アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2019年7月号には、『ぼくたちは勉強ができない』のOP＆EDを歌う音楽ユニット・Studyが登場。「超！アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。
――まず、ユニットの話を聞いたときの感想を教えてください。
白石(晴香) 『ぼくたちは勉強ができない』は、勉強や恋がメインの作品なので、最初はユニット活動のイメージはなかったんです。それもあって、音楽ユニット活動があると聞いたときには驚きました。美憂ちゃん（富田美憂）やさゆみん（鈴代紗弓）とは以前から共演させていただいていたので、一緒に活動できることがすごくうれしくて、楽しみにしていました。
富田(美憂) ３人とも個性が全然違うので、どんなユニットになるかイメージができなくて、私は逆にワクワクしました。実際に活動を始めさせていただいてからは、本当に姉妹みたいな感じでわちゃわちゃしていて、最近はより姉妹感が強くなっていると思います（笑）。
鈴代(紗弓) まずすごく驚きました！ ユニット活動は初めてのことでもあったのでドキドキしたのと、お２人と一緒に活動できると知り、ワクワクとうれしくもなりました。
――レコーディングは、最初からパートが決まっていましたか？
富田 そうですね。最初にパートがわかれたものをいただいています。
白石 なので、自分のパートだけを歌いました。
――作品のＯＰ「セイシュンゼミナール」を聞いた感想は？
白石 最初にしっとりと曲が始まるので、すごくおしゃれというイメージでした。歌詞は勉強や恋に関するワードが盛り込まれていて、テンションがあがるだろうなって。
鈴代 この曲の前にデビュー曲の「ready STUDY go！」を録っていただいていたのですが、この曲もとてもテンションがあがる曲なので、それがそのままＯＰでもいいのではと思っていたくらいでした。ですが、「セイシュンゼミナール」を聞いて、あ、ＯＰだなと（笑）。
富田 箱の中からうれしさが飛び出しているような、みんなで一緒にがんばろうという気持ちが弾けるような雰囲気の曲だもんね。新学期にピッタリな曲だなと思ったので、通学途中や通勤中に聞いてほしいなと思いました。
――Ｓｔｕｄｙとして歌うときは、キャラクターっぽさはどのくらい意識していますか？
富田 私はキャラクターが７割、自分が３割くらいです。
鈴代 私もそのくらいですね。
白石 キャラクターの声で歌うというよりは、歌い方とか歌うときのテンションをキャラクターっぽくしている感じです。
鈴代 そうそう。レコーディングに臨む気持ちの作り方がキャラクターなんだよね。
富田 だから、キャラクターと一緒に歌っている感じが強いのかな。
鈴代 私が演じるうるかは、役割的にも一番「いくぞ！」という感じの強い子なので、突っ走る担当にもなっている気がします。
――「セイシュンゼミナール」のレコーディングの思い出を教えてください。
富田 私はこの曲のレコーディングが一番難しかったんです。理珠は３人の中では一番落ち着いたキャラクターなので、どこまでテンションをあげていいのか迷っていたところもあって。事前にこう歌おうと考えてはいくのですが、スタッフの方からのディレクションでそのテンプレをいい意味で壊してもらえました。最終的には「もっと弾けて大丈夫です」と言っていただけたので、伸び伸びと歌えました。
白石 私はキャラクター７割、自分３割という割合で歌うのが初めてだったので、感覚を掴むのに時間がかかりました。この曲は私が最後にレコーディングをしたので、２人の声を聞きながら、イメージを膨らませていきました。
鈴代 私は美憂ちゃんのあとにレコーディングをしたのですが、レコーディング経験もあまりないので、美憂ちゃんの歌い方を参考にさせてもらっていろいろとトライさせていただきました。冒頭のしっとりした部分が終わるところでロングトーンがあるんですが、思った以上に長くて苦戦しました。
白石 わかる！ 大変だったよね。
富田 仮歌が長かったから、ここはがんばるところなんだと思って私も伸ばしすぎちゃったんだよね（笑）。
鈴代 でも、だんだんと声が大きくなっていくところがすごかったよ。
白石 クレッシェンドな感じでね。
鈴代 ライブでは、がんばらないと！
――ＥＤの「Never Give It Up!!」はどうでしたか？
白石 ＯＰとはまた違った勢いのある曲で、Ｓｔｕｄｙの元気な部分を聞いていただける曲です。歌っていて楽しい気分になれました。
鈴代 サビに向かうところは思わず走り出したくなるような曲です。私はラブコメの「ラブ」部分が強く出ている曲だなと感じていて、乙女な感じも強く、ＯＰとはまた違ったＳｔｕｄｙを感じていただける曲だなと思いました。
富田 恋愛感が強いから、切ない感じを表現できたらいいなと思って、ちょっとウィスパー気味な歌い方にも挑戦しました。この曲は、私は２番手で。
鈴代 私が最初だったかな。
白石 たぶんそうだったかな。私は、２人の歌声を聞いて導いてもらえたレコーディングでした。
鈴代 この曲は、合いの手がおもしろいんですよ。私は「あ」と「う」の間くらいで声を出したたんですが……。
富田 私もそうかな。「あ」と「う」か「は」とかの間くらいで。
白石 そうだったんだ。２人のかわいい声が聞こえて、楽しかったよ。
鈴代 ライブで歌ったときは、ぜひティーチャー（ファンの総称）のみなさんにもコール＆レスポンスをしてほしいです。
――鈴代さんは、あまりレコーディング経験がないという話でしたが、最初にレコーディングをするときはどんな気持ちで臨みましたか？
鈴代 スタッフの方もおっしゃっていたんですが、一番自由に歌えるのが最初だと思うんですね。ですから、うるかの突っ走るようなところもイメージしつつ、比較的考えすぎずに歌うことを心がけました。でも、２人の歌を聞くと学べるところが多いので、何番目に歌っても楽しいです。
白石 最初に歌う場合って、そこで曲のイメージが固まるので、曲のイメージに合った子が最初だとそのあとの人がすごく歌いやすくなるんですよね。
富田 うん、そう思う。ただ、私は２番目以降で歌うときは最初に歌った人の尺に合わせることに重点を置いちゃうんですよ。スタッフの方に「伸ばしは何拍ですか？」ってめちゃくちゃ聞いているかも（笑）。
鈴代 あとは、自分が歌う前のパートの人が作った雰囲気を壊さないように歌うことを心がけています。
――「セイシュンゼミナール」ではミュージックビデオ（ＭＶ）の撮影もありました。
白石 ＭＶ撮影で、３人の絆がより深まったよね。
富田 丸１日一緒にいたもんね。
白石 本当に朝から夜までずっと一緒で。でも、笑いが絶えなくて。本当に他愛もない話題で大盛り上がりだったんですよ。ただ、ダンスはちょっとドキドキしたかな。「私が失敗したらどうしよう」って。目線もすごく難しくて、踊るＭＶってこんなに大変なんだなって実感しました。
鈴代 でも、振付は見た人がマネしたくなるような、かわいいものだよね。
富田 うん。この曲はソロカットとかも多かったから、誰かが撮影している間に残っている２人で「いいよー！」とか「かわいいよー！」とか言っていたのも思い出に残っているよね（笑）。
鈴代 コマ撮りも楽しかった！
富田 机をセッティングして私たちが座って、それを移動させてまた座って……というコマ撮り撮影をしたんです。今までにない経験だったし、できあがったものがすごくかわいかったよね。
鈴代 ＭＶ撮影の経験もなくて緊張もしたけど、わからないところは２人が教えてくれたので、最初から最後までとにかく楽しかったです。
――完成した音源を聞いて感じた、ほかのメンバーの歌の好きなところを教えてください。
鈴代 たくさんあります！
白石 あるよね！ 美憂ちゃんは、息の抜き方が絶妙。さっきも言っていたけど、「Never Give It Up!!」のウィスパー気味に歌った部分がすごくおしゃれで好きです。りずりんがジャジーに歌っている感じで、歌い方でこんなに表情を変えられるんだって感動して。私もこういう歌い方ができるようになりたいと思いました。さゆみんは、なんといっても声のパワーがすごい。私はさゆみんの突き抜ける声がすごく好きなんです。レコーディングでも伸びやかで弾けていて、聞いていてすごく気持ちいいなと思います。
富田 私は、はるにゃんの「ら行」の発音が好きだよ。
鈴代 わかる！ 私も言おうと思ってた！
富田 だよね！ レコーディングのときから思ってた。
白石 私、「ら行」には苦手意識が強いんだけど、そう言ってもらえるとうれしいな。
鈴代 口の中に空間が空いていて、そこから出ている感じだよね。
富田 そうそう、「いい！」ってなる。で、さゆみん……さゆみん？
鈴代 初めて言われた（笑）。
白石 インタビューで緊張すると呼び方が混ざるんです（笑）。
富田 おさゆは（笑）、いい意味で引っ張られる声です。私の考えてきたプランを、その声で壊して引っ張ってくれるのがすごくありがたい。
白石 わかるなぁ。
鈴代 うれしい。美憂ちゃんはリズムが歌になっている感じがするんです。私は歌うというより声を張ることが多いので、美憂ちゃんの歌っている感じがすごく好き。あとはさっきおはるさんが……。
白石 おはるさん（笑）。いつもの呼び方でいいよ。
鈴代 （笑）。はるにゃんも言っていたんですけど、ウィスパーからちょっと張り気味になるところが好きで。自分じゃできないところなので、私もいつかこういう歌い方ができたらと思います。はるにゃんの声は、マイナスイオンが出ていて、聞いているだけでふわーってなる。
富田 わかる！
鈴代 草原とかせせらぎみたいな感じがするよね！ 心がクリーンになる。白石 うれしい！ ありがとう！
――では、最後にＳｔｕｄｙとしての今後の野望をお聞かせください。
白石 今回のＣＤで、ティーチャーになってくださる方が増えるといいなと思っています。そして、今後は学校の文化祭に実際に参加したい！
富田・鈴代 したい！
白石 そんな活動ができたらと思います。イベントに来てくださったティーチャーのみなさんの中に、学生の方もいらしたんです。作品を見てがんばっていると言っていただけたのがすごくうれしかったんです。今後もみなさんに勇気を与えられるようなユニットになっていけたらなと思いますので、よろしくお願いします。
富田 受験生の子から「力をもらっている」と言っていただけるのは、このユニットだからこそだと思っています。今後のライブなどでは、ティーチャーのみなさんも含めてライブを作り上げ、みんなで成長していけるようなユニットになりたいです。そして、私はライブでトロッコに乗りたい！ 実現させられるようにがんばります！
鈴代 いつも明るくみんなでワイワイしたイベントの場になっている気がします。ですので、これから先のイベントも来てくださった方に、に、楽しさと笑顔を届けられるユニット活動をしていきたいです。目標は、みんなで盛り上がれるユニットです！
白石 あと、ユニットカラーが白に決まりました。さわやかで素敵な色だと思うので、ライブなどに来てくださった際には白いペンライトを振って応援してください！
取材・文／野下奈生
Profile
スタディ／テレビアニメ『ぼくたちは勉強ができない』から生まれた音楽ユニット。メンバーは古橋文乃（ふるはしふみの）役・白石晴香、緒方理珠（おがたりず）役・富田美憂、武元（たけもと）うるか役・鈴代紗弓の3人。作品のOP&EDでCDデビューを果たした。
『セイシュンゼミナール／Never Give It Up!!』
『ぼくたちは勉強ができない』のOP&EDを収録。OP「セイシュンゼミナール」では明るく楽しい学校生活を、ED「Never Give It Up!!」では恋愛要素を強く感じられる。個性ある3人の歌声と、伸びやかなハーモニーは必聴。Study盤には、「セイシュンゼミナール」のMVなどを収録したBlu-rayが付く。
画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。
発売中
アニプレックス
Study盤（期間生産限定盤）1620円（税込）
ぼく勉盤 1620円（税込）
■第二期 TVアニメ「ぼくたちは勉強ができない！」概要
タイトル：「ぼくたちは勉強ができない！」
放送時期：2019年10月より放送開始
© 筒井大志／集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会
