「頭文字D」しげの秀一、「惡の華」押見修造ら参加! 「ヤンマガ」米市場に向けた特別増刊号をリリース | 超!アニメディア

「頭文字D」しげの秀一、「惡の華」押見修造ら参加! 「ヤンマガ」米市場に向けた特別増刊号をリリース

講談社が発行する「ヤングマガジン」がこのたび、アメリカ市場に向けた特別増刊号『ヤングマガジンUSA』をリリースすることがわかった。海外発の熱狂を日本へ逆輸入する新プロジェクトとして始動するもので、新作19作品を収録し読者投票で連載化が決定する。表紙には士郎正…

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『ヤングマガジンUSA』表紙
  • 『ヤングマガジンUSA』表紙
  • 「Still You」西尾 上
  • 「プロトコル・リュウグウ」都留 泰作
  • 「闇へ」守熊 杏梨
  • 「プレグナント」松本 電池(原作)/西嶋 慶大(漫画)
  • 「PROJECT METALLIA」岩井 敬人
  • 「ゴッドマザー」下川 林
  • 「夕闇とかたわれ」ろびこ

講談社が発行する「ヤングマガジン」がこのたび、アメリカ市場に向けた特別増刊号『ヤングマガジンUSA』をリリースすることがわかった。海外発の熱狂を日本へ逆輸入する新プロジェクトとして始動するもので、新作19作品を収録し読者投票で連載化が決定する。表紙には士郎正宗による描き下ろしイラストが起用され、しげの秀一、押見修造、中山昌亮も参加する。

「昴と彗星」しげの 秀一

「ヤングマガジン」は1980年に創刊された週刊青年マンガ誌で、社会性や暴力性、リアルな人間描写などを軸に数々のヒット作を生み出してきた講談社の看板ブランドのひとつだ。これまでに『AKIRA』、『攻殻機動隊』、『カイジ』、『頭文字D』、『ドラゴンヘッド』などをはじめアニメ・映画化作品も多く輩出しており、青年マンガジャンルを象徴する存在として国内外で知られる。

このたびの増刊号『ヤングマガジンUSA』は、アメリカの読者に向けて英語でゼロから企画・編集されたもので、全19作品の新作が収録される。SF、ダークホラー、サイバーパンクなど多様なジャンルを通じて、嘘や誇張のない人間のリアルを描くことをテーマとし、コンセプトには「UN-filtered MANGA」を掲げる。表紙には、『攻殻機動隊』の作者である士郎正宗による描き下ろしイラストが起用され、都市と人間、テクノロジーの交差点を象徴するようなビジュアルがあしらわれた。

「ぼくとボブ・ディラン(と父)」押見 修造

誌面には、北米でも熱い支持を集める『頭文字D』のしげの秀一による新作『Subaru and Subaru』をはじめ、押見修造(『惡の華』『血の轍』)、中山昌亮(『不安の種』『後遺症ラジオ』)による作品も収める。いずれも国内外で評価の高い作家陣であり、さらに日本で連載中の花沢健吾『アンダーニンジャ』も特別収録されるなど、既存ファンにも響く構成となる。

「静の杜」中山 昌亮

また、同誌では読者参加型の総選挙キャンペーンも実施される。全19作品の新作のうち16作品が対象となっており、支持を集めた5作品は「ヤングマガジン」と講談社のマンガアプリ「KMANGA」での日米同時連載が決定する。投票はX(旧Twitter)および特設サイト上で受け付け、「いいね」やリポスト数がそのまま得票に反映される仕組みだ。結果発表は12月15日(日本時間12月16日)が予定されている。

「アンダーニンジャ」花沢 健吾

この特別増刊号は、8月21日(日本時間8月22日)よりアメリカ・ニューヨークで開催される「ANIME NYC 2025」の紀伊國屋特設ブースで配布されるほか、同期間に実施される紀伊國屋書店北米17店舗でのポップアップ企画でも配布が予定されている。複製原画展示やミニ色紙のプレゼントなども展開される。あわせて、誌面に収録された全作品は、公式Xおよび特設サイト上でも順次公開となる。各作品のティザー動画もSNSで展開し、海外向けには「#youngmagazine」のハッシュタグのもと拡散を図る構えだ。

今回の挑戦について、本増刊号の編集長を務める白木英美は「『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった名作を世に送り出してきたヤングマガジンとして、次なる『AKIRA』を創出したいという想いもあります。創刊45周年という節目を迎えることもあり、その記念事業の一環として今回の北米向け増刊企画を実現する運びとなりました」と話す。企画立ち上げにあたっては、どんな作品を、どんなスタイルで届けるべきかをあらためて考えたそうだ。

白木は「フィルターばかりの世の中で、人間の想像力にフィルターは必要なのか?という問いと向き合う中で、“UN-filtered MANGA”というコンセプトが生まれました。夢だけでなく現実を描く青年マンガだからこそ、人生の葛藤や痛み、社会への違和感といった“生々しい感情”を描くことができると考えています」とも明かした。

本プロジェクトは、いわゆる周年記念や記念号とは異なり、“海外発の熱狂を国内に逆輸入する”という意図のもと企画された。「UN-filtered MANGA」という考え方を軸に、国や言語を越えてマンガ本来の力を届ける新たな試みとして注目される。

<以下、コメント全文掲載>

『ヤングマガジンUSA』特別増刊号 編集長・白木英美

Q:なぜ今回、このような北米での企画を実施しようと思われたのですか?

A:近年、世界的にマンガの需要が高まる中で、特に青年マンガの持つ深みや魅力を、より多くの方に届けたいと考えたのがきっかけです。『AKIRA』や『攻殻機動隊』といった名作を世に送り出してきたヤングマガジンとして、次なる『AKIRA』を創出したいという想いもあります。ちょうど本年が創刊45周年という節目を迎えることもあり、その記念事業の一環として今回の北米向け増刊企画を実現する運びとなりました。 現在、海外市場では少年マンガが主流となっていますが、少年マンガでは描ききれないテーマや表現を含む青年マンガの可能性を、海外最大市場である北米の読者の皆さまにも届けたいと考えています。

Q:日本の『ヤングマガジン』と、今回北米で展開される『ヤングマガジンUSA』には、どのような違いやコンセプトの変化がありますか?

A:日本版のヤングマガジンでは、殺し屋やドラッグといった刺激的な題材を扱う作品が多いのが特徴ですが、今回の北米向け増刊では、SFやダークファンタジーといったジャンルに重点を置いて構成しています。「アウトサイダーのための雑誌」というヤンマガらしさは踏襲しつつも、より国際的なスケールで共感されうる作品群を揃えました。世界観の広がりやテーマ性において、グローバル市場に響くラインナップを目指しています。

Q:「UN-filtered MANGA」というコンセプトは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

A:広告代理店の方々とのディスカッションの中で、「フィルターばかりの世の中は、本当におもしろいか?」「人間の想像力にフィルターは必要か?」といった問いをいただきました。この考え方は、まさに青年誌が掲げてきた価値観と重なるものであり、非常に共感できるものでした。 青年マンガは、夢だけでなく現実を描くメディアであり、人生の葛藤や痛み、社会への違和感といった“生々しい感情”を描くことができます。社会、時代、配慮――さまざまな「フィルター」へのアンチテーゼとして、この「UN-filtered MANGA」というコンセプトを打ち出しました。北米の読者の皆さまにも、作品を通じてその真意を感じ取っていただければと考えています。

Q:北米の読者を想定して、どのようなテーマやジャンルを選定されましたか?

A:今回は「SF」「ダークファンタジー」「ホラー」「LGBTQ」という4つのジャンルに焦点を絞りました。ヤングマガジンではこれまでも『AKIRA』『攻殻機動隊』『ドラゴンヘッド』『BOYS RUN THE RIOT』『頭文字D』など、ジャンル性の高い作品が海外で評価されてきました。特にSFジャンルには重点を置いており、少年漫画では扱いづらい複雑なテーマや世界観に挑戦することで、より深い読書体験を提供できればと考えています。これらは、北米においても人気の高い骨太なジャンルであり、ヤングマガジンらしいアプローチが可能だと確信しています。

Q:作品選定や作家の起用は、どのような基準で行われましたか?

A:昨年10月に「海外向け増刊を制作する」という企画趣旨のもと、一般公募を実施し、100名を超える作家の皆さまにご応募いただきました。社内選考に加え、北米支社の現地スタッフ(ネイティブ)からの意見も取り入れながら、最終的に18作品を厳選いたしました。 北米市場は人種・宗教・ジェンダーなど多様性に関する配慮が求められる市場ですので、その点には十分注意を払いながら、コンセプトに即した作品を選定しています。


ヤングマガジン 2025年33号 [2025年7月14日発売] [雑誌]
¥510
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

・ANIME NYC 2025への出展について

■イベント詳細

日程: 8月24日(日)(日本時間8月25日(月))

出演作家: 望月峯太郎(ドラゴンヘッド)、花沢健吾(アンダーニンジャ)

※詳細は追ってANIME NYCより発表予定

・北米17店舗の紀伊國屋での限定特別施策について

■対象店舗

北米17店舗

■実施内容

増刊号配布:8月21日~11月10日(日本時間8月22日~11月11日) ※なくなり次第配布終了

ミニ色紙:8月21日~11月10日(日本時間8月22日~11月11日) ※なくなり次第配布終了

原画展示:8月21日~11月10日(日本時間8月22日~11月11日) 展示詳細は後日公式Xにて告知

窓ラッピング(NY店のみ):8月18日~24日(日本時間8月19日~25日)

《仲瀬 コウタロウ》
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