「みんなと一緒に大変な今を乗り越えていきたい」小林愛香が歌う意味――2ndシングル「Tough Heart」リリース記念インタビュー | 超!アニメディア

「みんなと一緒に大変な今を乗り越えていきたい」小林愛香が歌う意味――2ndシングル「Tough Heart」リリース記念インタビュー

2020年2月26日にシングル「NO LIFE CODE」をもってトイズファクトリーからデビューした小林愛香。2021年1月27日(水)に、待望の2ndシングル「Tough Heart」をリリースする。

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 2020年2月26日にシングル「NO LIFE CODE」をもってトイズファクトリーからデビューした小林愛香。2021年1月27日(水)に、待望の2ndシングル「Tough Heart」をリリースする。

 デビューしてからの約一年。彼女はどのような想いを持って活動をしていたのか。2ndシングルの話と併せて、彼女が見いだした歌う意味や歌への想いについて語ってもらった。

小林愛香アーティスト写真

みんなと一緒に乗り越えていきたい


――2020年2月にトイズファクトリーからデビューして約1年が経ちました。
 メジャーデビューすることによって、私の歌を、声を届けられる機会が増えたというのが、本当に嬉しかったんです。正直、2020年は思うように活動できなかった一年となりました。それでもオンラインライブなどをはじめ、これまでにない挑戦をたくさんして、可能性を広げられたと思っています。そんなポジティブな気持ちでいられたのはデビュー曲の「NO LIFE CODE」で、正解はひとつじゃない、色々な楽しみ方があっていい、みんなで一緒に楽しんでいこう!と歌えたことが大きかったかもしれません。悔しい思いもたくさんしましたが、振り返ってみればトイズファクトリーさんと「あいきゃんチーム」として二人三脚で、試行錯誤しながら前に進めた。いい一年になったと思います。

――ブログやインタビューなどで、歌うことが「好き」とおっしゃっていました。アーティスト活動を経て、歌うことへの気持ちに変化はありましたか?
 好きな気持ちは相変わらずです。私が以前にアーティスト活動をしていたのが2011年。大きな地震があったときでした。そのとき、私の歌を聞いた方々が「元気をもらった」「背中を押してくれてありがとう」と言ってくれたんです。その言葉を受けて、「私が歌う意味はこれだ」って思ったんですよね。逆に私がみんなから背中を押してもらったんですよ。その人の人生の一部を音楽で彩れるって、本当に幸せなことだと思うんです。それができることに誇りを持っています。2020年から大変な状況が続いていますが、2011年のときと同じく、みんなと一緒に乗り越えていきたい。そう強く感じています。

――ご自身も音楽に支えられてきたんですね。
 そうですね。強い言葉の歌詞を歌うとき、みんなに届けたいと思いながらも、自分自身も強くなれている気がするんですよね。そういう意味でも、歌には助けてもらっています。

――2020年はオンラインライブ「小林愛香LIVE 2020 “NO LIFE CODE ON LINE MODE“」や3rd Fan Meeting 「Christmas PARTY!!」などで歌を披露する機会がありました。
「NO LIFE CODE ON LINE MODE」は収録した映像を配信する形式だったので、私もみんなと同じタイミングで自分が歌っている姿を見ることができたんです。今までとは違う形でみんなと一体となって楽しむことができて新鮮でした。ただ、無観客収録だったので寂しかったですね……。みんなに会いたくなっちゃったなぁ。

――オンラインだからこその良さもあり、一方で物足りないと感じる部分もあった。
 そうですね。3rd Fan Meeting 「Christmas PARTY!!」では、客席の数は半分でしたが、みんなに会うことができました。ルールを守って声を出さずに見守ってくれたのですが、やっぱり、みんなの声を求めたくなっちゃいましたね。「A.N.D.」というファンクラブのテーマソングがあるのですが、これはみんなとの掛け合いを楽しめる曲なんですよ。それができないのが寂しかったな……。ただ、SNSのハッシュタグで、みんながライブの感想を呟いてくれたおかげで、楽しんでもらえたということが分かりました。それだけでもやってよかったなと思えましたし、何よりみんなの顔が見られたのが嬉しかったですね。いつまたコール&レスポンスありのライブができるか分かりませんが、今は耐えて、やれることはやって元気に生きる! そうすれば、みんなと会える未来が来ると信じています。

――その時の感動は、何倍にもなっている気がします。
 たぶん、みんなも泣きながら歌ってくれるんじゃないかな(笑)。



シンプルな言葉だからこそ、みんなに熱量が届く


――2020年の活動を経て、2021年には待望の2ndシングルがリリースされます。表題曲の「Tough Heart」を最初に聞いたときは率直にどう感じましたか?
 聞いてすぐに好きになりました! 今回もQ-MHzさんが総力をあげて作ってくださったのですが、とにかく熱量を感じる一曲になっています。まだ歌詞も付いていない状態で聞いたときに、すでに熱さや「炎」を感じました。皆さんにようやく届けられるのが嬉しいです。みんなも絶対に好きになってくれるはず! 特にDメロ! 落ちサビは絶対に聞いてほしい。もう、とにかくいいんですよ。すいません語彙力をなくしました(笑)。

――本当にいいものは「いい」という感想しか出てこないですよね。
 そうなんです(笑)。とりあえず聞いたら、好きになってもらえるはず!!

――それだけ自信のある一曲。歌詞からも「熱さ」や「炎」を感じました。
「強くなりたい」「イマ! 全部つかみたいよ」「時を逃すな今だ」など、直接的に熱くなれる言葉がたくさん使われています。シンプルだからこそ、みんなに届くんだろうなと感じました。ものすごく熱量が詰まった歌詞で、本当に熱くなれます。

――「次」ではなく、「今」という言葉からも熱量が伝わってきました。
 私も「今」って言葉がすごく好きです。「未来」は「今」動くことで変えられるじゃないですか。自分の力でどうにかしていこうという気持ちが伝わってきて、私も歌うたびに強くなれている気がします。

――「明日やる」よりも「今やる」のほうがやる気を感じます。
 そうですよね。すぐに行動するのって難しいので、「今」行動に移せる人はカッコいいです。

――本曲はTVアニメ『真・中華一番!』第二期のオープニング主題歌でもあります。歌詞は作品の主人公である劉昴星(リュウ・マオシン)の真っ直ぐな性格ともリンクしていると感じました。
 マオくんの真っ直ぐな気持ちや、心の奥底にある情熱みたいなものが、この歌ともリンクしていると感じています。

――さすがのQ-MHzさんですね!
 本当に! 好き~!!

――その「好き」だけですべてが伝わってきました(笑)。レコーディングはいかがでしたか?
 トータルプロデュースをしてくださっているQ-MHz 田代智一さんは「明るいエッセンスを20%増しで」みたいに、パーセンテージを示しながらディレクションしてくださるんです。そのパーセンテージのさじ加減が絶妙なんですよ。曲に合った小林愛香の色を微調整してくださるので、その言葉通りに気持ちを乗せるようにしました。

――確かに、パーセンテージで示されると分かりやすいかもしれません。
 そうなんです。しかも面白いので、レコーディングが楽しいんです。

――ご自身としてはどういうことに気を付けてレコーディングしましたか?
 熱量がある曲ではあるのですが、歌う時はあまり勢いに任せ過ぎないようにしました。熱さを伝えたいからって大きな声を出すと、響くものも響かなくなると思ったんです。なので、声量は抑えつつも、感情を乗せて気持ちを届けることを念頭に置きながら歌いました。

――ストレートな歌詞だけども、あまりにも真っ直ぐすぎると届かないと思った。
 ストレートに歌い過ぎると、猪突猛進でただただ突っ走っている歌い方になっちゃうと思ったんですよね。曲調が熱いロックとはいえ、私もそれに合わせてノリノリになってしまうと、私だけが先に行っちゃって、みんなには届かない気がしたんです。だから、私は地に足をつけて、芯を持って歌うことを心掛けました。

――それだけ考えて歌っている本曲。ライブでどんなパフォーマンスをされるのか、楽しみです!
 いつかはみんなと声を出して歌いたいですね!

――初回限定盤には、本曲のMVが収録されたDVDが付属します。こちらはどのような仕上がりになっていますか?
 部屋のなかで楽しいことをチャレンジしていく、見つけていくという内容になっています。私、今回のMVを監督してくださった大河臣監督が作り出す色味がすごく好きで! 「NO LIFE CODE」も可愛かったですが、今回のMVもめちゃくちゃ可愛い。最高を更新し続けています。本当にすごい。私の想像をいつも超えてくる……。

――ご自身では何かリクエストを出しましたか?
 犬と戯れるシーンがあると聞いたので、うちの犬を初登場させましょうか、という提案をしました(笑)。みんなで一緒に色々と考えながら作った結果、満足のいく作品に仕上がりました。



――続いて、カップリング曲の「Sunset Bicycle」についてお聞きします。こちらはどのような楽曲に仕上がっていますか?
 田代さんに作っていただいたデモを聞いたとき、口笛を吹きながら自転車で風を切って走っている、というイメージが思い浮かんだんです。それを田代さんにお伝えしたところ、私の意見を上手く取り入れて佐伯youthKさんにアレンジをお願いしてくださり、この曲が完成しました。優しい雰囲気に包まれていて、聞いていると心がポッと温かくなるような曲です。

――確かに、聞いていて心がポッとなりました。
 作曲が田代さん、作詞・編曲が佐伯さんというタッグは、前回のシングルに収録した「ゆらゆらら」と同じ布陣なんです。「ゆらゆらら」も優しい雰囲気に包まれた曲ではありましたが、それとはまた違った優しさがこの曲にはあるなと思いました。「ゆらゆらら」は、ドラマの最後で主人公が走っているシーンなどで流してほしいドラマチックな曲。一方の「Sunset Bicycle」は、公園で座っているときに流れて欲しい。夕暮れや夜になりかけるくらいのシチュエーションが合いそうな曲。そういう違いがあります(笑)。

――具体例を挙げていただき、ありがとうございます(笑)。こちらのレコーディングはいかがでしたか?
 今回、ハモりがいくつかあるのですが、レコーディングしたそのままを使っています。私としてもカッコよく仕上がったと思っているので、ぜひ聞いてほしいですね。また、レコーディングのとき、最初は曲のイメージに合わせてオシャレな歌い方をしていたんですよ。
 すると、田代さんから「真っ直ぐに、素直に歌ってほしい」と言われました。「Tough Heart」が『真・中華一番!』第二期のオープニング主題歌なので、アニメで曲を聞いて小林愛香を知ってくださる方もいらっしゃると思うんです。そういう方がCDを手に取ってくださって、2曲目を聴いたときにも違和感なく馴染むトーンであってほしいと、田代さんがバランスを考えてくださっていい塩梅を探ってくださったんです。

――CDの曲順も意識してのディレクションだったんですね。
 そうです。一曲一曲ずつ聞いても全然問題ないのですが、最初に聞くときは、「Tough Heart」からの「Sunset Bicycle」、そして「Lorem Ipsum」という流れで聞いてみてほしいですね。そうすれば、また違った感覚になれると思うので!

ーーもうひとつのカップリング曲「Lorem Ipsum」では、田代さんと共同で作詞をされています。
 私が歌詞に入れたい言葉を箇条書きにしてそれを田代さんに渡す、というやり方で作詞をしました。入れたい言葉を挙げているときに気が付いたのが、「る」で終わるワードが多いこと。それならもう「る」縛りにしたら面白いんじゃないと思っちゃったんですよね。

――遊び心満載ですね。
 おもちゃ箱をひっくり返した感じの曲になりました。歌詞はいい意味でふざけています。レコーディングでも、2Aの「フェアウェル(マテリアル)」は「神になったイメージで歌ってください」と言われたので、神になっています(笑)。また、「段ボールかぶる おどるアヒル」は「NO LIFE CODE」を彷彿とさせる歌詞になっているんですよ。
 対して、サウンドは結構ゴリゴリのロック。ただ、間奏部分は可愛くてキラキラした感じになっているんです。曲のなかでも雰囲気がコロコロと変わるので、色々な面白さが詰まった一曲に仕上がりました。

――レコーディングはいかがでしたか?
 ……「る」って難しいんだなと思いました。例えば「ビューティフル」って言葉。ふつうはそんなに「る」を発音しないじゃないですか。でも、この曲ではちゃんと発音しないといけなかったので、大変でした。

――ライブでの披露も楽しみですが、大変そうですね。
 脳トレや滑舌のトレーニングにもなりそうです(笑)。みんなが手をくるくる回してくれるかなと想像しながら歌っていたので、ライブでどんな風景が見られるのか、今から楽しみですね。あとは、一度歌詞が詰まるとずっと歌えなくなりそう……。だから、みんなも同じくらい歌えるようになってください! そして、私が噛んじゃったら代わりに歌ってください(笑)。

――今作のアートワークデザインは、コラージュアーティストとしても活動するQ-TAさんが担当されています。
 最初にQ-TAさんが送ってくださったジャケットのラフ絵は、私がリンゴの上に乗っているものだったんですよ。その後、私たちが「今回の楽曲のイメージは炎です」とお伝えしたら、リンゴの皮が炎となって燃え上がっている絵が上がってきたんです。もう天才だなと思いました。
 それから、Q-TAさんがかとうれいさんに「目がバーンと全面にくるのがいいと思うんですよね」とお伝えしてくださって。そうして、初回限定盤の絵が完成しました。こちらのジャケットは、目の中から伝わる情熱を表現しています。カトウさんの絵を見たときは心臓を打ち抜かれました。

――本日は色々とお話くださりありがとうございました。最後に小林さんが「声優」「歌」とこれからどのように向き合っていきたいと考えているのか、改めて教えてください。
 その子の人生を声で表現するというのが、声優だと思うんです。なので、キャラクターの背中を支える、その子の人生を支えることを一番に考えて演じるのが、大切だと感じています。その子がいかに輝けるのか、それを常に心に置いて演じていきたいですね。
 それに対して、歌は小林愛香を表現するための手段。自分の意思を伝えられる方法のひとつだと思っているので、これからも感情を大切にしながら歌っていきたいですね。どちらも楽しいので、これからも両方とも続けていきたいです。

取材・執筆=M.TOKU

「Tough Heart」初回限定盤

「Tough Heart」通常盤

プロフィール
小林愛香(こばやし・あいか) 10月23日生まれ。神奈川県出身。ニューカム所属。主な出演作は、『ラブライブ!サンシャイン!!』(津島善子役)、『トリニティセブン -夢幻図書館と第7の太陽-』(村雲ナギサ役)ほか。2020年2月26日、シングル「NO LIFE CODE」にて、トイズファクトリーよりメジャーデビュー。

「Tough Heart」リリース情報
発売日:2021年1月27日(水)

■初回限定盤[CD+DVD+Mini Poster Booklet]
価格:3,200円(税別)
<収録曲>
1.Tough Heart
2.Sunset Bicycle
3.Lorem Ipsum
4.Tough Heart (instrumental)
5.Sunset Bicycle (instrumental)
6.Lorem Ipsum (instrumental)

・「Tough Heart」Music Video
・「Tough Heart」Music Video Making

※イラストレーター・かとうれい描き下ろしイラストを使用した三方背ケース付
※ミニポスターサイズブックレット付

■通常盤[CD]
価格:1,300円(税別)
<収録曲>
・初回限定盤と同内容

※各種店舗別特典などの情報はトイズファクトリーの公式サイトに掲載中
《M.TOKU》
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