寺島拓篤が『転生したらスライムだった件』のOPを担当!「“王道のかっこよさ”の表現に挑戦しました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

寺島拓篤が『転生したらスライムだった件』のOPを担当!「“王道のかっこよさ”の表現に挑戦しました」【インタビュー】

ニューシングル「Nameless Story」が発売される寺島拓篤。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア11月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めた …

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 ニューシングル「Nameless Story」が発売される寺島拓篤。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア11月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

――表題曲「Nameless Story」は、『転生したらスライムだった件』(以下『転スラ』)のOP主題歌ですが、原作はご存知でしたか?
 じつは僕、原作のコミックス版をずっと読んでいたんです。ある程度年齢を重ねた主人公が、地位も何もかも全部失って新しい場所に降り立ち、自分が知っている上で最弱のモンスターであるスライムになってしまう。そんな状況のなかで、自分が何者かをその世界で示していくのがすごくかっこいいんです。主人公が変に力みすぎず、自然体でいるのが面白いんですよ。大ファンの作品なので、タイアップをいただけたときは、とにかくうれしかったです。

――まず曲が先にあがったのですか?
 歌詞を書く前に曲をいただきました。表題曲は、作品の劇版も担当されるElements Gardenさんにお任せしていたのですがなんですが、あがってきた曲を聴いて、とにかくすごいなと思いました。

――作曲を手がける上松範康さんとは、キャラクターソングなどでもご一緒されていますね。
 そうですね。作品の看板となる曲でもこんなにすごい、王道のかっこいい曲があがってくるんだと、改めてそのお力にビックリしました。

――曲を聴いたときは、ほかにどんな感想を持ちましたか?
 とにかく、一緒に『転スラ』という作品の看板を支えられるように頑張らなきゃって思いました。曲のすごさに見合った歌詞を書きたいと思ったし、見合った歌も歌わなきゃ、と思った記憶があります。

――ご自身が作詞を担当されていますが、詞のテーマはどんなものですか?
 この作品において、何が一番のキモなのかをまず考えて、原作を読み返し、物語の鍵となるのは「名前を付ける」ことだと思いました。そのテイストを盛り込むことがタイアップとしての柱になるかなと。でも、それだけだと作品から独立して存在できないと感じたので、この曲単体でも聴ける部分よう別の柱も作らなきゃいけないと思ったんです。それで、「名前を付ける」というところから派生して、名前があるということは名乗れるということだし、自分が何者であるかということにもつながる。名前が付くということは、“独り立ち”にも通じると思って、未成年のころに思い描いていた大人像、未来像が現実のものになったときに、自分はどうなっていくのかということを軸に書いてみました。

――作詞をするときには、自分が歌うことも意識されますか?
 あまりしないんです。もちろん、歌いやすいところに持っていきたいという気持ちはあるんですが、まずは内容優先ですね。でも曲を聴きながら書いているので、自然と歌いやすくなるようになっている部分はあります。でも、この曲は歌うのが難しかったです。

――とくに、どこが難しかった?
 王道的なかっこよさを出す歌い方に、なかなかたどり着けなかったんです。今までの自分の歌い方も振り返りつつ、今の自分にできることをやろうと思ったんですが、思ったように手が届かない。完成してみても、うまくできたかわからないんですよ。ですから、この曲はもっと歌い込みたいですね。

――イントロなしで、歌からスタートするというのが印象的でした。
 僕も歌スタートの曲は、インパクトがあって好きです。でも、歌うのは難しいんですよ(笑)。だから、歌い出しはすごく気をつけて歌いました。

――歌声は、とてもクールです。
 作品のキービジュアルはかなり明るめな感じですが、物語は明るさだけではないので、あんまり明るくしすぎないように歌おうと思いました。曲がさわやかなぶん、声は重めにして、力強さも出せるように心がけました。

――カップリングは、パーティーチューンとバラードという振れ幅の大きい2曲になりました。
「みんなでH!P!Y!」は、「バカみたいな曲」を目指しました(笑)。夏に制作したので、野外フェスに合うような、弾けた曲を作りたいと思っていたんです。前作のシングル「ID」のカップリングで鈴村健一さんに詞をお願いした「KimiKimiShake ~feat.D~」がはっちゃけた歌なんですね。曲を森久保祥太郎さんが作ってくださり、小野大輔さんがコーラスに入ってくださったんですが、ああいうはっちゃけた歌を自分でも作れないかと思って挑戦してみました。

――歌詞に「スライム」という単語が入っているのも、『転スラ』とのリンク感がありますね。
 表題曲がタイアップ曲なので、せっかくだから作品と何かリンクできたらいいなと考えていたんです。そうしたら、“「SMILE」と「SLIME」って「L」と「M」を入れ替えただけなんだ”と気づき、歌詞のワードに「スライム」を入れてみました。この曲は、本当にノリノリで歌えたので、レコーディングも早かったです。

――3曲目の「calm」はバラードです。
 この曲はドラマチックすぎず、無理に盛り上げることをしないで、割とフラットなままずっと続いていく曲で、今まであまり歌ってこなかったタイプの曲です。ジャンルを揃えるのもいいと思うんですが、僕はあまのじゃくみたいで、いろいろなことをやりたくなるんですよ。それで、カップリングには表題曲とはあまり似ていない2曲を入れました。個人的には、定食屋のように、誰が来ても注文したいものがある、そんな音楽を作りたいと思っているんですね。だから、クールな曲が好きな人、バカっぽい曲が好きな人、バラードが好きな人……と、誰にでも楽しめるような、一粒で3度おいしいシングルになったと思います。

――ジャケットにも、スライムを思わせる水色が盛り込まれています。
 ジャケットはジャケットで、作品とは関係のない独立したデザインとして確立できたらいいなと思っているんです。でも、やっぱりせっかくのタイアップなので、毎回つけているエクステの色を水色にしてもらって、『転スラ』とのリンク感を出しました。リンクもありつつ、単独でもいいデザインのものができたと思います。

――MVはどんな雰囲気ですか?
 こちらは作品世界に近い雰囲気で、異世界に飛ばされたストーリー仕立ての映像になっています。ストーリーも監督と一緒に考えて、細かく作りましたね。でも、作品のマネではなく、MVはMVで独立した物語になっているので、すごく面白いものになっていると思います。

――シングルも8枚目のリリースですが、毎回いろいろな新しいことに挑戦されているんですね。
 僕はどうあがいても声優ですから、歌に対する姿勢はつねに挑戦だと思っています。これまで毎回違うテイストの楽曲でやらせていただいているので、きっとこれから先も「寺島拓篤」の音楽は、ずっと挑戦しながら続いていくんじゃないかな。僕としては、これからも続けていきたいし、ライフワークになったらいいと思っています。そして、お芝居と同じぐらい生活に落とし込めるようしたいです。もっともっと頑張って、いい歌も歌えるように、いい声も出せるように、いい歌詞も書けるように。作曲もやらせていただいたので、またいい曲が書けるように、いいパフォーマンスができるようにつねに挑戦を続けていきたいです。それこそ、スライムのように(笑)、形を決めず、色も決めずにやっていくことも、声優として歌うことの意味なのかなと思っています。

――12月には「Original Entertainment Paradise」(おれパラ)の開催も決まっています。
 ここでは必ず新曲を歌います!(笑) 僕にとっての「おれパラ」って、人生においてなくてはならないものになっているんです。「おれパラ」がなかったら、個人の音楽活動はやらなかったと思うくらいに、すごく大切なものです。定期的にやらせていただけるとありがたい場所なので、音楽も声優もプライベートも、いろんなものの一年の振り返りができる場所ですし、これからも期待に応えられるように、毎年あるからとあぐらをかくのではなく、頑張りたいです。とても楽しみにしています。

――リリースは秋になります。今年は平成最後の秋ですが、この秋に絶対やっておきたいことはありますか?
 栗ご飯を食べなきゃいけないですね(笑)。いろんな秋があるけど、年齢を重ねるにつれて“食欲の秋”の楽しみ方がわかってきた気がするので、魚やまつたけ、焼き芋とか、秋だからこそ楽しめる食を満喫したいです。

――では、最後にアニメディア読者に向けてのメッセージをお願いします。
 とても面白い原作の力と、上松さんというすばらしいクリエイターの力を借りて、すごくいいものができたなと思っています。個人的には、バラエティー豊かな3曲になったので、今まで僕を知らなかった方にも、どういうアーティストかわかっていただける、新しい名刺代わりの1枚になったんじゃないかな。僕に今できる、そしてこの楽曲にふさわしいだろうと思えるものを自分なりに100%以上出せたと思っています。この曲を聴いて、アニメも観て、原作も読んで、作品の世界観に浸っていただければうれしいです。

<プロフィール>
【てらしま・たくま】12月20日生まれ。石川県出身。アクセルワン所属。2012年にアルバム『NEW GAME』でアーティストデビュー。現在までにシングル7枚、アルバム3枚をリリース。主なアニメの出演作は『アイドルマスター SideM』天ヶ瀬冬馬役など。

<シングル「Nameless Story」情報>
発売中
ランティス
初回限定盤:1,944円、通常盤:1,404円
寺島拓篤の8枚目となるシングルの表題曲は、現在放送中の『転生したらスライムだった件』のOP主題歌。爽快感のあるメロディーと、クールな歌声が魅力的に響く。カップリングの2曲も寺島自身が作詞を担当し、幅広い表現力を感じられる1枚となっている。

初回限定盤

通常盤


取材・文=野下奈生(アイプランニング)

〈TVアニメ『転生したらスライムだった件』あらすじ〉
TOKYO MX、BS11、MBS他にて放送開始!!
TOKYO MX 毎週月曜 24時00分~
BS11 毎週月曜 24時00分~
tvk 毎週月曜 25時00分~
MBS 毎週火曜 27時30分~
※放送日時は予告なく変更になる可能性がございます。

≪配信≫
dアニメストアにて特別先行配信開始!

<月額見放題配信サイト>
●dアニメストア
2018年10月3日(水)正午12時より 配信スタート

<見逃し生放送>
●ニコニコ生放送
2018年10月3日(水)23時より 配信スタート 
その他サイトでも順次配信予定!

■スタッフ
原作:川上泰樹・伏瀬・みっつばー 『転生したらスライムだった件』(講談社「月刊少年シリウス」連載)
監督:菊地康仁 
副監督:中山敦史 
シリーズ構成:筆安一幸 
キャラクターデザイン:江畑諒真 
モンスターデザイン:岸田隆宏 
音楽:Elements Garden 
アニメーション制作:エイトビット S

■キャスト
リムル:岡咲美保/大賢者:豊口めぐみ 
ヴェルドラ:前野智昭/シズ:花守ゆみり 
ベニマル:古川慎/シュナ:千本木彩花/シオン:M・A・O 
ソウエイ:江口拓也/ハクロウ:大塚芳忠 
ミリム:日高里菜

TVアニメ『転生したらスライムだった件』公式サイト
ten_sura.com

TVアニメ『転生したらスライムだった件』公式Twitter
@ten_sura_anime

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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