『BanG Dream! 7th☆LIVE』で「RAISE A SUILEN」が自分たちの音楽を証明するー挫折・葛藤を乗り越えて奏でる魂のサウンド【レポート】 | 超!アニメディア

『BanG Dream! 7th☆LIVE』で「RAISE A SUILEN」が自分たちの音楽を証明するー挫折・葛藤を乗り越えて奏でる魂のサウンド【レポート】

  次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!』。その7回目となるライブが、東京・日本武道館にて2月21~23日の3日間にかけて行われた。本ライブ2日目に舞台へ立ったのは「RAISE A SUILEN」(R …

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  次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!』。その7回目となるライブが、東京・日本武道館にて2月21~23日の3日間にかけて行われた。本ライブ2日目に舞台へ立ったのは「RAISE A SUILEN」(Raychell、小原莉子、夏芽、倉知玲鳳、紡木吏佐)、そして、「Afterglow」青葉モカ役の三澤紗千香、「Pastel*Palettes」丸山彩役の前島亜美、「ハロー、ハッピーワールド!」弦巻こころ役の伊藤美来、「Glitter*Green」牛込ゆり役の三森すずこ。さらにはシークレットオープニングアクトとして、『BanG Dream!』の新プロジェクトとして始動したボーイズバンド「Argonavis」も出演した。本稿では、日本武道館を震撼させた「RAISE A SUILEN」の軌跡を振り返りつつ、それぞれのユニットらしさが垣間見えた本ライブの模様をレポートする。


 「RAISE A SUILEN」(以下、RAS)とは、「バンドリ!プロジェクト」から生まれた「Poppin’Party」「Roselia」に続く、第3のリアルライブバンド。ベース・ボーカルのRaychell、ギターの小原莉子、ドラムの夏芽、キーボードの倉知玲鳳で組んでいたTHE THIRD(仮)が前身で、2018年7月17日に開催された「THE THIRD(仮) 2nd ライブ」にてDJの紡木吏佐が加入。名前を「RAISE A SUILEN」とし、その後も2018年12月に両国国技館にてライブを行うなど、精力的に活動を行ってきた。

 「RAS」の5人になってからまだ日は浅いものの、ボーカル・ベースのRaychellは2010年にソロシンガーとしてメジャーデビュー(当時は「Lay」として活動)し、2017年には”ヴィジュアルクリエイター”バンドとして復活したSHAZNAの2ndボーカルを担当、ドラムの夏芽も同じくSHAZNAの一員で、ギターの小原はTVアニメ『SKET DANCE』のオーディション企画で誕生したバンド「The Sketchbook」でもギターを担当、また、キーボードの倉知は小さい頃にピアノやエレクトーンを学んでいるなど、楽器と縁のあるメンバーが多い。さらに、DJの紡木はインターナショナル・スクール出身で特技が英語という、パフォーマンス力の面で地力のある面々が集ったバンドである。それだけに、どんな音楽を日本武道館にとどろかせてくれるのだろうか……。ライブが始まる前から、会場には早く観たいという”疼き”に近いソワソワとした空気が流れていた。

 そんな空気が漂う会場。ライブが開始する約30分前に舞台へ突如として登場したのは「Argonavis」のボーカル・伊藤昌弘、ギター担当の日向大輔、ベース担当の前田誠二、キーボード担当の森嶋秀太であった。シークレットでのオープニングアクトに一気にボルテージが高まる会場。4人が披露したのは、アニメソングの名曲「Butter-Fly」のカバーと1stシングル「ゴールライン」だ。今持てる限りのパフォーマンスで駆け付けた方々を熱くさせる。しかし、彼らの「ゴール」はここではない。今回、オープニングアクトに参加できなかったドラムの橋本祥平は自身のTwitterで「いつか5人であの景色を見れるように頑張ります!!!」と言葉にしていた。その気持ちはきっと他の4人も同じ。次に武道館へ立つときは5人で、今以上のパフォーマンスを魅せてくれるだろう。始動したばかりの彼らの軌跡にも注目していきたい。


 十二分に温まった会場に満を持して登場した「RAS」。まずは挨拶がてら2ndシングルの表題曲「A DECLARATION OF ×××」とカップリング曲の「EXPOSE ‘Burn out!!!’」を披露した。ロゴなどがペイントされ「RAS」使用となった円形のステージでパフォーマンスをする5人。力強い歌声と歌への情熱を表情に浮かび上がらせて会場を圧倒するRaychell、冷静にギターのサウンドを奏でつつも、時折笑みを浮かべて楽しさを露わにしたり、自身の存在を主張するパフォーマンスで”魅せたり”する小原、自分のフィールドで縦横無尽に翔び自分の音楽で訴える倉知、何かに憑依されたが如く暴れるも、それが自分勝手でなく、会場へも”伝わる”パフォーマンスで盛り上げる紡木。それぞれが如何なく自身の持ち味を発揮する。

 その個性的なサウンドをまとめ上げるのがドラムの夏芽。パワフルなバスドラムはリズムをキープしやすく、聞いている方々にも心地よい振動を与える。かと思えば、シンバルやスネアドラムのリムショットなどでアクセントを付けて、音楽を作り上げる。私も8年ほどドラムを嗜んでいるが、比べるのが恥ずかしいくらいに音の鳴りが違った。歌声、サウンド、パフォーマンスで会場を圧倒する。これが「RAS」の音楽だ。その魅力に開始早々ではあったが虜になった。そう感じた人はきっと少なくなかっただろう。


 「RAS」が2曲歌い終えると、ここからはゲストコーナーへ。最初に登場したのは、「Pastel*Palettes」丸山彩役の前島だ。「Pastel*Palettes」は事務所の意向で結成された異色のアイドルバンド。前島は「Pastel*Palettes」の代表として、ピンク色の花が咲き誇った会場で、「しゅわりん☆どり〜みん」「もういちど ルミナス」「天下トーイツA to Z☆」と持ち歌3曲を披露した。緊張した面持ちながらも、絶対に笑顔を絶やさない。その姿はアイドル・丸山彩そのもので、観ている人々を笑顔にしていた。


 続いて登場したのは、世界中に笑顔を届けるガールズバンド「ハロー、ハッピーワールド!」でボーカルを担当する弦巻こころ役の伊藤。ピースをしながら会場へ登場した彼女はスキップをしながら「RAS」のメンバー、そして駆けつけたお客さんの近くまでいきパフォーマンスする。その姿はまるで弦巻こころが舞台で遊びつつも世界を笑顔にするために歌っているようだ。最後まで観ている人々に幸せを届けようとするその様子……きっと、「ハロー、ハッピーワールド!」のDJ・ミッシェル(奥沢美咲)がいたら「やれやれ」と言いつつ、笑顔で彼女のパフォーマンスを称え、自分も楽しんでいただろう。


 そんな幸せな空気に包まれた会場にふらふらっと現れたのは幼馴染5人で結成されたガールズロックバンド「Afterglow」のギターを担当する青葉モカ役の三澤。「モカちゃんもエモい演奏しちゃうよ~」といつもの調子でギターを奏でる。一方で、三澤は「くじけそうになりながらも、ステージで皆と演奏を楽しみたいと努力を重ねてきました。『Afterglow』が夢見ていた場所に立てているのは皆さんのおかげです」と、溢れる想いも言葉にした。「いつかはみんなでステージに」。青葉モカでありつつも、夢を語った三澤の言葉に胸が熱くなった。


 ゲストコーナーの最後に登場したのは、4人組ガールズバンド「Glitter*Green」でボーカルを務める牛込ゆり役の三森。「武道館、遊ぶ準備はできていますかー?」と呼びかけ、会場のボルテージをさらに高めつつ、「Don’t be afraid!」「Glee! Glee! Glee!」の2曲を披露した。「他のメンバーに届くように」という願いを込めて駆け付けた方々へお願いした「Glitter*Green」コール。武道館が物理的に動いたと感じるくらいにそのコールはこだましていた。


 それぞれが自身が所属するガールズバンドを体現したゲストたち。その姿は天晴の一言であったが、ゲストたちの魅力を引き立てることに注力していた「RAS」のメンバーも実に見事であった。自分たちがメインで演奏するときとバックバンドを務めるときで役割をしっかりと変えるのも「RAS」の魅力であることを痛感した。

 ゲストコーナーが終了するとライブも後半戦。1stシングルのカップリング曲「UNSTOPPABLE」と表題曲「R・I・O・T」で止まらない、止められない音楽への衝動を訴えかけた後は2019年5月から『カードファイト!! ヴァンガード』のEDテーマ曲となる「Takin’ my Heart」を初披露。シンセサイザーやDJサウンドと相まったラウドなナンバーに駆け付けた方々も必死で拳を突き上げた。

 「Takin’ my Heart」終了後のMCでは、紡木が「スマートフォンを持っている人は取り出して!」と呼びかける。そして、続いて奏でる「EXPOSE ‘Burn out!!!’」では武道館会場限定で撮影OK・SNSでの拡散もOKという驚きの発表が行われた。「RAS」としての演奏を多くの人に届けたい、そしてそれだけの自負があると感じられる演出。そんなロックな5人に、カッコいい以外の言葉が見つからない。後半戦になっていたとはいえ、演奏でも一切の疲れは見せない。むしろ前半以上のサウンドで会場を震撼させた。

 曲が終わると、Raychellが「スマホをしまったら、拳をあげな!」と会場に呼びかける。武道館とライブビューイング会場を巻き込んだコール&レスポンスが行われた後、「次はラストだから全力でこい!」と煽ると、この日一番の歓声が会場で巻き起こった。ラストナンバーは本日、ライブの開幕を告げた「A DECLARATION OF ×××」。すべてを出し切るが如く奏でた「RAS」の音楽に、会場も歓声と拳で応える。気持ちが一体となった武道館はヒートアップし、この日の出来事をそれぞれが心に焼き付けたことだろう。それが言いすぎでないくらいに圧巻のステージであった。

 ライブの最後には本日のゲストを含めたメンバー全員がステージに揃って、会場に挨拶。その後、「RAS」の5人が一人ずつ挨拶を行った。それぞれの挨拶を抜粋して紹介する。

小原「夢のような時間だったなって思います。(戸山)香澄先輩の言葉を借りるとしたら、『キラキラドキドキしたステージに立ちたい』と思って、学生の頃から(このステージに立つことを)夢見ていました。今、叶ったよって言ってあげたいと思います。自分自身の苦悩や葛藤もありつつ、『RAS』としては始まったばかり。皆さんの位置にいた自分がいまはステージに立つことができました。正直、色々な声があって。形が変わっちゃうんじゃないかと言われたこともありました。それを頭ごなしに否定することはできなかった。でも、自分がそこで不安になってちゃダメだし、今度は自分が夢を与える立場だと思い、責任を感じながら『RAS』としてやっていきたいと、このステージで改めて実感しました。バンドリファミリーの一員として、これからも歩んでいきたいなと思います」

夏芽「皆さん、魂全力でぶつけてきましたか? 私も思い切りやりました。私はドラマーとして活動してきました。日本武道館というのは憧れの地。いまその舞台に立つという夢が叶っています。本当にありがとうございます。ここまで来るのに楽しいことばかりじゃない、ドラムも辞めようとも思っていましたが、今は目標や夢は諦めずに続けることが大事だなって実感しています。でも、一人の力では絶対無理で、色々な人との出会いとバンドリーマーの皆さんのおかげだと思っています。絶対また武道館に戻ってくるよ」

倉知「この武道館公演を終えて、一番感じているのは感謝の気持ちです。5人が舞台に立たせていただきましたが、この裏ではたくさんの人たちが私たちを支えて導いて愛をくれています。私達だけでは絶対に叶えられなかった。『RAS』の顔は私たちだけど、チームRASはスタッフさん、ファンも含めた全員だと思っています。チームRASの顔に恥じないように演奏や演技を頑張っていきたいと思います。皆さんもおめでとうございます! これかもチームRASの皆さんが盛り上がってくださると嬉しいです」

紡木「中学生の頃、声優に憧れていて、びっくりするくらいのオーディションを受けては落ちて、気づいたら大学生。周りが就職活動をしていて、沖縄の友達と話すと『まだ目指していたんだ』とか、親からも『もうそろそろね』と言われていた。けど、諦めたくないと思っていました。そんな自分が、画面越しに観ていた『バンドリ!』プロジェクトに関わらせてもらえるとは夢にも思いませんでした。ポピパさんの武道館ライブに来ていたし。あのときはキラキラドキドキってこのことだなって本当に思いました。当時の私がここに立つなんて。大好きなメンバーに出会えて、チュチュちゃんに出会えて彼女に恋をして……夢みたいで幸せをかみしめています。もっともっと上を目指していきたいと思います」

Raychell「特等席でみんなの光るペンライトが観れたこと、本当に幸せだなって思っています。一生忘れません、この景色。今日、みんなの歓声と私達の音楽と照明さんや演出のスタッフさんの力がすべて合わさって、『バンドリ!』なんだなって改めて感じました。私は来年で歌手デビュー10年なんです。ここに立つまですごく時間がかかりました。色々あったけど、本当に歌をやめなくてよかったと思います。今日ここに立てて思った事は、ここがゴールじゃなくて、スタートなんだということ。これからどういう道になるのかわかりませんが、ポピパさん、Roseliaさんと私たち『RAISE A SUILEN』でバンドリ!プロジェクトを世界中に広めていきたいと思っています。これからも、『RAISE A SUILEN』とバンドリ!プロジェクトをどうぞ、よろしくお願いします」

 挨拶ではライブのことだけでなく、それぞれがここに至るまでの苦悩などを言葉にしていた。悔しい思い、挫折、葛藤……色々なことがあっても夢を諦めない。そんな彼女たちだからこそ伝えられる音楽がある。魂を昇華させられる。……家に帰ると、いつの間にかドラムのスティックを手に取っていた。そして友人に「音楽がしたいなぁ」と伝えていた。彼女たちに触発されて、音楽への情熱が止まらない。心を燃やしてくれる「RAS」。その魂はさらに輝いていく。次なる舞台は神戸ワールド記念ホール。7月13日(土)・14日(日)の単独ライブで再び「RAS」の音楽を魅せつける。


【セットリスト】
1.A DECLARATION OF ×××
2.EXPOSE ‘Burn out!!!’

-ゲスト:前島亜美-
3. しゅわりん☆どり〜みん
4. もういちど ルミナス
5. 天下トーイツA to Z☆

-ゲスト:伊藤美来-
6. えがおのオーケストラっ!
7. キミがいなくちゃっ!
8. ハイファイブ∞あどべんちゃっ

-ゲスト:三澤紗千香-
9. That Is How I Roll!
10. ツナグ、ソラモヨウ
11. Y.O.L.O!!!!!

-ゲスト:三森すずこ-
12. Don’t be afraid!
13. Glee! Glee! Glee!

14. UNSTOPPABLE
15. R・I・O・T
16. Takin’ my Heart
17. EXPOSE ‘Burn out!!!’
18. A DECLARATION OF ×××


©BanG Dream! Project

《超!アニメディア編集部》
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