中森明菜がVTuberに!?「少しですが歌います」『あらいぐま カルカル団』で約30年ぶりにアニメ出演【インタビュー】 | 超!アニメディア

中森明菜がVTuberに!?「少しですが歌います」『あらいぐま カルカル団』で約30年ぶりにアニメ出演【インタビュー】

1977年の名作アニメ『あらいぐまラスカル』から飛び出した、約1分間のスピンオフアニメ『あらいぐま カルカル団』。その作品にレジェンド歌姫の中森明菜さんが声優として参加。しかもその役どころは国民的VTuberのあらいぐま!中森さんが語る、待望のアニメ出演にかける意…

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中森明菜とラスカル/『あらいぐま カルカル団』インタビュー
  • 中森明菜とラスカル/『あらいぐま カルカル団』インタビュー
  • 中森明菜とラスカル/『あらいぐま カルカル団』インタビュー
  • ボーカル(中森明菜が演じるキャラクター)
  • 『あらいぐま カルカル団』(C)「あらいぐま カルカル団」製作委員会

榎木淳弥さん、八代拓さん、小野賢章さん、阿座上洋平さん、そして津田健次郎さんが「秘密結社カルカル団」の社員となり、業績に追われつつ世界征服をめざすショートアニメ『あらいぐま カルカル団』。第1話は未完成の動画にコメンタリーをつけたような“攻めた”エピソードとなっており、約1分という短い放送時間ながら、まさに“爪痕”を残すコメディ作品となっています。

キャラクターも個性派揃いで、純粋無垢な新人「アカカル」を榎木淳弥さん、意識高い系の先輩「ロジカル」を八代拓さん、サブカル好きの「サブカル」を小野賢章さん、脳筋で漢気がある「コミカル」を阿座上洋平さん、イケオジ支部長の「ミドル」を津田健次郎さんが演じており、つねにエンジン全開な各エピソードが見どころです。

そんな個性際立つ作品に、なんと中森明菜さんがゲストキャラクターの声優として参加することが決定! しかも国民的な“VTuberあらいぐま”という驚きの役どころです。はたしてどのような経緯で出演が決まったのか?中森明菜さんがどのような役作りをしたのか? そのあたりの事情を本人にうかがうとともに、昔懐かしい『世界名作劇場』シリーズも少しだけ振り返りたいと思います。

◆緊張した面持ちで「迷惑をかけないか心配です」

「演じるキャラクターがピンク色でしたし、とてもかわいいかったのでうれしかったですね。若い皆さんもこういったキャラクターがお好きかと思います。例えば“推しのキャラクター”の小さなぬいぐるみをカバンにつけたり、車のルームミラーにつけたりして愛してくださる、そういうタイプの子なのかなと思いました」

オファーの感想を記者たちに尋ねられ、やや緊張した面持ちながら楽しそうに笑みを浮かべていた中森明菜さん。収録の際には榎木淳弥さんや津田健次郎さんら出演陣も着用するというカルカル団のジャージを羽織り、デビュー43年の貫録をうかがわせつつも、テレビ画面の雰囲気そのままの穏やかな物腰で記者たちの質問に答えます。

そんな中森さんが今回担当するのは、「キュートなルックスと歌声でファンを魅了するアイドルキャラクター」という清瀬市出身の国民的VTuber「ボーカル」。東京都清瀬市は中森明菜さんが育った地元であり、VTuberという流行のカテゴリでありつつも親近感のある設定となっています。番組側が用意し、中森明菜さんが今まさに着用している特製ジャージも随所に装飾が追加された特別仕様でした。

1992年公開のアニメ映画『走れメロス』で、メロスの親友の恋人「ライサ」を演じて以来、2度目のアニメ声優オファーとなる中森明菜さん。オファーを請けようと思ったのは、子育て世代に対する想いもあったようです。

「お子さんがいると、どのご家庭でも子ども優先になるかと思います。子どもに生活を合わせてアニメを見たときに、私が出てきて、子育て世代の方々に少しでも面白いと感じていただけたなら、子ども中心の生活がさらに楽しくなるかと思い、ぜひお願いしますとお請けしました。

また、中森さんご自身もアニメ好きとのこと。役作りについてもコメントしています。

もともと小さな頃から子どもたちと遊ぶのが大好きで、小学校や中学校時代は、友達と遊ぶよりも近所の子どもたちの面倒を見ることが多かったんです。子どもがどうしたら喜んでもらえるかは心得ていますから、役作りに際しては、そのときのことを思い出しながらキャラクターの内面を掘り下げました」

番組プロデューサーの中田博也さんは中森明菜さんにオファーした理由について以下のように語ります。

「『あらいぐま カルカル団』は、『あらいぐまラスカル』のスピンオフではあるものの、ストーリーはオリジナルのコメディ。本編1分、エンディング30秒というとても短いショートアニメです。
毎話、どういう驚きを作れるかを追求する中で、現代を象徴するVTuberというキャラクターを、昭和を代表するアイドルの中森明菜さんに演じて頂きたいと考えました。
カッコよくて、歌声もミステリアスな中森さんに、キュートなぶりっ子VTuber役を演じて頂けたら、驚きをつくれますし、面白いのではないかと考え、オファーさせていただきました」

ダメ元でオファーをお願いしたと話す中田さん。しかし、出演が決まる前から中森さんに演じてもらうことを想定したシナリオを作成。中森さんに実際に台本を読んでもらい、出演を快諾いただいたとのことです。

ボーカル(中森明菜が演じるキャラクター)

中森さんと言えば80年代を代表するトップアイドルであり、「飾りじゃないのよ涙は」「DESIRE -情熱-」「少女A」などの名曲で多くのファンの心を揺さぶったレジェンド歌姫です。その一方で「8時だョ!全員集合」や「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」などのバラエティ番組にも多数出演しており、リアルタイム世代でなくてもその幅広い活躍はご存じのはず。

物静かな性格もあり、デビュー当時の16歳としては大人びた印象が強かった中森さん。アニメ・マンガの世界でも大きな影響を与えており、たとえば「週刊少年ジャンプ」の名作『きまぐれオレンジ☆ロード』のヒロイン・鮎川まどかや、『BEASTARS』のジュノなどが中森明菜さんをモチーフにしていました。

「今回、VTuberという役どころではありますが、私、そういったデジタルまわりにはとても疎いんです。YouTubeを拝見したこともまだありませんし、スマートフォンのような個人端末も2年前からようやく持ち始めたくらいです。VTuberという未知の世界は、まるでUFOにでも乗せられたような不思議な気分ですね(笑)。

これからアフレコに挑むのですが、私は早口で喋るのがとても苦手なので、皆さんに迷惑をかけるのではないかと今から汗びっしょりです(笑)。できるなら迷惑がかからないよう、個別に収録していただきたいくらいですね……」

番組プロデューサーによると、緊張しているのは榎木さんら共演者も同じようで、中森さんと共演することを楽しみにしつつも憧れの歌姫を前にソワソワしていたとのこと。アニメ本編では歌声を披露する場面もありますが、「ボーカル」のキャラクターとして歌うため、普段の物静かな歌姫とはまったく異なるデフォルメした歌い方になるそうで注目です。

「子供のころは『世界名作劇場』シリーズと『サザエさん』が大好きでした。でもあの時間は裏で相撲をやっていたので、おじいちゃんやおばあちゃんの家に行くと、そちらにチャンネルを合わされてしまうんです。それでダダをこねたこともありました(笑)」

『世界名作劇場』シリーズといえば昭和の定番アニメ枠のひとつ。『フランダースの犬』『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』など、1970年代から1990年代終わりにかけて合計23作が制作されました。
『あらいぐま カルカル団』の元になったアニメ『あらいぐまラスカル』も1977年に放送されたシリーズ初期作品のひとつ。ラスカルの鳴き声を野沢雅子さんが担当されており、男の子から動物まで演じるその演技の幅の広さが一時期話題になったこともありました。

また『世界名作劇場』シリーズといえばカルピスの一社提供の時代とハウス食品の一社提供の時代があり、カレーやシチューといったおなじみのCMが脳裏に焼き付いている昭和世代も多いはず。フジテレビ系列の日曜19時30分という今はなきキッズ枠の王様として長年君臨しており、その時代のアニメ作品がこうして新たなスピンオフ作品を生み出すことからも、名作ならではの“レジェンド級”のパワーを感じます。

その名作アニメのスピンオフ作に出演することについて、会見の最後に中森さんは以下のようにファンにメッセージを送っていました。

「この4月から『あらいぐま カルカル団』ご覧になっているファンの皆さん、多分これまでもゲストさんがいらっしゃっているかと思いますが、今回は私がお邪魔することになりました。さぞ驚かれているでしょう。皆さんのご期待に沿えるようアフレコに挑みたいと思います。どうかお楽しみに」


「あらいぐま カルカル団」

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
あらいぐまカルカル団 01.アカカル ミニアクリルスタンド
¥990
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

<番組情報>
■あらいぐま カルカル団
■読売テレビ:4月3日(木)より毎週木曜日24:54~24:59
BS日テレ:4月5日(土)より毎週土曜日23:28~23:30
読売テレビ放送後、TVerほか各種プラットホームにて配信
■監督:ヘンリー平川
キャラクターデザイン:吉岡彩乃
音響監督:小泉紀介
音楽:桶狭間ありさ
アニメーション制作:日本アニメーション

(C)「あらいぐま カルカル団」製作委員会

《気賀沢 昌志》
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