんですね。1年目の8話までは、とにかく苦しくてたまらなくて、どこが出口かわからないトンネルにいるような日々を過ごしていました。毎週のスタジオに入るのが怖かったのに、8話でなぎさがシンクロしてきてくれて。『HUGっと!プリキュア』でも流していただきましたが、それを観て改めて、かけがえのない存在なんだなと再認識しました。

引坂 私にとっては、すでに宝物になっています。いろいろな偶然が重なってはなちゃんに出会えたので、運命を感じています。最初は分からないことだらけだったのですが、はなちゃんをはじめ、みんなに支えられて、今はプリキュアも現場も家族みたいだなって思っています。それが私にとってのプリキュアです。

――では最後に、アニメディア読者へメッセージをお願いします。

本名 『プリキュア』を応援してくださっているみなさま、本当にありがとうございます。今回は、史上最多の55人が登場します。『プリキュア』も、こんな大所帯になっちゃいました。こうやって続いている奇跡が、また次の新たな何かになればいいなと願っています。今、観てくださっている小さなお友達も、大きくなったお友達も、当時から大きかったお友達も(笑)、みんなで何度でも楽しんで観ていただけるような、力強く、やさしく、あたたかい作品です。また、これからもよろしくお願いします。

引坂 『HUGっと!プリキュア』としては集大成になる映画ですし『ふたりはプリキュア』から『HUGっと!プリキュア』までの作品が、作中でバトンをつないでいます。歴代プリキュアの共演は、今まで応援してくださった方々にとってすごく楽しい部分だろうなと思いますし、過去のプリキュアを観たことがない子どもたちにとっては、元気を与えてくれるプリキュアがたくさんいるということを知ってもらう機会でもあると思います。そして、『HUGっと!プリキュア』としては、みんなのおちゃめに楽しそうな姿も観ることができます。とにかく、間違いなく面白い作品になりましたので、お子さんにも大人のみなさんにも、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

プリキュア

取材・文/アイプランニング

プロフィール
【ひきさか・りえ】9月11日生まれ。鹿児島県出身。ステイラック所属。
【ほんな・ようこ】1月7日生まれ。埼玉県出身。リマックス所属。

 

〈『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』情報〉
公開中 

◆声の出演
引坂理絵 本泉莉奈 小倉 唯 田村奈央 田村ゆかり 多田このみ 野田順子 本名陽子 ゆかな
田中理恵 
樹元オリエ 榎本温子 
三瓶由布子 竹内順子 伊瀬茉莉也 永野 愛 前田 愛 仙台エリ 
沖 佳苗 喜多村英梨 中川亜紀子 小松由佳 
水樹奈々 水沢史絵 桑島法子 久川 綾 
小清水亜美 折笠富美子 豊口めぐみ 大久保瑠美 
福圓美里 田野アサミ 金元寿子 井上麻里奈 西村ちなみ
生天目仁美 寿 美菜子 渕上 舞 宮本佳那子 釘宮理恵
中島 愛 潘 めぐみ 北川里奈 戸松 遥
嶋村 侑 浅野真澄 山村 響 沢城みゆき
高橋李依 堀江由衣 早見沙織
美山加恋 福原 遥 村中 知 藤田 咲 森 なな子 水瀬いのり 
関 智一 矢島晶子

ゲスト声優 山本美月 宮野真守

『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』公式サイト
http://www.precure-movie.com/

©2018 映画HUGっと!プリキュア製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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