令和ラブコメ青春白書! 「誰が勝つ?」から二人の距離、青春の解像度まで、アニメの3つの潮流を追う | 超!アニメディア

令和ラブコメ青春白書! 「誰が勝つ?」から二人の距離、青春の解像度まで、アニメの3つの潮流を追う

『五等分の花嫁』から『僕の心のヤバイやつ』『薫る花は凛と咲く』まで。多様化するラブコメアニメを「勝敗」「二人の距離」「青春の解像度」という3つの潮流に分け、その魅力と現在地をひもとく。

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『五等分の花嫁∬』第4話「七つのさよなら 第三章」先行場面カット(C)春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会
  • 『五等分の花嫁∬』第4話「七つのさよなら 第三章」先行場面カット(C)春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会
  • 『五等分の花嫁*』キービジュアル(C)春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁*」製作委員会
  • 『ニセコイ』(C)古味直志/集英社・アニプレックス・シャフト・MBS
  • 『甘神さんちの縁結び』キービジュアル(C)内藤マーシー・講談社/「甘神さんちの縁結び」製作委員会
  • TVアニメ『女神のカフェテラス』第2期キービジュアル(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
  • 『千歳くんはラムネ瓶のなか 第2クール』
  • 『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』キービジュアル(C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会
  • TVアニメ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!)』キービジュアル

いま、ラブコメアニメが面白い。誰が選ばれるのかを予想しながらヒロインを応援する作品もあれば、結ばれることがわかっている二人の距離をじっくりと見守る作品もある。さらには、恋愛を通して思春期の悩みや人間関係を描き、共感を集める作品も支持されている。

「主人公が魅力的な相手と出会い恋をする」という骨格は共通していても、相手が何人いるのか、恋に勝敗は存在するのか、視聴者の心をどこで掴むのかは作品ごとにまるで違う。ヒロイン一人との恋愛から、100人全員と恋人になる物語まで、ラブコメはひとつのジャンルとして一括りに比較し、語ることが難しいほど多様化している。

では、現在のラブコメにはどのような作品があり、それぞれ何が視聴者を惹きつけているのか。ここでは近年のラブコメを「複数ヒロイン型」「1:1型」「共感性」という三つの潮流に分け、その魅力と現在地を整理してみたい。

◆複数ヒロイン型ラブコメ 誰が勝つ? それとも誰も負けない?

『ニセコイ』(C)古味直志/集英社・アニプレックス・シャフト・MBS

『五等分の花嫁*』以降、複数ヒロイン型ラブコメの主流は「ヒロインレース」的になっている。『ニセコイ』などにも見られる、誰が選ばれ、誰が選ばれないのか。過去の因縁などの要素をストーリー上に配置し、視聴者は最終的に一人の勝ちヒロインがいることが宣言される。『五等分の花嫁』以降の少年マガジンでも『甘神さんちの縁結び』や『女神のカフェテラス』など、対称性を持ったヒロインたちのなかで誰と結ばれるのかを楽しむ作品が多い。
ライトノベルでは『千歳くんはラムネ瓶のなか』も、魅力的なヒロインたちに一人一人フォーカスを当てていくフォーマットでありこの系統といえる。

『五等分の花嫁*』キービジュアル(C)春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁*」製作委員会

この誰が勝つかわからないというフォーマットは、お気に入りのキャラクターを応援する感情を惹起させ、また終盤でヒロインが失恋し、負けてしまう際にも不憫さにより盛り上がりが生まれる。

一方で、ヒロインが多数いながら「負け」が存在しないパターンも育っている。『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』は、順次登場する100人のヒロイン全員と恋人になるという設定から、誰も敗北しないことをコンセプトとしている。

『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!』でもまた誰かひとりを選ぶ必要があるのか?という疑問を投げかけ、主人公を含めて複数人での恋人関係を提示するなど、誰かひとりと結ばれるという前提自体を共有しない作品も増えている。

◆1:1型ラブコメ 結末よりも気になる「二人が近づく過程」

『僕の心のヤバイやつ』キービジュアル(C)桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

対極にあるのが、二人だけの恋愛関係を描く1:1型だ。『僕の心のヤバイやつ』や『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』が典型であり、ここでの主役は誰が勝つかではなく「距離が縮まる過程」などのヒロインとの交流そのものになる。会話を通して価値観や過去を共有し、互いの理解を深めていく。結末は最初から見えているが、それでも目が離せない作りだ。

アニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』メインビジュアル(C)Sunsunsun,Momoco/KADOKAWA/Alya-san Partners

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』のようにサブヒロインを配置する作品もあるが、物語の重心はあくまで中心の二人にあり、ある種の引き立て役や、物語における補助線としての役割を担っていることも多い。

◆共感性ラブコメ 恋愛を通して描く等身大の悩み

『薫る花は凛と咲く』キービジュアル (C)三香見サカ・講談社/「薫る花は凛と咲く」製作委員会

三つ目は、少女漫画的な共感性を前面に掲げるタイプだ。フィクションならではの出会いや設定を持ちながら、描かれる感情は地に足がついている。『スキップとローファー』や『正反対な君と僕』『薫る花は凛と咲く』などが挙げられる。

上にあげた二つのヒロインの魅力を楽しむためのラブコメジャンルとは思想が異なり、恋愛を絡めながら思春期の悩み全般を描いていくのがこのジャンルだ。

『スキップとローファー』キービジュアル(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会

他人から見た自分がどうあるか、他人とどう向き合っていけばいいか。そういった等身大に近い悩みを恋愛という他者と向き合う事柄を通して描いていく。恋愛は唯一の目的ではなく、日常を生きる登場人物が抱える悩みのひとつでしかない。これらの作品では、登場人物が抱える普遍的な悩みがスマートに言語化され、それにより視聴者に気づきと共感を与えてくれるのが大きな魅力だ。

◆ラブコメのこれから ジャンルを越えて広がる可能性

『正反対な君と僕』メインビジュアル(C)阿賀沢紅茶/集英社・「正反対な君と僕」製作委員会

今回はラブコメ作品の現在地として、複数・単数に共感を加え、三つのジャンルを設定し、それぞれの魅力を確認した。しかしラブコメの魅力はキャラクターや関係性によって大きく変わるため、ジャンルの整理で把握しきれるものではない。

また、ラブコメをメインにしていなくとも、ラブコメ的な要素をその中に含んだ作品も多くある。異世界モノにおけるヒロインとの交流などもそれにあたるだろう。そういった、サブ要素としてのラブコメから新しい流行が生まれることもある。

ラブコメはアニメだけでなく漫画・ライトノベルでも一定の存在感を示すジャンルであり、今後も目が離せない。

(C)春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁*」製作委員会
(C)古味直志/集英社・アニプレックス・シャフト・MBS
(C)内藤マーシー・講談社/「甘神さんちの縁結び」製作委員会
(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
(C)裕夢/小学館/チラムネ製作委員会
(C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会
(C)みかみてれん・竹嶋えく/集英社・わたなれ製作委員会
(C)桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
(C)佐伯さん・SBクリエイティブ/アニメ「お隣の天使様」製作委員会
(C)Sunsunsun,Momoco/KADOKAWA/Alya-san Partners
(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会
(C)阿賀沢紅茶/集英社・「正反対な君と僕」製作委員会
(C)三香見サカ・講談社/「薫る花は凛と咲く」製作委員会

《クコ》

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