アニメ『極主夫道』、監督を務める今千秋が語る魅力「この作品はアロマです」【インタビュー】 | 超!アニメディア

アニメ『極主夫道』、監督を務める今千秋が語る魅力「この作品はアロマです」【インタビュー】

累計360万部を突破するおおのこうすけが手掛けるマンガ『極主夫道』。2020年に実写ドラマ化された本作が、今度はアニメとなってNetflixにて2021年4月8日(木)から独占配信された。

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アニメ『極主夫道』場面カット (C)おおのこうすけ/新潮社
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  • 今千秋監督
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 累計360万部を突破するおおのこうすけが手掛けるマンガ『極主夫道』。2020年に実写ドラマ化された本作が、今度はアニメとなってNetflixにて2021年4月8日(木)から独占配信された。

『極主夫道』は、かつて裏社会で数々の伝説を残した元極道の龍(たつ)が専業主夫に転身し、妻の美久や元舎弟の雅、近所の方々たちと過ごすアットホームな日常を描いた物語。主人公・不死身の龍の声は、声優や俳優、ナレーターなど様々な分野で活躍する津田健次郎が務め、監督はTVアニメ『のだめカンタービレ』シリーズや映画『美少女戦士セーラームーンEternal』など、数々の話題作を手掛ける今千秋が務める。

 そんな本作の魅力に迫るべく、超!アニメディアでは、今監督にインタビューを実施。『極主夫道』の推しポイントなどについてお話を聞いた。

今千秋監督

――本作のことは元々ご存じでしたか?
 主婦をやっている数人のお友達から「面白いよ」と勧められたのと、ほぼ同時期に監督のお話をいただいたのですが、まだ発表前だったので当然、友達に「アニメ化するよ」とは言えず。モヤモヤしつつも少し自慢げに心に留めていて、今に至ります。

――なるほど(笑)。本作はあえて “動かない”演出で、マンガのコマ割りのような絵に効果音や声が入っているのが特徴です。
 一話の尺はOP・EDを除くと10分ちょっと。見ている方的には一瞬のことかもしれませんが、実はカット数が200~250くらいあるんですよ。もし30分アニメだったなら、単純計算で500カット近くになっていたかもしれないです。

――作品によって大きく差はありますが、30分アニメ1話分のカット数は300前後になるという話を聞いたことがあります。
 もちろんカット数がすべてではありませんが、500となると結構な大作ですよね(笑)。私が監督を務めた『Back Street Girls -ゴクドルズ-』も基本的に静止画でアニメが進行するスタイルでしたが、ここまでのカット数はいきませんでした。動かないアニメの『極主夫道』ですが、実はえらい手間がかかっているんです。なかなかの難産でした。

――カット数が多くなった理由は?
 本作はマンガのコマ通りに進んでいく演出のアニメです。つまり、カットもマンガのコマ通りに切ることになる。そしたら、最終的にナンバリングをする段階で気が付いたら200以上になっちゃっていたんですよ(笑)。カット数が多いと制作が大変になるので、みんなびっくりしちゃって。私自身も驚きました。

――ただ、そうしないと原作を表現できなかった。
 そうなんです。私はアニメの監督を務めるとき、原作準拠でやることをベースにしているのですが、そうすることで原作の面白さなどが、画面に表現できたら良いなぁと思ってます。

――原作をいかに表現するのかを基本的には大事にしている。
 そして、アニメを見て原作の先生が満足していただけるのが、いちばん嬉しいです。「おいこら!ちがうじゃないか!」って怒られたら、立ち上がれなくなっちゃう(笑)。本作も、原作のおおのこうすけ先生に「動かないアニメですよ」ということは事前に説明はされていて、了解を得てから進めているはずなのですが。……私自身が直接説明に行ったわけではないので、実は最初の頃、「本当に先生は、あの手法でokしてくださったのだろうか!?」とヒヤヒヤしていたのですが、先生のインタビューを拝見したところプラスで捉えてくださっていたので、とても安心しました(笑)。

――先生からはアニメ化するうえで何かリクエストはありましたか?
 特にはありませんでした。構成の段階で担当編集の方から「この話数はここに入れた方がいいかも」というアドバイスを受けたくらいだったと思います。

――本作の主人公・龍の声優を担当されるのは、津田健次郎さん。極道っぽいお芝居と主夫としての日常が垣間見えるお芝居の緩急が、本作の面白さを加速させていると感じました。
 津田さんはもう本物の龍です。アフレコでもお芝居に対して細かく何かをお願いする事は、特にありませんでした。

――個人的には、作中に登場するとある猫の声を担当する松岡禎丞さんのお芝居も印象的でした。
 面白いですよね。先日公開された劇場版『美少女戦士セーラームーン Eternal』でも監督を担当していたのですが、その時の松岡さんはエリオスという王子役だったんです。まさに王子といったお芝居でしたが、今回の猫はすごくがらが悪い(笑)。「別人だ!」と思いました。

アニメ『極主夫道』場面カット (C)おおのこうすけ/新潮社

――そういう芝居の面も注目の本作。その他の点で、監督が感じる作品の推しポイントを教えてください。
 個人的には、龍と美久の夫婦愛が作品の魅力だと思っています。龍は堂々と「嫁の笑顔が一番じゃ!」と言いますし、美久も人前では照れてしまいますが、ちゃんと龍のことを大事に思っている。そういうふたりの関係に憧れますね。たまに美久に嫉妬してしまうくらいに(笑)。あと本作は、いい意味で何も気構えたり身構えたりしなくても見られるという点。一話10~15分くらいの尺なので、寝る前のホッと一息やすらぎタイムに見てもらえればと思います。

――『エヴァンゲリオン』といった作品のように、考察などをしながら見なくてもいい。
 そうそうそう(笑)。何も考えずに、心を癒すためだけに見ていただければと。もう、この作品は「アロマ」です。あっ、名言生まれました。

今千秋監督

Netflix オリジナルアニメシリーズ『極主夫道』作品概要
2021年4月8日(木) Netflix にて全世界独占配信
【スタッフ】
原作:おおのこうすけ
監督:今千秋
シリーズ構成:山川進
アニメーション制作:J.C.STAFF
【キャスト】
龍:津田健次郎
美久:伊藤静
雅:興津和幸

(C)おおのこうすけ/新潮社
《M.TOKU》
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