『映画刀剣乱舞-黎明-』鈴木拡樹・荒牧慶彦・梅津瑞樹が語る“刀”を交えて培った信頼関係―【インタビュー】 | 超!アニメディア

『映画刀剣乱舞-黎明-』鈴木拡樹・荒牧慶彦・梅津瑞樹が語る“刀”を交えて培った信頼関係―【インタビュー】

3月31日より、『映画刀剣乱舞-黎明-』がいよいよ公開! 三日月宗近役・鈴木拡樹さん、山姥切国広役・荒牧慶彦さん、山姥切長義役・梅津瑞樹さんにインタビューを実施し、演技へのこだわりや、撮影中の裏話などを伺いました。

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(左から)梅津瑞樹、鈴木拡樹、荒牧慶彦
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  • 鈴木拡樹&荒牧慶彦
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  • 梅津瑞樹&鈴木拡樹
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3月31日より、『映画刀剣乱舞-黎明-』がいよいよ公開されます。約4年ぶりとなる実写映画の新作は、公開前から注目の的。新情報が公開されるたびに関連ワードがSNSでトレンド上位を席巻するなど、大きな盛り上がりを見せています。

『映画刀剣乱舞-黎明-』では平安時代のほか、現代の2012年が舞台に。これまでのシリーズでは描かれてこなかった現代が登場するため、刀剣男士を演じるキャストのみなさんも、「ついにこの時代を扱うのか!」と驚かされたようです。

今回は三日月宗近役・鈴木拡樹さん、山姥切国広役・荒牧慶彦さん、山姥切長義役・梅津瑞樹さんにインタビューを実施。演技へのこだわりや、撮影中の裏話などを伺いました。

(左から)梅津瑞樹、鈴木拡樹、荒牧慶彦

[取材・文=ハシビロコ 撮影=You Ishii]

■「待ってました!」キャストも待望の映画第2弾

――『映画刀剣乱舞-黎明-』の制作や出演が決まったときの心境を教えてください。

荒牧 「待ってました!」という気持ちが強かったです。前作の映画も大反響をいただいたので、ぼんやりと「2作目はいつだろう」「いつでもスタンバイできてるぞ!」と思っていました。

鈴木 「第2弾をやれたらいいね」と、制作チームのみなさんとずっと話していたので、実現して嬉しいです。信じて待っていた甲斐がありました。

梅津 僕も映画に加えていただけることが光栄でした。僕ではない人が演じる山姥切長義が出演する可能性もあったと思うので、「本当にいいのかな」って。

鈴木 そこはファンのみなさんの期待も大きかったんじゃないでしょうか。僕はようやく「刀剣乱舞」シリーズで梅津さんと共演できて嬉しかったです。

梅津 こちらこそ!

――3人で共演してみていかがでしたか?

梅津 山姥切国広と三日月宗近がいる空間に自分もいる、というのが嬉しかったです。まっきーさん(荒牧)と殺陣をするのも久方ぶりですし、映像資料で鈴木さんの殺陣は見ていたので「これが生の三日月か!」と感慨深さがありました。

鈴木 梅津さんは繊細なお芝居をされる方だと周りから聞いていたので、その通りだと納得しました。セリフがメインとなるシーンの撮影では、梅津さんの演技や山姥切長義の役どころを間近に感じられて印象深かったです。

荒牧 共演したことのあるお2人が一緒なので、僕も演じやすかったです。殺陣の稽古期間が短いなかでも高いクオリティが出せたのは、このメンバーだったおかげだと思います。

梅津 たしか2日くらいでしたよね、練習期間。僕はお2人を信頼しているので、どう動いてもなんとかしてくれるだろうな、という気持ちがありました(笑)。

――本作の脚本を読んだときの印象はいかがでしたか?

荒牧 「現代に出陣することがあるんだ!」と驚いた一方で納得した部分もあって。「刀剣乱舞」の本丸がある2205年から見たら2012年も過去なので、刀剣男士たちにとっては守るべき歴史の一部です。

鈴木 現代への出陣はずっと妄想していたので楽しみでした。原案のゲームの開始から8年経ち、これまで積み重ねてきた設定が大前提になったうえで新たな挑戦ができたと感じています。

梅津 僕も現代への出陣を何度も妄想していたので、「ついにこの時代を描くのか!」という気持ちが強かったです。

荒牧 僕はこれまでの出演作で2人に振り回されてきた分、「俺を振り回した2人が今回は俺に振り回されている」と思っていました(笑)。

■カメラマンを斬らないように!? 殺陣のスリル

――本作の見どころのひとつが殺陣シーンです。殺陣で意識したことはありますか。

荒牧 当たり前のことではありますが、「刃物を扱っている」という意識をより強く持ちました。たとえば舞台で殺陣をするときは、相手に当てないことを意識します。しかし映像では相手を斬る意識で刀を振ることが求められます。気持ちひとつで表現が変わってくるので、その点は常に心がけました。

鈴木 しかもカメラの画角に入れるために、至近距離でギリギリの殺陣をしなければなりません。そうしたスリルも含めて楽しく撮影できましたし、これまで培った経験を応用しながら新しいことにチャレンジできたと思います。

梅津 スリルといえば、カメラマンさんを斬らないように気をつけましたよね。

鈴木 たしかに!

荒牧 振りかぶったときにカメラに当たらないようにしないと、とか。

梅津 目の前にいる芝居の相手だけでなく、死角にいるカメラマンさんのことも考えて、ドキドキしながら殺陣をしました。

――また、撮影中に大変だったことはありますか?

荒牧 スクランブル交差点のシーンは大変だったんじゃない? エキストラも約600人ほどいましたよね。

鈴木 長時間の外ロケでしたが、ちょうど日照りで暑い日だったんです。エキストラの方もたくさん参加してくださって、撮影がワンシーン終わるごとに拍手が起きました。みなさんに支えられた作品なので、感謝しかありません。

梅津 アパートの廊下で戦う場面も大変そうでした。狭くないのかな、って。

荒牧 かなり狭かったです! あんなところで戦いたくない(笑)。

鈴木 戦いには向いていないです。

梅津 でも、狭い空間でも魅せる殺陣は映像作品ならではだと思いました。

荒牧 刀を大きく振ることができないものの、映像がこぢんまりとした印象になるのは嫌なので、その塩梅を探るのが難しかったです。

鈴木 僕もカメラに対して動きが大きく見えるように意識して振りかぶりました。

――現代のさまざまな場所が出てきましたね。

荒牧 街中でロケをすることもありました。だから移動や撮影のときに「あれはなんだろう」と稀有な目で見られたのが印象に残っています。とくに山姥切国広に対しては「なんであの人は布を被っているんだろう」とみなさん疑問に感じていたかもしれません(笑)。本作を見れば「この刀剣男士だったのか!」と納得すると思うので、ぜひ多くの方に見てほしいです。

鈴木 学校での撮影は不思議でした。カメラが回っている間は気になりませんが、それ以外の時間にどうしていればいいのかわからなくて(笑)。高校生役の若い役者さんたちがいるなかで、「1人だけ明らかに違う格好をしたやつがいるぞ」と思われていそうです。

■山姥切国広が“儚く消える”?

――撮影中、監督からどのようなディレクションがありましたか?

荒牧 予告で山姥切国広が消えるシーンがあったと思いますが、僕自身に消える能力はないので(笑)、あとでCGを追加する前提で撮影しました。ただ、どういう感情で消えるのか選択肢がいくつもあって。最初は痛そうに消える解釈で撮りましたが、監督から「もう少し儚くしてもらってもいい?」と言われました。「儚く消えるってどう演じればいいんだ!」と一瞬思いましたが、自分なりに儚い表情ができたと思います。痛みもなく、ただ消えてしまうようなイメージです。

鈴木 僕は仮の主である琴音の悩みや想いをどう受け止めていくか、監督と話し合って決めました。僕と監督と琴音役の秋田汐梨さんと3人ですり合わせた距離感が出ていると思います。

梅津 僕もとあるシーンで、演技の参考に監督が演じてくださった音声をいただきました。山姥切国広の儚い演技とは対照的な痛そうな声だったので、痛みが伝わるように演じています。でも演技について明確なディレクションがあったのはそのシーンくらいで、基本的には僕たちに任せてくださいました。

――作中でご自身が演じた刀剣男士のレベルなどは、どのように解釈して演じましたか?

荒牧 今回レベルはそこまで意識しなかったです。山姥切国広自体が持つ、主に対する想いを意識しました。

鈴木 三日月宗近はレベルの変動が大きかったと思います。出陣慣れはしていますが、状況によってレベルが1どころかマイナスくらいになってしまうシーンもあるのでその変動を演技に落とし込みました。

梅津 山姥切長義は「時の政府」の権限で出陣しているので、わりと手練れだと解釈しました。これまでも多くの仕事をこなしてきて、今回たまたま現代に出向したイメージです。

荒牧 会議室でスーツの人たちに囲まれて、偉い人感がありました。

梅津 なぜかいい椅子に座らせてもらって(笑)。でもきっと居心地はよくなかったと思います。座ったと思ったらすぐに立ち上がったシーンもありましたし。

鈴木 仮の主と山姥切長義の対比がよかったよね。

荒牧 冴えない公務員とできる公務員が時を超えて邂逅しているみたいで。

梅津 仮の主はずっとお茶ばっかり淹れていましたけどね(笑)。

鈴木 刀剣男士それぞれに仮の主がいる、という状況は不思議でした。きっと映ってないところで、事前に自己紹介コーナーがあったんだろうと想像するとおもしろいです。

梅津 自己紹介コーナー(笑)。仮の主の見た目も個性豊かで、神職もいればギャルもいます。だから意外と違和感がないというか、その場に刀剣男士がいても妙に調和がとれていておもしろかったです。


《ハシビロコ》
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