現在、好評上映中の劇場版『王室教師ハイネ』から、イヴァン・アレクサンドルヴィチ・ロマーノ役の橋本祥平と、ユージン・アレクサンドルヴィチ・ロマーノ役の阪本奨悟のインタビューが、「アニメディア３月号」に掲載中。超！アニメディアでは、双子でドSな王子を演じるふたりに、作品の見どころなど聞いたインタビューから、本誌に掲載できなかった部分を含めたロング版をご紹介する。
──阪本さんはＴＶアニメ版の『王室教師ハイネ』のオープニング曲「しょっぱい涙」を作詞・作曲し、歌われていましたが、アーティストとして関わっていた作品に声優出演するのはどんな心境ですか？
阪本 アニメ『王室教師ハイネ』から関わりを持たせていただいている素敵な作品なので、今回出演できるということが本当にうれしいです。それに、声優というお仕事はすごく魅力的な仕事だとずっと思っていたし、憧れもあったので、声優の仕事今作で初挑戦できたという意味でもうれしかったです。
──声優のお仕事は今回が初めてなんですね。
阪本 まったくの初めてでした。実際にやらせていただいたら……かなり難しかったですね。歌の仕事だと、僕は自分で作詞・作曲もしているということもあって、イメージしているとおりに歌うことができるんですけど、その役柄を自分の声だけで構築していかなくてはならないという作業は本当に大変で。これまで舞台などでは役者の仕事をしてきましたが、それとは使っている筋肉が全然違うという感じでした。
──一方の橋本さんも、舞台などでは活躍されていますが、声優のお仕事は？
橋本 １月から放送がスタートした『Dimensionハイスクール』（水上ゆりお役）に出演させていただいていますが、アフレコがあったのは『ハイネ』のほうが先だったので、初めての声優の仕事はこの『ハイネ』だったんです。初めてスタジオに入ったときは……ま～、右も左もわからない状態でした（笑）。救いだったのが、ハイネ役の植田圭輔くんと舞台で共演したことがあったこと。彼に前もってアフレコの段取りを教えてもらえたのは、本当に心強かったです。
──おふたりが声優として初めて演じたキャラクターが、イヴァンとユージンということなんですね。このふたりのキャラクターはどんな人でしょう？
橋本 イヴァンもユージンも、基本的にドＳですね（笑）。とくにとがっているのが、僕が演じているイヴァンです。せっかく４人の王子たちが「ようこそグランツライヒ王国へ」と歓迎してくれたのに、「お会いできて光栄です……なんて言うと思ったか？」という、相手をどん底に突き落とすような態度で返すんですから（笑）。まあ、王子がほかの国に行くとなったときに身構えて強がった態度をしてしまうという気持ちもわからなくはないですけどね。とにかく、イヴァンはプライドがすごく高くて、つねに強がっているようなキャラクターですね。
阪本 イヴァンがガンガン向かっていくタイプなのに対して、僕が演じているユージンはネガティブ系でボソボソとしゃべるタイプ。そしてその「ボソボソ」で人を傷つけることによってドＳぶりを発揮しています（笑）。さらに、ユージンは妙に器用なところがあって、大人の言うことを聞いているように見せて、じつはうまくかわしていたりするんですよね。悪い言い方をするとずる賢いという感じです。そしてユージンには、歌がうまいという面も持っているんです。いつも斜に構えているようなところがあるユージンですが、歌が好きという気持ちだけは純粋だと思いますね。
──演じるときに意識していたことは？
橋本 僕はイヴァンのとがっている部分を意識して演じました。というのも、音響監督の郷田ほづみさんから「ここはもっととがって！」というようなご指導をいただくことが多かったからなんです。「語尾の最後のアタックを強くすると、もっととがって聞こえるよ」というようなお話を受けて、「なるほど」と思いながら、ずっと演じていたという感じでしたね。本当に勉強になりました。
阪本 僕は、とがっているイヴァンと差別化ができたらいいなということを意識して演じていました。ふたりは双子だから見た目はソックリだけど、話し方などで違いを出していけたら面白いかなと思ったんですよね。そのため、かなりボソボソ感というか、ジメジメ感というか（笑）。そんな感じを出すようにしていました。
──続いて、ハイネ先生への印象もお聞かせください。
橋本 正直に言いますと、最初は子どもかと思いました（笑）。でも、じつは心はかなり大人な人だし、頭脳派だし……。こういう先生が学校にいたらいいなって思いますね。
阪本 見た目とは裏腹に、器の大きさを感じます。そのドシッとした部分は、心から尊敬してしまいますね。
──では、カイ、ブルーノ、レオンハルト、リヒトの４人の王子のなかでとくに気になるキャラクターは？
阪本 僕はずっとレオンハルト推しなんです。キャンキャン吠えるんだけど、エサをあげたら「わ～」とシッポを振っちゃうっていう子イヌみたいなところがかわいくて。もしかしたら、僕はイヌ好きだからレオンハルトが好きなのかな～？（笑）あと、ユージンを演じている身としては、カイのことも気になります。ユージンとカイのからみ方がとにかく面白いんです。ポンチュキ（ロマーノ王国伝統のお菓子。外はフニフニ、中もフニフニ）を食べながら、「もしゃりもしゃり」というよくわからない言語で会話をしていたり（笑）。あのふたりの関係、かなりシュールです。
橋本 僕はブルーノが好きです。頭がよくて、学級委員のような存在なんですけど、そんな真面目なカタブツのブルーノがハイネ先生のことを「師匠！」と呼んでいる姿がかわいらしくて（笑）。そして、僕もイヴァンを演じている身として言わせていただくと、レオンハルトが気になります。イヴァンとレオンハルトは、出会ったばかりのころはバチバチの対立関係なんですけど、その関係がどのように変化していくのか……。これは今回の劇場版の見どころのひとつでもあると思うので、楽しみにしていただきたいですね。
もしふたりがプリンスになったら……
居酒屋大好き庶民派王子に!?
──ところで、おふたりは初共演だそうですが、お互いの印象はいかがですか？
橋本 僕はいつも、初めて共演する方のことを調べてから現場に入るんです。今回も現場に入る前に奨悟くんのことを調べたんですが、それでわかったのは、奨悟くんは僕と同じ事務所の有澤樟太郎と共演したことがあって、彼と仲がいいということ。それで、樟太郎はすごくいい子なんですけど、そんな樟太郎と仲がいいということは、奨悟くんもいい子なんだろうなと（笑）。
──実際にはいい子でした？
橋本 いや～、そりゃあもう、いい子のなかのいい子でした（笑）。
阪本 ユージンみたいに隠し持っている何かがあるかもしれないよ（笑）。
橋本 裏はずる賢いとか？（笑）今後もイベントや舞台などで一緒になることもあるから、その辺のところをじっくりと掘っていきたいと思います。
──では反対に、阪本さんの橋本さんへの印象は？
阪本 祥平くんは、本当に美形で、クールな印象があって……。初めて会ったときは緊張しちゃいましたね。だって、本当にかっこいいじゃないですか。
橋本 いやいや（笑）。
阪本 それで、「話しかけることができるかな？」と思っていたんですけど、でも、思い切って話してみると、とってもやわらかい感じの人だったので、すぐに安心しました。今後も舞台などで祥平くんと共演できると思うと、本当に楽しみです。
──ちなみに、ご自身に王子の資質はあると思いますか？
橋本 ありません！（キッパリ）
──即答（笑）。
阪本 僕もないです。
──見た目でいえば、おふたりともかなり美しいプリンスという感じですけど。
橋本 いやいや。
阪本 とんでもない！
橋本 気品とか、気高さとかとはかけ離れているので。それに僕は、ナイフとフォークよりもお箸で食事をしたいですからね（笑）。
阪本 僕も同じですね。
橋本 西洋風の長～いテーブルで食べるよりも、大衆居酒屋に行きたいです（笑）。
阪本 本当にそう！ 僕なんて完全にオッサンですからね。焼鳥を食べながら焼酎を飲んでしっぽりしながらグチを言うというのが好みなんです（笑）。
──でも、もし王子様になっちゃったとしたら、どんな感じになりそうでしょう？
橋本 どうかなぁ？ 上に立つ素質を持っているほうではないので……。そうだ、民たちに寄り添うような王子様になれたらいいですね。いわゆる庶民派。しょっちゅう街に出て、居酒屋で一杯やっているっていう（笑）。
阪本 その答え、いいな～。僕も民に寄り添いたいです（笑）。それで、ちょっとでも税金を減らせたりなんかしたら……(笑)。
橋本 それはいい王子！
阪本 だよね！ 消費税をちょっとずつ減らせるように頑張りたいです！ ……こんな調子じゃ国を破綻させる王子になりそうですね（笑）。
──ところで、阪本さんはＴＶ版に続いて、劇場版のオープニング主題歌「パラレルな関係」の作詞・作曲・歌も担当されているんですよね。
阪本 はい。「友情」と「絆」をテーマに曲を書かせていただきました。不安や葛藤を乗り越えて誰かと関係を築けたら、より強い絆が出来上がるんじゃないか──。この曲にはそんなメッセージを込めています。
橋本 僕は、ふだん仲よくしている奨悟くんが、この曲でアーティストの顔になっていることにビックリしてしまって……。楽曲も奨悟くんも、本当にカッコいいんです。でもじつは、僕はまだフルバージョンを聴いたことがないんですよね～。近々ダウンロードします！
阪本 いや、あげます、あげます（笑）。
──そして、先ほどから少し話題に出ていますが、４月にはアニメと同じキャストによるミュージカル『王室教師ハイネ-THE MUSICAL Ⅱ-』が上演されますね。
橋本 ミュージカルになるのは、2017年の『王室教師ハイネ-THE MUSICAL-』に続いて２回目。今回は僕らが演じる双子も参加するので、人数が増えてより華やかになるんじゃないかと思います。アンサンブルのみなさんのダンスや照明などの演出を筆頭に、「美しい」という表現がピッタリの舞台になると思うので、僕らもその美しさの一端を担えるよう、これから稽古をして頑張りたいと思います！
阪本 アニメで演じた役者さんがそのまま同じ役で舞台に出てくるので、お客さんにはキャラクターが目の前に登場したと感じていただけるのではないかと思うんです。僕らも全身を使ってイヴァンとユージンになり切りますので、ぜひ楽しみにしていてください！
──では最後に、劇場版『王室教師ハイネ』の公開を楽しみにしている方々へメッセージを！
阪本 僕が今回の劇場版で観ていただきたいのは、王子同士の人間関係なんです。とくに、４人の王子と双子王子というふたつのグループが、どのようにつながっていくのか……。その部分に、僕は演じながらはげまされましたし、観てくださる方々にも感動していただけると思っています。
橋本 今回の劇場版のキャッチフレーズは「今度は王子たちが教育的指導──!?」となっていますが、まさにそのとおりで、今回ハイネ先生は一歩下がって見ているんですよね。そして、４王子が双子王子に「教育」をするという感じ。その際に４王子は、ＴＶアニメや原作ではあまり見せていない姿を見せんですが……。僕らが演じる双子王子にも注目していただきたいですが、４人の王子たちの活躍ぶりも楽しみにしていてください！
取材・文／石河新
〈劇場版「王室教師ハイネ」概要〉
大ヒット公開中！
入場者プレゼントは「あなたを教育的指導！？」
アニメイラストver.と実写ver.計12種のランダムブロマイド
〈王室教師ハイネ-THE MUSICAL Ⅱ-概要〉
公演日程
◆東京 4月11日(木)～14日(日) 東京ドームシティホール
◆兵庫 4月27日(土)～28日(日) 神戸国際会館こくさいホール
＜商品情報＞
■劇場版「王室教師ハイネ」 Blu-ray 劇場限定版 10,000円（税込）
【本編DISC1枚】本編映像（約60分）
【特典】
・劇場版「王室教師ハイネ」ED主題歌「”友達 以上×敵 未満“」ミュージックビデオフルver.
・「王室教師ハイネ-THE MUSICAL Ⅱ-」東京楽日、兵庫楽日優先抽選応募券シリアルコード ほか
■劇場版「王室教師ハイネ」エンディング主題歌「”友達 以上×敵 未満”」／P4 with T 発売中 1,296円（税込）
■劇場版「王室教師ハイネ」オープニング主題歌「パラレルな関係」(A-Sketch）／阪本奨悟 Digital Release
■劇場版「王室教師ハイネ」オリジナルサウンドトラック 3月27日発売 3,024円（税込）
■王室教師ハイネ 劇場公開記念 Blu-ray BOX 発売中 23,760円（税込）
【本編】TVアニメ「王室教師ハイネ」全12話
【特典】・特典映像・特殊ケース仕様 ・特製リボン ほか
原作:赤井ヒガサ(掲載 月刊「Gファンタジー」 スクウェア・エニックス刊)
監督:菊池カツヤ/脚本:うえのきみこ/オリジナルキャラクター原案:赤井ヒガサ/ アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督:奥山鈴奈 /音響監督:郷田ほづみ /音楽:井内啓二
アニメーション制作：ティアスタジオ
出演者
ハイネ:植田圭輔/カイ:安里勇哉/ブルーノ:安達勇人/レオンハルト:廣瀬大介/ リヒト:蒼井翔太 イヴァン:橋本祥平/ユージン:阪本奨悟 他
劇場版「王室教師ハイネ」公式サイト
https://heine-movie.com
公式Twitter
@heine_PR
(C)赤井ヒガサ/SQUARE ENIX・劇場版「王室教師ハイネ」製作委員会 (C)ミュージカル「王室教師ハイネ」製作委員会
