松本千夏“やさしくて甘い”―『おとなりに銀河』OPテーマ「となりあわせ」 | 超!アニメディア

松本千夏“やさしくて甘い”―『おとなりに銀河』OPテーマ「となりあわせ」

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年6月号にはテレビアニメ『おとなりに銀河』のOPテーマ「となりあわせ」をリリースした松本千夏が登場。

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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年6月号にはテレビアニメ『おとなりに銀河』のOPテーマ「となりあわせ」をリリースした松本千夏が登場。

松本千夏「となりあわせ」

本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

好きな人と過ごすキラキラした時間を表現


――今回のシングルで松本さんを知る人も多いと思います。まずは自己紹介をお願いします。

24歳のシンガーソングライターで、お酒と旅行、バイクに乗って出かけるのが好きです。曲はいつもギターで作っています。

――テレビアニメ『おとなりに銀河』のOP「となりあわせ」は、松本さんにとって初のアニメタイアップです。決まったときの感想は?

決まるかもしれない、という話をもらったのですが、そのときは決まらなかったときに落ち込まないように、喜ばないようにしていました。実際に決まったときは、自分の音楽に乗ってアニメの映像が流れるのが夢のひとつだったので、それが叶ってすごくうれしかったです。

――ふだんからアニメはよく見るほうですか?

ひとつのアニメにハマったらそればっかり見ちゃうので、それほどたくさんは見ていません。好きなアニメは『クレヨンしんちゃん』で映画は全部見ています。あとは『進撃の巨人』と『ゆるキャン△』にハマりました。『ゆるキャン△』を見てから、アウトドアに興味を持つようになり、いまはキャンプ熱が上がってキャンプについて勉強中です。

――「となりあわせ」は松本さんが作詞・作曲を手がけています。歌詞は原作を読んでから書いていったと聞きましたが、原作の印象は?

ラブストーリーがメインでありながら、恋愛が吹き飛ぶくらいにいろいろな出来事があるのがおもしろいなと感じました。また、すごくほのぼのとしていて、悪い人がいないんですよね。主人公の久我一郎とヒロインの五色しおりは2人ともひねくれたところがなくてまっすぐだし、みんなかわいくてやさしく、すごく好きな物語でした。

TVアニメ「おとなりに銀河」第3弾PV


――歌詞は、主役の久我一郎と五色しおりの2人をメインに描いていったのでしょうか?

どちらかというとしおり視点のような雰囲気が強めですが、2人の様子を描いていきました。私はふだん自分の体験や気持ちに沿った曲を作るので、あまりラブラブなものは書けないんです。でも、『おとなりに銀河』を読んで、好きな人と過ごす時間のキラキラしたところを描きたいなと思い、気がついたら恋に落ちて、どんどん関係が進展し、心がウキウキとして、1日をもう1回繰り返したくなるようなハッピーな気持ちを歌詞にしていきました。

――歌詞と曲は、いつも同時に作っていくのですか?

同時です。そのときの気分でギターコードを鳴らして、思ったままに言葉を口ずさみながら歌詞を考えています。

――曲の方向性について、アニメ制作サイドからオーダーはありましたか?

ほぼお任せでした。デモを作って聞いてもらったのですが、少し歌詞を変更しただけで曲については最初に作ったときのままですね。原作の持つほのぼのとしたかわいさを大事にした曲にしたかったのですが、いつもはかわいい曲を作ろうとは思わないので、今回挑戦できてよかったです。

――ふだんの自分では作らないタイプの曲ということは、比較的挑戦が多かったのでしょうか?

全部が挑戦だったと言ってもいいくらいです。作詞でもすごく迷ったところがあって制作チームで相談をしたのですが、ふだんほぼひとりで曲を作るので、話し合いも珍しくて。その結果「星空」というワードが思い浮かんだので、すごく楽しかったです。

――レコーディングで大切にしたことは?

かわいさを声でも表現することです。ふだんの自分だとどうしてもはつらつとした歌い方になってしまうのですが、それだと声のイメージが強すぎるんですね。それで、レコーディングに立ち会ってくれたシンガーソングライターのルンヒャンさんから「子供に語りかけているように歌ったほうがいい」とアドバイスをもらって、なるべくやさしくなるように歌いました。

――アニメのOP映像は、歌詞にリンクした動きもたくさん出ていますね。

一郎としおりを思いながら書いた歌詞に合わせたような映像になっているので、見たときはすごくうれしかったです!

TVアニメ「おとなりに銀河」ノンクレジットOP / 松本千夏「となりあわせ」


――タイトルの「となりあわせ」には、どんな意味を込めましたか?

かわいい言葉であることと、『おとなりに銀河』のタイトルにもかかったものにしたかったんですね。それでいろいろ考えて、ずっと隣にいて、隣を一緒に歩いているという曲のイメージから、「となりあわせ」に決めました。

――カップリング曲についても教えてください。まずは「ガソスタ」。

シンガーソングライターとしての姿を見せたくて、オリジナル曲を入れることは決めていました。新曲にするか、これまでデジタルリリースした曲のリミックスにするかで考えていたのですが、相談の結果、新曲を入れることになったんです。そこからテーマを考え、ふだんバイクでよく行くガソリンスタンドのことが閃いて、ガソスタで働く男の子を主人公にしました。

――「ガソスタ」で松本さんがとくに気に入っているところは?

2番Aメロのラップ風に韻を踏んでいるところです。KICK THE CAN CREWのLITTLEさんと一緒に歌ったデジタルシングル「Smile in your face」でラップにも挑戦したので、この曲でもラップっぽさを入れてみました。実際にガソスタに行ったときに言われた「空気圧」という言葉も盛り込むことができて、まさにいまの私を歌えたところもお気に入りです。

――もう1曲のカップリング「めんどくさい」はどんな曲ですか?

ちょっとイライラして、本当に面倒くさいなと思っていたときに作った、かなり面倒くさそうな曲です(笑)。歌も歌詞もひねくれすぎているので心配していたら、スタッフの方に「このままでいいです」と言ってもらえたので、そのまま収録することになりました。この曲は、ライブで何度か披露したことがあるのですが、すごく反響が大きかったんです。私は自分のことしか歌にできないけれど、それでもその歌が刺さる人は多いんだと感じたので、そんな部分に共感してもらえるかもしれません。

――配信版は、既存曲のリミックスバージョンが入るそうですね。

私自身、CDを買って音楽を聴くことが少なくなっていたので、CDはCDで、配信は配信で違ったことをやりたかったんですね。どちらの曲もレアだと思うので、できればどちらも聞いてほしいです。

――CDが無事に完成した感想は?

今回、『おとなりに銀河』の曲を作ったことで、コラボカフェでのライブが決まるなど、アニメ制作に自分も加われている感じがあってすごく楽しいです。私はずっとデジタルシングルをリリースしていて、CDがショップに並んだ経験がなくリリースイベントも初体験なのでまだ実感がわきませんが、きっと時間が経っていくうちに実感がわくだろうと思っています。

――リリースイベントは弾き語りでの曲披露になるそうですね。

生で聞くと、CDとはまた違った楽しさがあると思っているので、ぜひ気軽に遊びに来てもらえたらと思います。「となりあわせ」は『おとなりに銀河』のことだけを考えて作った曲ですが、ふだんは日常のいろいろなタイプの曲を作っています。今回のCDで松本を知った方には、ぜひいろいろな曲を聞いてほしいです。また、SNSなどもやっていますので、チェックしていただけたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

■Profile
まつもと・ちなつ/1998年生まれ。東京都出身。2021年にデジタルシングル「歌って」でデビュー。さまざまなアレンジャーを迎えて制作し、王道J-POPをはじめHIP HOPやエッジの効いたサウンドなど、ジャンルに捉われない楽曲を制作。いま注目されているシンガーソングライター。

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■「となりあわせ」
発売中
キングレコード

1320円(税込)

松本千夏の初タイアップシングル。表題曲は松本自身が作詞・作曲したテレビアニメ『おとなりに銀河』のOPテーマで、日常のゆったりとした空気とほのぼのとした恋模様を表現している。カップリングには、同じく自身が作詞・作編曲を手がけた「ガソスタ」と「めんどくさい」を収録。

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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《超!アニメディア編集部》
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