【インタビュー】保志総一朗がアニバーサリーアルバム『Voice and Harmony』を通して、25年の声優活動、そしてアーティスト活動を振り返る! | 超!アニメディア

【インタビュー】保志総一朗がアニバーサリーアルバム『Voice and Harmony』を通して、25年の声優活動、そしてアーティスト活動を振り返る!

数々の人気キャラクターを演じ、熱狂的なファンを持つ人気声優・保志総一朗が、声優活動25周年を記念したアニバーサリーアルバム『Voice and Harmony』(CD2枚組)をリリース。25年間を改めて振り返ったり、ア …

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 数々の人気キャラクターを演じ、熱狂的なファンを持つ人気声優・保志総一朗が、声優活動25周年を記念したアニバーサリーアルバム『Voice and Harmony』(CD2枚組)をリリース。25年間を改めて振り返ったり、アルバムに収録された新曲について語ったインタビューが『アニメディア6月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしけれなかった部分を含めたインタビュー全文をご紹介する。

──ご自身の誕生日でもある5月30日に、声優活動25周年記念アルバム『Voice and Harmony』をリリースされますね。改めて25年間の声優活動を振り返ってどうですか?
「あっという間に25年経っていた」というのが、正直なところです。最初はひとつでも多くの役を演じられたらと思っていたけど、気づいたら付き合いの長いキャラクターがこんなにもたくさんいて、今はその誰もが自分の大切な財産になっています。

──ファンの応援やスタッフの支えがあればこその25年だと思いますが、なかでも音楽活動を続けるうえでは、ファンの存在が大きいでしょうね。
 本当に、その通りです。そもそも「ライブをやってほしい」というファンの方の声があって、ライブをやるようになりました。カラオケや作品イベントで歌ったり、いちリスナーとして音楽を聴いたりするのは好きだったけど、保志総一朗として音楽活動をやりたいと思ったのは、ファンの方の求めてくれる声があったからですね。


──そんな今作では、Disc1に新曲が4曲も収録されています。
 作品を出すうえでもライブをやるうえでも、つねに新しいものを届けたいと思っています。新曲のひとつめはさわやかでアップテンポな曲、もうひとつは静かなバラード寄りの楽曲。作詞・作曲を手がけた「恋花の涙」は壮大さのあるバラードで本作のなかではちょっとアクセントになっているかなと思います。

──「Crystal Blaze」も作詞・作曲をされています。
 こっちはノリノリのスピーディーな曲で、歌詞は架空のファンタジーRPGを想像して作ったのですが、レコーディングスタジオに向かう車中でやっと完成したくらい苦戦しました。一方で作曲は、おおまかですけど5分くらいで作りました (笑)。

──作詞するとき、どういう部分にこだわりますか?
 やっぱり言葉選びです。伝えたい内容に合っていて、実際にメロディーに乗せても違和感がない言葉をいかに探し当てるか。ただ言葉の意味と文字数がハマればいいというわけではないので、それは作詞の難しさであり楽しさでもあります。なるべく聴いてくれる人が、心地よさを感じてもらえる言葉のチョイスとハメ方をしたいので、そこはどんなに時間がかかってもこだわります。

──「この人の歌詞はすごい!」と思って、参考にされる方はいますか?
 作詞についてよく相談するのは、水樹奈々ちゃんです。彼女は当て字が上手くて、しかもそれがダブル・ミーニングになっていて、耳で聴いた印象と歌詞カードを読んだときとで印象が変わるんですね。オリジナリティーを出すうえでも、彼女からはとても刺激を受けています。

──刺激と言うのは、新しいものを見たり聴いたりすることで得られるものもありますが、年齢を重ねると新しい経験をすること自体が、自然と減ってきますよね。
 そうなんです。昔なら感動したことでも、何十回と経験して慣れてしまうと、気づかなくなってしまうんですね。だからこそ今の年齢でも、敏感にいろんなものを感じ取れるように、アンテナを張っていられるように心掛けています。

──そのほかにもDisc1には、PS3ソフト『シャイニング・レゾナンス』の劇中歌「LUNATIC CRAVE」の新バージョン「LUNATIC CRAVE Refrain」など、新録曲も収録されています。
「LUNATIC CRAVE」は、ずっとCDに収録したかったけど機会がなくてできなかったので、今作を機に新録という形で入れさせていただきました。ゲームの中で流れるのはワンコーラスだけだったので、せっかくだから完全版として作り直そうと思って。ちょうどPS4でリメイク版の『シャイニング・レゾナンス・リフレイン』が発売されたばかりだし、相乗効果でお互いに盛り上げられたらいいねということで、タイトルを「LUNATIC CRAVE Refrain」と付けさせていただきました。「LUNATIC CRAVE」では、僕が『シャイニング・レゾナンス』で演じたキャラクターのゼスト・グレアムに寄せて歌いましたけど、「LUNATIC CRAVE Refrain」ではキャラクターと僕自身が半々くらいの気持ちで歌っています。

──未収録曲が、生まれ変わって収録されるなんて、ファンの方も喜ぶでしょうね。
 ライブで「LUNATIC CRAVE」を歌ったときは、ちょっと無理矢理に2番以降の歌詞を作って歌っていたんですね。でも今回の新録版は、それとも違う2番以降の歌詞を新たに作ったので、誰も聴いたことのない「LUNATIC CRAVE Refrain」になっています。とはいえきっと「オリジナルバージョンも聴きたい」という声もあると思ったので、Disc2には、オリジナルバージョンを収録しています。ぜひ聴き比べてもらえたらと思います。

──Disc2は、シングル曲などこれまでの歴史を感じさせる楽曲がずらりと並んでいて、ベスト盤的な内容になっていますね。
 はい。たとえば1stシングルの表題曲「ONEWAY RADIO」は、僕と榎本温子ちゃんが5代目のパーソナリティを務めていたラジオ『VOICE CREW』のテーマソングなんですが、ラジオ『林原めぐみのHeartful Station』で毎年行われていたファン投票に、何年もの間必ず上位に入っていた曲です。ファンのみなさんの気持ちとのリンク度が高い、僕の歴史の中で欠かせない楽曲ですね。「Heartful Station」も、そのラジオ番組をきっかけに、林原めぐみさんとデュエットさせていただいた曲です。この番組には僕も長く関わらせていただいて思い入れのあるものだったので、入れさせていただきました。また「ファイティング!!」は、2ndアルバム『LITTLE WORLD』の収録曲で、公私共に仲良くさせてもらっている高橋直純さんがコーラスで参加してくれています。さらにライブ会場限定シングルに収録されていた「Departing Party!」も収録しました。音楽活動初期のころはまだライブをやっていなくて、ライブをやるようになったのも僕にとっては大きな出来事だったし、いずれアルバムなどに収録したいと常々思っていたので、今回それが叶いました。昔から応援してくれているファンの方から、最近、僕を好きになってくれたファンの方まで、幅広く楽しんでもらえる作品になりましたね。

──これまでの音楽活動の集大成になりつつ、なおかつ新曲も収録しているので、今後の活動にも期待が膨らむ作品ですね。
 アーティスト活動は誰であってもなかなか先が見えない部分があるし、“次”を実現させることは大変なことだと思います。ただ自分の中で音楽活動は、ゆっくりとでも続けることで身になるものだと思っています。だからCDになるとかならないとかに関係なく、音楽は続けていきたいと思っています。今後も注目していていただけたらうれしいです。

◆プロフィール
【ほし・そういちろう】5月30日生まれ。福島県出身。アーツビジョン所属。1993年に声優活動をスタートし、『最遊記』の孫悟空や『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』シリーズのキラ・ヤマトなど、大人気キャラクターを多数演じている。数多くのキャラクターソングを歌う一方で、1999年にシングル『ONEWAY RADIO』で音楽活動をスタート。これまでにライブ会場限定CDを含む5枚のシングル、2枚のアルバムをリリースしている。6月3日には、本作のリリースイベントを東京都内で開催予定。

<ニューアルバム『Voice and Harmony』情報>
5月30日発売
4,212円(税込)
キングレコード

 声優デビュー25周年を記念したアルバム。Disc1には、本人が作詞・作曲した「Crystal Blaze」や「恋花の涙」など新曲4曲に加えて、「LUNATIC CRAVE Refrain」や「白翼のデュアレクス dur.」といった新録曲を含めた全7曲を収録。Disc2には、「Shining Tears」や「Starting again」などの代表曲をはじめ、声優・榎本温子とのデュエット曲「ONEWAY RADIO」など14曲を収録。


(取材・文=榑林史章)

《超!アニメディア編集部》
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