下地紫野セカンドシングル「そんなの僕じゃない。」が発売。MV撮影中にビックリしたのは「ローカル電車とイノシシ」!? 最近のカレーパン事情も【インタビュー】 | 超!アニメディア

下地紫野セカンドシングル「そんなの僕じゃない。」が発売。MV撮影中にビックリしたのは「ローカル電車とイノシシ」!? 最近のカレーパン事情も【インタビュー】

『ハクメイとミコチ』のミコチ役や『多田くんは恋をしない』のアレクサンドラ・マグリット役などで、いま注目の声優・下地紫野。彼女の2枚目となるシングル「そんなの僕じゃない。」が8月1日にリリース。ファーストシングルからの約 …

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 『ハクメイとミコチ』のミコチ役や『多田くんは恋をしない』のアレクサンドラ・マグリット役などで、いま注目の声優・下地紫野。彼女の2枚目となるシングル「そんなの僕じゃない。」が8月1日にリリース。ファーストシングルからの約1年半で、音楽やレコーディングへの向き合い方に変化はあったのか。カップリングも含めたレコーディングの思い出を語ってもらった。

下地紫野_アーティスト写真

表題曲の第一印象は「夜明け」
――個人名義でのシングルのリリースは、2016年の10月以来ですね。
 枚数としてもまだ2枚目なので、ファーストシングルのレコーディングの記憶を掘り起こしながらの作業になりました。

――出来上がった曲は、ちょっとノスタルジックな感じもある、静かだけれど爽やかな雰囲気がありますね。
 最初に曲を聴かせていただいたとき、「夜明けみたいだな」と思ったんですね。その後、作曲をしてくださった白戸佑輔さんから「外国の海辺の夜明けをイメージしたんだよ」とうかがって、インスピレーションは間違っていなかったんだなと思いました。ちょっと不思議なことが起こりそうで、爽やかだけじゃない感じもありますよね。

――『すのはら荘の管理人さん』という作品はコミカルな雰囲気もありますが、タイトルからしても曲調からしても、作品のイメージとは少し違うところが意外でした。
 私も『すのはら荘の管理人さん』には、やさしい雰囲気を感じていたのですが、「そんなの僕じゃない」では人の内面をはっきりと描いているように思いました。

――レコーディングしてみて、いかがでしたか?
 試行錯誤はありました。あと、OKをいただいたあと「おばあちゃんになっても歌えるかな……」って思ってしまって。

――そのくらい、難しい曲だったのですか?
 そうですね。歌詞が心の叫びを表現している部分もあって、「God Save The Girls」のときよりは叫んでいるというか、普段は使わない声を使っているなって自分でも感じました。囁きのような静かな始まり方をするので、その部分をうまく乗せていかないと、サビも感情が抑え気味になってしまうんですね。あんまり内面を出しすぎてもダメだし、かといって引きすぎるとこの歌の伝えたいことが伝わらないだろうし……と。多くの方に共感していただけるであろう歌詞だけに、寄り添うところと寄り添いすぎないところのバランスをとるのは難しかったです。

――イントロに入っている吐息の音は、ちょっとドキッとさせられますね。
 デモの段階で入っていてすごく印象的だったので、実際のレコーディングでも私の声で入れさせていただきました。この吐息部分はダミーヘッドマイクを使って録ったんです。これまで、アニメやゲームのアフレコ現場でも使ったことのないマイクだったのですが、まさかレコーディングで使うことになるとは……と驚きましたし、ちょっと面白かったです。


「いつか」の歌詞に出る日にちが、誰かの特別になったらうれしい
――カップリングの「いつか」は、ピアノと歌のみのしっとりとした雰囲気の曲。
 編曲をしてくださった川田瑠夏さんのピアノとふたりっきりでレコーディングをさせていただきました。すごく集中したレコーディングだったこともあって、ライブ感が強くなったなと感じています。とても自由に歌えて、感じたままのレコーディングができた気がしています。

――歌詞に日にちが入っているのが印象的です。
 私、坂本真綾さんの「おきてがみ」という歌が大好きなんです。「3月16日」という日にちが入っていて、その日になると必ず「おきてがみ」を聴くんですね。ですから、この曲に出てくる「5月7日」や「9月20日」になったら、ふとこの曲のことを思い出す……そんな曲になったらいいなと思っています。

――この日にちは、下地さんにとっての特別な日というわけではないんですね。
 そうなんです。でも、特別な日って、誕生日とかのイベントがある日だけじゃないと思うんです。たとえば、誰かと一緒に歩いて帰っただけで、特別な思い出になることもあると思っていて。そうやって、思わず手帳に書き留めたくなるような出来事ってたくさんあるので、誰かの特別な日になっていたらうれしいです。

――歌詞的には、学生のときに感じた青春のような、そんな空気感もあります。
 レコーディングで、友達や学生時代のことも思い浮かびました。でも、同じくらい自分が演じてきたキャラクターへの思いも込めたんです。声優というお仕事は、出会ったキャラクターをずっと演じ続けられるわけではないんですよね。どういうふうに演じたらいいのか迷ったり、考えすぎたりしてうまくいかないこともあったけど、いままで演じてきたキャラクターに恥じないように、もっとお芝居をやっていきたいという気持ちで歌った部分も大きいんです。

――この曲は、トラックダウンのときにアナログテープを使ったそうですね。
 アナログテープを使うと声がまろやかになったり、録るたびに音の雰囲気が変わったりするそうなんです。ディレクターさんの「ドラマチックにしたい」という思いもあって、テープになりました。テープを回すボタンを押す係もさせていただいたんですが、「大事な作業だから」とか、スタッフさんが煽ってくるんですよ!(笑)そのせいで、すごくドキドキしました。でも、大事な作業をさせていただいて、今まで以上に作業に参加している気持ちが強くなりましたし、テープが回る昔懐かしい感じがあったかくて、すごく素敵な空間でした。

一番苦戦をした「Dear Time
――そして、3曲目の「Dear Time」。
 じつは、この曲はバンド感が強かったので、苦戦しました。

――バンド曲はあまり馴染みがないですか?
 いえ、結構聴くんです。だからこそ、自分のイメージする声と実際の声とのバランスが、歌っていくうちにどんどんわからなくなってしまって……。試行錯誤して、途中で一度歌ったものを聴かせていただいたり、休憩を入れたりもしました。

――休憩を入れてからはスムーズにいきましたか?
 イメージにたどり着いてからはスムーズでした。

――この曲は、歌詞がかなり心に染み入るものがありますよね。
 私、比較的“時間に取り残される”タイプの歌詞の歌をよく聴くので、この曲は「時間はそばにいる」という表現をしているところがすごくあたたかいなと思って、最初に歌詞を見たときには泣きそうになりました。文化祭で演奏しているようなキラキラ感があるなと思ったんですが、いまの私っぽさも出したいなと思って「上京してきて、知らない土地で仕事に対して向き合って頑張りたいという気持ちを込めたい」と作詞の岩里祐穂さんにお願いしました。あがってきた歌詞を拝見して、「チャンスが現れる」という歌詞を最初はいただいていたんですが、私はチャンスって見えないけれど、周りにいつもあるものだと表現したかったので、岩里さんに僭越ながらそれを伝えさせていただいて。岩里さんからは「いいご指摘、ありがとうございます!」と言っていただいて、いまの歌詞になったんです。ドキドキはしましたが、伝えてよかったなと思っています。

ミュージックビデオ(MV)では憧れの“ザ・電車”を体感
――「そんなの僕じゃない。」のMVは、ローカル線を活用した撮影だったんですね。
「God Save The Girls」のときはほぼ室内だったので、屋外での撮影がすごく楽しかったです。テーマは「自分探し」です。私、沖縄出身なんですが、沖縄って電車が走っていないんです。15年くらい前にモノレールができたんですけど、モノレールって“電車”っていう感じがしないんですね。それが、今回のMVではローカル線での撮影だったこともあって、「こういう駅、映画だけじゃなくて本当にあるんだ」と感動しました。映画や小説の世界に入ったような気持ちになれました。あと、映像上でお芝居をするのはなかなかない経験だったので、目線や表情でのお芝居は普段とは違う頭を使っていた気がします。

――MV撮影で、ないか面白い出来事はありましたか?
 休憩中にイノシシを見ました! 安全な場所から「今日はお邪魔します」って声をかけたら逃げられました(笑)。ミノムシとかツバメもいて、夜には人生で初めてほたるも見たんです。すごく、日本の美しい風景を満喫できましたし、紫陽花もきれいで、撮影なのにリフレッシュできました。

――ジャケットやアーティスト写真の撮影はどうでしたか?
 撮影当日は、とても涼しい日だったので、モデルさんやタレントさんがよく言っている「季節と真逆の衣装の撮影」というのを体験できました(笑)。アーティスト写真は街に繰り出しての撮影でしたが、撮影中に小学生の男の子が通りかかったんですね。逆方向からお友達が歩いてきていたようで、「こっちで記念撮影してるから!」って止めてくれたんです。確かに、カメラマンさんもいるし、記念撮影に見えるかなって。その街の生活が見えたような気がしました。アーティスト写真は、海の近くでの撮影だったんですね。地元が海に囲まれているので、海に行くと元気になれてテンションが上がりました。写真を見ていただいたときに、ここで下地はテンションが上がったんだなと思ってもらえたらと思います。

――1年半ぶりのレコーディングで、成長したなと思うところはありましたか?
 レコーディング中は楽しさがいっぱいでしたが、振り返ってみると周りを見渡したり、スタッフさんと話し合ったりしながらの作業が、1枚目のときよりはできたかなと思います。自分の殻を破るまではいかなくても、ヒビくらいは入ったんじゃないかな。

――タイトルにちなんで、「こんなの自分じゃない」と思うようなことはありますか?
 毎日、何をしていても感じることはあります。でも、そう思う自分も自分なんだろうなと思うので、すごく難しいですね。ファンの方、スタッフの方、友達とで私に抱くイメージも違うと思うんです。そのイメージのギャップをどうしたら埋められるのかなと考えることもあるんです。とくにファンのみなさんが抱かれているイメージとギャップがないように振る舞えたらと思ったりもするんですが、やっぱり難しいですよね。

――相手によって、対応が変わるのは普通の人でもあることですから、違いを埋めるのは誰しも難しそうですね。とくに、下地さんは小柄な方なので、その先入観みたいなものもある気がしますし。
 これまで演じさせていただいたキャラクターたちは、かわいい子が多いこともありますし、見た目もあってか、「地声は低いんだね」って言われることもあります。DVD付き限定盤に収録されているメイキング映像に突然低い声の人が登場するんですけど、それが私だったりするんです(笑)。そのギャップも楽しんでいただけたらと思います。

――DVD付限定盤には、アコースティックライブ映像も入りますね。ファンにはとてもうれしい映像だと思います。
「God Save The Girls」と「プ・レ・ゼ・ン・ト」を歌わせていただきました。とくに、「God Save The Girls」はカラオケでもよく歌うんですけど、歌い慣れている感じがすごいねってスタッフの方に言われました(笑)。とにかく楽しい収録だったので、観る方にも一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。

――下地さんの声は落ち着いたところもあるので、アコースティックライブもすごく似合いますね。
 ありがとうございます。いつかアコースティックライブもやってみたいです。

――下地さんは『超!アニメディア』で動画番組「まいちにカレーパン」も展開していましたが、最近のカレーパン事情はいかがですか?
 じつは、引っ越しをしてお気に入りのカレーパンを売っているお店が遠くなってしまって、ちょっとご無沙汰なんです。でも、カレーパンはいまでも大好きです。カレーといえば、あるライブのプレゼントに、ファンの方からレトルトカレーをいただきました。カレーパンは無理だからと考えてくださったんだろうなと、ファンの方のやさしさが伝わってきました。

――では、最後に読者にメッセージをお願いします。
 1年半ぶりのシングルで、レコーディングからジャケット、MV撮影まで新鮮な気持ちでできました。1年半の声優としての活動も含めて、その経験がシングルに出せていたらいいなと思っていますし、それをみなさんにも感じてほしいです。1年半前は私のことを知らなかった方はもちろん、2枚目を待ってくださっていた方にもお手にとっていただき、たくさんの方に聴いていただけたらと思います。よろしくお願いします。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

<PROFILE
下地紫野【しもじ・しの】6月4日生まれ。沖縄県出身。青二プロダクション所属。2016年10月にシングル『God Save The Girls』でソロ活動を開始。声優としての主な出演作は『ハクメイとミコチ』(ミコチ)、『多田くんは恋をしない』(アレクサンドラ・マグリット)など。

<リリース情報>
シングル「そんなの僕じゃない。」
フライングドッグより発売中
DVD付初回限定盤:2,376円
通常盤:1,404円(すべて税込)

そんなの僕じゃない_DVDDVD付初回限定盤

そんなの僕じゃない。通常盤通常盤

<イベント情報>
『そんなの僕じゃない。』発売記念イベントを下記日程で開催
8月1日(水)東京・AKIHABARAゲーマーズ本店6F
8月4日(土)大阪・animate O.N.SQUARE HALL
8月11日(土)東京・ソフマップAKIBA①号店マップ劇場
8月19日(日)愛知・第三太閤ビル
※参加方法などはショップの公式サイトをチェック
※情報掲載時には参加券の配布が終了している場合もございます。ご了承ください

下地紫野公式サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/Artist/A025538.html

下地紫野公式Twitterアカウント(2018年9月末までの期間限定)
@shimojishino_o

《超!アニメディア編集部》
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