中国でも根強い人気を誇る『機動戦士ガンダム』。全世界のガンプラファンに向けた公式ガンプラ総合施設・ガンダムベースは、日本では東京、福岡、新千歳空港など全国で展開。
2018年8月に中国大陸部に初進出し、2021年4月には上海2号店もオープンした。その後、北京市、蘇州市など毎年1~2店舗のペースで出店していた。
2025年に入り、重慶、広州、杭州、武漢、合肥、西安と続けて6店舗の新規出店を実現した。さらに、今年11月には長沙、福州、瀋陽の3都市にも新たに3店舗をオープンさせる予定である。過去数年に比べ、今年の中国大陸部へのガンダムベース展開スピードは明らかに加速している。

ガンダムシリーズのアニメは2000年頃に中国大陸部に進出した。2019年7月から『機動戦士ガンダムNT』の劇場公開が開始されたことで、ガンダムシリーズアニメが中国国内に広がっていった。
ガンダムはバンダイナムコのコアIPのひとつであり、同社の決算報告書によると、2024年度において売上高が上位3位のIPはそれぞれ、『ガンダム』、『ドラゴンボール』、『ワンピース』だった。
ガンダムIPから派生したガンプラは、今年で誕生45周年を迎え、今まで世界累計出荷個数が8億個を突破した。市場の実績を見ると、バンダイナムコの中国大陸部におけるガンダムIPの総売上高は約10億元(約213億円)に達し、過去5年間で約2.4倍に成長している。
中国のガンダムベースの店内レイアウトは日本と似ている。透明の展示ケースには完成済みのガンプラが展示されており、お客さんは完成品の仕上がりを直接確認することができる。また、店内には多くの「ガンダムベース限定商品」が展開され、一般のアニメショップで販売されているガンプラとの差別化が図られている。
ガンダムベースの限定商品は、通常のガンプラと比べ、華やかなデザインが特徴である。例えば、限定商品では透明パーツやメタリックカラーがより多く使用されている傾向がある。




中国ではガンプラファンの多くがネットショッピングを通しガンプラを購入している。実店舗の価格はネット店舗よりも割高な場合が多いためだ。だが、ガンダムベースでしか購入できない限定商品もあり、ガンダムベースへ足を運ぶファンも数多くいる。
もう一点注目すべきのは、今まで中国市場で販売されていたガンプラのパッケージは、日本国内で販売されているものと全く同じ日本語版だったが、今年からバンダイナムコは中国市場向けに、新しいデザインの中国語版パッケージを導入した。
この施策により、より多くの人がガンプラに注目するようになり、バンダイナムコの今後の戦略において、中国市場への注力を一層強めていく姿勢が明確に示されている。


 
       
       
    






