「うる星やつら」の旧作を見るなら?~社会人1年目の会社プレゼンで作品への愛を語ったファンが選ぶ名エピソード【5選】~ | 超!アニメディア

「うる星やつら」の旧作を見るなら?~社会人1年目の会社プレゼンで作品への愛を語ったファンが選ぶ名エピソード【5選】~

新作アニメが放送スタートとなり、再び盛り上がりを見せる『うる星やつら』。旧作も見たい!という方におすすめしたいエピソードをご紹介。

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「うる星やつら」の旧作を見るなら?~社会人1年目の会社プレゼンで作品への愛を語ったファンが選ぶ名エピソード【5選】~
  • 「うる星やつら」の旧作を見るなら?~社会人1年目の会社プレゼンで作品への愛を語ったファンが選ぶ名エピソード【5選】~
  • 『うる星やつら オンリー・ユー』©高橋留美子/小学館
  • 『うる星やつら』(C)高橋留美子/小学館

マンガ家・高橋留美子さんのデビュー作『うる星やつら』。地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女・ラムの出会いから始まるラブコメディは、1981年にアニメ化され、約4年半にわたり放送された。30年以上経った今でも色あせることなく、多くの人から愛されている本作は、名作の名にふさわしい作品と言えるだろう。


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■思い出が鮮明に残る、作品との出会い


筆者もそんな名作『うる星やつら』ファンのひとり。原作もアニメもリアルタイムで視聴していた世代ではないが、夏休みの朝にアニメの再放送をやっていたことで作品を知り、社会人1年目のときに劇場作品『うる星やつら オンリー・ユー』をCS放送で見たことで、作品への愛が覚醒した。

当時、教育関係の会社に勤めていた私は、ある日、全社員の前でプレゼンすることに。その前日に『オンリー・ユー』を見た私は、「自分の人生を豊かにしてくれたエンタメを多くの人に知ってもらいたい」と思っていた気持ちを思い出し、なぜかプレゼン中に『うる星やつら』の魅力を語ってしまった。もう後には引けず、「これからは自分の好きを隠さないことにしました」と言葉にしたところ、恐ろしいで有名だった社長が感動し私を称えてくれ、「もっとアニメのこと教えてよ」と言ってくれた。それは今でも大切な思い出であり、今こうやって仕事ができているきっかけのひとつにもなっている。

前置きが長くなってしまったが、私にとってそれくらい『うる星やつら』は思い入れがある作品。今回はそんな筆者が、ぜひ多くの方に見て欲しい『うる星やつら』名エピソード5つを紹介。ひとりの人間を虜にしたアニメ。何がそんなに魅力的なのか、ぜひ知っていただければと!

■笑いあり! 感動あり! もちろん愛も…?


#1「うわさのラムちゃんだっちゃ!」

TVアニメシリーズ第一話で、あたるとラムちゃんの出会いなどが描かれる。改めてこのエピソードを見返して感じたのは、説明がなくても描き方次第で、物語の概要、キャラクターの立ち位置や個性は視聴者に伝わるということ。あたるが女好きであること、幼馴染のしのぶが怪力であることなど説明は特にないが、スッと受け入れられる。むしろあえて説明がないから、作品にのめり込むことができると感じた。コメディ要素も秀逸で、畳の下からマスコミ記者がいきなり登場するなどのシーンでは、思わず「なんでやねん」とツッコミながら視聴してしまった。


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#10「ときめきの聖夜」

『うる星やつら』はラブコメディだと再認識できるエピソード。愛をたくさん持っていて、よくガールハント(ナンパ)しに町へ出かけるあたるにとって、彼が他の女性に声をかけることを阻止しようとするラムちゃんは、ときに面倒な存在。本エピソードでも、最初はラムちゃんを邪険に扱うものの、2人きりになったとき、ふと「ラムってこんなにかわいかったか?」と改めて気が付く。そして、ちょっと照れ臭そうに「ラム……もうちょっと一緒に歩かないか」とあたるが一言。2人は手を繋いで歩き出す。アニメの序盤ではわりと過激なスキンシップを取ろうとするラムちゃんだが、この提案には、大きなリアクションを取ったり、何か特別な愛の言葉をぶつけたりせず、「うん!」と微笑みながら答えるだけ。むしろそれが、最大限の喜びを表しているようにも感じた。


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#44「君去りし後」

「視聴者が選んだもう一度見たいエピソード」で1位に選ばれた名エピソード。ずっとそばにいたラムちゃんが突然いなくなったときに、あたるが何を思うのか。あたるはこのエピソードで、何度も「ラム」と名前を呼ぶが、ニュアンスはそれぞれ少しずつ異なっている。それだけで、彼がラムちゃんに抱いている思いが伝わってくるのだ。また、あたる本人だけでなく、周りが彼とラムちゃんの関係をどう思っているのかも、このエピソードでは描かれている。例えば、あたるの幼馴染であるしのぶ。彼女は、ラムちゃんが置いていった人形を胸ポケットに大切そうに入れているあたるを見て、「私にできることがあれば……」とそっと声をかける。何かを察するが如く。あたるにとってラムちゃんがどれくらいの存在になっているのか。その思いを知ったラムちゃんの様子も含めて、是非多くの人に見ていただきたいエピソード。


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#64「さよならの季節」

メガネ活躍回。メガネは原作にはチラッとしか登場しないモブキャラだったものの、声優を務めた千葉繁さんによるアドリブがアニメ制作スタッフの目に留まり、アニメでは文字通りの意味でサブキャラとして活躍するようになった、と言われている人物。このエピソードではそんなメガネが、あたるからラムちゃんを託され(たと勘違いし)、あたるにご飯を奢ったり、お手製の重モビルスーツで彼を守ろうとしたりする。ミスリードで進んでいくストーリー展開と、メガネの奮闘に思わず笑ってしまうエピソードだ。メガネのようなアニメで輝く存在は、原作のある作品をアニメ化する際のひとつの可能性と言えるかもしれない。


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#157「ダーリンのやさしさが好きだっちゃ…」

『うる星やつら』屈指の感動エピソード。幽霊の望は生前、あたるに憧れていた。そんな彼女を無事に成仏させるために、あたるがデートをすることに。最初こそ幽霊とのデートを拒んでいたあたるだったが、彼女の切ない表情を見るなかで、まだ寒くない時期なのに望が編んだマフラーや編みかけのセーターを着たり、色々な場所でのデートに付き合ったり、彼女の希望通りに腕を組んだりする。そんなあたるのやさしさ、そして、ラストのラムちゃんの言葉に対するあたるの「何言ってんだ、ば~か」の言い方に、ラムちゃんが彼に惹かれ続ける理由が詰まっていると感じた。何度見ても泣ける最高のエピソードだわ、やっぱり(筆者は5回見て、5回泣きました)


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今回挙げたエピソード以外にも、腹を抱えて笑えたり、感動したりと『うる星やつら』の名エピソードは多数。そんな『うる星やつら』の完全新作TVアニメが、2022年10月13日(木)より“ノイタミナ”ほか各局にて放送・配信中。完全新作アニメは、小学館の創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールにわたって放送する予定とのこと。PVを見る限り、……もう、胸が躍って仕方ないよね。またたくさん笑って、たくさん泣くんだろうなぁ。

《M.TOKU》
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