現在放送中のTVアニメ『スター☆ トゥインクルプリキュア』初の単独映画となる『映画スター☆ トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が、10月19日(土)より全国で公開。本作で映画オリジナルキャラクターである星空警察メリー・アンを演じ、また主題歌も担当するのは、歌手、舞台女優として活躍する知念里奈である。
超!アニメディアでは、知念さんにインタビュー。映画の見どころに加えて、「プリキュア」や「アニメ」の魅力などについてお話をうかがった。
――今回、「プリキュア」の映画に出演するというお話をもらったとき、どのようなお気持ちでしたか?
まさか女の子たちの憧れである「プリキュア」に関われるなんて!と、ビックリしましたし、すごく嬉しかったです。私、うちの長男が小さいころに「プリキュア」を一緒に観て、エンディングのダンスも一緒に踊ったことがあって。その思い出が蘇ってきました。あと、自分が女の子だった頃も思い出せた気がします。映画館に足を運ぶお母さんも同じような気持ちになれるんじゃないかな。
――「プリキュア」に対してはどのようなイメージがありましたか?
キラキラで夢がいっぱい。あとはピンク色というイメージがありますね(笑)。
――なるほど(笑)。そんな「プリキュア」の映画で、知念さんは今回メリー・アンという役を演じられます。
アン警部補はおっちょこちょいでチャーミング、正義感があるんだけどもドジという面白いキャラクターでした。演じるのは楽しかったですが、監督さんには色々と要求をしてください!とお願いして、何度も録り直しをしました。
――監督からはどういったディレクションがありましたか?
「技のキメセリフはもっとロングトーンで」など、テンションを高くするようにというニュアンスのディレクションが多かったです。というのも、アン警部補はとにかくテンションが高くて! 自分が想定していた以上で、しかも自分にはない部分でもあったので、アフレコの終盤は気を失う寸前まで頑張りました。子供と遊ぶときの100倍くらいのテンションで演じています。ただ、そういうテンションって多くの子供たちが観る作品において、必要なことなんだと思います。というのも、私には1歳の子供がいるのですが、その子はきっとまだ何かも分かっていないだろうけども、「プリキュア」の声を聴いたらテレビのほうを振り向くんですよ。だから、高いテンションや声の迫力って、大切なんだと思ったんです。
――なるほど。知念さんはミュージカルなどさまざまな舞台にも立たれていますが、こういうキャラクターを演じたことはありましたか?
テンションもそうですが、何といっても「犬」のキャラクターなので、なかなか演じることはなかったですね。
――では、アニメでのお芝居と舞台やドラマなどのお芝居は違う?
違いますね。アニメのお芝居だと、「……」や「!」にも声が必要ですし、走るときにも声のリアクションが必要なんですよね。私は3回くらいスルーしちゃって指摘されました(笑)。
――アニメだと「顔」が映像として出るわけではないので、表情で表現はできないですもんね。
そうなんですよ。だから、とても挑戦的なことでしたし、その分面白くもありました。アフレコではユニ(キュアコスモ)役の上坂すみれさんとご一緒したのですが、普段から声のお芝居をされている方は技術も声の出し方も違うなと感じました。声の密度がとても高い気がします。
――そんなアフレコで一緒になった上坂さんの印象は?
お人形さんみたいでとにかく可愛い! 全部が可愛かったです。でも、ご自分が演じる番になったら、表情がスッと変わる。やっぱりプロだなと思いました。上坂さんには休憩のときに色々とお芝居に関するご相談もしたんです。そのアドバイスがとても参考になりました。
――ここまでお芝居の話を中心にうかがってきましたが、続いて台本を読んだときの感想を教えてください。
キュンとしました。ただ、切ないとも感じて。また、子育てという目線からアドバイスをもらえている気がしました。本作は「多様性」がテーマのひとつとしてあると聞いています。今回の映画もまさにそうなんですよね。自分と違うものを否定するのではなく、受け入れて認める。子育てとしてもですが、こういう考えって大人がもっていないといけないことですよね。
――「プリキュア」は教育にもいい?
本当にそう思います。こんなにも深いテーマがあるなんて……。日本のアニメはすごいなと思いました。
――ちなみに、知念さんはアニメがお好きですか?
好きです! 小さい頃は『ちびまる子ちゃん』、や『ドラゴンボール』を観ていました。『スラムダンク』が世代なので、とても印象に残っています。あとは、『北斗の拳』や『聖闘士星矢』も観ていました。
――少年マンガの作品が多いですね!
男と男の友情とか、「熱い」作品が好きなんですよ! 最近は長男と一緒に『僕のヒーローアカデミア』を観ています。
ーー同じ少年マンガが原作のアニメ。
確かに! 私、子供のマンガ本が増えていくから注意していたんですけども、私の血が脈々と受け継がれているから集めちゃうのかもしれないですね。そういえば母からも「(長男は)あんたにそっくり」と言われたことがありました(笑)。
――さすが、親子ですね(笑)。本作では声優としてご出演されていることに加えて、映画主題歌「Twinkle Stars」の歌唱も担当されています。こちらはどのような楽曲に仕上がっていますか?
歌詞に真っすぐな想いが詰め込まれています。映画のテーマでもある「絆」をキーワードに大事なメッセージがたくさん詰まっていて、自分も共感しましたし、子供たちにこの歌を届けられるのがとても素敵なことだなとも思いました。この曲を歌うときは、とにかく真っすぐに、私の余計な想いは込めずに、歌詞に込められている想いを伝えることを意識しています。
――本作は歌を通じて絆を紡いでいく物語です。知念さんもこれまでさまざまな楽曲を歌われてきましたが、歌を通じて絆を感じた経験はございますか?
今も色々な曲を歌わせていただく機会がありますが、以前から歌っている曲をずっと愛してくださる方たちがいらっしゃるんです。そういう昔から応援してくださる方々と一緒に歌っているわけではないですが、それでも一緒に歩んできたような気持ちがあって。それは絆なのかなと感じます。あとは単純に舞台やミュージカルは何カ月も仲間たちと一緒にいますので、それだけで絆が深まっている気がします。
――長く歌を歌われている知念さんにとって「歌」とはどのようなものでしょうか。
元々は好きという気持ちでとにかく歌っていましたが、今は“ただ歌う”というよりはしっかりと練習して、何週間も前から準備をして歌える体制も整えて……と、歌うことはある意味で特別なこととなっています。ただ、やっぱり好きなんですよね。もう、なくてはならないもの。家でも常に歌っています。
――プロとして歌っているが、根本ではやっぱり好きという気持ちがある?
そうですね!
――本日はお話ありがとうございました。最後に本作でここはぜひ観て欲しいというポイントを教えてください。
アン警部補を演じる身としては、やっぱりユーマとアン警部補の関係ですね。ユーマは、言葉は喋れないし、周りにいるものに反応して、それに影響を受けて変わっちゃう。それがうちの1歳児の子供みたいだなって思いました。あとはラストシーン。胸が痛いけども、すごく大事なシーンです。映画を観る子供たちも、これから同じような経験をしていくことがあるかもしれません。だからこそ、このシーンに注目して欲しいです。お父さん・お母さんはキラキラした夢などを思い出しながら観られる映画になっていますので、お子さんと一緒に楽しんでいただけたら、と思います!
〈『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』 情報〉
10月19日(土)ロードショー
【原作】東堂いづみ
【監督】田中裕太
【脚本】田中仁
【音楽】林ゆうき 橘麻美
【総作画監督・キャラクターデザイン】小松こずえ
【作画監督】松浦仁美 中谷友紀子
【美術監督】今井美紀
【CGディレクター】大曽根悠介
【色彩設計】竹澤聡
【撮影監督】髙橋賢司
【製作担当】澤守洸 井桁啓介
【声の出演】成瀬瑛美 小原好美 安野希世乃 小松未可子 上坂すみれ 木野日菜 吉野裕行
『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』公式サイト
http://precure-movie.com/
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