『最終兵器彼女』Blu-ray発売記念イベントに原作者の高橋しん・シュウジ役の石母田史朗・ちせ役の折笠富美子らが登壇 – 「ひとつの希望が存在するという想いで描いた」 | 超!アニメディア

『最終兵器彼女』Blu-ray発売記念イベントに原作者の高橋しん・シュウジ役の石母田史朗・ちせ役の折笠富美子らが登壇 – 「ひとつの希望が存在するという想いで描いた」

TV放送から16年の時を越え待望のコンプリートBlu-rayが発売になった『最終兵器彼女』。そのBlu-ray発売を記念したトークイベントが2018年12月23日に東京都内で行われた。当日は事前に発表されていた原作者の …

ニュース
注目記事
DSC_0421re
  • DSC_0421re
  • 最終兵器彼女
  • 最終兵器彼女

 TV放送から16年の時を越え待望のコンプリートBlu-rayが発売になった『最終兵器彼女』。そのBlu-ray発売を記念したトークイベントが2018年12月23日に東京都内で行われた。当日は事前に発表されていた原作者の高橋しん先生、シュウジ役・石母田史朗さんに加えて、ちせ役の折笠富美子さん、監督の加瀬充子さん、プロデューサーの月野正志さん、音楽プロデューサーの安藤岳さんがサプライズで出演。16年もの時が経った今でもこれだけのスタッフ・キャスト陣が集まる、その熱意を感じるイベントとなった。なお、本イベントの司会はニッポン放送・アナウンサーの吉田尚記さんが務めた。

 最終兵器彼女

この世の中にはひとつの希望が存在するのでは

 イベントがスタートすると、アニメEDテーマ曲「サヨナラ」に併せて原作者の高橋先生、石母田さんが登壇。それぞれイベントに応募してくださった方々への感謝を述べつつ、挨拶を行った。挨拶の後、事前に募集していた質問を元にトークを展開。作品に登場する旭展望台について、明言されていないものの、なぜ小樽という場所にしたのか、という質問が寄せられると高橋先生は「結婚する前に嫁さんに連れて行ってもらった場所。この作品を考えているときにふと思い出した。(小樽は)札幌から少し離れた場所で、シュウジとちせが暮らしているところとして個人的にリアリティを感じた」とコメント。これに対して石母田さんは「先生の遠距離恋愛の話は初耳!」と驚いた様子であった。

 また、吉田アナウンサーから「この作品は悲劇なのかどうか」という質問が投げかけられると、高橋先生は「自分自身では悲劇とはとらえていない」と回答。続けて、「作中で色々な人が亡くなるので必ずしも幸せな物語を描いたつもりはない。ただ、ひとつの希望がこの世の中には存在するのでは、そういう意味合いで描いていた」と語った。また、石母田さんは、本作を一言で言い表すとすれば「きゅんとする」と悩みながらもコメント。20代の頃に原作に触れたが、ちせに対するシュウジの感覚に違和感はなかったと続けた。

 事前アンケートでは、結婚しているにも関わらず、事あるごとに過去に関係をもったことがあるシュウジを誘惑するふゆみ先輩についての感想も寄せられる。その内容は当時、全くふゆみ先輩に感情移入できなかったが、いま読むと大人の足掻きみたいなものを感じてとても魅力的でした、というもの。

 これに対して高橋先生は「本当にふゆみ先輩は嫌われていてかわいそうでした」と少し笑いを誘いつつも「自分のなかではふゆみ先輩はこういう存在。人は一部分・側面しか人を見ることができない、シュウジから見た側面は部活の先輩・後輩のようなもの。近いようで遠いような、その延長戦でしかないところを感じてもらえればと描いていた」と回答。併せて「シュウジも嫌われていた」と当時のエピソードについて振り返る。その理由として、「ちせという存在を皆さんが大事にしてくれて、もうちょっとどうにかできるだろうという意見があった」と言葉にした。

 高橋先生は、その後、「例え主人公が嫌われているからどうにかしたほうがよい」と編集部から言われても変えるつもりはなかったと断言。「最後にいきつくところだけ決めて、あとはシュウジという人間はこういうことがあったらこう動く、固まってしまう、というのを自然に任せて描かせていただいた」と理由を述べたのち、「最後に両親の元へとかけつけて別れを告げるシーンでシュウジのことを好きになったと読者さんから言葉をいただけた。この言葉で、たどり着いたんだなと思えて嬉しかった」と素直な気持ちを言葉にした。

 話は「最後にいきつくところを決めていた」というところから、ちせたちの運命は最初から決めていたのか、という話題に。高橋先生は導入のインパクトがありすぎるので、最後まで描かないと編集担当さんに伝わらないと思ったとコメント。その場でDropboxに保存されていた当時のプロットを吉田アナウンサーが代読しつつ披露し、駆け付けた方々を驚かせた。

明かされるキャスティング秘話

 話題が尽きないなか、ここでサプライズゲストとして、ちせ役の折笠さんが登壇。挨拶と併せて、「この作品に関わらせてもらってからちせのスイッチが入っている。『最終兵器彼女』と聞くだけでうるうるする」と作品への思い入れについて言葉にした。

 折笠さんは場面展開が激しく、置かれている状況も複雑なちせとどのように接していた?という質問に、「あまりにも壮大すぎて、私がやるんですかと感じていた」と当時の戸惑いについて語りつつ、「音響監督さんがワンシーン、ワンシーン丁寧に録ってくださった。時間もかかったが、自分のすべてを詰め込んだ」と感慨深そうにコメントした。

 キャストに関するトークが展開されたところで、加瀬監督、月野プロデューサーがトークに参加。石母田さんがアニメのアフレコが初挑戦だったため、アフレコが始まる前に特訓をしていたこと、それを折笠さんが手伝ってくれたこと、役者の声に併せて絵をつけていたことなどのエピソードを矢継ぎ早に話した。また、石母田さんをキャスティングした経緯については、加瀬監督が「オーディション予定日の一日前に来た。インパクトが強かった」とコメント。併せて、技術的にはほかにも上手な方がいらっしゃったが、度胸があって、“しゅうちゃん”感が強かったという、決め手についても言葉にした。

 その後、トークは方言についてへと移行。北海道弁を巧みに使っていた折笠さんは当時、りえ役で出演していた北海道出身の今野宏美さんがMDに方言を吹き込んでくれて、それを元に練習したというエピソードを披露。また、日曜日に北海道弁などをひたすら覚えて月曜日のアフレコに臨んでいたため、その後に受けた取材などはテンション低めだったかも、といった思い出も語った。

 ここで、音楽まわりを担当していた安藤プロデューサーもトークに合流。OP・EDテーマ曲を担当した谷戸由李亜さんは当時、高校2年生でアマチュアだったこと、それがちせの姿と少し重なっていると感じたこと、実際に歌を聞いてみて「この人しかいない」と思い強引にデビューしてもらったといった、裏話を語った。

 トークだけでも十二分に満足できるイベントだったが、ここで、高橋先生から『最終兵器彼女』の原画を名前とサイン付きで来場者へプレゼントするという豪華すぎるクリスマスプレゼントが。受け取った来場者は先生へさまざまな感謝の言葉を述べていた。予定されていた時間を超過するほど盛り上がった本イベントも終了の時間。最後は石母田さん、折笠さん、高橋先生がイベントを開催できたことへの感謝を言葉にして、イベントの幕は閉じた。

『最終兵器彼女』コンプリート Blu-ray BOX(初回生産限定)情報
【発売日
】2018年9月12日(水)

【収録内容】
・TVシリーズ「最終兵器彼女」(全13話)
・OVA(全2話)「最終兵器彼女 Another love song MISSION.1」
「最終兵器彼女 Another love song MISSION.2<完>」
<DISC編成>
DISC1:第1話―第7話
DISC2:第8話―第13話<完>
DISC3:「最終兵器彼女 Another love song MISSION.1」
「最終兵器彼女 Another love song MISSION.2<完>」

【スペック】
映像特典※2002年11月-2003年3月発売のTVシリーズDVDと2005年8月-9月に発売されたOVAのDVDに収録されたものを再収録
DISC1
◆スペシャル対談 石母田史朗 vs 折笠富美子
◆スペシャル対談 三木眞一郎 vs 伊藤美紀
◆スペシャル対談 白鳥 哲 vs 杉本ゆう
◆ノンクレジット オープニング
◆ノンクレジット エンディング
DISC2
◆加瀬充子監督 & 月野正志プロデューサーインタビュー
◆原作者:高橋しんインタビュー
◆ファンイベント in 東京ダイジェスト
◆ファミリー劇場 TVスポット集
◆CBC TVスポット
◆「地球(ほし)の果て」TVスポット
◆ゲームオープニング
◆「サヨナラ」カラオケ
DISC3
◆インタビュー
ちせ役:折笠富美子
ミズキ役:折笠愛
テツ役:三木眞一郎
原作:高橋しん
主題歌:麻倉あきら
脚本:江良至
監督:加瀬充子
◆完成披露試写会
◆MISSION.2予告
◆プロモーション映像
◆TV‐CM
※映像特典はすべてリニアPCM(ステレオ)での収録となります。

【音声特典】
DISC3
◆オーディオドラマ 最後の夏祭り

【封入特典】
◆TVシリーズ最終兵器彼女SHE, THE ULTIMATE WEAPON音楽集CD現在廃盤になっているTVシリーズ関連の音楽CDを再編成して制作(ユニバーサルミュージック/レディオソニック)※最終兵器彼女Original Soundtrack Image Album 全曲収録※「恋スル気持チ」「夢見るために」「サヨナラ」フルバージョン収録※「体温」(11話挿入歌)収録※「地球の果て-Vocal Version」(Vocal:ちせ・折笠富美子)収録※「サヨナラ」「恋スル気持チ」「夢見るために」の公式HP BGM Versionを収録
◆OVA最終兵器彼女 Another love song音楽集CD現在入手困難になっているOVA関連の音楽CDを再編成して制作※OVA最終兵器彼女オリジナルサウンドトラック全曲収録
※「真夜中の虹」フルバージョン収録
※「hikari」「あなただけ描いて」を収録
◆特製ブックレット(20P)
※原作者:高橋しん、監督:加瀬充子、キャスト:石母田史朗&折笠富美子による座談会を掲載
※2002年11月-2003年3月発売のDVDの解説書に掲載された脚本:江良至執筆の「江良至のサイカノ日記VOL.1-5」を再掲載

●高橋しん新規描き下ろしスリーブ付き

【備考】
・本編映像は、SD素材を元にアップコンバートし最新のHD化作業を行ったものです。
・今作品では、キュー・テックの「FORS MASTER PROSESS」テクノロジーを使用し、高画質アップコンバート、及び高品位な音声エンコードに対応いたしました。コンポーネントデジタル機器による最高のクオリティで映像化を行っております。
・MISSION.1のみ敵兵翻訳字幕が選択できます。

【発売元】東映ビデオ・東北新社

【販売元】東映

最終兵器彼女

(C)高橋しん/小学館・東映ビデオ・東北新社・CBCテレビ
(C)2005高橋しん/小学館・

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

特集