TVアニメ『サクラクエスト』の音楽全般を手掛けるクリエイティブ・ユニットの(K)NoW_NAMEのMakoto Miyazaki、アニメディア7月号で掲載しきれなかった全文インタビュー公開! | 超!アニメディア

TVアニメ『サクラクエスト』の音楽全般を手掛けるクリエイティブ・ユニットの(K)NoW_NAMEのMakoto Miyazaki、アニメディア7月号で掲載しきれなかった全文インタビュー公開!

町おこしに奮闘する主人公達の成長を描いたTVアニメ『サクラクエスト』。舞台となる田舎の残念な観光地、間野山の風景ともマッチし、物語の盛り上げにひと役買っている音楽全般を手掛けているのが、クリエイティブ・ユニットの(K) …

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 町おこしに奮闘する主人公達の成長を描いたTVアニメ『サクラクエスト』。舞台となる田舎の残念な観光地、間野山の風景ともマッチし、物語の盛り上げにひと役買っている音楽全般を手掛けているのが、クリエイティブ・ユニットの(K)NoW_NAMEだ。ユニットを代表して、OPテーマや劇伴を担当したMakoto Miyazakiに、制作の裏側を聞いた。

ーー(K)NoW_NAMEとして、1つの作品の音楽全般を手掛けるのは、『灰と幻想のグリムガル』以来2作目とのこと。『グリムガル』はファンタジー世界でしたが、『サクラクエスト』は現実世界という違いがありますね。

 確かに舞台設定はまったく違いますが、どちらも主人公達が未熟なまま物語が展開して、少しずつ成長していくところは共通しています。もちろん物語自体違うので、制作モードは切り替えましたが、登場人物たちに寄り添いながら、その空気感を大切にするという部分では、『グリムガル』と同様に、今回もアコースティックで温かみがあるサウンドを心がけました。

ーー今回音楽を作るにあたっては、監督からどんなオーダーがありましたか?
 本作の舞台が山奥の田舎なので、ジャズ、フォーク、カントリーといったジャンルの音楽で作ってほしいと。それで、自然と生楽器を使った曲が多くなりました。ただ、「1970年代前半までのアメリカ音楽のイメージ」という時代の指定もあって。僕が生まれる前の時代も含まれているので、改めて調べたり聴き返したりしたのですが、現代の様々な音楽のルーツになっていると改めて感じて、とても勉強になりましたね。

ーーファンの間では、あのシーンは富山のあそこじゃないかと、早くから聖地特定が始まっていましたが、実際に富山に足を運ばれたりはしましたか?
 スケジュールの都合で富山まで行くことはできなかったのですが、自然の空気に触れようと思って、家の近くの自然の多いところを訪ねたりしました。あと、夜中に山梨に行ったんですけど、富士急ハイランドの近くの真っ暗な森の中を車で走っていたら、鹿が道路にひょっこり顔を出していて。

ーー鹿ですか!
 面白いなと思って車を降りて道に寝転がってみたんですが、星がすごく近くてきれいで、とても感動しました。そのときにいくつかフレーズが浮かんだので、夜のシーンで使っています。

ーーOPテーマの「Morning Glory」ですが、テンポ感がすごくいいですね。ちょっと駆け出す感じで。
 主人公が、これからいろいろなことに取り組んでいくという、新生活のスタート感を意識しました。サビの前に、一拍のキメがあるんですけど、そこはおっしゃっていただいたように「よーいドン!」で駆け出すイメージで作りました。

ーー劇伴に使われているカントリーやフォークといったジャンルは、使う楽器やフレーズに特徴がある音楽ですが、何か具体的に参考にしたものはありますか
 たとえば、古い北欧の映画音楽をたくさん聴きました。アイリッシュの音楽なんですけど、決して民族的なわけではなく現代的に表現していて、とても参考になりました。ただ、あくまでも『サクラクエスト』は現代の作品なので、実際に使った特徴的な楽器はバンジョーやマンドリンくらいです。バイオリンの演奏者に「フィドルっぽく弾いて欲しい」とお願いして弾いてもらったりしています。あと、ジャズ調の曲ではドラムの音を調整して、60~70年代の質感を出しています。

ーー謎の外国人のサンダルさんが奏でる楽器の曲も、作られているんですよね。
 ええ。サンダルさん自身趣味程度で楽器をやっているので、絶妙につたない感じでというオーダーでした。10話でバイオリンを弾くシーンがあるんですけど、オーケストラのトップバイオリンの方に、恐る恐る「下手に弾いてください」とお願いしたんです。そうしたら、けっこう他でもそういう指定があるみたいで、たくさんのパターンを出してくれて。すごくうまい具合に“下手に”弾いてくれました(笑)。

ーー今回は、劇伴曲と挿入歌を合わせて、全部で何曲くらい作ったのですか?
 ワンフレーズとかの短いものも含めると、80曲くらいあると思います。一般的な劇伴の曲は、ほかの作品と変わらないと思いますが、物語のキーとなるシーンで使われる挿入歌など、一回しか出て来ない歌ものの曲が、普通より多いかもしれないですね。

ーーたとえば、チュパカブラ王国の国歌とかもそうですか?
 そうです。そういうコミカルな部分では、主人公たちの成長のシーンと差別化することを心がけていて。国歌は、劇伴とはガラッと気分を変えて、双方が際立つように作りましたね。6話に出てきたチュパカブラ饅頭のCM曲は、大変でした。昔のCM映像を探して、片っ端から見て勉強して作ったんです。

ーー3話で出てきた「はじまりはいつもミステイク」とかは?
 あれは、監督から70年代以前のアイドルソングというオーダーがあって。実はそのころに、60年代アイドルユニットのトリビュート盤の仕事をしていたので、すごく作りやすかったですね。

ーー7話では、東京から帰ってきた緑川真希が過去の自分から勇気をもらうシーンで流れた、英語詞の挿入歌「thyme」が、すごく胸に響きました。
 はい。すごくよいシーンなので、雰囲気を邪魔せず、気持ちを盛り上げる感じが良いと思って英語詞にしています。

ーー昔のシンガーソングライター系で、リサ・ローブや、ちょっと前ならプリシラ・アーンを思わせますね。
 まさしくです。リサ・ローブは、僕もリアルタイムで聴いていたので、そういうちょっと懐かしい感じが、回想するシーンには合うと思って作りました。そのほかにもさまざまな音楽シーンがあるので、楽しみに観てください。

◆プロフィール
(K)NoW_NAME
アニメーション作品の音楽(主題歌、挿入歌、BGMなど)を総合的に手掛けるクリエイーティブ・ユニット。R・O・N、Makoto Miyazakiなど作曲家や、作詞家eNu、ボーカリストとしてOPテーマ「Morning Glory」を歌ったNIKIKIE、イラストレーターso-binなどが参加し、様々な組み合わせで作品に携わる。2016年のアニメ『灰と幻想のグリムガル』の音楽プロデュースを手がけた。

◆CD情報
「Morning Glory」は、ポップなイントロが心地よい表題曲に加え、作曲をMakoto Miyazaki、作詞をeNu、ボーカルをNIKIKIEが担当した劇中BGMのアレンジ曲「Lantana」、7話劇中歌で、英語詞をAIJが手掛けたアコースティックバラード「thyme」などを収録している。EDを飾った、透明感あふれる表題曲など3曲を収録した「Freesia」とあわせて、作中の重要シーンを彩った楽曲が詰まった2枚だ。さらに豪華盤の映像特典には、P.A.Works制作のOP/EDの続き映像をそれぞれ収録。
「Morning Glory」豪華盤2,052円(税込) 通常盤1,296円(税込)
「Freesia」豪華盤2,052円(税込) 通常盤1,296円(税込)
レーベル:東宝 発売中

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<TVアニメ『サクラクエスト』情報>
毎週水曜日深夜0時よりTOKYO MXほかで放送中
Blu-ray&DVD 第1巻、東宝より7月19日発売。
Blu-ray初回生産限定版:7,844円、DVD初回生産限定版:6,804円(各税込)。
◆ストーリー
町おこしの一環のお見合いツアーは順調に思われたが、ツアー客が桜池に祀ってある龍の石像を壊してしまい、行く先々で何か不穏な出来事が重なる。そのころ、協調性の無さに悩みを感じていた凛々子は、古くから伝わる間野山踊りについて調べるうちに、龍伝説と間野山踊りの真実にたどり着く。

公式サイト
http://sakura-quest.com/

©2017 サクラクエスト製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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