声優・長江里加「役者としての新しい引き出しを開けてくれた作品」…『ろうきん8』アフレコ裏話も明かす | 超!アニメディア

声優・長江里加「役者としての新しい引き出しを開けてくれた作品」…『ろうきん8』アフレコ裏話も明かす

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年3月号には、冬アニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』より、山野光波役を演じる長江里加が登場。

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声優・長江里加/(C)FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会
  • 声優・長江里加/(C)FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会
  • 『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』場面写真(C)FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会
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  • 『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』ミツハ・キャラビジュアル(C)FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年3月号には、冬アニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』より、山野光波役を演じる長江里加が登場。

本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

言葉数が多いけれど 早口にはならないように

――『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』(以下『ろうきん8』)という作品の第一印象は?

オーディションを受ける前に原作のコミカライズを読んだのですが、会話のキャッチボールがおもしろい作品だなという印象でした。また、ミツハの視点で物語が描かれ、彼女の考えていることはすべて文字になっており、自分が主人公になれた気持ちで物語に入り込みやすかったです。

――ミツハが手に入れた「こちらの世界」と「異世界」を自由に行き来できる能力については、どう思いますか?

ミツハ自身も言っていますが、まさに「勝ったー!」というくらいすごい能力ですよね。でも、ほかの人が手に入れても上手に使いこなせるかどうかわからない。それを器用に使うミツハは選ばれし者なんだなと感じました。

――ミツハへの最初の印象は?

忖度できる子です(笑)。子供のように見えても、考え方が大人びていて。アニメの冒頭でガラの悪い人たちに絡まれたときも、どうやったらうまく対処できるかを計算せずとも導き出せる。すごくたくましい子です。

――家族を亡くす前から、達観していたのかが気になりますよね。

そうなんです。ひとりで生きていくためにたくましくならざるを得なかったのかもしれませんが、そうだとしても切り替えが早いですよね。順応性が高くて憧れます。

――オーディションではどんなお芝居のアプローチをしましたか?

振り切った演技をしたほうがスタッフの方に爪痕を残せるのではないかと思って、ギャグに振り切ってセリフを読んだんです。そうしたら「やりすぎです」って言われてしまって(笑)。これまで私はギャグアニメに出演することが多く、自分としてもギャグのお芝居が得意ということもあって、やりすぎてしまいました。

――本番のアフレコでは、ギャグは控えめになりましたか?

そうですね。でも、アフレコでもスタッフの方から「ヒロインだからもう少しかわいくして」とディレクションがあって、いつも試行錯誤をしていました。振り切ったほうがいい場面もあるので、メリハリを付けられるように考えていますが、ほかの方から「あまり変わっていないよ」と指摘されることも多いんです。私にとっては役者としての新しい引き出しを開けてくれた作品だなと感じています。

――ミツハは中学生と間違われるほど小柄な子ですが、凄みが感じられる話し方もするそうですね。

そういうシーンのミツハの言葉数が多いので、読むだけでも大変になっちゃって。でも、大変さが声に出てしまうとプロとは言えないので、台本を見なくても言葉が出てくるくらいにセリフを身体に染みこませています。

――演じていて難しいと感じるのは、言葉数の多さですか?

言葉数が多いがゆえに早口になってしまいそうなところと、普通の女の子になってはいけないところですね。ミツハっておもしろいところもあるけれどまじめだし、ひとりで生きていかなければいけないという運命も背負っている。だからこそ深みのある子として演じたいんです。でも作品としては、固くなりすぎず、見てくださる方が楽しいと感じられるものにしたい。複雑な要素が絡み合っているところが、お芝居をするうえで難しいです。

――スタッフの方からの指示で、印象的だったことは?

「早口に聞こえないようにしてください」というディレクションは、一生忘れられないと思います。だって、言葉数に対して尺が絶対にたりないんですよ(笑)。「尺は気にしなくていいよ」とも言ってもらえるのですが、アフレコのあとに「尺からこぼれてるね」とも言われて。そこをビシッと合わせられるのもプロだと思うので、葛藤しながらがんばりました。物語全体としては「どのキャラクターも人生を楽しく生きている感じであってほしい」と言われたことも印象に残っています。

――長江さんが考える、ミツハの一番の魅力といったらどこでしょうか?

自分の意思をちゃんと持っていて、自分より年上の人でもちゃんとまとめられるところです。年上の人にもひるむことなく説得ができるんですね。それから、計画性があり物事に順番をつけて、決めたことはなんでも迷いなくやりこなしていく。肝が据わっているので、じつは人生を何周もしているんじゃないかと思っちゃいます。

――そんなミツハに似ているところはありますか?

物怖じしないタイプなところかな。私も周りの方から肝が据わっていると言われるのですが、どうしてかなと考えたら、先々に起こる出来事を想定しながら行動しているからだと思うんです。きっとミツハもそういうタイプだと思うので、その点は似ていますね。

――ミツハはいろいろな人に懐かれますが、その筆頭と言えるコレットとサビーネの印象を教えてください。

コレットちゃんは、出会ってくれてありがとうと言いたくなる、ミツハの命の恩人です。華奢でかわいいのに怪力というギャップもおもしろいですし、ミツハを大好きでいてくれるところが愛おしい。ひとりで山菜を採ったりマキを割ったりするような、たくましいところも素敵です。サビーネちゃんは、勝手にお城を抜け出すようなお姫様で、じゃじゃ馬感があるけど憎めない。彼女もミツハを好きなのですが、たとえばミツハが何かメモを取っていると、よくわからないけどマネしようとするんですね。ミツハのやることをいちいちマネようとする姿がとくにかわいいなと思います。

――アフレコの思い出は?

ほとんどのキャストの方と1回か2回くらいしかご一緒できなかったんです。でも、毎回新鮮な気持ちでアフレコに臨めました。私が声優になる前から知っていた方や親しくしている声優友達もいて。座長としてしっかりしないと、と思っていたのですが、いろいろな人に会えてアットホームな感覚でアフレコができて楽しかったです。

――物語は第3話まで進んでいますが、なかでも印象的だったことは?

第3話でイリスという伯爵夫人を演じた明坂聡美さんのお芝居です。イリスはとてもパワフルなキャラクターなので、明坂さんがどんなお芝居をするのか楽しみにしていたのですが、アドリブがすごくおもしろかったんです。でも、ご自身はやりすぎたんじゃないかと心配なさっていて、スタッフの方からも「もう少し抑えて」と言われていたのが印象的でした。明坂さんご自身もすごく気合いを入れてアフレコに臨んでいたので、お芝居の楽しさを感じさせてもらえました。

――お兄ちゃん役の福山潤さんもパワフルですよね。

ミツハ役に決まったあと、お兄ちゃんを誰が担当するのかずっと気になっていたんです。福山さんとは『ろうきん8』がはじめましてだったのですが、私が声優になる前から活躍されている方だったので、どんなお芝居をされるのかワクワクしていました。実際のお芝居も、ご本人もとてもおもしろい方で、改めてスターなんだと感じました。

――今後はボーゼス伯爵の後ろ盾を得たミツハが、王都で拠点を作ろうとしていきます。この先の見どころは?

ミツハはライナーという子爵と知り合っていきます。その過程でもいろいろな人と出会うのですが、なかでも子爵邸の料理長・マルセルとのやりとりに注目です。ミツハが料理長としての経験が浅いマルセルに活を入れる凛々しい姿を、見守ってほしいです。マルセル役は、私もすごく仲よしの方で、一緒にお芝居ができるのがうれしくて。別グループで収録の予定だったのですが、一緒のグループでお芝居をできるように調整してもらったんです。一緒に掛け合いができたこともうれしかったですし、そんな和気あいあいとした空気も感じてもらえたらうれしいです。

MegamiにQuestion

Q.自分のチャームポイント

A.がさつなところ(笑)
ときにはがさつな人がいたほうが、すっきりするところもあると思います。

Q.自分のニックネーム

A.リカチマル
声優になってすぐに自分で付けたんですが、顔が丸いから「リカチマル」。「りか」という名前って、意外とあだ名を付けるのが難しいし、ほかの人と被らないようなものを、と考えて「リカチマル」に決めました。

Q.自分の声の特徴

A.ちょっとダミ声
しゃがれているとまではいきませんが、少しダミ声で、あと声の圧が強いです。普段はがんばって抑えているのですが、声をかけられて返事をするときなどにボリュームを間違えちゃうことが多いです(笑)。

Q.自分の性格

A.影響を与えやすい?
どうやら私の感情が、周りに伝染することがあるみたいなんです。私が悲しいと周りもしょんぼりするし、楽しいと周りも楽しんでくれる。影響を与えやすいのかな。

Q.いま、ハマっているものは?

A.料理、ホームデコレーション
生きがいといってもいいくらい、ずっと料理にハマっています。深夜25時にスープを煮込み出すこともあるくらい、私にとってはなくてはならないもので、リフレッシュにもなっています。あとは、ホームデコレーション。壁にウォールシールを貼ったり、季節のアイテムを飾ったりするのが楽しいです。

Q.お金を貯めるのは得意?

A.貯めません!(笑)
得意とか不得意とかではなく、貯めないんです。あるだけ使っちゃいます。でも、不思議なことに、これは自慢でもなんでもないのですが、人生でお金に困ったことはなくて。幼いころは若干貧乏だったのですが、家族が苦労をしている空気を出さないでいてくれたんだろうなといまは感じています。

Q.いま、オススメしたいアイテムは?

A.ウォータサーバ
質のいいお水を定期的に運んでくれて、しかもコストパフォーマンスもいいらしいんです。私は料理をよくするので、おいしいお水でスープを作ったりお米を炊いたりすると、味が違うんですね。お湯もすぐ出るので、唯一飲める芋焼酎のお湯割りを簡単に作れるところも素晴らしいです。

Q.本作のキャッチフレーズ

A.人生は、楽しい
生きているうちはあまりピンときませんが、人生って当たり前だけど一度きりなんですよね。だから、やりたいこと、楽しそうなことは全部挑戦したい。この作品に出会って、人生って奥が深くてこんなふうに楽しく生きたいと思ったので、それが伝わったらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

■Profile
ながえ・りか/9月28日生まれ。埼玉県出身。青二プロダクション所属。主な出演作は、『私に天使が舞い降りた!』シリーズ 星野ひなた役、『マジカパーティ』カンナ役など。

■『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』
毎週土曜日深夜2時よりテレビ朝日ほかにて放映中
18歳で両親と兄を事故で失ってしまった山野光波(ミツハ)。謎の存在から、自分がいまいる「こちらの世界」と「異世界」を行き来できる能力を与えられたミツハは、将来ひとりでも安泰に過ごせるよう、両方の世界を行き来して、異世界で金貨8万枚(20億円)を貯めようと決意する。

(C)FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会


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