白石晴香・東山奈央に聞くTVアニメ『ピーチボーイリバーサイド』の推しポイント、キーワードは「時系列」「桃太郎」「悪とは」 | 超!アニメディア

白石晴香・東山奈央に聞くTVアニメ『ピーチボーイリバーサイド』の推しポイント、キーワードは「時系列」「桃太郎」「悪とは」

TVアニメ『ピーチボーイリバーサイド』でサリーを演じる白石晴香さんとミコトを演じる東山奈央さんにインタビュー。

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(左から)東山奈央・白石晴香
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 TOKYO MX、BS日テレほかにて放送中のTVアニメ『ピーチボーイリバーサイド』。さまざまな作品がアニメ化されているクール教信者のWEBマンガから始まった本作は、誰もが知っている童話「桃太郎」をモチーフとし展開するファンタジー作品である。超!アニメディアでは、物語の中心人物となるサリーを演じる白石晴香さんとミコトを演じる東山奈央さんにインタビュー。作品の推しポイントに加えて、お互いの印象についてもお話を聞いた。

(左から)白石晴香、東山奈央【画像クリックでフォトギャラリーへ】

「悪」と一括りにするのは危険

――演じるキャラクターの紹介をお願いします。

白石 サリーは意思の強さとちょっとおどけた可愛さを兼ね備えた子です。本名は「サルトリーヌ・アルダレイク」と長いのですが、名前をよく見ると「猿・鳥・犬」と桃太郎の要素が入っているんですよ。一国の姫で、大事に育てられてきたゆえに城の外に出たことがありませんが、とある出来事をきっかけに「もっと広い世界を見たい」と思うようになり、彼女の旅が始まります。旅を続けていくなかで世界への疑問や怒りなどを抱き、成長していく彼女をぜひ見守ってください。

東山 ミコトは、見た目はちょっと女性っぽくも見えるのですが、実は青年という人物です。人当たりが良さそうで温厚な好青年だけども、つかみどころがなく飄々としていて、戦いになると豹変するんですよ。彼がどういう過去を持っているのか気にしながら見てもらえれば、作品をより楽しんでもらえると思います。

――青年役ですが、演じるうえで特別意識することはありますか?

東山 それが、驚き桃の木山椒の木。実はミコト役に選んでいただけるとは思っていなかったんです。オーディションはミコトだけ受けていたのですが、もしお役をいただけるとしても「ミコト役じゃないだろうな」と思っていたので、演じられると決まったときはとても驚きました。青年役を演じるのは初めてなのですが、ミコトのイラストを見たときに「彼はこうやって喋りそう」というイメージがパッと浮かんできたんですよね。そういう意味では、自分の声で演じるというよりかは、ミコトの声に私が合わせていく、というような感覚に近かったかもしれません。運命……と言いますか、ミコトと馬があったのかも。

――なるほど。

東山 実際のアフレコで「ここはイケボで」というディレクションがあったのは新鮮でした(笑)。これは男性役ならではだなと。あとは、ミコトを演じるときは、自然とちょっと足を開いて座ったり、女性らしい格好をしなかったりしていました。こういうちょっとした役作りは、女性キャラクターを演じるときとは異なることだった気がします。

――一方の白石さんが演じるサリーは、旅のなかで色々な感情を巡らせて成長していくキャラクターです。

白石 最初は一国の姫ということで、どこか世間知らずなところがあり地に足がついていないような子なんです。国の外で起きている種族差別についても、触れたことがありません。だからこそ、「なんてひどいことをするんだ」と、純粋に差別に反発して、苛立ちを覚えます。サリーが抱く疑問や怒りは私も理解できたので、躊躇なく表現することができました。ただ、なぜそうやって差別が起きるようになったのか、種族それぞれの考え方の違いや歴史を知るうちに、彼女は成長していきます。そして自分が本当にやりたいことを見つけ、その想いに真っ直ぐな姿勢がいつしか人を惹きつける魅力にもなります。そういった成長の過程を皆さんに感じてもらいたくて、サリーを演じるうえでは「成長過程」を最も意識しました。

――続けて、原作を読んだときの印象も教えてください。

白石 「桃太郎」というキーワードは事前に聞いていたので、「どんなお話なのかな」とワクワクしながら原作に触れました。ページをめくっていくと、想像よりもシリアスな展開が続いたので、衝撃的でしたね……。刺激的なシーンが出てくるので大人向けの作品だとは思いますが、人生において大切にするべきことが描かれているので、ぜひお子さんにも触れて欲しいです。個人的には、教科書のような作品だと思いました。

東山 こうやってお話しをする度に「そういえば、桃太郎が出発点のお話なんだよな」と振り返っています。というのも、童話の「桃太郎」は分かりやすく勧善懲悪のお話なのですが、この作品では、悪者サイドである鬼にも色々な考えを持っているモノがいることが描かれているので。言葉で「悪」というのは簡単かもしれませんが、一括りにしてしまうのは危険。本作はそういうことを気づかせてくれるダークファンタジーだと思います。あとは、一人、一人のキャラクターが魅力的だとも感じました。サリーのお茶目で可愛いけども実はちょっとミステリアスなところ、ミコトのカッコいいけども狂気じみている面など、嚙めば噛むほど味が出るキャラクターがたくさん登場します。私自身も彼・彼女らがアニメで動くのが楽しみですね!

東山さんは憧れ以上の存在

――メインキャラクターを演じるお二人ですが、お互いにどのような印象を持っていらっしゃいますか?

東山 私たち、役者のですか?

――そうです!

白石 出会ったのは……『俺ガイル』(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』)でしたよね?

東山 そうだ、『俺ガイル』だ! この話、前にもしたことあったよね。

白石 しました! 私が小学生の役で参加させていただいていたのですが、当時はまだマイクワークなどを含めたアフレコに全然慣れていなくて。緊張でガチガチでした。既に色々な作品で活躍されていた東山さんやキャストの皆さんとご一緒するのが恐れ多くて、顔をあげることすら抵抗があったくらいです。東山さんのお芝居を見させていただきながら、「何てすごいんだ!」と、心も足もふるわせていた記憶が残っています(笑)。

東山 そんな風には全然見えなかったよ! 初対面だったけど、私は白石ちゃんの名前を知っていて。会ったらすっごい美人で驚いた。元々子役をやっていたことも知っていたので、「子役経験のある方は華が一味違うな」と思ったの。でも、その時はあんまりお話できなくって。がっつり共演したのは、『月がきれい』だったよね。

白石 そうです!

東山 あのとき白石ちゃんが演じていたのは、小学生の役とは打って変わって、サバサバ系女子みたいな感じだったよね。低い声でお芝居をしていて、「こういうお芝居もするんだ」ってギャップにやられてしまったのを覚えてる。それに加えて、噛まないしミスもしない。リテイクがあっても建設的なものばかり。既に役者さんとして出来上がっていて安定感がすごいなと思った!

白石 光栄です……!

東山 お芝居の面ではそうだけど、白石ちゃんはすごく気遣い屋さんなので、気疲れしてしまうのではと、ちょっと心配で。もっとリラックスしてもいいんだよ!? でも、方々に気を遣える優しい子なので、私は大好きな役者さんです。

白石 そんな、そんな……! ……あの、私、もっと東山さんのこと、お話していいですか?

――ぜひ!

白石 『月がきれい』って、結構リアルな学生生活が描かれている作品だったので、時にアニメでの流れを作るのが難しいシーンがあったんですよ。リアリティがあるからこそ。ただ、東山さんがマイク前に立たれて演じるたびに、作品の解像度が上がっていったんですよね。あのとき、台本で読み取った以上のものができあがるという体験をしました。毎回感動と衝撃を受けていましたね。また、東山さんは作品の主題歌を歌われていて、イベントで生歌唱を聞かせていただいたことがあります。そのとき、出演者の方と一緒に、私は控室で泣いていました(笑)。

東山 えーー!? そうだったんだ!

白石 あと、これは完全に個人的な話なんですけども、私、『マクロスΔ』のワルキューレが大好きでして……。ライブを見て、何度こぶしを突き上げたことか!

東山 そんな荒ぶる白石ちゃん、想像できない(笑)。

白石 (笑)。汗と涙を流しながら、ライブを楽しませていただきました。もう、お芝居も歌も尊敬という言葉だけでは表しきれないくらいの感情を抱いています。さらに言うと、私がパーソナリティを担当している番組の初ゲストが東山さんだったんです! 番組パーソナリティが私に交代した初回の放送ということもあって、あの日は緊張しすぎて実は酸素も上手く吸えていなかったんですよ。

東山 そんな風にはとても見えなかった!

白石 実は酸欠で手の感覚がなくなるくらいの状態になっていたんです……。

東山 あのとき、確か白石ちゃんは初回なのに別仕事があって打ち合わせに参加できなかったんだよね。そりゃ緊張も加速するよ。

白石 でも、そんな緊張をしているときに、東山さんが連絡をくださって。それが嬉しかったですし、心強かったんです。あの連絡のおかげで落ち着くことができました。本当に優しい。私よりも数倍気遣いしてくださる先輩です!

――まとめると、先輩としても尊敬しているし、いちファンでもある。

白石 ファンです!

東山 そんな、恐れ多い……! まさかそこまで緊張していたとは。でも、そんな状態でもしっかりMCできていたから、白石ちゃんは本当に何でも任せられる役者さんですね。

白石 えへへ。

東山 一生褒め合えちゃいます(笑)。

――おふたりの関係性がよく分かりました! 本日は色々とお話くださりありがとうございました。最後に改めて本作の推しポイントを教えてください。

白石 ひとり、ひとりのキャラクターに注目して欲しいです。種族によって考え方や歴史が違うので、それぞれの種族目線から作品を見ると、見え方が変わってきます。何度も視点を変えて、色々な種族の立場から作品を見て欲しいですね。

東山 推しポイントかつこの作品を楽しむコツは、アニメならではの時系列で構成されている点です。詳細はまだお話できませんが、「実はあのとき、こんなことがありました」ということが、後で明かされるような流れになっているんですよ。なので、最初は「ん?」という違和感があると思います。そこからどんどんと謎が明かされていきますので、ぜひ「時系列」を意識しながら作品を見てみてください。

東山奈央【画像クリックでフォトギャラリーへ】
白石春香【画像クリックでフォトギャラリーへ】

取材・文/M.TOKU 撮影/相澤宏諒

プロフィール
白石晴香【しらいし・はるか】4月8日生まれ。東京都出身。トイズファクトリー所属。主な出演作は『終末のハーレム』周防美来役、『天空侵犯』本城遊理役、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』園田智代子役 ほか。

東山奈央【とうやま・なお】3月11日生まれ。東京都出身。インテンション所属。主な出演作は『ぼくたちのリメイク』河瀬川英子役、『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』安城ナガラ役、『マクロスΔ』レイナ・プラウラー役 ほか。

TVアニメ『ピーチボーイリバーサイド』概要
2021年7月1日よりTOKYO MX、BS日テレほかにて放送中

【放送情報】
TOKYO MX:7月1日(木)より毎週木曜22時~
BS日テレ:7月1日(木)より毎週木曜23時30分~
AT-X:7月1日(木)より毎週木曜23時30分~
J:テレ:7月7日(水)より毎週水曜25時00分~

【配信情報】
d アニメストアにて先行配信、ABEMA、ニコニコチャンネル、U-NEXTなどでも配信

クレジット

白石晴香
スタイリスト:OBU-
衣装:Wild Lily 03-3461-4887

東山奈央

(衣装協力)
ブラウス
パンツ
ストール

以上全て、オッズオネスト新宿店
(お問い合わせ先)
オッズオンジャパン 03-5429-2742

(C)クール教信者・ヨハネ/講談社/「ピーチボーイリバーサイド」製作委員会

《M.TOKU》
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