「ケーナは台風の目」『リアデイルの大地にて』幸村恵理インタビュー | 超!アニメディア

「ケーナは台風の目」『リアデイルの大地にて』幸村恵理インタビュー

『リアデイルの大地にて』ケーナを演じる幸村恵理にインタビュー。

ニュース
注目記事
ケーナ役・幸村恵理 (C)2021 Ceez,てんまそ/KADOKAWA/リアデイル製作委員会
  • ケーナ役・幸村恵理 (C)2021 Ceez,てんまそ/KADOKAWA/リアデイル製作委員会
  • 幸村恵理
  • ケーナ (C)2021 Ceez,てんまそ/KADOKAWA/リアデイル製作委員会
  • ケーナ (C)2021 Ceez,てんまそ/KADOKAWA/リアデイル製作委員会

 読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2022年4月号には、『リアデイルの大地にて』ケーナを演じる幸村恵理が登場。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

ケーナは幸せを見つけるのがとてもじょうずな女の子

――『リアデイルの大地にて』という作品の第一印象を教えてください。
 
オーディションを受ける前にコミカライズに触れたのですが、絵柄のかわいさが印象に残りました。その後、ケーナ役が決まってから原作である小説も読みました。ケーナはハイエルフであるために草や木々などの声が聞こえるのですが、小説ではそういったシーンもていねいに描写されていて、想像力が刺激されました。また、ケーナが王都フェルスケイロに向かう際、馬車で森のなかを進んでいくシーンが印象に残っています。自然豊かな世界が感じられて、すごく素敵だなと思いました。

――ケーナというキャラクターには、どんな印象がありましたか?
 
ゲーム世界でのケーナは、喜怒哀楽を全力で出す子で、コロコロと変わる表情が見ていて楽しいなと感じていました。それから、ゲーム世界で起こるすべてを楽しもうとしている感じがするんです。生前、生命維持装置につながれて自由に動けなかったからかもしれませんが、いま動けるようになった自分にとっての幸せを見つけることがじょうずなところも素敵ですし、思ったことが全部表情に出てしまうところもかわいいなと思います。

――そんなケーナを演じる際に大切にしていることは?
 オーディションの台本には、辺境の村にある宿屋の娘・リットちゃんに、お姉さんのように語りかけるようなセリフがありました。原作にも子供が好きなのかなと感じられるシーンがたくさんあったので、声に温かみを持たせることを意識しました。ただ、私はケーナのように親になったこともなく、ケーナがお酒を飲んで体験した二日酔いの経験もありませんでした。自分にとって未体験のことが多かったので、あまり考え込まず、ほかのキャストの方のお芝居を聞いて、それに素直に応えていくことを心がけました。

――ケーナには、ゲーム内で子供がいますが、子供を演じているキャストの方も、皆さん大先輩ですよね。
 そうなんです! なので、とにかく胸を借りる気持ちでアフレコには臨みました。皆さん、私が想像するよりも何十倍も素敵なお芝居をしてくださるんです。つねにそのときの全力で臨んでいましたが、オンエアを見ると、もっともっとがんばりたかったなと思ってしまいます。

――子供たちを叱るシーンもありましたが、演じるときは難しかったですか?
 戸惑いはありました。オーディションの台本にも子供たちを叱るセリフがあったのですが、「どうしよう」って思ってしまいました。アフレコでは、その「どうしよう」が声に出ないように心がけて。でも、柳瀬雄之監督から「もっと思い切り叱っていいよ」とディレクションをもらって、私のことを怒っているときの母を思い出しながら演じました。

――ケーナは魔法の詠唱もたくさんありますよね。
 すごく楽しかったです! 私はもともとゲームが好きで、詳しくは語れませんが黒歴史となるようなことをしてきたんです(笑)。なので、せっかくの機会だと思い、全力で詠唱しました。ケーナは、ほかのキャラクターよりもレベルが高すぎるというチート設定があるのですが、スタッフの方から「もう少し余裕がある感じで」と言われて、そのチートさを実感できた気がします。

――物語が進んで、ケーナのどんなところが魅力的だなと感じていますか?
 イヤなことはイヤと、はっきり言えるところです。彼女はチート能力の持ち主ですが、それをオープンにしたいわけではなくて、村の人たちと普通に暮らしていきたいだけなんです。その思いがはっきりしているから、やりたくないことはきちんと相手に伝えられる。そこが素敵だなと思います。それから、幸せを見つけるのがじょうずなところ。自分はもちろん、子供たちや周りの人たちにも幸せになってほしくて、本音で語り合おうとするんです。分け隔てなくみんなに接するところや、みんなで幸せになろうと考えているところが魅力的だなと思います。あとは強すぎるところですね。私はケーナをヒロインだと思っていますが、ヒーロー的な雰囲気もある。少女らしさと強さといったギャップもあるからこそ、いろんな人から愛されるんだろうと思います。

――そんなケーナに共感できるところはありますか?
 心配ごとがあっても、ご飯を食べたらケロッとしているところです。私はネガティブなところがあるんですが、家族とご飯を食べたら忘れちゃうんです。次の日にまで悩みを持ち越さないところは共感できます。あと、お酒に弱いところです(笑)。

――アフレコで印象的だったことを教えてください。
 音響監督の土屋雅紀さんが空き時間にアフレコブースに来て、ちょっとした世間話をしてくれました。じつは、当時は緊張しまくりで、細かい内容までは覚えていないんですが、気さくに声をかけてくれたことで緊張がほぐれて、挨拶などが積極的にできるようになりました。柳瀬監督も、フランクに話しかけてくださって。皆さん、現場の雰囲気を温かくしてくださって、すごくありがたかったです。

――第8話までの段階で、幸村さんが気になっているキャラクターは誰ですか?
 王子であるデン助【すけ】のお姉さん・マイさんです。私、人の恋路が気になってしまうたちなのですが、マイさんはケーナの息子・スカルゴに好意を持ってくれていることもあって、今後がとても気になります。

――これまでで印象に残っているエピソードを教えてください。
 第6話の盗賊たちとのバトルです。あのエピソードはリアデイルがゲーム世界ではなく、ケーナとそこに生きる人々にとっては現実だと教えてくれていると思いました。盗賊の頭目・コイローグとのやりとりも含め、命の重さを実感できるエピソードだったので印象的でした。それから、第8話で怪獣ペンギンと戦うときも彼女は街の人たちのことを考えていたんです。そこは私もリアデイルが現実であるということを胸に置いてお芝居をしたので印象深いです。

――物語もクライマックスが近くなっています。この先の見どころを教えてください。
 第8話の最後に、おそらく視聴者の皆さんも大好きだと思われるリットちゃんが久しぶりに登場しました。つまり、またケーナが村に戻っていくということです。きっと皆さんお待ちかねだったと思うので、リットちゃんのかわいさを堪能してください。それから、ほかにもまだまだかわいい子が登場します。ちょっと変わったバトルもありますし、いろんな敵も登場します。そんな相手とケーナがどう向き合うのかも楽しんでいただけたらと思います。

MegamiにQuestion

Q.自分のチャームポイント
A.右目の下に2つある涙ぼくろ

あまり2つある方がいないので、個人的に気に入っています。

Q.自分のニックネーム
A.えりち

3年くらい前、ラジオに出演したときに自分で考えました。学生時代は「幸村さん」と呼ばれることがほとんどでしたが、2人だけ「えりりん」って呼んでくれていたんです。彼女たちにニックネームの話をしたら、「ほかの人にえりりんって呼ばれるのはイヤ」っていってくれて。それで「えりち」にしました。

Q.自分の声の特徴
A.よくあるけど欠かせない、お米ボイス(笑)

家族に聞いてみたら「どこにでもある声」っていわれたんです(笑)。でも、割とお姉さん系や、頭のいい役をいただくことが多いので、落ち着いた声なんだろうなと分析しまして。どこにでもあって落ち着くものといえば、お米だなと思い、お米ボイスにしました。

Q.自分の性格
A.面倒くさい(笑)

基本的にネガティブで、褒めていただいても素直に受け止められないんですね。なんでもマイナスに捉えるので、姉からも「面倒くさい」っていわれています。

Q.いま、ハマっているものは?
A.駄菓子

何かをつねに口に入れておきたいんですが、あまりお金をかけたくない気持ちもあるんです。駄菓子って個包装だし、罪のない金額でたくさんの量が買えるので、最近ハマっています。とくにお気に入りは、「あんずちゃん」と「ガブリチュウ」。うまい棒は、納豆とめんたい味が好きです。

Q.ゲーム世界でなってみたいジョブは?
A.後方支援系か、ペガサスに乗れる職業

アーチャーや魔法使いなどの後方支援系がいいですね。どうしても前線に立たなければいけないのだったら、槍を持ってペガサスに乗れるジョブがいいです。

Q.自分に異名をつけるとしたら?
A.孤独の舌……?

とにかくひとり言が多くて、最近は家具にも話しかけるくらいなんです(笑)。なので、それにちなんだものがいいなと思っています。家族と話しているとなんでも拾ってくれるので、ずっとおしゃべりが止まらないんですよ。

Q.本作のキャッチフレーズ
A.ケーナは台風の目

嵐のようなキャラクターがたくさん登場するなか、ケーナは台風の目のように動じない存在で真ん中にいてくれます。ケーナとその周りで起こる、にぎやかな物語を楽しんでください。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

プロフィール
幸村恵理【ゆきむら・えり】12月6日生まれ。埼玉県出身。ヴィムス所属。主な出演作は、『ミュークルドリーミー』今井ことこ役、『荒野のコトブキ飛行隊』エンマ役など。

作品Information
生前遊んでいたVRMMORPG『リアデイル』の、200年後の世界で目を覚ました各務桂菜。ハイエルフとしてこの世界で過ごすことになった彼女は「ケーナ」として、ゲーム世界の生活を満喫していく。

放映日:毎週水曜深夜0時よりサンテレビほかにて放映中

※掲載情報は「メガミマガジン」2022年4月号時点のものです。

(C)2021 Ceez,てんまそ/KADOKAWA/リアデイル製作委員会

《M.TOKU》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集