【インタビュー】“表現すること”が第二の世界『ネト充のススメ』EDテーマを歌う相坂優歌 | 超!アニメディア

【インタビュー】“表現すること”が第二の世界『ネト充のススメ』EDテーマを歌う相坂優歌

現実社会に疲れた主人公が、ネトゲの世界を謳歌する『ネト充のススメ』。ライラック役を演じる相坂優歌に、『ネト充』の魅力と相坂が歌うEDテーマ「ひかり、ひかり」について聞いたインタビューが現在発売中の『アニメディア』201 …

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 現実社会に疲れた主人公が、ネトゲの世界を謳歌する『ネト充のススメ』。ライラック役を演じる相坂優歌に、『ネト充』の魅力と相坂が歌うEDテーマ「ひかり、ひかり」について聞いたインタビューが現在発売中の『アニメディア』2017年12月号に掲載中だ。誌面ではお伝えしきれなかったインタビュー全文をこの場でお届けする。

――『ネト充のススメ』は、どんな作品だと捉えていますか?
 ネットゲームと現実世界の狭間で、盛岡森子という主人公が、どう生きて行くかが物語の主軸になります。学校もそうですが、社会に出ると自分の世界がそこだけになりがちで、世界が狭くなってしまって苦しくなる人が多いと思うんです。でも、第二の世界としてネトゲの世界があることで救われることもあるし、そこには希望もあり、温かくていいことだと思います。第二の世界は、ネトゲに限らずアニメでもマンガでも何でもいいと思うのですが、世の中で、狭い世界で息苦しい思いをしている人に「世界はそれだけじゃないんだよ」と、教えてくれるのが『ネト充』かなって。世界はもっと広いんだよって、知るきっかけになればいいなと思います。決して現実離れした話ではなくて、今の時代を生きている方には共感していただけていると思います。

――相坂さん演じるライラックは、森子がネトゲのなかで組むパーティーのメンバーですが。どんな女の子ですか?
 ムードメーカーで、林くんに恋愛っぽい匂いをかぎつけると、ヒメラルダと一緒に焚きつけたりするのですが、パーティーにひとりいるとすごく和むマスコット的なキャラクターですね。演技的にはテンション高めで、自分の理想を語るときは、早口になるのでそこは大変です。

――ライラックのリアルな姿は女子大生ですが、ギャップみたいなものは?
 リアルの女子大生の声は優木かなさんなので、演じ分けの苦労はありませんでした。ただ、アニメではリアルの姿はあまり描かれていないので、彼女の考えや内面まで深くはわからないところもあります。。自分の理想の姿を、ライラックにこめているのかも? とか、想像しながら演じています。

――現場はどんな雰囲気ですか?
 アットホーム感と言うか、和気あいあいとした雰囲気ですね。リリィ役の上田麗奈ちゃんとは何度か共演させていただいたことがありましたけど、今回はたくさんお話をさせていただく時間があって。より仲良くなれた感じがします。

――物語は半分くらい進みましたけど、放送を見てどんな印象ですか?
 映像がきれいですね。ゲーム内のファンタジー感溢れるシーンは、ふんわり感があって街の ネオンがキラキラしていて、女の子にも親しみやすいと思います。夜のシーンが多くて、木の上で林くんとリリィちゃんが話すシーンはとてもロマンチックで好きです。

――キャストのメンバーで、実際にネトゲのパーティーを組んだらどうなりますかね?
 現場はゲームが好きな方が多いとお伺いしております。私がパーティーに入るとしたら魔法使いをやってみたいです。

――そんな相坂さんが歌うEDテーマ「ひかり、ひかり」は、クリープハイプの尾崎世界観さんの作詞作曲。相坂さんはクリープハイプのファンで、ずっと熱望していたとお聞きしております。
 はい。以前からクリープハイプさんが好きだと公言していて、今回『ネト充』のスタッフから、OP・EDでバンドとコラボしてはどうかというお話があり、尾崎さんにお願いすることになりました。

――お好きなところはどこですか?
 アーティストの方によって励まし方がいろいろあると思いますが、私はクリープハイプさんの「大丈夫」という曲に救われました。尾崎さんの曲は「元気出して」とか、直接的に励ますようなことは言わないんです。代わりに「隣にいてくれよ」とか「一緒にいようね」といった表現が多くて、きっと尾崎さんがファンに対して「隣にいてほしい」「一緒にいてほしい」と思っていることの裏返しの表現でもあると勝手に思っています。バンドサウンドも好きですが、尾崎さんのそういう表現が好きです。なので、私が好きな尾崎さんのテイストを歌詞に入れて欲しいとお伝えして作っていただきました。

――最初にデモを聴いたとき、いかがでしたでしょうか?
 最初のデモは、尾崎さんが弾き語りで歌っている音源でした。そのときは、6/8拍子の比較的ゆったりした曲だったのですが、お話しして今の形になりました。それもすごく良い楽曲で、私のために作っていただいたということを抜きにしても、本当に感動しました。

――とても疾走感があって、クリープハイプらしい鋭さもある曲になりましたね。尾崎さんは、巻き舌で吐き捨てるような歌い方をするのが特徴ですが、相坂さんの曲という部分では、歌い方でどんなことを意識しましたか?
 先にアニメED用のワンコーラスだけをレコーディングしています。CDに収録されているフルサイズはあとに録ったので、違う歌い方になっています。本編のEDは初々しさがあって、いい意味でアニメに寄った歌い方になっているかもしれないです。レコーディングには尾崎さんが立ち会ってディレクションしてくださって、「もっとここはだるそうに歌ってほしい」などアドバイスしていただきました。聴き比べて楽しんでもらえたらいいなと思います。

――「ひかり、ひかり」というタイトルは、どういう意味だと解釈しましたか?
 インターネットの「光回線」という意味もあると思いますが、私としては「一縷の望み」だとか「希望の光」と捉えました。森子は、光を求めてネトゲの世界に飛び込んだわけだし。歌の収録のときも、暗い部屋のなかで小さい光が灯っているイメージを持って歌いました。

――アウトロでは、フェイクが入っていて、そこも聴きどころですね。
 そこは尾崎さんから「やってみませんか」とご提案していただきました。とくにメロディが決まっていたわけではなかったので、その場で考えて思うがままに歌ったものを気に入ってくださり、そのまま収録されています。ぜひCDのフル尺を、最後までじっくり聴いてほしいです。

――ちなみにオケの演奏にはどんな方が参加されているのですか?
 ギターは尾崎さんと東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志さん、ドラムはピクミンさん、ベースは千葉龍太郎さん、そしてキーボードにクリープハイプの長谷川カオナシさん。カオナシさんは、コーラスの指導もしてくださいました。とても豪華な顔ぶれに支えていただいて、本当に光栄です!

――相坂さんが今まで歌ったものとは、まったく違ったものになりましたね。
 そうですね1stシングル「透明な夜空」と2ndシングル「セルリアンスカッシュ」は、アニメ『アクティヴレイド -機動強襲室第八係』のテーマだったので、どちらかと言うと爽快感のある明るい曲でしたね。

――今回はいかがですか?
 たとえば今回の「ひかり、ひかり」は、アップテンポですけど暗闇でもがく感じがあり、胸の奥の葛藤を歌いながらも、どこかで光を求めています。尾崎さんの曲にも、陰鬱さを持ったものも多いのですが、必ず希望の光が灯っています。たとえひたすら暗い曲だったとしても、それに救われる人だってきっといるし。前向きな要素がゼロの歌詞を読んで、明日も生きようと思う人もいる。そういう救い方ができる曲を、たくさん歌っていきたいです。

――では最後に、『ネト充』ではネトゲの世界がもうひとつの世界になっていますが、今の相坂さんにとってのもうひとつの世界は何ですか?
 声優業とか音楽活動が、そうなのかもしれないですね。お仕事しているときと、自宅にいるときの自分とはまた違います。この仕事をしていなかったら、何かを人に伝えたいとか何を伝えたらいいかとか、考えることすらなかったと思います。自分の言葉をどう操って伝えたらいいか、そういうことを考えている時点で普段の私とは違いますね。私は、歌うことは歌詞の人物になりきることだと思っているので、プライベートが第一の世界だとしたら、“表現すること”が第二の世界だと思います。



◆CD INFORMATION
「ひかり、ひかり」
相坂優歌
表題曲は『ネト充のススメ』EDテーマで、クリープハイプの尾崎世界観が作詞作曲を担当している。アッパーのロックサウンドに乗せたエモーショナルなボーカルが秀逸だ。カップリングには、相坂自身が作詞を手掛けた「Look back」を収録している。
発売中
初回限定盤:2,052円、
通常版:1,404円(各税込)
フライングドッグ

<TVアニメ「ネト充のススメ」情報>
毎週月曜日深夜1時40分よりTOKYO MXほかで放送中
●フライングドッグよりDVD第3巻まで発売中。第4巻、11月24日発売。2,592円(税込)。
Blu-ray BOX、フライングドッグより2017年12月8日発売。27,000円(税込)。  

STORY 
前の会社の知り合いである小岩井誉とコンビニで再会し、飲みに行く約束をさせられてしまった盛岡森子。アドバイスを求めてリリィに相談するが、そのことがきっかけで桜井優太は、林が森子であることに気づく。飲み会で神経をすり減らした森子が癒やしを求めてログインすると、そこで優しく声をかけたのはリリィだった。

公式サイト
http://netoju.com/

(C)黒曜燐/comico/ススメ!ネト充プロジェクト

《超!アニメディア編集部》
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