【インタビュー】岸田教団&THE明星ロケッツのリーダー・岸田とボーカル・ichigoが新譜「ストレイ」の魅力を語るー「博多はやんちゃな人が多いです」 | 超!アニメディア

【インタビュー】岸田教団&THE明星ロケッツのリーダー・岸田とボーカル・ichigoが新譜「ストレイ」の魅力を語るー「博多はやんちゃな人が多いです」

発売中の岸田教団&THE明星ロケッツの新譜「ストレイ」は、放送中のTVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』のOPテーマ。楽曲の制作秘話や作品の魅力などを語ってくれたメンバーのインタビューが、発売中の『アニメディア3月号 …

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 発売中の岸田教団&THE明星ロケッツの新譜「ストレイ」は、放送中のTVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』のOPテーマ。楽曲の制作秘話や作品の魅力などを語ってくれたメンバーのインタビューが、発売中の『アニメディア3月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めた、インタビュー全文をご紹介する。

――メンバー4人のうち3人が『博多豚骨ラーメンズ』の舞台である福岡県の出身だそうですね。地元を舞台にした作品のOPテーマを担当された感想はいかがですか?

ichigo 素直にとてもうれしいですね。博多の街の情景を本当にリアルに描いてくれている作品なので、それだけでもテンションが上がります。しかも、アニメ『博多豚骨ラーメンズ』は、福岡県でも放送されているんですよ。私たちの曲が使われているアニメ作品が地元の地上波で放送されるのは初めてなので、めちゃめちゃテンションが上がりました!

岸田 福岡県での放送時間が深夜3時半と遅いけど、地元民はぜひ頑張ってリアルタイムで見てほしいです。

――本作は”博多は人口の3%が殺し屋”というユニークな世界観ですが、地元民としてはどう受け止めていますか?

岸田 地元民を代表するわけじゃないですけど、さほど違和感を感じていませんよ。実際にやんちゃな人が多いので、いわゆるDQNなら20%以上いるんじゃないかな(笑)。

――作品ほどではないにしろ、共感できる部分はあると(笑)。

ichigo 血の気の多い人が多い地域というんでしょうかね。じつは「ストレイ」のMV撮影のときに、現場近くに血まみれのおじさんが徘徊するという、なかなかポップな出来事がありました。

岸田 ”博多あるある”ですよ。そのくらいのやんちゃ感なら。

――血まみれをポップといってしまえるところが、すごいですね(笑)。さて楽曲「ストレイ」は、原作を読まれてから作られたそうですね。原作を読んだ印象は?

岸田 僕は小説家の伊坂幸太郎さんの作品が好きなんですけど、それに通じるものを感じました。ライトノベルの『デュラララ!!』と伊坂幸太郎さんのテイストを足したら、こんな感じになるのかもなって思いながら読んでいました。

――どんなイメージを持って曲作りを?

岸田 ストーリーとして、社会のルールを守らないヤバイ人たちがたくさん登場するので、”裏社会感”みたいなものが出せたらと思って作りました。でも、ポップさと激しさのバランスが難しくて、いつもより時間がかかりました。曲調も最終的にはロックを全面に押したものになりましたけど、ジャズっぽいものなどいろいろなパターンを試していたので。

――全体にソリッドでありながら、サビはとてもキャッチーで耳に残る曲ですね。

岸田 サビはとくに時間をかけて、頑張って作りました。時間をかけすぎて、プロデューサーなどの”大人”から真剣に怒られたくらいです(笑)。

――サックスが入っているのもポイントのひとつですね。

岸田 レーベル側から「大人のハイエンド感がほしい」といわれて。つまり、大人の裏社会的な、不良っぽい格好良さということなのですが、サックスを入れたら、そういう印象を与えられるんじゃないかと思ったので入れました。結果、OPにふさわしい疾走感にあふれたロックテイストの曲になったと思います。

――歌詞はどんなイメージで?

ichigo 私のなかで主人公の馬場善治さんは、アニメ『カウボーイビバップ』の主人公・スパイクのようなイメージがあって。普段は飄々としていて、でも絶対助けてくれるという信頼を寄せられるところが魅力です。歌詞でも、そんな馬場さんの魅力が表現されています。

――2番の歌詞では少し違ってきますね。

ichigo そうですね。2番では女装の殺し屋・林(憲明)ちゃんの視点で、軽く交わした約束を本当に守ってくれる人を目の前にして、うれしいけど、どんな顔をしていいかわからない、そんな気持ちがつづられています。過酷な世のなかであっても自分を助けてくれる存在がいると知り、「もっとあがいてもいいな」と希望が芽生えた瞬間を歌っています。

――作曲に時間がかかったとのことですが、作詞はどうでしたか?

岸田 だてに福岡に住んでないので、歌詞はめっちゃ早かったです。ただ、ネタバレせずに作品の魅力を詞のなかに落とし込まないといけなかったので、その塩梅が難しかったですかね。

――レコーディングは時間がかかりましたか?

ichigo かかりましたね。リズムが揃わないと、曲の格好良さが出ないのですが、この曲はテンポが速いうえに裏でリズムを取るのが難しくて。しかも、それがサビもずっと変わらないので、歌うのが本当に大変でした。

岸田 楽器陣のレコーディングも朝の5、6時までかかって、超キツかったです。

ichigo うちはけっこうレコーディングが早く終わるほうなので、こういうのは珍しいです。

岸田 アニメ『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』のOPテーマ「天鏡のアルデラミン」のときも時間がかかったけど、あれは台風で使いたい機材が届かなくて、スタート時間自体が遅れたんです。だから今回みたいに、予定通りに始まったのに時間がかかったのは初めてでした。

ichigo 時間はかかったけど、そのぶん格好いい曲になったのでよかったです。

――レコーディングが大変だったということは、ライブでやるのはもっと大変ということですね。

岸田 そうですね。ライブまでにたっぷり練習しないといけないです。

ichigo でもうちらの曲って、そもそも楽に演奏できる曲があまりなくない? シングル曲は、だいたいどれもメンバーのみんなが少しずつ命を削って作っていますから(笑)。

岸田 確かに。そのなかでもいちばんキツイのが、アニメ『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』第2期OPテーマの「GATE Ⅱ ~世界を超えて~」ですね。もしもうちのコピバンをやっている人がいたら、きっとわかってくれると思います。

――ちなみに、アニメのタイアップ曲で毎回なにか意識していることはありますか?

岸田 原作を必ず全部読んで、曲も歌詞も必ず書きおろすことかな。

ichigo 自分たちの曲ではあるけど、そのアニメのための曲ということを優先させます。だから、そのアニメ作品のタイトルをそのまま曲のタイトルに付けることも多いですね。

岸田 じつは今回もそうしようと思ったんですけど、曲のタイトルとして「博多豚骨ラーメンズ」というのは、やりすぎという話になってナシになりました。

ichigo まだアニメが放送されている間はいいけど、その後もライブで歌っていくことを考えると、MCで「次は『博多豚骨ラーメンズ』を聴いてください」って紹介するのがね。

――確かに笑いが起きそうですね(笑)。では最後に2018年の目標は?

ichigo 2017年はバンド結成10周年でライブをたくさんやったので、そのぶん今年は楽曲制作の年にしたいです。メンバー全員けっこうな大人なので、大人だからこそできる曲もいいかもしれませんね。いろいろ試したいです!

岸田 今までとは違ったタイプの曲も作りたいですね。すごくポップでキャッチーな曲を作ってもっと売れたいです(笑)!

◆プロフィール
岸田教団&THE明星ロケッツ【きしだきょうだん・アンド・ジ・あけぼしろけっつ】2007年に結成。メンバーはベースの岸田、ボーカルのichigo、ギターのはやぴ~、ドラムのみっちゃんの4人。同人サークルとして活動をスタートさせて、2010年にアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』のOPテーマ「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」でメジャーデビュー。これまでに『ストライク・ザ・ブラッド』や『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』などのテーマソングを担当している。

<ニューシングル「ストレイ」情報>
発売中
アーティスト盤1,944円、アニメ盤1,620円、通常盤1296円
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
表題曲の「ストレイ」は、博多を舞台に繰り広げられる”裏の世界”の物語をスタイリッシュに描いたアニメ『博多豚骨ラーメンズ』のOPテーマ。疾走感のある熱いロックサウンドにからむサックスの音色が絶妙で、ichigoの爽快でハイトーンのボーカルが心地いいナンバー。MVでは博多の繁華街を舞台に、ボーカルのichigoがキャバクラ嬢や花屋の店員など、さまざまな職業に変身した姿を披露している。

アーティスト盤および通常盤

アニメ盤

取材・文/榑林史章

《超!アニメディア編集部》
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