11月に卒業を発表した声優ユニット・every♥ing！が、2014年にインディーズでリリースされた“お試し版”シングル「ゆめいろ学院校歌」を8月に再リリース。さらに9月6日、ラストシングル「笑顔でサンキュー！」を発売。2枚のシングルについて制作秘話を語ったインタビューが、『アニメディア９月号』にて掲載中だが、記事内でお届けできなかった部分も含めた全文インタビューをご紹介する。
――every♥ing！としては、11月の東京・中野サンプラザ公演での卒業が決まっていますが、まず８月に、３年前“お試し版”としてリリースされた「ゆめいろ学院校歌」が再発売されます。
山崎 いま改めて聴くと、声が高いなって思いました。
木戸 わかる。若いって感じがするよね。元気はつらつとしていて、若さあふれる曲だったなと思います。
――当時のレコーディングにおける思い出を教えてください。
木戸 当時はレコーディングにまだ慣れていなくて、とにかく「元気100倍で頑張ろう！ 歌おう！」と思っていた記憶があります。つねに全力を注いでいたので、すごくノドが疲れたのを覚えています（笑）。
山崎 「ゆめいろ学院校歌」は、スタッフの方々のコーラスが入っているんですが、普段ブースの外にいる皆さんが中にいるのを、ニヤニヤしながら見ていた思い出があります。珍しいものを見られたなと思って（笑）。
――お互いの歌に関しては、その当時といまで印象に変化はありますか？
木戸 当時もいまも変わらないですね。私はエリイちゃんのビブラートがすごく好きで。聴いていて癒されるような歌声だなと思っています。
山崎 every♥ing！のレコーディングでは「あさってまでの分の元気も込めて歌って」と言われるくらいなので、衣吹ちゃんのような弾けるような声質にはいまも憧れています。
木戸 でも、ラストシングルのレコーディングをして、エリイちゃんは前より元気に声が出ているなって思ったよ。
山崎 every♥ing！のモットーが「元気」だし、衣吹ちゃんの歌声に近づけるように頑張ったからかな。私のほうが先にレコーディングしたのですが、きっと衣吹ちゃんならこう歌うだろうなと想像して、その歌声に近づけるように努力しました。
木戸 ラストシングルは元気な曲ですが、バラードのときは私がエリイちゃんの歌を参考にしているんですよ。
山崎 お互いが補い合いながらレコーディングをしてきたんだよね。
――ラストシングル「笑顔でサンキュー！」は、ラストっぽさを感じさせない明るい楽曲になりました。
山崎 曲を初めて聴いたときに、しんみりするのはevery♥ing！には必要ないんだなと感じました。私たちらしさが詰まっているなと。
木戸 本当に私たちらしいよね。この曲は、ふたりが思いついて書き出したフレーズを作詞家の方が歌詞に盛り込んでくださっているんです。まさかそのうちの「サンキュー」がタイトルに使われるとは思わなくて。ビックリしましたが、すごくうれしかったです。
山崎 フレーズは直感で出していったもんね。だから、歌詞を見たときは「おお、（ふたりで出したフレーズが）混ざってる！」って感動しました（笑）。レコーディングのときには、ちょっとはさびしさを出したほうがいいのかなと考えましたが、スタッフの方から「もっと元気に」とアドバイスをいただいたので、私としては歌うよりも叫ぶに近い気持ちでレコーディングをしました。
木戸 歌詞のなかにはさびしさを感じられるものもあるから、どう歌えばいいのか考えたよね。私は、ライブでの自分を想像しながら歌ったんです。曲のなかでは落ちサビの歌詞がすごく好きで。「別々の道をいくけど、最高のフィナーレを作ろう」という歌詞なので、うるっときちゃうんですよ。
山崎 しんみりする歌詞もちょこちょこあるのに、次の瞬間には立ち直っている展開の速さがevery♥ing！らしくていいなと思っています。
――３年間の活動は、ふたりにとっては早かったですか？
木戸 長いようであっという間でした。いろいろな経験をさせてもらえて、every♥ing！でいられて本当によかったです。
山崎 いまはまだ現在進行形で活動しているので長かったなと思うのですが、振り返ると本当に一瞬で終わったなという感じもします。イベントもたくさん出たし、ＭＶやレコーディングもたくさんさせていただいて、ギュッと凝縮された３年だったなと思います。
――現役高校生ユニットという触れ込みでのデビューでしたが、活動延長が決まってからも、いつか終わるだろうという気持ちはありましたか？
木戸 いずれは卒業するんだろうなという気持ちはありましたね。いまは11月に向けてカウントダウンが始まっている感じでさびしさもありつつ、それ以上に感謝の気持ちが大きいです。
山崎 本当にありがたいよね。卒業を発表した品川ステラボールは、私たちが「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でファイナル審査を受けた場所だったんです。当時は審査員の方しかいなかったのに、今は多くのファンの方が見てくださっていて、すごく胸がいっぱいになりました。
――『笑顔でサンキュー！』にもＭＶが収録されますが、これまでのＭＶで印象的だったものは？
木戸 「ゆめいろ学院校歌」では、それぞれ36着の制服を着たんですよ。それから「カラフルストーリー」は一発撮りで失敗ができなかったので、すごく記憶に残っています。
山崎 「DREAM FLIGHT」の撮影は、ビルの屋上でカンカン照りのなか「焦げる……」と思いながら撮ったのを覚えています。でも、その後の町を歩くシーンでは、なぜか強風で。ＭＶでは果敢な挑戦をしていた印象が強いですね。
――９月からは卒業旅行ツアー、11月には卒業コンサートがあります。
木戸 ツアーは歌だけでなくトークもあるので、各地で違うことをしたいなと思っています。たとえば北海道なら牛乳を飲みながらトークするとか？
山崎 初めて行く場所もたくさんあって、皆さんに自分たちから会いに行けるのがうれしいです。
木戸 私は地元の青森に、お仕事では初めて行くので、「ただいまー！」って叫んでみたいんです。
山崎 きっと、客席の皆さんは「おかえりー！」って言ってくれるよね。私、卒業コンサートには、「ちゅるちゅるちゅちゅちゅ」のＭＶに登場したうさおくんに出てほしいんです！
木戸 最後だから、いろんなことを詰め込めたらと思います。
――３年間活動してきて、お互いに発見した新たな面はありましたか？
木戸 わりとふたりともあけすけに話しちゃうので、知らなかったことはないんですが、エリイちゃんは取材などで積極的に話してくれるようになって。おかげで、私はどんどん楽ができるようになりました（笑）。
山崎 私にとって衣吹ちゃんは、同い年だけど先輩っていうイメージが強くて。それは変わらないのですが、活動を通じて、芯があって選択肢をちゃんと選んでいける人なんだというところを発見しました。
――お互いに、いまだから伝えたいことはありますか？
木戸 本当にいままでありがとう、かな。卒業しても同じ事務所だし、きっと事務所関連のイベントでは会うと思うので、離れる感じがあまりしないんです。だから、どこかの現場でまた会おうね、みたいな感じですね。
山崎 私は曲に元気を与えてくれてありがとう、と言いたいです。ふたりとも声質が全然違うんですが、衣吹ちゃんが歌うと力強さもグッと増すので、すごくありがたかったです。
――では「卒業」に向けての意気込みを聞かせてください。
木戸 ラストシングルになる「笑顔でサンキュー！」は本当に素敵な曲になりました。11月の卒業コンサートでは、ほぼほぼ持ち歌を歌い尽くすはずです。応援してくださった皆さんに感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思うので、ぜひお越しください。
山崎 最近、every♥ing！を知ったという方も、まだ間に合います。私たちのことをもっと知っていただけるように、そして最後までひとつひとつ大切に、皆さんに「ありがとう」を伝えていけるよう頑張りたいです。
◆プロフィール
every♥ing！【エブリング】 木戸衣吹と山崎エリイによる声優ユニット。2015年5月にシングル『カラフルストーリー』でメジャーデビュー。これまでにシングル3枚、アルバム1枚を発表した。
＜ニューシングル「ゆめいろ学院校歌」情報＞
発売中
キングレコード
初回限定盤：2,000円、通常盤：1,450円
2014年10月にインディーズでリリースされた“お試し版”シングル『ゆめいろ学院校歌』を再リリース。初回限定盤同梱Blu-ray には高画質、高音質に生まれ変わったMV&特典映像を収録する。
初回限定盤
通常盤
＜ニューシングル「笑顔でサンキュー！」情報＞
9月6日発売
キングレコード
初回限定盤：2,000円、通常盤：1,500円
ラストシングルとなる今作。初回限定盤には、同曲のMVと『every♥ing！のゆめいろラジオ』の最終回の模様を収録したDVDが付く。また、ラストシングル発売＆卒業旅行ツアー連動のスペシャルな企画を開催予定。
【YouTube】「笑顔でサンキュー！」Music Video（Short ver.）
https://www.youtube.com/watch?v=PIwHBblnio4
初回限定盤
通常盤
