■戦いで燃え尽きたあとは…焼肉で女子会?

――しのぶ以外で「無限城編」の活躍を見て、新たに魅力を感じたキャラクターはいますか?
普段とはまったく違う善逸くんの様子は、惹きつけられました。因縁の相手・獪岳との戦いということで、普段のギャグっぽいかわいらしさが鳴りを潜めて、静かに落ち着いて、動揺せずに信念のもとに戦うギャップにハッとさせられました。爺ちゃん(桑島慈悟郎)とのやり取りはとても感動的で、会場では周りからすすり泣く声が聞こえてきました。劇場に足を運んでくださった方も、きっとあのシーンは印象的なのではないでしょうか。
――獪岳役・細谷佳正さんの演技の印象を聞かせてください。
獪岳の第一声からしびれました。もちろん嫌な感じもあるのですが、力強さから凛々しさ、カッコよさも感じ取れて、声がついてより魅力的なキャラクターになったと思いました。善逸くんがそれにまったく動じておらず、だからこそ善逸くんの魅力がより際立ったように感じますね。
――合わせて石田彰さんの表現の印象は? 今回は猗窩座が鬼になる前・狛治のシーンも描かれました。
職業病なのか、アニメ作品を見るときは声優さんの表現を意識してしまいがちなのですが、猗窩座の過去の物語に入り込んでしまいました。まさにレジェンドの表現だからこそだと思います。また、今作をご覧になると猗窩座の見え方が変わると思います。
――しのぶのシーンはすべて掛け合いができたとのことですが、カナエ役・茅野愛衣さんとの掛け合いで印象に残ったことは?
愛衣さんは笑顔がかわいくて、懐が深くて、優しくて、少しお茶目で、本当に姉さんみたい。私にとってもお姉さんのような存在です。「無限城編」では、彼女の芯の強さみたいなものが、愛衣さんの表現からビリビリと伝わってきました。
そのアフレコが終わったあと、私の精根が尽き果ててしまって。「お肉でも食べたい気分です」と言ったら、愛衣さんが「じゃあ今から焼肉行こう!」と誘ってくださって。カナヲ役の上田麗奈さんと3人で焼肉を食べに行きました。アフレコ以外でも姉妹仲を取り持ってくれる、優しいお姉さんです。
――この戦いを経て、あらためて胡蝶しのぶとはどんな人物だと捉えられましたか?
何度かその質問を受けたことがありますが、毎回「本当に胡蝶しのぶという人は………」と考えに耽ってしまいます。どれだけのものを抱えて、どれだけの精神力を注いで、どれだけ自分の弱さを強さに変えて生きて来たのだろうと、共に歩めば歩むほど私の中に強く染み込んでくるんですよね。その生き様に影響されるところもあるし、その生き様を音として表現する役割を担った者として、精一杯できることをしたい。今はただそういう思いです。
――最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。
ついに「無限城編」が公開となりました。数多の激闘が描かれているのですが、まだ第一章です。まだまだ始まったばかり、私もしのぶさんのシーンにすべてを込める思いで演じています。今作れを皮切りに広がっていく「無限城編」を、ぜひ共に走り抜けて、見届けていただけるとうれしいです。


『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
公開中
【スタッフ】
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島 晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸・梶山庸子・菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:衛藤功二
撮影監督・フィニッシング演出監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野 学
音楽:椎名 豪・梶浦由記
主題歌:Aimer「太陽が昇らない世界」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)・LiSA「残酷な夜に輝け」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
総監督:近藤 光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
【キャスト】
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門禰豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野 紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
栗花落カナヲ:上田麗奈
不死川玄弥:岡本信彦
冨岡義勇:櫻井孝宏
宇髄天元:小西克幸
時透無一郎:河西健吾
胡蝶しのぶ:早見沙織
甘露寺蜜璃:花澤香菜
伊黒小芭内:鈴村健一
不死川実弥:関 智一
悲鳴嶼行冥:杉田智和
猗窩座(上弦の参):石田 彰
※ 禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記。
※ 鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記。
※煉獄の「煉」は「火」+「東」が正しい表記。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable