初となるシングル『つむじかぜ』をリリースした諸星すみれが、インタビュー企画「Megami’sVoice」に登場!【インタビュー】 | 超!アニメディア

初となるシングル『つむじかぜ』をリリースした諸星すみれが、インタビュー企画「Megami’sVoice」に登場!【インタビュー】

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2020年6月号には、1stシングル『つむじかぜ』をリリースした諸星すみれが登場。「超 …

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04_諸星すみれ2020アーティスト写真
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 アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2020年6月号には、1stシングル『つむじかぜ』をリリースした諸星すみれが登場。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。

諸星すみれ

「真っ白」からの成長を歌に込めた「つむじかぜ」

――表題曲「つむじかぜ」は、『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』第二部のOP。第一部のOP「真っ白」に続いてのタイアップですが、初めて曲を聞いたときの感想を教えてください。

 スピード感があって、力強さも増していて、「真っ白」よりもより壮大になった印象でした。「真っ白」が一歩を踏み出す瞬間の曲だとすると、「つむじかぜ」は踏み出した先でいろいろなものを見て、感じて、さまざまな出会いを経て周りを見渡せるようになったイメージです。自分で風を巻き起こしていくような強さも感じました。

――「真っ白」は5拍子と6拍子が混在した難易度の高い曲だと感じましたが、「つむじかぜ」は歌ってみてどうでしたか?

 じつは、「つむじかぜ」のほうが難しかったんですよ。特にAメロは、キー合わせのときから苦戦していました。それから、ファルセットと地声の切り替えも大変で。私は、ファルセットのときは、どうしても声がふわっとしがちなので、地声の力強さをファルセットでどう残すかは、かなり練習をして臨みました。ですが、すごく気持ちのいい曲だということもあってか、レコーディングでは思っていたよりのびのびと歌えたんです。ただ、途中一度合唱と一緒にテンポが落ちるところがあるんですが、そこは最初から決まっていたわけではなく、本レコーディング前にテストで歌ったときに初めて知って「聞いてないよ!」となりましたけど(笑)。でも、その部分もあることで起伏とメリハリがついて、浮遊感も覚えられるようなメロディーになったので、聞いてくださる方をより引きつけられるようになったんじゃないかと思います。

――とても伸びやかな歌だと思いますが、感情は込めやすかったですか?

 この歌が伝えたい景色や気持ちはすごくわかりやすかったので、入り込みやすかったです。実際、アニメのOP映像も自分のなかで思い描いた映像と似ていて。私は、どういうイメージで歌ったらいいのか固まらないときが一番戸惑うんですが、「つむじかぜ」はそれがなかったので、メロの難しささえ乗り越えれば、大変なことはあまりありませんでした。

――『本好きの下剋上』という作品のOPということで意識したことは?

 作品あっての歌なので、声は作ることなくまっすぐ歌いました。第二部ではマインがさらに活躍していくので、その背中を押せたらいいなと思っていましたね。

――お気に入りのポイントを教えてください。

 もちろん全部ですが……Aメロの歌詞はすごく好きです。「真っ白」は不安を抱えた自分が新しい世界に飛び込むドキドキ感を歌っていますが、「つむじかぜ」は、震えている相手に「君だけじゃない」と声をかけるようなワードも入っているんです。ひとりで不安を抱えていた子が、人に語りかけられるようになったという成長が感じられていいなと思います。

――ミニアルバム『smile』を経てのシングルということで、制作に対する気持ちに変化はありましたか?

 ミニアルバムの制作中は、右も左もわからなくて、かなりのことを周りの皆さんにお任せしていたんです。でも、今回のシングルでは、自分なりに「こうしてみたい」という気持ちも大きくなりましたし、それを伝えていけるようになれた。そこは成長かなと感じています。

――シングルは、プレゼントトラックも含め4曲収録ですが、諸星さんとしてはどんなことをこのシングルでやりたいと思っていましたか?

 ミニアルバムでもいろいろなジャンルを歌わせてもらったんですが、もっといろいろな曲を歌ってみたいと思っていました。

――確かに、「SCREEN GIRL」も「ワンダーワンダー」もミニアルバムにはなかった曲調ですね。

「SCREEN GIRL」では、息の抜き方など、技術面で今までと違うアプローチをしてみました。「ワンダーワンダー」は、ほかの2曲と並んだときに、バラバラな感じになるなといいなと思ったのと、ミュージカルっぽい曲を歌いたくて選ばせていただきました。セリフが入っていたり、舞台装置が動くような雰囲気があったりする、すごくおもしろい曲です。あと、いつかできたらいいなと思っているライブのこともちょっと考えて。「ワンダーワンダー」でライブがスタートできたら……と思えるような妄想の膨らむ曲になりました。

――カップリングの「SCREEN GIRL」を最初に聞いた感想は?

 インドの音楽というか、ツボからお香の匂いがするような曲というか……。歌詞が全然想像できなかったんですが、できあがってみたらすごくおしゃれになったなと思いました。

――「SCREEN GIRL」は、歌声からけだるさも感じられます。

 私のなかでは、この曲の主人公の女の子はすごくミステリアスなイメージだったんですが、内にこもってしまっているかと思いきや、枠から抜け出したいという気持ちもある。そういう子が歌うイメージがちょっとつかみづらくて、最初のレコーディングではすごく暗い歌声になっちゃいました。スタッフの方から「踏み出したいというポジティブな気持ちで歌ってみてください」と言っていただいて。その方向で歌ったら、今度は真面目ながんばりやさんみたいになっちゃって。
 私としてはけだるさや、つかみどころのない女の子が、布団に潜ってスマートフォンをいじっているようなイメージを残したくて、ポジティブさとミステリアスな感じを意識してもう一度歌わせていただいたんです。ただ、これだと確信できるものがなかったので、歌っているときに「これで大丈夫なのかな」って自分もちょっと不安定になっちゃったんですよ。でも、最終的にはその不安定さがいい感じに作用して、落ち着くところに落ち着きました。これは、聞いてくださった方がどう感じるのかが気になっています。

――この曲の主人公のように、顔も名前もわからないけどそこに存在する相手というのは、諸星さんにとってはリアルですか?

 私もSNSをやっていて、顔も本名も知らない方がフォローしてくださっているのはわかるので、感覚的には理解できます。まったく知らない方から来るメッセージだからこそ、すごくうれしいということもありますし、逆に悲しいなということもある。そう考えるとすごく複雑な世界で生きているんだなと思っちゃいます。

――「SCREEN GIRL」にはラップ調のパートもあります。

 意外と苦戦することもなく、すんなり歌えました。かっこよくしたかったので、いろいろな方の曲を聞いたりして、どうしたらかっこよく歌えるのかは勉強しました。

――かっこよさの極意は見つかりましたか?

 単語のひとつひとつをはっきり言うのではなく、息を多めにして、リズムのひとつとして出していくみたいな感じかな。セリフっぽさはないほうがいいんじゃないかなと思って、ふだん話をするときとは発声を変えてみました。ただ、それがかっこよさの正解かはわからないです。

――コーラスもかなり複雑に入っていますね。

 得体の知れない人の声が渦巻いていて、いったい誰の声なんだろうと感じられたらと、右から聞こえるものや左からのもの、正面からのものも録ったし、1オクターブ下の声でも録りました。曲中に、かけ声みたいなものも入っているんですが、それもギャルっぽく、子供っぽく、と何パターンも録って。低音部分はかなり低くて大変でしたが、できあがってみるといい味を出していましたね。

「つむじかぜ」初回限定盤

自分のやりたいことを詰めたシングル

――ミュージカル風の「ワンダーワンダー」は、物語性の強い曲ですね。

 楽器のレコーディングに立ち会わせていただいたんですが、皆さんの演奏で“夢の国感”が増していくのがわかって。私も負けていられないなと思ってレコーディングに臨んだら、気合いが入りすぎて「もうちょっと表情を付けてみましょう」と言われちゃいました(笑)。私としては、これまで歌ったなかで、一番無邪気な曲だと思っています。

――ミニアルバムに収録されていた「初めての主役」よりも無邪気?

 無邪気ですね。チケットを握りしめてぐしゃぐしゃにしちゃうところにはおてんばさを感じましたし、自分もワンダーランドに行くことにワクワクしているのに、相手を誘おうとする立ち位置もおもしろくて。最初は新しい世界に踏み出していくプリンセスのイメージだったのが、歌詞を見てプリンス感があることにも気づいて。プリンセスとプリンスを融合したようなキャラクターが主人公なんだなと思いました。

――そのぐらいまでキャラクターが想像できると、レコーディングはスムーズでしたか?

 そうですね。主人公を包んでいた羽が1枚ずつ開いていって、最後に登場するというイメージの映像が浮かびましたし、現実世界を忘れてしまうほどの楽しさも感じられて。世界観を固めて歌えるのがすごく楽しかったです。

――プレゼントトラックには、『劇場版アイカツ!』の挿入歌「輝きのエチュード」のカバーが収録されます。

 今回特別にCDだけに収録させていただいたんです。そして、『アイカツ!』でどの曲を歌いたいですかと尋ねられたときに、真っ先に浮かんだのが「輝きのエチュード」だったんです。ほかにも好きな曲はたくさんあるんですが、私が歌うことの意味を考えると「輝きのエチュード」しかないなと思って。以前、わかちゃん(諸星が演じている星宮いちごの歌唱担当)がこの曲を、私を思って歌ってくれたというお話を聞いていたんです。それがうれしくて心に残っていて。1回だけ、『アイカツ!シリーズ5thフェスティバル!!』で一緒に歌うことができたんですが、そのときは星宮いちごとしてという気持ちが強かったので、諸星すみれとして改めてわかちゃんにお返事をしたい。それをこの歌で示せたらいいなと思っていました。

――『アイカツ!』の歌というのは、諸星さんにとって、かなり大きな存在なんですね。

 そうですね。『アイカツ!』からはいろいろなものをもらいましたし、歌に真剣に取り組んでみたいと思ったのも『アイカツ!』がきっかけでした。今、私がこうして歌えているのは『アイカツ!』の影響ですし、たくさんの人に支えてもらったからなんです。『アイカツ!』を通じて寿美奈子さんという憧れの先輩にも出会えましたし、そんな多くの人たちへの「ありがとう」を込めた曲として歌いたいと思っていました。

――実際に歌ってみた感想は?

 オリジナルとはテンポも節も変わっていますが、まさに、今の諸星すみれが歌う「輝きのエチュード」になっていると思います。もう少し大人っぽい感じにしようかというお話もあったんですが、あまり背伸びをして歌う曲でもないし、編曲してくださった鷺巣詩郎さんからも「気負わずに歌ってください」と言っていただけたので、私がこの歌詞や歌っていくなかで思い出したこと、その瞬間の気持ちに任せて歌ってみました。「希望」や「笑顔」も声に乗せるべきかなとも思いましたが、無理にそうせず、自分の気持ちに素直に、等身大に歌いました。

――ジャケットは、本のページをイメージしたような不思議なドレスです。

 これは、紙で作られたペーパードレスなんです。かなり重くて着るのも大変だし、油断すると重力で下がっていっちゃうので撮影は大変でした。その日はすごく寒かったので、外での撮影があると聞いて驚きましたが、普段ドレスを着ることがなかったので、テンションがすごく上がっていて、楽勝でした(笑)。

――ドレススタイルなのもあってか、グッと大人っぽい写真ですよね。

 見てくださった方々から「大人っぽい」とか「いい意味でイメージと違う」と言われました。長くお世話になっている方のなかには、「白くてお嫁さんみたいだから、泣いちゃうよ」と言ってくださる方もいて、しめしめと(笑)。私としては、新しい自分を毎回見せていきたいと思っているんですね。なので、ノーリアクションのほうが悲しいんです。今は、ジャケットを見て、「SCREEN GIRL」を聞いてくださった方が、ざわざわしてくれるんじゃないかと期待しています。

――ミュージックビデオ撮影の感想も教えてください。

 リップシンクのシーンは自分も慣れてきていたのでかなり落ち着いてできました。外での撮影はめちゃくちゃ風が強かったんですが、撮影に参加してくれた子役の子たちがどんなに強風でも笑顔でいてくれたので、プロだなぁと思っていました。天気はすごくよかったので、光や色味がやわらかくきれいで、風も躍動感あふれる映像にひと役買ってくれて、タイトルにピッタリの映像になりました。


――「ワンダーワンダー」を1曲目にしてライブをやりたいという話でしたが、何度かフェスには出演されていますよね。

 毎回緊張していて、ステージに出るまでは震えちゃうんですが、ステージに出ると、会場が広すぎて逆にリラックスできちゃう感じでした。ただ、「犬フェス!2」のときも「リスアニ!LIVE 2020」のときも失敗しちゃって……。ごまかすという技を覚えよう、もう二度と「間違えちゃった」と言わないようにしようと心に誓いました。応援してくださる皆さんは「失敗は成功のもとだよ」とか「次につなげればいいよ」とやさしい言葉をくださるので、いつか恩返しをしたいですし、ちゃんと成長して、ステージ上でのかっこいい姿、ちゃんとできるんだという姿を見せたいと思っています。

――どちらのフェスでも歌った「初めての主役」には、“下の名前”のコールがありますよね。

 私を知らない人も多いなかで、応援してくださる方が叫んでくださるのはすごくうれしいです。いつか、その場にいるすべての方が心置きなく「すみれ!」と叫んでくれるような空間が作れたらと思っています。

――最後に読者へメッセージを。

 デビューミニアルバムのときから豪華な楽曲に恵まれて、自分の可能性もどんどん広がり、今回、1stシングルをお届けできることになりました。プレゼントトラックも含めて4曲という盛りだくさんな仕上がりになっています。私自身のやりたいこと、届けたい音を込めた1枚になっていますので、ぜひ聞いて楽しんでいただきたいです。皆さんの反応を見て今後のアーティスト活動をどんなふうにしていくかも考えたいので、ぜひたくさんの反応、感想をいただけたらうれしいです。

「つむじかぜ」通常盤

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

Profile
諸星すみれ【もろほし・すみれ】4月23日生まれ。劇団ひまわり所属。2019年にミニアルバム『smile』でアーティストデビュー。声優としての主な出演作は、『BNA ビー・エヌ・エー』影森みちる役、『ハクション大魔王2020』アクビ役など。

『つむじかぜ』リリース情報
諸星すみれの1stシングル。表題曲は『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』第二部のOP。吹き抜けるような清々しいメロディーと、伸びやかな歌声が心地いい1曲。カップリングは「SCREEN GIRL」「ワンダーワンダー」。プレゼントトラックとして、『劇場版アイカツ!』の挿入歌「輝きのエチュード」のカバーも収録。初回限定盤は、表題曲のMVなどを収録したBlu-ray付き。
【発売日】
発売中
【レーベル】
フライングドッグ
【価格】
初回限定盤:2,970円(税込)
通常盤:1,760円(税込)

《超!アニメディア編集部》
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