Lenny code fictionが『炎炎ノ消防隊』EDテーマ「脳内」をリリース!「一発逆転できるものができたと思っています」【インタビュー】 | 超!アニメディア

Lenny code fictionが『炎炎ノ消防隊』EDテーマ「脳内」をリリース!「一発逆転できるものができたと思っています」【インタビュー】

Lenny code fictionがアニメ『炎炎ノ消防隊』EDテーマ『脳内』をリリース。楽曲の制作過程を聞いたインタビューがアニメディア2020年1月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、本誌に掲載できなかっ …

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 Lenny code fictionがアニメ『炎炎ノ消防隊』EDテーマ『脳内』をリリース。楽曲の制作過程を聞いたインタビューがアニメディア2020年1月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、本誌に掲載できなかった分を含めた特別版を紹介。


■勝手なイメージを払拭し一発逆転できる曲

ーーアニメ『炎炎ノ消防隊』EDテーマ「脳内」ですが、1年半くらい前に作った曲だそうですけど。

片桐航(以下、片桐) 僕らは、日々の生活で飯を食うのと同じような感覚で曲を作っていて、そのなかで生まれたひとつです。僕は漫画や映画からインスパイアされて曲が浮かぶことが多くて、これもある漫画をきっかけにできました。

ソラ いつも曲と一緒にインスパイア元の画像も送られてくるんですけど、たくさん送られてくるなかで「脳内」はひときわ目立っていて。バンドでアレンジを進めている過程で、『炎炎』のEDテーマに決まったんです。歌詞には<悪魔>というワードがすでに入っていて、それが決め手になりました。

kazu いつもは5曲くらいたまってから、一度にアレンジをするんですけど、このときはソラが「今すぐやろう!」と言って、何よりも優先して仕上げたことを覚えています。確かに頭サビがキャッチーだし、歌詞も仮歌の段階からあったから、アレンジがイメージしやすかったです。

KANDAI 「脳内」というタイトルも、最初からついていたんです。今まで漢字2文字のタイトルは無かったから、「あれ?」と思った人も多かったと思いますけど、僕らとしてはまったく違和感がなくて、すぐ「いいじゃん」って。

ソラ でも、最後に少し迷ったよね?

片桐 うん。「悪魔」にするか「脳内」にするかで。でも、サビ頭の歌詞にいきなり<脳内>って出てくるし、「脳内」ってかっこよくねえ? って感じで決まりました。

ーー「脳内」というタイトルには、どんなものを込めましたか?

片桐 脳内にある自分の理想像を、大切にしたいという気持ちです。人に作られたイメージってあるじゃないですか、世間から見たイメージとか。それに自分の甘えによって、脳内でイメージした理想像からかけ離れてしまう場合もある。それら全部を敵として、脳内にあるイメージを武器にして戦いながら前に進んでいくという歌詞です。


ーーそのときは、どうしてそういう歌詞を書こうと思ったんですか?

片桐 今でこそ僕らは、ライブに自信があるし楽曲はどれも“強い”と信じてやっているんですけど、デビューしたばかりのころは、何も知らないことを言い訳にして、自分たちを良く見せようとして猫をかぶっていたところがあって。そのせいもあって、「ライブをやっているイメージがない」とか、「見た目だけ」みたいなことを言われることが多かったんです。そういう世間の勝手なイメージを、払拭するような1曲がほしくて。バンドを始めたころから理想としていた格好良さを、アルバム収録曲やカップリング曲では表現できていたのに、表題曲となるといろんなことを考えてしまって、素直に表現できていなくて。そういうなかでこの曲は、技術の面でもそこに込めた感情の面でも、一発逆転できるものができたと思っています。

ーー脳内にある格好良さのイメージが、ストレートに表現されていると。各楽器で、ポイントにしたことは?

ソラ いわゆるロックバンドが持つ、“いなたさ”は意識しました。たとえば、日本のバンドで言うとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTやBLANKEY JET CITY、海外ではArctic Monkeys、WHITE STRIPESといったバンドが持つ、いなたいノイジー感は、航が作る曲の世界観とも合うと思っていて。やんちゃ感って言うか。

kazu ベースは、表題曲では初めて5弦ベースを使いました。今までも使っていましたけど、それは必要な音が4弦ベースでは出ないからという物理的な理由だったんです。でもこの曲は、他の曲よりも音数を減らしてシンプルな構成にしているので、そのぶんより低音で力強さを表現したいと思って。5弦のいちばん低い音でスラップ奏法をしているので、ヘッドフォンやイヤフォンで聴いたときに、ベースの主張をより感じてもらえると思います。

KANDAI ドラムは静と動をテーマにプレイしています。個人的に“空間系フィル”と呼んでいるんですけど、手数で埋めるのではなく、裏からタムで抜けていくような手法を使っていて。聴くとそれほどでもないけど、実際に叩こうとするとすごく難しいんです。

ーー“空間系フィル”って言うんですね。

KANDAI 僕のドラムの師匠がそう名付けました!

■本物のロックの衝撃をガツンと

ーーちなみに「脳内」というタイトルということで、脳内を覗いてみたいと思うメンバーはいますか?

kazu 僕は、航の脳内を見てみたいです。

ーーどうしてですか?

kazu 全員ロジックという同じ音楽制作ソフトを使っているんですけど、航が作った曲のデータを開くと毎回驚くんです。根本的な発想が違うと言うか。「なぜこんなツマミになっているんだ?」って。

片桐 使い方がよくわからなくて(笑)。結局ギターを弾いて作るので、何ならボイスメモで十分なんですけど(笑)。

ソラ でも航がそういうツールをめちゃめちゃ使いこなしていたら、逆にちょっと嫌ですけどね。航はライブでも足下はチューナーだけで、エフェクターとかも置かないくらいだから。そういう潔いところに、航の格好良さを覚えるので。

片桐 そうなったのには、理由があって。バンドを始めたころはお金がなくて、ギターは人からの借り物だったんです。それである日ライブハウスに行ったら、お金持ちでめっちゃ良いギターで機材もたくさん揃えているやつがいて、でもそいつがめちゃめちゃヘタクソだったんですよ。すごく格好悪いと思って、そのときに「僕はこの借り物のボロボロのギターで、メジャーに行ってやるんだ!」と誓いました。だってボブ・ディランも歌と1本のギターで世界を動かしたわけで、そこに精神と思想があれば音楽は成り立つんです。そういう反骨精神があると言うか。

ーーいいギターといい機材があれば、いい音は出ますからね。

片桐 そう。だけどその前に、ワンフレーズのいい歌詞や、ワンフレーズのいいメロディが作れるかどうか。「お前にはそれが、書けないだろ?」って、金持ちのやつに思ったのが始まりです。

kazu でも、いつかそのギターは返してな(笑)。

ーーkazuさんのギターだったんですね。

片桐 今も曲作りはそのギターでやっているから、もうちょっと貸してて(笑)。

ーーやっぱりそのギターでないと、いい曲は作れない?

片桐 作曲する人間のジンクスで、曲作りで同じ楽器をずっと使い続ける人はすごく多いです。だから、何ものにも代えがたいんです。でもそのジンクスが行きすぎて、5年くらい同じピックを使っていたこともあって。

ーーピックは使っているうちに、削れていくじゃないですか。

片桐 100円で買ったESPの黒いピックで、最初は三角形でしたけど、最後は丸になっていました(笑)。さすがに弾きづらいので最近新しいピックに替えましたけど、普通に曲ができているので、ピックは関係なかったみたいです。

ーー演奏側にも、そういうジンクスってありますか?

KANDAI 僕は自分の性格的なものもあって、少しでもいつもと違うとダメですね。スティックも、自分のなかで右左が決まっていて、逆に持つと気になって演奏に集中できないです。

ーードラムのスティックって、右とか左とかあるんですか?

KANDAI ないんですけど、個体差があって0.1〜2グラムくらい違うんです。ほかにも椅子の高さとか、イヤモニをはめるときも左からと決めていて。ドラマーでそういうルールを自分で決めている人は、すごく多いですよ。

ーードラムって、細かいことにこだわらない破天荒なイメージですけどね。

KANDAI ドラムは両手両足を使うから、曲が始まったら途中で椅子を直したりとか何もできないから、セッティングがすごく重要なんですよ。

ーーさて話は変わりまして、カップリング曲「ヴィランズ」も格好いいですね。タイトルのヴィランは悪役のこと。以前に「Make my story」でOPテーマを担当した『僕のヒーローアカデミア』にも、ヴィランという言葉が使われていますし。

片桐 ディズニー映画でもマレフィセントなどが、ディズニーヴィランズとして人気が高いですよね。最近ではバットマンの敵である、ジョーカーが主役の映画『ジョーカー』が話題になりました。海外では、一般的に悪役を意味する言葉として使われていますね。

ーーどういうイメージで曲を作ったのですか?

片桐 今までは、こういう痛みを伴ってきたけどそれは何かを掴むためだったとか、最終的にハッピーエンドだったり、背中を押すような曲を作ってきたけど、このときは自分のなかのマジで素直な闇の部分を書きたいと思ったんです。たとえば、めっちゃ嫌いなやつがいて、そいつが不幸になったらうれしいみたいな(笑)。口には出さないけど、みんなが必ず持っている感情じゃないですか。

ーー普通は口には出さないことを、口に出してやろうと。

片桐 そうです。それにアーティストって「すべてをさらけ出しています」と言っておきながら、そこまでのことは隠しがちで、自分たちも含めてそういうのは超格好悪いと思って。何も隠さず、全部出した曲を書いてやろうと思ったんです。

ーー「ヴィランズ」は、誰かに対して敵だと歌っているのではなく、誰でも自分のなかにヴィランがいると歌っているわけですね。

片桐 そうです。自分のなかの悪魔がささやくという言葉があるように、悪の感情が出てくるときって、自分のなかにいるヴィランが出てきて背中を押すんだと思います。

ソラ そう考えると、リアルな曲だね。「ヴィランズ」というタイトルや曲の雰囲気的に、ファンタジー要素が多いと思っていたんだけど意外と生々しい。

ーー映画『ジョーカー』も面白いと評判で、悪役が主役の映画が人気なのは、人のそういう負の感情を肩代わりしてくれているからなのかもしれないです。この曲も、そういう存在になってくれたらいいですね。

片桐 そう思います。

ソラ 僕もアニメなんかだと悪役で好きなキャラクターが多くて、それが最終的に仲間になる展開だとよりアツイです。『NARUTO-ナルト-』のイタチとか、ただの悪者じゃないっていう。

kazu 映画『スター・ウォーズ』のダース・ヴェイダーもそうですよね。最初は絶対悪い奴だと思っていて、結果的に正義と正義のぶつかり合いなんだけど。

ーーそして来年は、ツアー【Lenny code fiction Presents 5th Single 脳内 Release Tour 「ロックの復権」】を開催。「ロックの復権」には、どんな気持ちを?

片桐 僕らは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、BLANKEY JET CITY、ONE OK ROCK、9mm Parabellum Bullet、THE BACK HORN、凛として時雨など、1990年代から2000年代にかけてのJ-ROCKを聴いて育ってきて、学校に行けば、みんなそういうバンドの話ばかりしていました。でも同世代からは、当時のようなロックバンドは出てきていないと思っています。そこで「脳内」という曲を携えて、自分たちが先頭に立ってそういうロックを復権してやろうと思って。まだ本物のロックを聴いたことがない人に、本物のロックの衝撃をガツンと与えてやります!

取材・文/榑林史章

PROFILE
Lenny code fiction【レニー・コード・フィクション】
メンバーは片桐航(Vo&G)、kazu(B)、ソラ(G)、KANDAI(Dr.)。2016年に『D.Gray-man HALLOW』OPテーマ「Key -bring it on, my Destiny-」でデビュー。これまでにアニメ『ALL OUT!!』OPテーマ「Flower」、『パズドラクロス』OPテーマ「Colors」、『僕のヒーローアカデミア』OPテーマ「Make my story」などのアニメ主題歌を手がける。

商品情報
『脳内』
キューンミュージックより発売中
通常盤:1,200円(税別)


期間生産限定盤(アニメ盤):1,400円(税別)


 アニメ『炎炎ノ消防隊』EDテーマ「脳内」は、キャッチーさとソリッド感が融合。アニメと絶妙にリンクした歌詞がアツくさせる。カップリングには、ヴィラン=悪役は誰のなかにもいると歌った「ヴィランズ」、想いでの風景をさわやかに歌った「Time goes by」を収録している。

Lenny code fiction 公式サイト
https://www.lennycodefiction.com/

《超!アニメディア編集部》
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