「みんながマイナスになるくらいなら私へのプラスはいりません」歌と言葉に”誠実さ”を込めた優木かなのバースデーライブ【レポート】 | 超!アニメディア

「みんながマイナスになるくらいなら私へのプラスはいりません」歌と言葉に”誠実さ”を込めた優木かなのバースデーライブ【レポート】

声優として活動する一方、2018年6月27日にアーティストとしてもデビューした優木かなのバースデーライブが2019年3月10日に白金高輪SELENE b2にて行われた。超!アニメディアでは昼の部の模様についてレポートす …

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 声優として活動する一方、2018年6月27日にアーティストとしてもデビューした優木かなのバースデーライブが2019年3月10日に白金高輪SELENE b2にて行われた。超!アニメディアでは昼の部の模様についてレポートする。


 ライブがスタートすると、まずは2ndシングルの表題曲「Be yourself!」を歌唱。本曲は、声優になるまでの彼女のことをつづった一曲で、一度は挫折するも、夢を諦めきれずに声優になるために再度チャレンジする、という決意が歌詞に込められている。そんな深く、そして確かなメッセ―ジがある楽曲とはいえ、いい意味でリラックスした様子で歌唱する優木。1stライブ&トークイベント「『Kana Note』prologue -序章-」を経て進化した彼女のパフォーマンスを開始早々に魅せつけた。

 歌唱後には「なんと、私が優木かなです」と自身がパーソナリティを務めるラジオの台本にいつも書いてあるくだりも交えながら挨拶。「前回よりもいい点数が取れれば」と謙虚な姿勢を見せながら、誕生日当日にライブができることへの感謝の気持ちを述べる姿は実に彼女らしかった。

 その後、2曲目「君との羽」についてMCで語る優木。本曲は野球を愛する盟友・永野愛理……もといダンサー・AIRI★が振り付けを担当した曲。永野は2019年3月8日に声優ユニット・Wake Up, Girls!のファイナルライブを行い、新たなスタートを切っていた。そのライブへ行けなかった優木は、「過去に戻れるとしたらどうしますかと聞かれたら、絶対に2019年3月8日に戻って分裂すると答える」と言葉にする。それだけの想いを寄せていること、そしてふたりの絆がMCからひしひしと伝わってきた。そんな永野……もといダンサー・AIRI★に「動きよりも心」と指導された「君との羽」の振り付けは優しい手の動きが、まさに”羽”のように軽やかであった。


 「君との羽」歌唱後のMCでは2018年を振り返るトークを行う。まずは駆け付けた方々へ「色々なことがありました。なーんだ?」と問いかけると、返ってきたのは「西武の優勝」。これに対して、「あははは」「おほほほ」と思わず高笑いするも、「あれ…日本シリーズに出ていない?」と埼玉西武ライオンズファンの多くが経験した2018年の悔しさを言葉にした。

 埼玉西武ライオンズを愛する彼女にとって確かに欠かせない話ではあったが、今日はバースデーライブということで、声優とアーティスト活動についての軌跡が彼女の口から語られる。2018年3月10日の誕生日イベントでCDを出す発表をしたこと、持ち曲が増えて喜びを感じていること、一方であばらを折ったり、喘息をぶり返したこと、憧れだった霜月はるかにプロデュースしてもらえたこと、初めてアニメの主役を務め名前のクレジットが一番上になったこと……ネガティブなことからポジティブなことまでを赤裸々に振り返る。そんな思い出や想いと共に歌唱したのは、霜月の楽曲である「LIFE」と、優木が初めて主役を務めたTVアニメ『はるかなレシーブ』で演じた大空遥のキャラクターソング「JUMPING NOW!!!!」。

 しっとりとした楽曲の「LIFE」で持ち前の真っすぐな歌声を響かせたかと思えば、清涼感のある「JUMPING NOW!!!!」ではステージを駆け回りながらかわいらしく歌唱する。自身がお世話になった方・作品へのリスペクトの気持ちを目いっぱいに込めて2曲を歌いあげた。

 優木が一度舞台を後にしたと同時に会場へ流れたのは、彼女の1日に密着した映像。著名人や現場の状況を密着取材して紹介していく某ドキュメンタリー番組風の演出にざわざわする会場。「人は彼女をクールビューティーと呼ぶ。声優・優木かな17歳」という紹介から始まった映像はドラマCDの収録、ラジオの収録、休憩中にスマホでゲームをしているにも関わらず台本をチェックしていると言い張る模様など、彼女の1日の一部が収められる。また、映像で、座右の銘を聞かれ「誠実。お仕事もプライベートも誠実でありたい。自分が悪いと思うことはしない」「無理をしない。キャパシティ的にも実力的にも無理をしないといけないときもあるから、休めるときは休む」と真剣に答える優木。一方、ドラマCDの音響監督を務めた藤原もりじも優木について、「キャラクターへの捉え方がすごく真面目。その作品世界を活かそうとしてくれるという印象です。かわいらしさもスタイリッシュさも活かせるので、お芝居でもかわいらしいところがみてみたい」とコメントを寄せていた。本人、そして芝居をみている音響監督の言葉から、冗談を言って笑いを誘いつつも、真面目で真摯な彼女の魅力が伝わってきた。なお、本映像のナレーションは室元気が務め、夜の部では少しふざけていたという。

 映像が終わったところで、「Kana Note」の女子スタッフがワイワイしながら選んだという赤いチェックのライブ衣装に着替えた優木が登場。「ボケた部分は殆どカットされていた」と映像について感想を述べつつ、次のセットリストについてコメントした。ここから披露するのは新曲「心の花が咲き終わる前に」「Unlimited」「Over the Rainbow」の3つ。「心の花が咲き終わる前に」は優木が作詞を担当したもので、物事は有限であることが多く、当たり前のことも当たり前じゃない、今この時が大事であるという想いが込められている。また、これまでの楽曲たちとリンクしている部分もあるという。3曲それぞれ曲調は異なっていたが、歌詞をはっきりと歌う彼女らしさは全曲で発揮。これらの曲が今後どのように進化していくのかも楽しみとなった。


 新曲の披露後は「君との羽」の振り入れの模様を収めたホームビデオが会場に流れる。振り付けを担当したAIRI★(永野)は「事務所の方から優木かなさんはダンスが少し苦手と伺っていたのですが、華麗な魅力を出せるように頑張っていきたい」と意気込む。そのやる気故なのか、いきなり振りがズレている優木に対して「やる気あるの!」「なんのために今日来たの?」「誰のためにやるの!?」と問いかけるなどスパルタに指導。その後はスマホでゲームを楽しんでいるところをすっぱ抜かれ、振りの動画を確認していたとごまかす優木の姿なども交えつつ、2日間のレッスンの模様がホームビデオに収められていた。映像最後のフリートークでは永野が優木に対して「ダンスできるやん!」とコメントしたり、前屈をふたりで披露したりと、仲睦まじい様子も収録されていた。なお、本映像に関してはスタッフが周りに一切おらず、二人で撮影。内容も二人で考えたものだという。

 ホームビデオの上映後は告知のコーナー。ここでは、「かなちゃん」のLINEスタンプが販売されること、霜月はるかプロデュースのコンセプトアルバムの制作が決定したこと、アコースティックライブの開催が決定したことが発表される。コンセプトアルバムは声優になる前に頑張っていたことや声優になってから頑張っていることなどをつづった曲がストーリー調になっており、アコースティックライブは関東圏以外で行われる予定だという。それぞれの詳細は続報をお待ちいただきたい。

 告知が終わると、ピアノ・パーカッション・ギターの伴奏と併せて「孤独のナイトライダー」「君との羽」「Kana Note」のアコースティックバージョンを披露。しっとりと歌い上げ、ライブを締めくくった。

 鳴りやまないアンコールに応えて登場した優木。グッズ紹介をした後は「孤独のナイトライダー」を今度は原曲バージョンで歌い上げる。最後の最後まで歌詞のひとつひとつを大切に、はっきりと歌い上げた。

 駆け抜けてきたライブも終了の時間。最後に優木は「前回のライブに、私は自己評価で低い点数をつけた。本当は100点じゃないといけないかもしれない。でもその点数が私のその時の100%。それ以上でもそれ以下でもない。練習の時はもっとうまくできたのにというのが私は好きじゃなくて。本番でそれが出せなかったらそれが今の自分の100%という信念がある」とコメント。続けて「今回ももちろん100点とは言えないけど、1点、2点、3点と上がっている。1点ずつ上がっていけば皆さんが思う100点が私の100%になる。成長を見守ってほしい」「不誠実なことはしていないから信じられることがたくさんある。楽しいのは本当に皆さんのおかげ」と思いの丈を言葉にした。

 そして、「私が不幸になってまで皆さんに幸せをあげたいとは思わないです。その代わり、みんなが辛いって思ったり、楽しくない、不幸になるって思ったり、そういうことをしてまで私に幸せをくれないでください。みんながマイナスになるくらいなら私へのプラスはいりません。お互いが楽しいというのが一番よくないですか?」と、胸の内を明かす。これだけ真っすぐな言葉を言えるのが“優木かな”なのである。そんな彼女の信念はカッコよく、美しいと感じた。

 芝居にも歌にも自身の発言にも真摯に向き合う優木。これからも真っすぐな想いを多くの方々へぶつけていくだろう。だからこそ、応援したくなる。

画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大します。

 

優木かなバースデーライブ2019セットリスト
M1.「Be yourself!」
M2.「君との羽」
M3.「LIFE」
M4.「JUMPING NOW!!!!」
M5.「心の花が咲き終わる前に」
M6.「Unlimited」
M7.「Over the Rainbow」
M8.「孤独のナイトライダー」(アコースティックver)
M9.「君との羽」(アコースティックver)
M10.「Kana Note」(アコースティックver)
En1.「孤独のナイトライダー」

《超!アニメディア編集部》
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