劇場版『若おかみは小学生!』おっこの亡き母・咲子役の鈴木杏樹「音響監督の指導がなければ、大変なことになってたかも(笑)」 | 超!アニメディア

劇場版『若おかみは小学生!』おっこの亡き母・咲子役の鈴木杏樹「音響監督の指導がなければ、大変なことになってたかも(笑)」

交通事故で両親を亡くし、祖母が営む旅館・春の屋で暮らす小学生の関織子(おっこ)。旅館に住む幽霊の少年・ウリ坊のお願いで、若おかみの酒豪を始めることに…。TVアニメでは描かれなかった、おっこと両親との物語を深く掘り下げた …

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『若おかみは小学生!』サブ1
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 交通事故で両親を亡くし、祖母が営む旅館・春の屋で暮らす小学生の関織子(おっこ)。旅館に住む幽霊の少年・ウリ坊のお願いで、若おかみの酒豪を始めることに…。TVアニメでは描かれなかった、おっこと両親との物語を深く掘り下げた劇場版『若おかみは小学生!』が、現在全国で公開中。「アニメディア10月号」では、おっこの母・咲子を演じた鈴木杏樹のインタビューを掲載中だ。「超!アニメディア」では、誌面で紹介しきれなかった部分を含めたロング版をご紹介する。



――長編アニメの声優初挑戦となった本作。完成品はご覧になられましたでしょうか。
 はい。本当に感動して号泣してしまいました。私以外にもふだん声優をされていない方々も出演されていて、最後のエンドロールをみたとき「あの役はあの方だったんだ」って思えるぐらいみなさん自然な演技でした。

――そんな本作の出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
 以前から声優のお仕事には興味があり、機会があれば、ぜひやりたいなとずっと思っていたんです。自分のなかの“夢”みたいなものでした。ですので、今回お話をいただいて、とってもうれしかったです。

――テレビ、映画、CMへの出演が決まったときとは違った感覚でしたか?
 そうですねー。基本的、ナレーションやラジオなんかの声のお仕事が好きなんです。そのお仕事をはじめたときから、ずーーーーーっと思い続けていた“夢”でしたから。

――“夢”が叶ったわけですね。そんな夢のお仕事だった声優ですが、アフレコ現場に入ったときのお気持ちを教えてください。
 広い部屋にひとりでポツンと立っているのは、圧倒されました。怖かったというか(笑)。昔、大滝秀治さんと声のお仕事をさせて頂いたときには、狭いスタジオでの収録で2人で台本を読むアットホームな感じの現場でした。なので。今回のような広い部屋の真ん中にひとりというのは初めてでした。

――では、次回は複数の人たちと一緒に収録なんかもしてみたいですね。
 ぜひ。色んな現場があるんでしょうし、見学だけでもしてみたいですね。


――声優に初挑戦するにあたり心がけたことはありますか?
 ドラマや映画は体全体を使って演技を行いますが、声優は立って、映像に合わせて言葉だけで演じなければならないので、そこをどうしたらいいのか考えながら挑みました。母が娘を思う気持ちというものを心のなかでどれだけ高めても、言葉のそのひと言にその思いをのせなければならないため、そこが難しかったです。お母さんの「先に亡くなっちゃってごめんね」「ひとりぼっちにさせてごめんね。でも、一緒にいるからね」という気持ちを、ひと言ひと言にのせるように努めました。もちろん生きているときのシーンもありましたから、そこはもう楽しく親子らしいおちゃめなお母さんを演じました。あと(三間雅文)音響監督からは、とても細かく演技指導をいただいたのですが、音響監督の演技指導がなかったら……私は大変な事になっていたかと思います(笑)。とても分かりやすく説明してくださり、手取り足取りってこういう事を言うんだなと思うくらい、大変お世話になりました。


――スタッフの方とはほかにどのような打ち合わせをされたのでしょうか。
 おっこのお母さんを演じるうえで、「お母さんにはどんな子供時代があって、どんな思いを抱いているのか」といったバックグラウンドをドラマや映画では考えるんです。なので、お母さんは、おばあちゃんのひとり娘なのにどうして旅館の女将を継がないのかなど、高坂(希太郎)監督からお母さんのバックグランドを教えてもらい、捉えていきました。話しているうちに、もう少しおばあちゃんとお母さんの心の交流があってもいいんじゃないかということで、高坂監督が他の皆さんのセリフを変えたりもされたようです。

――おっこについてはいかがでしょうか。
 彼女は、あまりにも抱えているものが大きすぎますよね。大人でも大変だと思います。小学生の女の子が自らを奮い立たせて頑張っていくということは、本来ならできないなって思うんです。でも、それをするための仲間やお友達がいて、おばあちゃんがいて。ここで若おかみとしてやっていくんだっていう使命が、そうさせるんですよね。悲しい辛いことに対して、折れないだけの自分の背中を押せるなにかを持ってないと、成立しないなって思います。なので、いつか壊れちゃうんじゃないかって思うほど頑張りすぎている女の子ですよね。この先、おっこちゃんを支えてあげる誰かが必要ですよね。グローリーさんもいるし、真月ちゃんもいるんですけど、私が頑張らなきゃってすごく思っていそうで。気を引き締め続けるのであればいいかもしれないけれど、続いていくことも辛いことでもあるから。頑張りすぎないでほしいなと思いますね。優しく止めてあげたり、抱きしめてあげたり……そんな誰かがいるといいなと思います。グローリーさんは、人の痛みがわかるから、おっこちゃんの辛いところも感じてくれそうですよね。

――ほかにも劇中で気になるキャラクターはいましたか?
 鈴鬼くんは、いい鬼なのかな? 悪い鬼?  お調子者でしたけど。下駄の鼻緒を直してくれたり、天国との仲介役をやってくれたり。鈴鬼くんはキーパーソンなのかな? お客さまを招いてくれたりもするみたいですし。
 真月ちゃんは、登場したときは少し嫌な感じの女の子だったけれど、じつは努力家で温泉街のことをよくしたいっていう思いを持っていますよね。ちなみに、真月ちゃんの声を演じられた水樹奈々さんは以前から存じ上げていたのですが、水樹さんの声が先に録音されていたので、とても頼もしく感じられました。真月ちゃんのキャラクターを的確に表現されていてすごいなと思いました。



――この劇場版『若おかみは小学生!』はとくに、おっこと両親についてのエピソードが語られています。おっこと両親の絆を感じたシーンを教えてください。
 おっこが「生きているんだよね?」って聞いて両親が「そうよ、もちろんよ」って返答するシーンです。「いつもおっこと一緒にいるよ。いつも見守っているよ」ということなんだろうなと思いました。亡くなっていても、亡くなっていなくても絆っていうものはずっと続くっていうことじゃないのかなって思いました。

――ありがとうございます。少々お話が変わりますが、ふだんからマンガやアニメは読まれますか?
 『ワンピース』は単行本を買って読んでますね。知り合いからは『キングダム』を進められて読んでいます。とくに『ワンピース』はアニメも録画して、DVDがでたら買っています。グッズも買っていますね。でもふえすぎてしまったので、最近は、あえて止めているんですけれども(笑)。ちなみに、家にワンピース棚があったりします。

――少年マンガを読まれているということで驚きました。それでは最後にアニメディア読者にメッセージをお願いします。
 本作は、小さい子どもたちが観るアニメかなって思うかもしれません。もちろん子どもたちが観てくれたら、落ち込んだとき、悲しいとき、辛いときを乗り越えて元気になれるようなエッセンスが散りばめられています。大人の方がご覧になっても、十分に心打たれる作品です。大人になると、情熱や前向きさなどの忘れがちな〝やる気スイッチ〟を思い出させてくれると思います。なので、家族だけじゃなくて、いろんな方にも観てもらえたらと思います。観終わったあとにちょっと泣いて、さっぱりして、心がポカポカみたいな(笑)。そんな明日を生きる元気をもらえるような作品です。ぜひ劇場に足を運んで観ていただけたらうれしいです。 


【すずき・あんじゅ】9月23日生まれ。ジャパン・ミュージックエンターテイメント(イー・コンセプト)所属。

〈劇場版『若おかみは小学生!』情報〉
公開中

原作:令丈ヒロ子・亜沙美(絵)(講談社青い鳥文庫『若おかみは小学生!』シリーズ)
監督:高坂希太郎、脚本:吉田玲子、音楽:鈴木慶一 他
キャスト:小林星蘭、水樹奈々、松田颯水、薬丸裕英、鈴木杏樹、ホラン千秋、設楽統(バナナマン)、山寺宏一 他
主題歌:藤原さくら「また明日」(SPEEDSTAR RECORDS)
製作:若おかみは小学生!製作委員会 アニメーション制作:DLE、マッドハウス 配給:ギャガ

アニメ公式サイト
http://www.waka-okami.jp/movie/

アニメ公式Twitter
@anime_wakaokami 

©令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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