安野希世乃が3rdミニアルバム『おかえり。』をリリース!「「涙。」から出発した、ゆるい線でつながっている「。」3部作という印象になりました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

安野希世乃が3rdミニアルバム『おかえり。』をリリース!「「涙。」から出発した、ゆるい線でつながっている「。」3部作という印象になりました」【インタビュー】

声優・アーティストとして活動する安野希世乃が、3rdミニアルバム『おかえり。』を9月4日にリリース。その制作秘話を聞いたインタビューが、アニメディア2019年10月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、本誌記事 …

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 声優・アーティストとして活動する安野希世乃が、3rdミニアルバム『おかえり。』を9月4日にリリース。その制作秘話を聞いたインタビューが、アニメディア2019年10月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、本誌記事内ではお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。


■「おかえり。」をテーマにして作られた全7曲

――今回のアルバムテーマは、タイトルの『おかえり。』ですか?

 そうです。プロデューサーの福田(正夫)さんが決めてくださいました。

――なぜ『おかえり。』になったのでしょうか?

 シングル『ロケットビート』のリリースイベントのあたりから、自分を応援してくださっている皆さんに何か屋号みたいな呼び方を見つけたいと考えるようになって、「安野家」と決めさせていただいたんです。1月に発足したファンクラブの名前にも使わせていただき、ホームができたと感じられて、凄くうれしく思っていたんですね。それに加えて、昨年の12月に行わせていただいたツアーで、いらしてくださった皆さんと「おかえり」「ただいま」のやりとりをしていたところから福田さんが発想してくださって。私としてもすごくお気に入りのタイトルです。

――前々作の『涙。』、前作の『笑顔。』から比べると、自然と出てくる感情というよりは、意図的に出す言葉になったような印象です。

 「涙」や「笑顔」は言葉としてはとても大きいくくりですよね。それに続くものとしてどんな言葉がいいかは、以前からみんなで予想し合っていました。じつは「笑顔。」の時はその前作「涙。」(ミニアルバム『涙。』収録)という曲に「笑顔」というキーワードが入っていて、それを受けて今度は「笑顔。」のなかにあるキーワードが次のタイトルになるのかも?! と探してみたり。結果は違いましたが、「生きる」というワードは、笑顔と同じく「涙。」の歌のなかに出てくることを最近発見しまして。まったくの偶然ではあるのですが、「涙。」から出発した、ゆるい線でつながっている「。」3部作という印象になりました。


――曲については、安野さんからの希望はあったのですか?

 「生きる」は、『ソウナンですか?』のEDということで、いくつか候補があったなかから聞かせていただいたのですが、最終的に私もまさしく歌いたいと思っていた楽曲に決まったので、本当に嬉しかったです。プロデューサーの福田さん的には、遭難した先でも力強く生きようと頑張る女の子たちが、行進しているようなイメージを持たれたんだそうです。嬉しいことに、「涙。」からご参加頂いている松本良喜さんと堂島孝平さんにもまた楽曲提供していただけることになりました。かの香織さんは、福田さんが「ご実家が酒蔵でご出身も近い。安野さんにとってもご縁の深い方なので、ぜひ書いてもらいたい」と推薦してくださり。そんな風に曲が決まっていったなか、今回も作詞をやらせていただけることになり、「作詞曲はどんな楽曲のイメージですか?」と意見を聞いていただいたときに私から「可愛い楽曲にしたいです!」とお願いをして作っていただいたのが「kiss!kiss!kiss!」になりました。「新婚ピチピチのキャピルンみたいな歌詞を書きます」と宣言し、女性の作家さんにお願いしたという希望も伝えました。

――これまで安野さんが作詞をされた曲は、どちらも男性が作られたものでしたね。

 そうなんです。今回はラブリーさを前面に押し出して、聴いた方が「女性が作ったんだな」と分かる、女性らしい感性が伝わるものにしたかったんです。

■「生きる」を歌ったのに「死んでもいい」!?

――レコーディングについてもうかがいたいのですが、最初に録ったのは「生きる」ですか。

 放送のタイミングもあるので、「生きる」が最初でした。テンポが良くてマーチングソングのように弾んだ感じが素敵だなと思いました。コロコロと感情豊かな印象の楽曲だったので、歌っていても聴いていても楽しい曲になるだろうと思いながらレコーディングをしたのを覚えています。

――「生きる」は、遠くへ伸びるようなまっすぐな歌声が印象的です。

 じつは、最初はもっとたくましく、ワイルドに歌っていたんです。そうしたら「もう少し等身大で、迷いながらでも一歩一歩進んでいる感じがほしい」とディレクションをいただきまして、歌い上げすぎず、ギリギリのところで揺らぎも含んだ歌声になったかなと感じています。感情的にもガツンとぶつけるばかりではなくなったので、よりシチュエーションを選ばず聴きたいときにすぐ聴ける温度感になったんじゃないかな。レコーディング終わりに聴かせていただいたときに、ミニアルバムのレコーディングが始まったばかりなのに「代表作といえる歌がまた生まれた」と思ったんです。歌いたかった歌を歌わせていただけたことに加え、歌い切れたという満足感もあって、完成した曲を聴いたときは「死んでもいいかも」と思ったくらいです(笑)。

――タイトルは「生きる」じゃないですか(笑)。

 そうなんですよね!(笑)でも、私のことも睦役の人が歌っていることも知らなくても、楽曲そのものの力で届く曲になったと思えています。現実や目の前の世界に立ち向かわなきゃいけないと突きつけるような過酷さもありつつ、でも、だからこそ手をつないでいこう、とやさしく頼もしく語りかけてくる。その流れが素敵だなと思います。私としては、この曲が私のことを知らない誰かに届いて、「誰が歌っているのかは知らないけど、いい曲だな」と気に入ってもらえたら、とても嬉しいです。

――ぜひほかの曲についても教えていただければと思います。まずは「ミナミカゼ それはきっと」。

 「頑張りすぎないように、肩の力を抜いた歌声がほしいです」とディレクションを頂き、こうしたアンニュイな仕上がりになりました。

――曲調は明るめですが、歌詞にもアンニュイなテイストがありますね。

 この曲は、ひとりの女の子を主人公に立てるには広すぎる曲だなと感じましたね。それで、自分の存在が地球とか、宇宙とか、地球に吹く風になっているようなイメージをしました。私そのものが大地であり海であり地球の一部であって、「あなた」といつもリンクしているような、そんな感じです。なので、年齢感は気にせず、どんな人にでもしみこむ歌になるように、角を立てないよう柔らかく歌いました。一番難しかったのは「Splash」の部分です。コーラスで、何重にも重ねるから大丈夫と言われたのですが、単体だと完成図が見えず、歌いながら自分でしっくりこなくて。結果的にすごくなコーラスに仕上がっていて、ほっとしました。

――「Destino ~恋は一秒の永遠~」は情熱的な曲ですね。

 スペイン語も盛り込まれていて、まさに情熱の曲という感じですよね。とてもリズミカルなのですが、リズムに乗ってウキウキし過ぎてしまうと気持ちが軽く聞こえるからか、跳ねすぎないように、重心を重くとアドバイスを頂きました。この曲の主人公は、恋愛経験値の高いアダルトな大人の女性。そんな熟練の恋愛強者の「数多くの恋をしたけれど、あなたのことだけが忘れられない。だから私はここでずっと待っているのよ」という想いの深さをイメージしました。まさに色気たっぷりの女性ですね。

――色気を歌で出すときには、どんなことを意識しましたか?

 色気……私、色気が一番苦手なんですよね。とにかく、低めの音をきちんと意識するのと、気怠さや、歌声の吐息成分をどう乗せるかなどを考えながら歌いました。

――続いては作詞曲である「kiss!kiss!kiss!」ですが、確かに先ほどお話しに出たとおり、ラブリーに振り切った曲ですね。

 願いが叶って可愛らしい楽曲をいただけて筆も乗り、そんななかで作詞ではミニマムな生活感を出す、というのを心がけたので、生っぽさは出ているんじゃないかなと思います。

――ちなみに、歌詞はなぜ「新婚ピチピチのキャピルンな感じ」だったのですか?

 「家」と「おかえり」からフレッシュさのあるものと連想したら「新婚」だったんです。タイトルの『おかえり。』を聴いたときにまず浮かんだのが、「ご飯にする? お風呂にする?」的なものだったので(笑)。とはいえ、曲をいただいてから作詞の作業に入ったのですが、これが過去一番難航しました。リテイクの嵐で、愛の鞭をたくさんいただきましたね(笑)。

――難航したポイントは?

 全体というよりも、ワンポイントで引っかかるところが多かったですね。むしろ1Aの4行は、キーチェックに行った日に仮でいいから日本語の歌詞がほしいといわれて、2分で考えたものがほぼそのまま生きていたりして。大きく違うのは「カフェラテ」が「サイダー」だったくらいかな。より私らしい単語に、レコーディング当日に福田さんのご提案で差し変わりました。みんなが納得でしたね。さすがに「日本酒」はまずいですしね(笑)。

――迎え酒じゃないんですから……。

 そうなりますよね(笑)。なかなか決まらなかった部分で印象的なのは、「ハニームーン」です。最初に置いていたのは「おうち」というワードで、とにかく家を表す言葉を入れたかったんですね。でも、「おうち」だと子どもっぽすぎるとリテイクが出まして、いろいろ考えたんですがしっくりこず。手狭で小さいけれど、あなたがいるから幸せというミニマム感を表現したくて、四畳半とか苫屋とか庵とか、やたらと渋い言葉も出てきました。「ワンルーム」で決まりかけたところに、「ハネムーン」という言葉が浮かびまして。調べてみると新婚旅行だけでなく、新婚ホヤホヤの期間のことも指すということが分かり、そこからまた「ハニームーン」のほうが可愛くないですかとご意見をいただき、響きも可愛らしいこの形にやっと決まりました。

――この曲は、途中で息をのむような音が入っていてドキッとしました。

 あそこは10テイクくらい録りました……。自分でもだんだんベストがどれなのかわからなくなってきて、最後は福田さんにバシッと決めていただきました(笑)。

――自分で書かれた歌詞で「チュッ」もありますが……。

 ライブで歌うとき、苦しみしそう(笑)。「ふわふわとしてる」(ミニアルバム『笑顔。』収録)にもこぼれるような笑いのADがあるのですが、そういえばあれもライブだといつも緊張します…(笑)。どうしましょうね、ここ。

――ほかにこの曲のかわいさとして推したいポイントは?

 福田イズム的に「loving you」は「ラビンニュー」、「with you」は「ウィジュー」みたいな舌が回っていない感じをあえて出したらいいんじゃないかとご提案いただき、声優の立場としては心配になって「これでいいんですかね?これで合ってます?!」と何度も確認をしながら恐る恐る頑張りました(笑)。福田さん的にはバッチリとの太鼓判を押していただけました。

――「エイリアンボーイ」は「おかえり」に対する解釈が「去れ」という意味合いなのが面白いですね。

 おととい来やがれという感じなんですよね。歌詞的には「おかえりなさい」というやさしいワードが使われているので、それに引っ張られそうになる気持ち戦いました。啖呵を切るとかドスをきかせるという定番の堂島曲の歌唱時アドバイスに、今回は粘っこくというのが加わりました。「Wonder Shot」(ミニアルバム『笑顔。』に収録)は疾走感のある曲に縦のリズムを合わせることが大事でしたが、今回は重心を下めに置いて粘るように引っ張るのがポイントだと。そのことで、前を向こうとしつつも強烈に後ろ髪を引かれ、引かれているけれどあなたの思い通りにはならないと抗う葛藤も感じられる印象になった気がしますね。

――そこから一転して「夏色花火」はしっとりとした曲です。

 この曲はひと目ぼれのように、最初に聴いた瞬間から惹かれた曲でした。

――情景がすごく丁寧に描かれていますが、解釈をするのがちょっと複雑かなと感じました。

 突き詰めていくと、今、ここはどの時間軸を歌っているのかなと悩み始めてしまいました。可能性がいくつも感じられる曲ですよね。

――このふたりの関係性は、どこを起点にどう動いているのか。安野さんとしてはどういう解釈で歌ったのですか?

 おっしゃるとおり解釈が難しい曲だったので、レコーディングをしながら何度も立ち止まって、福田さんとシチュエーションについて話し合いました。現在進行形で付き合っているのか、遠距離恋愛なのか、すでに別れているのか、そもそも付き合っていないのか……。結果、今は別れているけれど、昔は一緒にいられた期間があった。そのことを思い出しながら花火を見ていると懐かしい記憶が蘇って・・・いうところに落ち着きました。大人になった女性が振り返る回想視点、というイメージですね。

――一本道が分かれていくといった歌詞を見た際には、どうして幸せな先がふたつに分かれるのかと悩みました。

 この子はとても心配性で、幸せなのにいつか分かれていくことを想像してしまうんでしょうね。もしかしたら中学生くらいを回想しているのかも。それくらいのときって、恋愛も一喜一憂が激しくて情緒が気難しかった記憶があります(笑)ただ、これが行きすぎるととても面倒くさいタイプの子になってしまうので、そういったところを福田さんに釘を刺されながら、不安を口にしていることもかわいく聞こえるようにトライしました。

――そううかがうと、最初のころは不安だったのが、だんだんと「いつか会おう」までいけたことで、かなり前向きになれたんだとわかりますね。

 今はもう別れを前向きに受け止められていて、「君との思い出が尾を引いて消えない、あの花火の余韻のようで綺麗だ」というように、寂しさも風情に感じられている大人っぽさも見えますよね。私、あまりにもこの曲の話題で盛り上がりすぎて、「この曲で映画が1本撮れます、絵コンテを描いてもいいですか」って収録中に言ってしまったくらいで。「あ、どうぞご自由に」と軽く流されましたけど(笑)。

――情感のこもった素敵な曲だと思います。そして最後を飾るのは「おかえり。」。

 アルバムの締めにはこの曲が必要だと、福田さんが選曲してくださった曲です。これは、ピアノと編曲を担当してくださった扇谷研人さんと一緒にレコーディングをしました。お顔や演奏している姿が見えるブースにマイクを立てていただき、ピアノに寄り添って歌ったんです。普段のレコーディングは、自分がハンドルを握っている感じですが、この曲はピアノに耳を澄ませて、隣を歩き、引き出してもらった感覚で、影響を与え合えたレコーディングになったんじゃないかなと。扇谷さんの演奏も、本当に私の歌に耳を澄ませてくださっている印象でした。

――オケがほとんどない分、歌も響きますね。

 ソロでここまでオケを引き算された曲は初めてでしたし、自然に生まれる気持ちのままに歌わせていただけたので、同じ温度感でもう一度歌ってくださいといわれても難しいかもしれないくらいです。自分の中で誰かを主人公に見立てて歌ってもいないので、私のネイキッドな歌声になっているのではないかと思います。

――歌詞がまさに、大切な誰かに対して歌う歌ですから、すごくミニマムでもあり、『おかえり。』というミニアルバムのラストにふさわしい曲だと感じました。

 レコーディングのシチュエーションが歌詞で描かれている情景にすごく近かったので、そういう意味でも歌いやすかったです。聞いてくれる人にとっても、寄り添って歩いているように感じられたり、小さな幸せが感じられるように、広い歌にしないことを意識しました。手のひらのうえの歌を、自分の声ひとつと1本のピアノで、今、表現できる限りの想いを込めて歌うということができたと思います。

――曲のジャンルとしてはとても幅広いですが、ミニアルバムとしてはかなりまとまっている感じもありますね。

 1枚目のミニアルバム『涙。』ではしっとりとしたコンセプト、2枚目の『笑顔。』では笑いながら泣いたり、力強い笑顔だったりと、それぞれいろんな表情を見せられたと思っていましたが、『おかえり。』でもまた、かなり感情の幅が広がったなと感じます。広い海のなかで、温度の違うところがあるみたいな認識で、まとまりはありつつも、カラフルな感覚ですね。

■『おかえり。』のショートムービーは必見のできばえ!

――ジャケットは、等身大の感じが強いですね。

 身近な雰囲気ですよね。これは夏休みに田舎のおばあちゃんの家に帰ってきたようなシチューションをイメージしました。埼玉県の飯能にある古民家をお借りして、虫やアメンボと戦いながら(笑)、川に入って水遊びをしたりもしました。何気ない写真なのですが、夏の終わりを感じられるどこか懐かしさのある、心に残る作品になったと思います。

――「生きる」のミュージックビデオのほかに、「おかえり。」のショートムービーも収録されますが……。

 これは本当に映画なんです。15分のミニムービーですね。もともとは「生きる」のMVに少しドラマパートを入れられないかというお話だったのですが、気がついたらシナリオパートだけで15分もの大作になっていて(笑)。撮影してくださった監督も、ムービーの中に「生きる」の歌唱カットを入れられないかと苦心してくださったのですが、これは潔く別々にしたほうが良いものになるということになり、今回の形に落ち着きました。

――ちょっとファンタジーテイストの物語ですよね。

 私は不思議な力で、現実世界で迷子になっている人たちの大切なものを思い出す手助けをする女性という設定です。お父さんの代から続いていた不思議な力とアトリエを受け継ぎ、父亡き今、自分の力で生きていきたいし、人の助けにもなりたいと思っているけれど、それが叶っているのかと迷いが出てきたり、父の愛について葛藤したりする…というようなお話です。父から受け継ぐ力であったりファザコン寄りなところがあるのは、『ソウナンですか?』の作品からエッセンスをいただきました。元々は「生きる」をベースにした物語として出発し、そこからアイディアも膨らみ、素晴らしい脚本から映像作品にしていただけたことに、本当に感謝しています。

――ミニアルバムとしては3枚目になりましたが、何か変化はありましたか?

 私、自分の歌の出来に関してはちょっとうるさいというか、長さがそろっていない、ノイズが立っている、うわずり気味とか、細かいことが気になるんですね。自分のソロ活動じゃないキャラクターソングのときは、コンパクトに歌い直しをお願いするのですが、ソロのときはとにかくこだわりまくってしまって。でも、それにも負けないくらい、福田さんはとても丁寧にテイク選びに時間をかけてくださるんです。完成したつなぎを聞いたときに私から直しをお願いすることも、どんどん少なくなって、今ではほとんどないくらいで。本当に良い瞬間を沢山見つけてもらえているなと嬉しくなりますし、収録の回を増すごとに、そうやってお互いにハードルをあげながら、妥協のない歌作りをやらせていただいているんだなぁと思ってありがたく感じています。

――特典CDは、ファンクラブイベントで披露されたアコースティックライブの音源入りのCDが付きますね。

 会場にいらしてくださった方の手拍子や合いの手もバッチリ収録されていて、ライブ会場の臨場感がとても伝わる1枚になっています。

――7月にはバースデーイベントも行われました。セットリストを見て、驚かれた方も多かったようです。

 キャラソンを通しての、今私にできるMAXにチャレンジさせていただけたステージだっと思います。Wake Up, Girls!の曲や、初めて歌のお仕事でカバーさせてもらった「ブルーウォーター」、「スイートマジック」など、過去にご縁のあった曲もほぼほぼ歌わせていただいて。夜公演で披露させていただいたAimerさんの「六等星の夜」は、本当にあの一度きりの奇跡のような機会だったと思います。何度も同じことができないからこそ、来てくださった方の心に残るといいなと思いますし、ライブはやはり一期一会なんだなと改めて感じました。

――12月に行われるツアーも、まさに一期一会のツアーになりそうですか?

 そうですね。ミニアルバム3枚とシングル1枚を合わせて、自分の持ち歌が全部で22曲となり、嬉しいことに持ち歌だけでフルライブが1回できるくらいにまでなりました。自分の曲をいっぺんに全部歌う最後のチャンスかもしれないけれど、会場ごとに変化もつけたいと思っていますし、今はどんな楽しい試みをやれるか、セットリストも含め考え中です。3会場とも聴き心地のいい素晴らしい会場なので、初めましての方も、お気軽に遊びに来ていただけたら、うれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
【やすの・きよの】7月9日生まれ。宮城県出身。エイベックス・ピクチャーズ所属。2017年にミニアルバム『涙。』でアーティストデビュー。以後、シングル1枚、ミニアルバム2枚をリリース。声優としては現在TVアニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』で天宮えれな/キュアソレイユ役として出演中。

リリース情報
おかえり。
発売中
フライングドッグ
初回限定盤A:4,400円
初回限定盤B:3,400円
通常盤:2,400円(各税別)

※画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。

 

 安野希世乃の3枚目となるミニアルバム。TVアニメ『ソウナンですか?』のED「生きる」を含む全7曲収録。初回限定盤A&Bには、4月13日&5月5日に行われたファンクラブイベントのライブ音源を収録したCDを、初回限定盤Aには、ショートムービー「おかえり。」や「生きる」のMV(90秒バージョン)、メイキングを収録したBlu-rayが付く。

イベント情報
ミニアルバム『おかえり。』リリース記念イベント~ただいま。そして、おかえり。~
9月22日(日)14:00 東京:東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ
※イベント参加券はミニアルバム『おかえり。』(限定盤、通常盤とも)に封入。参加方法の詳細は、フライングドッグ公式サイトをチェック

ライブ情報
「ANIMAX MUSIX 2019 YOKOHAMA」出演決定!
開催日:11月23日(土)
場所:神奈川・横浜アリーナ

2nd LIVEツアー開催決定!
12月8日(日)神奈川:神奈川県民ホール 大ホール
12月15日(日)大阪:オリックス劇場
12月21日(土)千葉:舞浜アンフィシアター
※ミニアルバム『おかえり。』に先行チケット抽選申し込みシリアルナンバーを封入

安野希世乃公式サイト
https://avex.jp/kiyono-yasuno/

《超!アニメディア編集部》
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