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TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)がスタートして、早いもので1年半程度が経過しました。「幽霊電車」(7話)や「霊障 足跡の怪」(70話)など、ややもするとトラウマになりそうなぐらい怖い話も少なくありませんが、それでもなお人気と注目をを集めているように見受けられます。
そんななか、76話より「最終章ぬらりひょん編」が始まるというニュースが飛び込んできました。ついにアニメ『鬼太郎』第6期も終わりに向かうのでしょうか……。詳細はまだ公表されていませんので、今後の発表を待ちたいと思います。
満を持して登場した印象を受ける“ぬらりひょん”。「妖怪の総大将」だなんて呼ばれますが、本当にそうなのでしょうか……。アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』をさかのぼって観てみると、実はぬらりひょんの描かれ方が変化していることがわかります。現在のように鬼太郎の敵として、妖怪の総大将として描かれたのは第3期(1985~88年)あたりからのようです。それ以前はボスのような立ち位置ではありませんでした。
古い例でいえば、ぬらりひょんは江戸時代の絵師・鳥山石燕による『画図百鬼夜行』に登場します。そこには、頭が大きく首は細く、太めの眉を持ったお爺さんの姿が描かれています。そのほか『化け物づくし』など同時代の妖怪絵巻にも記録があるものの、いずれも絵のみで、どういったオバケであるのかがわかりません。
近代に入ると、ぬらりひょんはちらほらと各方面の書籍に登場するようになります。民俗学者であり児童文学研究者の藤沢衛彦は『妖怪画談全集 日本篇 上』という本のなかで「まだ宵の口の灯影にぬらりひょんと訪問する怪物の親玉」と書いています。同書はとても面白い本ですが、出典や根拠が曖昧なものも多く、ぬらりひょんもそのひとつです。どこから怪物の親玉というワードが飛び出したのか判然としません。
このように不透明な部分が多いからこそ、アニメなどの創作物を通すと自由に展開できるとも考えられます。アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の最終章にて、ぬらりひょんがどのように大暴れしてくれるのか……期待でいっぱいです!
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