■恥ずかしいけどうれしい! お互いの声と芝居の印象は?

――アフレコ現場はどのような雰囲気なのでしょうか?
石川:ファイちゃんがお菓子をたくさん持ってきて、皆に配ってくれました(笑)。
上田:そうでしたね(笑)。
石川:あと、ハンドクリームもプレゼントしていただいて。香りがいろいろあって、「どれがいい?」と聞かれて悩んでいたら、「じゃあ私の印象で選ぶね!」とそれぞれに合う香りを選んでくれました(笑)。
――本当に美胡のような存在なんですね。
上田:その通りです! 美胡と同じく、ファイちゃんも現場を明るく照らしてくれています。
――ちなみに、ファイルーズさんがイメージする2人の香りはどのようなものだったのでしょうか?
石川:なんだったかな? 名前が思い出せないけど、「すごく周りを見てくれていると思うから!」と言って、選んでくれた記憶があります。うえしゃまは覚えてる?
上田:私も名前が思い出せないのですが、ペガサス柄のパッケージで、その絵柄も含めて「麗奈ちゃんのイメージはこれ!」と言って選んでくれました。「ピュア」とか「純粋」といった言葉と一緒に渡してくれた記憶が……。
――その意味合いだけでも、ピッタリな香りだと思います! せっかくの対談なので「イメージ」繋がりで、お互いのお芝居、または声の印象・イメージを聞かせていただけますか?
上田:声の印象としては、清涼感がありつつ、ミルキーな要素もあって、独特な響きを持っているイメージです。その独特な響きが汐莉のミステリアスな“ひとならざる部分”にとてもマッチしていると思いました。
お芝居に関しては、真っすぐに言葉と気持ちを掛けてくれる印象が強いです。そこが汐莉の真っすぐさと重なって、キャラクター像がより魅力的になっているんですよね。汐莉は人魚で、人間よりも長く生きているからこその異質感を持っています。けれど、作中ではちゃんと心を動かす様子も見られて、人間っぽいところも持ち合わせているんですよね。そのバランスを表現するのはとても難しいと思うのですが、由依さんは絶妙なバランスで汐莉らしい形にしていました。それが「汐莉ってこういう子だよ」とちゃんと視聴者にわかりやすく伝わる表現になっていました。
石川:は、恥ずかしい~(笑)! でも、とってもうれしいです。ありがとうございます。
――そんな石川さんはいかがでしょうか。
石川:うえしゃまの声は柔らかくて、とろけてしまいそう。そのなかに切なさと悲しみが滲んでいるような気がして、いろんな感情が伝わってくるような声だと思います。私は聞いていると、情緒がすごく揺れちゃう。だからこそ、この作品にピッタリだと思いました。
この作品は仄暗さが根底にあって、見ていると暗くなっていきそうなのですが、うえしゃまの声によって柔らかい印象に。でも、どこか触れると壊れてしまいそうな脆さもあって……。声もですが、お芝居もその脆さを孕んでいると思っています。
うえしゃまのお芝居は「こぼれ落ちそう」。だからスッと人の心に入って来て、グッと掴んで離してくれない。比名子のような抑えた芝居って、出す芝居よりもエネルギーを使うんですよね。溜め込むものも大きいし、集中力も必要になってきます。その小さいコントロールを見事に表現しているのに、うえしゃまはなんだかナチュラル。簡単そうに見えて、すごく難しいことをやっているのが本当にすごいと思います。
上田:(両手で顔を隠して)由依さんの気持ちがわかりました。すごく恥ずかしい(笑)!
――聞いていながら、「うんうん」と頷くことが止められませんでした。貴重なお話をありがとうございました!

<放送情報>
2025年10月2日より好評放送中 AT-X:毎週木曜22:30~ 【リピート放送】毎週月曜10:30~/毎週水曜16:30~ TOKYO MX:毎週木曜23:30~ サンテレビ:毎週木曜24:00~ B S 日テレ:毎週木曜25:00~ 愛媛朝日テレビ:毎週金曜25:50~
<配信情報>
ABEMA・dアニメストア:毎週木曜23:30~ PrimeVideoほか その他サイト:毎週火曜23:30~
※詳細は各サイトをご確認ください
<キャスト>
八百歳比名子:上田麗奈 近江汐莉:石川由依 社 美胡:ファイルーズあい
<スタッフ>
総監督:葛谷直行/監督:鈴木裕輔/シリーズ構成/脚本:広田光毅/キャラクターデザイン:郁山 想/ 色彩設計:水野多恵子/美術監督:工藤義隆/撮影監督:武原健二/ 3DCG:志田じしろ/編集:瀧川三智/ 音響監督:納谷僚介/音響効果:斎藤みち代/音楽:井内啓二/アニメーションプロデューサー:高木秀仁/ プロデュース:インフィニット/アニメーション制作:スタジオリングス
(C)2024 苗川采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会












