綾野ましろが、アニメ『ダーウィンズゲーム』のEDテーマ「Alive」を2月19日にリリース。楽曲の制作過程を聞いたインタビューが、アニメディア3月号に掲載。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかったぶんを含めた特別版を公開。カップリング曲について、ハマっているアプリについて、そしてオリンピックのマラソンが札幌で開催されることなど聞いた。
■北海道の洞爺湖で、幼い頃に私自身が感じた感覚とも似ているかも
ーーアニメ『ダーウィンズゲーム』のEDテーマを担当することについて、どんなお気持ちですか?
まずは嬉しさと、デビューから遡ってみても初めて携わるテーマや世界観の作品なので、私自身の楽曲や活動の幅が広がって、アグレッシブになれそうだと感じました。
ーーアニメ『ダーウィンズゲーム』の感想を教えてください。
私は、けっこうマンガやアニメの世界に影響されやすいので、怖いけれど「ダーウィンズゲームをやってみたいな」と、思いました。現実とアプリが両立しているので、「これは頭がよくないと……あと運も実力のうちかな……」などと、考えながら楽しんでいます(笑)。私もシギル(異能)が使えるとしたら、リュージのような嘘発見器(トゥルーオアライ)がいいです!
ーーEDテーマ「Alive」を最初に聴いた印象は?
ドラマチックなメロディーと歌詞で、情景が浮かんでくる楽曲だと感じました。哀しみの要素は強めですが、哀しかったぶん希望への渇望があるんだと思います。自己だけではなく、聴いているあなたに涙を隠さないでという意味合いも感じました。
ーーとくに好きだな〜と思ったところはどこですか?
ラストまで聴いて、呼吸するのを忘れていたと気付くような、潔癖でありエモーショナルでもあるところが好きです。終わりのサビに向けての気持ちや息使いだとか、マイクとの距離など、レコーディングでは試行錯誤を重ねました。
ーーハイトーンのサビがすてきですが、ここにはどんな気持ちを込めましたか?
私としては好きなキーで、“生きているよ!”という、叫びにも似た感覚で歌いましたね。
ーー歌ってみて難しかったところや、苦心したところがあれば教えてください
歌詞にある感情の起伏や、移り変わりのバランスを私なりに想像することが難しかったです。楽曲と真摯に向き合い、素直に感じたメロディーの繊細さを生かそうと思いながら歌わせていただきました。
ーーまた北海道の広野のような、スケールの大きさも感じました。綾野さんは、どんな情景を想像しながら歌いましたか?
はじめは内に秘めた閉塞感、そこから力をためて、サビでは感情が爆発的に広がるイメージでした。たしかに北海道の洞爺湖で、幼い頃に私自身が感じた感覚とも似ているかもしれません。洞爺の自然の力強さと、ちっぽけな存在とも言えるような個人でも、さまざまな思いを大きく解き放つことができるんだという気持ちを込めました。
ーーでは「Alive」を聴いた人には、どんなことを感じて欲しいですか?
『ダーウィンズゲーム』の主人公のカナメは、自発的な行動力があり頭も良く、チームリーダーとして理想的な存在です。そんな人になりたいと願う人も多いのかと思いますが、なかなか理想どおりに行かずに挫折してしまうこともあるかと思います。悩みや葛藤を抱えている人に対して、簡単に頑張れと背中を強く押すよりも、人の暖かさや言葉などと一緒にそっと寄り添うことで背中を押してあげられるはず、という想いを込めたので、そこを皆さんに感じていただければうれしいです。
■移動中に日本人形を育てています(笑)
ーーまた、「Alive」のカップリングには、アッパーのソリッドなロックチューン「鼓動」を収録しています。この曲には、どんなメッセージを込めましたか?
ライブで映える楽曲を今までも意識してきたのですが、この楽曲もライブで楽んだり、聴いていて力が湧くようなロックチューンですね! 過去への絶望感、未来への絶望感、不信感、そして現在にも絶望があって。ただその中には、わずかな願いもある。歌詞では深層心理のネガティブな部分に触れていますが、人は他人に打ち明けられないことを抱きながら生きていると思うんです。心臓の鼓動は無意識下でも脈打っているという力強さや、それに気づいたときの希望へのヒントを掴み取ってほしいです!
ーー「鼓動」の特に聴いてほしいポイントを教えてください。
ストーリー性を重視して書いていただいた、歌詞にも注目していただけたらと思います。登場人物の感情に寄り添い、より魂を込めて歌わせていただきました。
ーーそしてカップリングのもう1曲には「RAY OF LIGHT(LIVE Ver.)」を収録。この楽曲を今改めて収録した理由は?
ライブのラストに歌うことが多い曲なんです! 一緒に飛んだり、歌ったり。支えてくれるひとりひとりを想った歌詞なので、感謝の気持ちを込めて、改めて臨場感のあるライブバージョンでお届けしたいと思いました。
ーーいつのライブですか?
2018年のワンマンライブ『YOUR WORLD』のときの音源です。このライブはマイナビBLITZ赤坂への2回目の挑戦で、本当に一体感のある空間でした! 何もかも振り払って歌った、あの場所での一瞬一瞬が鮮やかに心に焼き付いています。ぜひ聴いて欲しいです。
ーー「RAY OF LIGHT」は、2016年のアルバム『early days』に収録。そこから4年が経つわけですが、当時の自分の歌声と比べて、変わったなと思うところや、成長したなと思うところを教えてください。
今も歌は、日々研究しながら変化や音域が広がっていくのを感じていて、それが楽しくて仕方がないです! 『early days』はコンセプトアルバムで、歌詞も楽曲のサウンドも、初心を忘れないような仕上がりになっています。
ーー話題は変わりますが、「Alive」がEDテーマのアニメ『ダーウィンズゲーム』は、アプリをきっかけに命がけのゲームに身を投じるという物語です。なにかゲームアプリで、ハマっているものはありますか?
『ダーウィンズゲーム』の世界での命がけのバトルは、観ていてとてもハラハラしますが、私が今やっているゲームアプリも、脱出ゲーム系のハラハラするものが多いんですよ。あとは移動中に日本人形を育てていたり……そういうアプリがあるんです(笑)。
ーー『育てて日本人形』というアプリ、めちゃめちゃ怖いですよね。あと、「こんなアプリがあったらいいな〜」と思うアプリはありますか?
『雪だるま濾過マシーン!』です。北海道民なので、冬は雪が多くて除雪も大変で……。雪を転がしながら可愛い雪だるまを作り、なおかつスイッチ一つで濾過できるという、遊びと実用性を兼ね備えた便利アプリ(笑)!
ーー綾野さんは北海道在住とのことで。今年は地元の札幌でオリンピックのマラソン競技が開催されますが、どんなお気持ちですか?
陸上競技は昔やっていて、短距離も長距離もやっていたので、まさかマラソンが地元の北海道で開催されるなんてすごくうれしいです! 私のライブもマラソンのようなペース配分と体力勝負なところが面白いので、シンパシーを感じてしまいます(笑)。ぜひ、ランナーの皆さんの勇姿を拝見したいですね!
ーー2020年は、どんな活動をしたいですか?
デビューして6年目となりますが、まだまだ訪れたことのないところがたくさんあるので、ライブやイベントで歌いに行きたいです。昨年の終わりに台湾でワンマンライブを開催させていただいたので、また海外でのライブを開催して、みなさんにもっと綾野ましろのライブを知ってもらいたいです。
ーー最後に、読者に向けてメッセージをお願いいたします。
1月から放送スタートしたアニメ『ダーウィンズゲーム』と共に新曲「Alive」をお届けできて光栄です。カップリング曲の「鼓動」も「RAY OF LIGHT(LIVE Ver.)」も、心に刻まれる楽曲たちだと感じているので、ぜひ聴いてみてください。私自身もさらに進化しつづけたいですし、今年もライブやイベント等でより多く歌い、みなさんと居場所を共有できる1年にしていけたらうれしいです!
取材・文/榑林史章
PROFILE
【あやの・ましろ】北海道・洞爺湖町出身の女性シンガー。2014年にアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のOPテーマ「ideal white」でメジャーデビュー。以降『ガンスリンガー ストラトス』や『グランクレスト戦記』など多くのアニメテーマソングを担当。シンガポール、ロサンゼルス、ドイツ、台湾など海外でも活動する。
商品情報
「Alive」
SACRA MUSICより2月19日(水)発売
初回生産限定盤:1,600円
通常盤:1,200円
期間限定生産盤:1,500円
表題曲は、アニメ『ダーウィンズゲーム』EDテーマとして話題の、力強くエモーショナルなミディアムバラード。カップリングには、アッパーのロックチューン「鼓動」と、一昨年のマイナビBLITZ赤坂でのワンマンライブで披露した、綾野のライブの定番ナンバー「RAY OF LIGHT(LIVE Ver.)」を収録。
綾野ましろ 公式サイト
http://www.sonymusic.co.jp/ard/Arch/ayanomashiro/
綾野ましろ 公式Twitter
https://twitter.com/ma_shi_ron