映画「ヒプマイ」インタラクティブ映画はドキドキだらけ! 辻本監督&中岡Pが公開後に語る本音トーク【インタビュー】 2ページ目 | 超!アニメディア

映画「ヒプマイ」インタラクティブ映画はドキドキだらけ! 辻本監督&中岡Pが公開後に語る本音トーク【インタビュー】

日本初の観客参加型インタラクティブ映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』。辻本貴則監督、中岡亮プロデューサーにインタビューを実施し、映画公開後の今だからこそ感じることについて話を聞いた。

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映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』新規ビジュアル
  • 映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』新規ビジュアル
  • 映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』キービジュアル
  • 映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』場面写真(C)ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie
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■長年のファンも新規のファンも盛り上がる! ラップバトルの集大成

――この映画は「ファイナルディビジョン・ラップバトル」と銘打っていますが、オープニングでは丁寧にキャラクターを紹介しており、新規ファンにも『ヒプマイ』を理解しやすい作りになっていました。どこを重点的に意識して映画を組み立てていきましたか?

辻本:もちろん、今まで応援してくれたファンにしっかり見ていただきたいのは大前提ですが、これまで『ヒプマイ』に触れてこなかった新規のお客様にも届けたい気持ちもありました。映画のタイトルがシンプルなのもそういう意図だと思います。

脚本は、原作のキングレコードさんと百瀬祐一郎さんが主体になって進めています。冒頭に各ディビジョンの現在の状況や、それぞれのキャラクター性がわかる内容の会話があって、ファイナルディビジョン・ラップバトルへの心意気や心構えを紹介する。そこでしっかりと土台を整えてから心置きなくラップバトルに向かおう、みたいな感じですね。ご新規さんにも優しい構成を意識して作っています。

――長年のファンがうれしい要素として、ディビジョンリーダーズの因縁など、過去のストーリー描写も盛り込まれていました。ライブパートが中心でありつつも、「この描写は入れたい」という強い想いがあったのでしょうか?

辻本:キングレコードさんがひとつの集大成的な想いで、4年間……いや、おそらくそれ以上の期間をかけて映画制作を進めていく中で、僕や中岡さんも参加しての脚本打ち合わせが行われました。

伏線のつもりで張っていたものや、伏線ではなかったけれどキャラクターたちが背負ってきたもの、辿ってきたものなど……、拾える部分は拾っていくスタンスで、どんどんネタを入れ込んでいただきました。そこもただの説明になってはいけないので、無理なく入れられるように微調整していったというところですかね。

僕は、映画への参加が決まってから超特急で『ヒプマイ』について勉強しました。それこそ各ディビジョンの名前や、キャラクターの立ち位置を覚えるところからです。その猛勉強の甲斐あって、いろいろと因縁のあった人たちが和解している場面を最後のシーンで入れたいな、と思うまでに至りました。握手したり肩を組んだりしているとか、台本にはなかったのですがそういうシーンを挟みました。

中岡:辻本さんから「最後の曲の終わりにこれを入れたいんだけど」と意見があって、「面白いですね。だったらこっちの組み合わせがいいな」ってやり取りをして最終的にああなりました。結果、あのシーンを見て喜んでくれている方たちが劇場で見ていてもとても多いようで……。

辻本:ありがとうございます。この映画で一番良い仕事をしたかもしれないです(笑)。僕も劇場で見た際、周りのリアクションを受けて感動しました。

中岡:長すぎず短すぎずとか、どのくらいの尺だったら程よいのかと試行錯誤しましたよね。あそこは音楽を流さず歓声だけなので。

辻本:『ヒプマイ』としては新曲で終わるのが美しいのに、そこからまた例のBGM流れてくるとちょっと違うなと思ったんです。歓声と拍手で終わらそうとして、最初は1分ぐらいで想定していました。絵が素晴らしいから見られるけれど、でもさすがに1分は……とそこの尺調整は何度もやり取りをして。もちろん、今の流れがベストだと思っています。

■イラストからそのまま飛び出した? キャラクターが目の前で動く!笑う!

――本作はセルルック3DCGで表現されたキャラクタービジュアルもかなりファンから好評です。CGに対してこだわられた部分をお聞かせください。

辻本:僕が参加した頃にはもうモデルを作り始めていて、山田一郎はほぼ出来上がっていました。モデル作りの最初については、むしろ中岡さんに僕も聞きたいぐらいです。よく初期イラストのデザインに寄せましたよね。

中岡:そうですね。通常、アニメ作品は原作があってもキャラクターデザインをし直します。そもそもキャラクターデザインを行うときって、多い情報量の整理も含めてコントロールするんです。

でも今回はこれだけ世の中に『ヒプマイ』のイラストが出ていて正解があるから、もうキャラクターデザイナーにリデザインしてもらわずに、なるべくそのまま作っちゃおうぜってところから始まっていて。

なので、イラストに存在しているハイライトとか目の光とか、いろいろな要素を分解してCG側で取り込めるようにしていきました。イラストをなるべく再現しようとチャレンジをしてみたのが最初ですね。モデル生産カロリーは結構ありましたが、結果それによって助かっている部分があります。

辻本:モデルがいいから、それに負けないアニメーションにしようと意気込めたので、監督としてもすごく良い影響となりました。「素晴らしいモデルを作るんだ」と頑張っていただけたのは、この作品にとってよかったことだなと今しみじみ感じております。

中岡:結果論なので、すべてが作戦だったというわけではないのですが……。(ポリゴン・ピクチュアズは)CGスタジオなので、CGクオリティについては監督におんぶに抱っこじゃなくて、自分たちでクオリティラインをある程度主観的に定めなきゃいけないし、できるはずだよねって。

監督未決定の中でも、モデルは先に作っていきました。もし、そのタイミングから辻本さんがいたら、あのモデルの仕様にはなっていない可能性はあります。今回制作されたモデルを受けて映像制作で苦しんだ部分もあるでしょうが、モデルを監督の演出視点ありきで制作をしなかったことによって、全体的なクオリティに対して無理が効いたのは絶対にあると思います。


《八羽汰 わちは》
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