2018年7月3日よりBS11、TOKYO MX、MBSで放送がスタートしたアニメ『Back Street Girls -ゴクドルズ-』。本作は元々は極道だったものの、あることがきっかけで可愛い見た目の女性となってしまった山本健太郎、立花リョウ、杉原和彦がアイドルグループ「ゴクドルズ」として活動することになる、というとんでもないストーリーで展開する仁義なきアイドル渡世コメディである。今回は山本アイリ(元・山本健太郎)役の貫井柚佳、立花マリ(元・立花リョウ)役の前田佳織里にインタビュー。キャラクターのことやアフレコ現場の様子などについて話をうかがった。
山本アイリ(元・山本健太郎)役の貫井柚佳(左)、立花マリ(元・立花リョウ)役の前田佳織里(右)
キャラクターを“一緒に作っていく”感覚
――原作を最初に読んだときの感想を教えてください。
前田:いい意味で予想を何度も裏切られました。極道だったのに性転換をしてアイドルをやるはめになるというだけでもインパクトがありますが、何の前触れもなく売れちゃうんですよね(笑)。それなのにメンバーのひとりである杉原チカちゃんはお酒をずっと飲んでいるし……。こんな漫画は今まで触れたことがありませんでした。気が付くとオーディションを受けるということを忘れて朝まで読みふけっていましたね。それくらい、次の展開が気になる作品です!
貫井:一巻の第一話からインパクトが絶大でした。オーディションを受ける前から「すごい漫画がある」という話は聞いていましたが、まさかここまでとは……(笑)。だからこそ原作の世界に引き込まれましたし、アニメになったら絶対に面白くなるだろうなと思っていました。
――そんな作品においてお二人が演じられる役を教えてください。
貫井:私が演じる山本アイリは正統派アイドルでリーダーという肩書を持っています。性転換をする前も極道の兄貴分・山本健太郎として弟たちを引っ張っていく頼もしい存在でした。ただ、兄貴とリーダーは似て非なるもので、その葛藤も多いにあったかと思います。それでも一生ついていくと決めた犬金組長に認めてもらいたいという一心でアイドルを務める努力をします。根は真面目で素直で男気溢れる人間ですね。
前田:私が演じる立花マリちゃんはいわゆる“クール系お嬢様”ポジションです。芯が強い分、不器用なのですが、真っすぐ頑張ろうとしている姿がとっても愛おしいんです! 「頑張れマリ、お前は人気が出るぞ」と応援したくなります。
――お二人が演じられるキャラクターをはじめ、本作には色々と濃いキャラクターが登場しますよね。
前田:全員濃い(笑)。
貫井:誰一人として注目を浴びない人はいない。誰が主役でもいけそう(笑)。
――中でも好きなキャラクターは?
前田:マリが性転換する前の恋人「みゆき」です。マリは甘いものを食べているときなど、ことあるごとに「みゆきー!!」と叫ぶんですよ。叫ぶたびに、「みゆきって誰やねん」って、ツッコんでしまいますし、演じる身としては気になって仕方ない(笑)。マリの恋人をはじめ、本作は性転換する前と後で人間関係が変わります。そこも作品の注目ポイントですね。
貫井:私は3人の親分であり、プロデューサーでもある犬金組長ですね。組長あっての私たち(ゴクドルズ)ですし、組長がいないときっと3人はここまで頑張れない。だからこそ組長ってすごい存在だなと思います。
――お二人は性転換後のアイドルとしての声を演じられていますが、性転換前の極道としての姿のときの声は小野大輔さん、日野聡さん、興津和幸さんが演じられます。
貫井:皆さん頼りになる兄貴分です!
前田:キャスト発表があった際に日野さんが「一緒に頑張っていこう」とコメントで投げかけてくれたのが泣きそうなくらい嬉しかったです!
――アフレコ現場の雰囲気はいかがですか?
貫井:インパクトのある声や映像ばかりの作品ですが、アフレコ現場は和やかです。
前田:セリフの言い方などで困っていたら諸先輩……いや、兄貴の方々がさり気なくアドバイスしてくださるので、私たちも未熟ながら頑張ろうと思えるような現場です。
貫井:小野さん、日野さん、興津さんと私たち3人(貫井・前田・赤尾ひかる)は見た目は違えど同じ人物を演じていますので、一緒に一人のキャラクターを作り上げていくように心がけています。私は小野さんが考えるアイリと健太郎の差が生まれてしまわないよう、アフレコが始まるまでに自分のなかでのアイリと健太郎を固め過ぎないようにしました。現場で吸収して、キャラクターを作り上げています。
前田:日野さんは私が思うマリを演じてくれたらいいと言ってくださいました。それでも同一人物だと思ってもらえるような芝居をするため二人とも努力する……。何だか口には出さず、お互いがそれぞれの演技に歩み寄ろうとしている気がします。そういうところがリョウ・マリっぽい気もしますね。
大石昌良が楽曲提供したOPテーマ曲は遊び心満載
――ここまで作品やアフレコのことを中心にうかがってきましたが、本作に関連することとしてお二人と赤尾さんは「ゴクドルズ虹組」として様々な活動をされていますね。その一つが公式サイトにアップされている動画企画です。
貫井:アイドルとして成長するための企画にチャレンジしています。けん玉、縄跳びなど身体を使ったものに挑戦することが多いですね。
前田:この企画を通じて肝が据わりました。
貫井:とりあえずやってみようというチャレンジ精神がついたよね!
前田:うん(笑)。
貫井:あとはその場で奇跡が生まれる。こういう流れでオチはこうしようという打ち合わせは一切していないので、その瞬間だけの何かが生まれるんですよ。
前田:見てくださる方々には本当に生でやっているということを伝えたいです(笑)!
貫井:そうだね(笑)。私、この企画を通じて3人の一体感が生まれた気がする。
前田:わかる! 企画の収録をした後、ケーキを食べに行ったときに絆を感じたなぁ。
貫井:ケーキを食べているとき、疲れているからかほとんど誰も喋らない時間があったけど、気まずくならなかったよね。
前田:そうそう! それぞれが別のことをやっていても全然苦じゃないし、嫌われないと分かっている、それくらいの信頼感が既にある気がする。
貫井:いい意味で気を使わない関係性が築けているよね。
――アイドルとして成長するべく企画に挑戦していますが、お二人にとってそもそもアイドルとはどのような存在ですか?
前田:アイドルは何でもできる人で、辛い時でも笑顔でいるというイメージが強いです。ダンスや歌で苦しいという瞬間があっても常に笑顔。太陽のような存在ですよね。
貫井:応援したくなる存在だと思います。だからこそ会いに行って、「頑張ってね」と伝えたくなる。「ゴクドルズ」の3人も努力を重ねてステージに立っています。ステージではその努力した姿を見せることはあまりありませんが、その頑張りはきっとファンの方に伝わっているんじゃないかな。
前田:頑張っているよね、本当に。きっと伝わっている、と信じたい…(笑)。
――その他、「ゴクドルズ虹組」としては本作のOPテーマ曲「ゴクドルミュージック」も歌われています。
貫井:「ゴクドルミュージック」は大石昌良さんに作っていただきました! 歌詞も遊び心満載で楽しい楽曲に仕上がっています。
前田:仮歌を大石さんが歌われていたのですが、既に全力で遊ばれていて……。聞いている私たちが楽しくなりました。
――レコーディングはいかがでしたか?
前田:私たちの持っている力を大石さんが引き出そうとしてくださっている、というのがとても伝わってくるレコーディングでした。とにかく褒めてくださるんですよ!
貫井:褒め上手なうえに、こちらの試みも色々と取り入れてくださるのでテンションが上がりっぱなしでした(笑)。またキャラクター性も大事にしてくださるので、演者として嬉しかったです。
前田:レコーディング中だけでなく、会話も面白くて……。なんだかお兄ちゃんのような温かさを感じました。「ゴクドルズ」の歌の兄貴です。
貫井:フル尺だと色々と合いの手が入れられるようになっています。それもすごく楽しいものに仕上がっているので、いつかライブなどでお客さんと一緒にコール&レスポンスや合いの手ができたら嬉しいですね!
ラブラブピョンピョン。あれ、チカちゃんは……
<プロフィール>
貫井柚佳【ぬくい・ゆか】12月30日生まれ。東京都出身。AIR AGENCY所属。主な出演は「Just Because!」高橋早苗役、スロウスタート」小鹿野真秀役ほか。
前田佳織里【まえだ・かおり】4月25日生まれ。福岡県出身。アミューズ所属。主な出演は『アイカツスターズ!』双葉アリア役、『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバルALL STARS』桜坂しずく役ほか。
〈『Back Street Girls -ゴクドルズ-』情報〉
■放送日
BS11 7月3日(火)より、毎週火曜深夜1時~
TOKYO MX 7月3日(火)より、毎週火曜深夜1時40分~
MBS 7月3日(火)より、毎週火曜深夜3時~
■スタッフ
原作:ジャスミン・ギュ(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:今千秋
シリーズ構成:山川進
作画監督:梶谷光春
音響制作:マジックカプセル
音響監督:明田川仁
アニメーション制作:J.C.STAFF
製作:犬金企画
■キャスト
山本健太郎/小野大輔、立花リョウ/日野 聡、杉原和彦/興津和幸
アイリ/貫井柚佳、マリ/前田佳織里、チカ/赤尾ひかる
犬金組長/藤原啓治
公式サイト
http://backstreetgirls-anime.toeiad.co.jp/
公式Twitter
@inuganekikaku
©ジャスミン・ギュ・講談社/犬金企画