フランス版実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』伊倉一恵&沢城みゆきの”香“対談!「リョウがカッコ良くてずるい!」【インタビュー】 | 超!アニメディア

フランス版実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』伊倉一恵&沢城みゆきの”香“対談!「リョウがカッコ良くてずるい!」【インタビュー】

北条司原作で、TVアニメシリーズが4作、そのほかスペシャルや映画、実写版など数々の作品が制作されてきた『シティーハンター』。凄腕スイーパーの冴羽リョウと相棒の槇村香が活躍する物語を、フランス人映画監督のフィリップ・ラシ …

ニュース
注目記事
DSCN5822
  • DSCN5822
  • フランス版実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』伊倉一恵&沢城みゆきの”香“対談!「リョウがカッコ良くてずるい!」【インタビュー】
  • フランス版実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』伊倉一恵&沢城みゆきの”香“対談!「リョウがカッコ良くてずるい!」【インタビュー】

 北条司原作で、TVアニメシリーズが4作、そのほかスペシャルや映画、実写版など数々の作品が制作されてきた『シティーハンター』。凄腕スイーパーの冴羽リョウと相棒の槇村香が活躍する物語を、フランス人映画監督のフィリップ・ラショーが実写映画化した。フィリップ監督の『シティーハンター』愛がたっぷり詰まったという本作では、香の吹き替えを沢城みゆきが担当。今回は、テレビアニメで香の声を担当し、本作ではスキッピーの妻役で吹き替えを担当する伊倉一恵と沢城みゆきに、作品や登場人物の魅力について語ってもらった。


コメディーとハードボイルドのバランスが最高

――『シティーハンター』がフランス映画になると知ったときの感想を教えてください。

伊倉 フランス版ということでコミックスのリョウにより近い面立ちの役者さんが出られるのかなと思っていました。実際に拝見しても、とてもリョウに近いなと感じました。

沢城 私は、吹き替えのお話をいただいたときに、フランス版だということをうかがいました。最初は、かっこよさを極めたような映画を想像していたんですね。でも、実際に拝見したら、まったく真逆でコメディー色が強く、その温度差に驚きました。

――伊倉さんは、実際に本編をご覧になって、どんな感想を持ちましたか?


伊倉 とにかく面白くて面白くて。私もスキッピーという登場人物の妻役で吹き替えをさせていただいているので、彼女の行動をチェックしながら観たんですが、あまりの面白さに(テレビアニメのリョウを演じる)神谷(明)さんと原作の北条(司)先生にも「とにかく笑った」と連絡をしたくらいです。かっこいいシーンももちろんたくさんあったのですが、ずっこけるような『シティーハンター』らしいコメディータッチな部分がいっぱいあって、それがいいバランスで入っていたんですよ。

――原作のコミックスにある香の兄・槇村秀幸のエピソードやリョウと香の関係性も見事に落とし込んでいますよね。

沢城 そうなんです! 原作の映像として観たいと思っていたシーンも再現されていて。

伊倉 リョウが香のドレスをまくり上げて、そこに仕込んであった拳銃を撃つシーンとか素敵だったよね。スローモーションの入れ方も見事だったし、かっこいいアクションも満載。間抜けなところとかっこいいところの出し方が絶妙で、笑っていたかと思えばキュンとなる。とにかく見どころだらけです。私は、香が香水を手に逡巡するところを、「すごくわかるな~、香らしいな~」と思いながら観ていました。

あえてアニメは観ずに行った吹き替えのアフレコ

――沢城さんは、実際吹き替えをするにあたり、どういったアプローチで演技をしようと考えられましたか?

沢城 アニメの香が存在している以上、どういう香像で声を起こしたら正解なんだろうって思われますよね? 私も、最初はそう考えていたんです。でも、トレーラー映像からしても、原作へのリスペクト、アニメへのスーパーリスペクトが感じられて。エロディ・フォンタンさんが演じられている香にもそのリスペクトは必ずあると思ったので、彼女の演技に声をあてていけば、きっと伊倉さんが演じられた香になるだろうと確信をしたんです。ですから、あえてアニメを観返さず、ほかの作品の吹き替えと同じような気持ちでアフレコをさせていただきました。

――今回は、リョウ役の山寺宏一さんと同じ日にアフレコをしたそうですね。

沢城 そうなんです。山寺さんからも原作への愛をすごく感じていたので、私にとってはご一緒させていただけるということがすごく支えになり、結果的に楽しんだら正解かなと思うことができました。でも、私もアニメを観ていたので、DNAには伊倉さんの香がしみこんでいたみたいで。自分としては意識していないけれど、スタッフの方から「(伊倉さんの香に)寄せた?」と言われることもあって。声がうまく作品に溶け込んでいたらいいなと思います。

伊倉 私にとって、沢城みゆきは尊敬する女優さんなので、キャスティングを聞いたときから間違いないと思っていましたよ。彼女は、キャラクターに自分を寄せていく、自分を打ち出していかない作り方をするんですね。それが大好きでしたし、フォンタンさんにもピッタリの声だったと思います。何より、フォンタンさんの香を演じたらこうなるだろうなという私の想像ともピッタリで、さすが、尊敬している沢城みゆきだと思いました。

沢城 私は伊倉さんが声をあてられたスキッピーの妻の演技が、想像の遥か先のものだったのに感動しました。原音を凌駕していく先輩たちを見て、あこがれて吹き替えの世界にも入ったので、「吹き替えってそうなの、だから私は吹き替えが好きなの」って改めて思えたんです。スキッピーの妻が伊倉さんだって、まったくわからないのもすごくて。

伊倉 ディレクターやマネージャーと相談して、香っぽさはないほうがいいと思ったし、観てくださった方に、「スキッピーの妻の声は香をやっていた人じゃない?」って言われるのも嫌だなと思ったんですね。だったら、もっと作り込んだほうがいいと思って。実際、スキッピーの一家は変わり者ばかりだったので、思い切ってやってみたのが合ったのかな。

沢城 私、一家がソファーに並んでいる姿が最高だと思いました。

伊倉 あのシーンも面白いよね。妻も旦那さんも息子も、めちゃくちゃ変わり者だったので、やりたい放題でいいんだなと思って(笑)。香っぽいなと思われなければいいですね。

沢城 見つけられないですよ。ちょっと気づかないですよね。

――どこかに出ているはず、とすごく意識していないと気づかないですね。

伊倉 私もどちらかというと役を作りたいタイプの役者なので、わからないと思っていただけているのならうれしいです。

――吹き替えをしていて驚いたことはありましたか?

伊倉 観ていただいた方にはわかると思うんですが、私たちが吹き替えをした段階では、可愛い“カラス”は映っていないんですよ(笑)。

沢城 最初はどうするのかと思いましたよね。まさか、海外ではこのまま上映しちゃうのかなって思って(笑)。

伊倉 そうそう。あまりにもおおっぴらで、それも面白かったですね。

香はかわいいし、リョウはずるいくらいにかっこいい

――実際演じてみて発見した香の魅力は?

沢城 子どもの頃にアニメを観ていたときは、少年っぽさがあったり、リョウを低い声で怒っていたりするイメージが強かったんですね。でも、今回、吹き替えた後にアニメを見返してみたら、母性はあるし、ヤキモチも焼くし、自分がミスをしたときはあやまらなくちゃと素直に考えられるし……とにかくかわいい女性で驚きました。

伊倉 そう、かわいいの、香は。

沢城 もし、アニメを観てから声をあてていたら、もっとかわいい演技をしていたかもしれないなと思ったくらいです。

伊倉 かわいい面があるのも、香の魅力的なところなんですよ。実際、実写で観てみると、フォンタンさんがすごくいいんですよね。リョウのことが好きなんだけど、それが言えないみたいな微妙な表情がとても多くて、それに見事に声をあてている沢城みゆきは、さすが私の尊敬する役者だなと改めて思いましたね。

沢城 ありがとうございます。

――リョウについてはいかがでしたか?

伊倉 かっこいいです。そしてずるい。

沢城 ずるいとしか言いようがないですよね。アニメのときのリョウにはちょっとした幼さを感じたんです。香の気持ちに気づいていないのかな……みたいな。

伊倉 実際のところ、どの程度気づいているのかは怪しいところだよね。

沢城 実写だと、好意を隠そうとするお芝居はしていないように感じたんですね。香に対する接し方もすごくナチュラルで。

伊倉 でも、自分では何も語らないんだよね。香水を本当に好きな人にかけたらどうなるのかということも、自分では言わない。そこがおしゃれだし、演出としても上手だなと思いました。私ね、甘ったるくなる雰囲気があまり好きじゃないんです。ちょっと恥ずかしくなっちゃって。でもこの作品は、甘くなりそうなところは、リョウと香以外の人が解説するというのがすごくうまいなと思いました。リョウと香は延々と丁々発止やっていて、でもあのふたりの結びつきは特別なんだぞというのを、外側からわからせるという作りが素晴らしいですね。

沢城 それでいて、リョウから聞きたい甘いセリフもうまく入れ込んでくれていて。ちゃんとオチがあるところも、うまいことやられたなと思えますね。

伊倉 とにかく、すごく良くできているので、原作を読んでいた方、アニメを観ていた方にもぜひ観てほしいです。

沢城 伊倉さんがここまで言うくらいですから、自信を持ってオススメしたいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
いくら・かずえ/3月23日生まれ。長野県出身。青二プロダクション所属。
さわしろ・みゆき/6月2日生まれ。東京都出身。青二プロダクション所属。

<映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』<デラックス吹替版>情報>
全国劇場で2019年11月29日(金)より公開


 ボディーガードや探偵を請け負うスイーパー(始末屋)の「シティーハンター」ことリョウは、相棒の香とともに、さまざまな依頼を請け負っていた。そんなある日、ふたりのもとに持ち込まれたのは「香りをかいだ者を虜にする『キューピッドの香水』」を悪の手から守ってほしいという依頼。しかし、あるトラブルから香水が何者かに奪われてしまう。48時間以内に取り戻さなければ、世界は危機に陥ること必至! ふたりは香水を取り戻すために奔走するが……。

映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』公式サイト
https://cityhunter-themovie.com/

映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』公式Twitter
https://twitter.com/cityhunter_2019

(C) AXEL FILMS PRODUCTION – BAF PROD – M6 FILMS

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集