劇場アニメ「グリッドマン ユニバース」緑川光×広瀬裕也インタビュー「人もヒーローも弱いから、お互いに手を取り合える存在がいることが大事」 | 超!アニメディア

劇場アニメ「グリッドマン ユニバース」緑川光×広瀬裕也インタビュー「人もヒーローも弱いから、お互いに手を取り合える存在がいることが大事」

劇場アニメ『グリッドマン ユニバース』より、グリッドマン役の緑川光さん、響裕太役の広瀬裕也さんによる対談インタビューをお届け。

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3月24日(金)全国公開となる劇場アニメ『グリッドマン ユニバース』。本作は特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』を原典に据え、TVアニメ化された『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』と『SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)』の世界観が奇跡のクロスオーバーを果たした完全オリジナルの新作となっている。

アニメ!アニメ!では本作の公開を記念して、グリッドマン役の緑川光さん、響裕太役の広瀬裕也さんによる対談インタビューを実施。TVシリーズ放送当時のエピソードから、『グリッドマン ユニバース』へ向けた熱い想いをたっぷりと語ってもらった。

[取材・文・撮影:吉野庫之介]



またグリッドマンに再会できたという喜び


――お二人が出演されていたTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』から約5年の時を経ての新作となりますが、制作決定を知った際はどのように思われましたか?

広瀬:僕の場合はアニメ映画で声を当てる機会が少ないこともありますが、響裕太という『SSSS.GRIDMAN』のメインキャラクターとして出演できることへの嬉しさが大きかったです。TVアニメの放送から時間が経ってはいるものの、まだ当時の熱は冷めやらず、それを今回の映画に向けることができました。





緑川:『SSSS.GRIDMAN』が終わり、『SSSS.DYNAZENON』は僕が不在のなかオンエアされましたが(笑)、きっと合流する未来があるだろうなと思っていたので、待ってました! しかもその集大成が劇場アニメで見られるというのは嬉しかったですね。TVアニメの時点でクオリティが高い作品ではありましたが、映画になるとそこからさらに上がるものだと思うので、嬉しさの反面で「大丈夫ですか…?」という、いちファンとしての期待もありました。





――TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』には『SSSS.GRIDMAN』との繋がりとしてナイトや2代目が登場していましたが、お二人は『SSSS.DYNAZENON』を放送当時どのようにご覧になっていましたか?

広瀬:個人的に『SSSS.GRIDMAN』第2期というイメージを当初は持っていたのですが、緑川さんが先ほどおっしゃっていたように「グリッドマンがいない」ということと、登場キャラクターも一新され、まったく違うシリーズなんだなとワクワクしながら見ていました。内容も少し大人な感じで、中高生のリアルに潜んでいるような事柄が取り上げられていたこともあり、共感できる部分が多い作品だなと思いました。

緑川:僕は『SSSS.GRIDMAN』のあと雨宮監督に「ダイナドラゴン絡みの続編が見たいです!」とお話しをしていたのですが、それを模したダイナレックスが『SSSS.DYNAZENON』に登場して、当然僕も出演する気でいたのですが、その機会はなく…(笑)。そこからどのようにグリッドマンワールドに紐付けていくのかなと思っていたら、最後の最後に原点である特撮のとある1話を全12話に渡ってやっていたというのを知って「そんなことができるのか…!」と唖然として、それまでに経験したことのない驚きを覚えました。





――『SSSS.GRIDMAN』や『SSSS.DYNAZENON』の現場ではキャラクターによって先のシナリオを役者さんに事前に明かさずに収録をしていたと伺ったのですが、そうなると、より素の部分でのお芝居が大事になりますよね。

広瀬:そうですね。たとえば、アカネ(CV:上田麗奈)のように役の設定を理解する上で先の展開を知っていた方がいいキャラクターもいれば、裕太のように知る必要がないキャラクターもいて。当時の収録でも次の回の台本をみんなで直前に見るという感じで、ある意味で青春感のある現場だったなと思いますし、あまりロジカルに捉えるのではなく、役者さんによってお芝居が変わっていく生の感じを大切にしていたので、それはこの現場ならではの楽しい部分だなと思います。

――生感のあるみなさんのお芝居は視聴者目線から見ていても本当に引き込まれるものがありました。また、TVシリーズや今回の劇場アニメの収録で緑川さんから学べたことも多かったのでは?

広瀬:僕はこの現場で緑川さんから教わったことだらけなんです。『SSSS.GRIDMAN』放送当時はこうしたご時世ではなかったのでみんなでアフレコをして、緑川さんとも直接掛け合いができていたのですが、今作は分散収録を挟みながら行われたので、お互いに違う部屋からヘッドホン越しに声を聴きながら収録しました。そんな、姿が見えないなかでも伝わってくる緑川さんのお声の安心感や、またグリッドマンに再会できたという喜びを裕太だけではなく僕自身も感じました。

――分散収録だったからこそ、ある意味ジャンクのなかにいるグリッドマンとリアルに会話しているような。

広瀬:本当にそうなんですよ! しかも今回はグリッドマンの深い部分に関わる物語にもなっているので、そこに裕太と一緒に入っていくことができてよかったなと思います。



――緑川さんは『電光超人グリッドマン』からの関わりとなりますが、アニメと比較すると現場の違いを感じる部分はありますか?

緑川:『電光超人グリッドマン』では戦闘シーンのみの収録ということもあり、僕一人でのアフレコだったんです。対して、アニメでは重要なキャラクターとの掛け合いがあったりもするので、その分より思い入れが強くなってきました。先ほど広瀬くんが言っていたように今回は分散収録ではありつつも、完全にセパレートされた環境というわけではなく、そうした関係性を大事にしながらアフレコができましたし、そんな作品をみなさんに劇場でお届けできるというのは本当に嬉しいですね。



言葉でじゃれ合わない親しい距離感だからこそ


――『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZENON』ともに女性キャラが大変魅力的ですが、お二人がシリーズで最も推している女性キャラは誰ですか?

広瀬:それは六花さんですよ! 一度ラジオで僕がボケるつもりで「アカネの性格の六花さんがいい」と言ったらみんなから叩かれたんですけど…(笑)。あと『SSSS.DYNAZENON』では夢芽がいいですね。そこまでデレデレすることはないけれど、不意に見せる等身大の表情や感情があったり、男性をコロコロと転がしながら一歩先にいるようなところが魅力的だなと思います。

緑川:僕は性格とかは置いておいて、キャラビジュアルでいくとアカネですね。だからイベントの時のTシャツは紫色を着るんですよ。

広瀬:そうだったんですね!

――ちなみに男性キャラでもっとも親近感を覚えるのは誰ですか?

広瀬:僕は内海(CV:斉藤壮馬)みたいな友達がいたらいいなと思いますね。ウルトラシリーズへの熱量がすごいところや、「グリッドマン同盟」なんて名前をつけてしまうちょっとダサいネーミングセンスも好きですし、なにより友達思いのいいやつだなと。

――小学生からの友人みたいな感じがありますよね(笑)。劇場総集編『SSSS.GRIDMAN』のラストに流れた新規カットで記憶が戻った裕太と内海の会話シーンがありましたが、TVシリーズの時よりも二人の距離感に差異を感じました。

広瀬:あの感じがリアルなんですよね。「俺たち友達だよな!」みたいなのは記憶がないから出てくるセリフで、元の裕太に戻って「お~、おっすー。」みたいな感じになったのは、言葉でじゃれ合わない親しい距離感だからこそなのかなと。今回の映画では六花と内海との会話が多いイメージがあって、とくに内海がよく喋っているんですよ。そんな友情が垣間見えるシーンが僕のお気に入りですね。





――キャラクターそれぞれの関係値の落とし込みが作品のリアルさをより際立たせていますよね。緑川さんはいかがですか?

緑川:僕は年齢的にキャラクターたちと離れているので、そこまで親近感を覚えることはないのですが、しいて言うならば、“僕と声が近い”グリッドマンですかね(笑)。

――(笑)。でも本当に緑川さんが現場にいらっしゃるだけでグリッドマンと一緒にいるような安心感が生まれそうですよね。

広瀬:まさしく現場でも緑川さんはグリッドマンのような立ち位置からみんなをまとめてくださっていたので、絶対的安心感がありましたね。



言葉では表せない二人の絆


――TVシリーズ後の“本来の裕太”を演じるのは今作が初になったと思いますが、広瀬さんのなかで意識的に変化をつけた部分はありますか?

広瀬:とくに新たなキャラクター設定が加わったわけでもなかったので、お芝居を変えるというよりかは、台本のストーリーのなかにいる本来の裕太の姿を追っていくというか。つまり、TVシリーズの記憶喪失で手探りだった頃と同じような境遇なのだと。

緑川:本来の裕太に戻って急に関西弁とかで喋り出したらびっくりするからね(笑)。

広瀬:僕も監督に「少しイケボ気味にやってもいいですか?」と言ってみたりもして(笑)。

緑川:なんだったら劇場特典で“裕太の声まで支配したグリッドマン”をやってもいいよ。

広瀬:逆に捉えると可能性が広がっている状態で、今だったらなにをやっても許されますからね(笑)。

――それはいつか聴いてみたいです(笑)。あとは今作のストーリーのなかでの裕太とグリッドマンの再会というのも見どころですよね。

広瀬:裕太もグリッドマンのことを直接的に覚えてはいなかったと思うんですけど、潜在的な部分でお互いを導きあっているというか。僕個人としてもまた裕太がグリッドマンと戦うことを決意して「アクセス・フラッシュ」したシーンはグッときました。

――グリッドマンも裕太や仲間への信頼というのは変わらず特別なもので。

緑川:そうですね。グリッドマンにとって裕太として過ごしたあの時間はかけがえのないものです。

――TVシリーズはある意味で“グリッドマンの青春物語”だったというか(笑)。

広瀬:本当にどこまでがグリッドマンの意思だったのかなと(笑)。前置きとして六花への想いは元から裕太のなかにあったものだとは言ってましたけど、実際のところはグリッドマンと裕太にしかわからないので、今回の映画でも“言葉では表せない二人の絆”みたいなものを感じましたね。

緑川:だから「人もヒーローも弱い」ということなんだよね。お互いに手を取り合える存在がいることが大事なのだと。

広瀬:一人で生きていくのは難しいことですからね。



――最後に、本作を楽しみにされているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

広瀬:ついに映画が上映になるということで、みなさんの想像を越えた出来になっていると思います。監督からも「どんどんハードルを上げてくれて構わないから」というお言葉をいただいていますし、TVシリーズから時は経ちましたが、キャスト陣もみなさんに負けない熱量を持ってキャラクターを演じさせていただきました。アニメーション・お芝居・音響、すべてにこだわった新たなグリッドマンの世界をぜひ劇場で何度でもお楽しみください!



緑川:TVシリーズ2作品や『電光超人グリッドマン』から好きでいてくださっているみなさんにとって、まさに集大成として楽しめる映画となっていることはもちろん、今回の劇場版で初めてグリッドマンに触れるという方にとっても大変魅力的な展開となっていると思います。むしろ今作を通じてさらに面白い展開が待っているのではないかとも個人的に感じているので、みなさんが引き続き作品を愛してくださることで、なにかハッピーなことが起こるかもしれません。そしてイベントでも言ったのですが、雨宮監督が出来れば最初の3日間に来てもらえると嬉しいそうなので、可能な範囲でよろしくお願いいたします。



「グリッドマン ユニバース」
2023年3月24日(金)全国公開

■スタッフ
原作:グリッドマン
監督:雨宮哲
脚本:長谷川圭一
キャラクターデザイン:坂本勝
音楽:鷺巣詩郎
アニメーション制作:TRIGGER
配給:東宝映像事業部

■キャスト
グリッドマン:緑川光
響裕太:広瀬裕也
内海将:斉藤壮馬
宝多六花:宮本侑芽
麻中蓬:榎木淳弥
南夢芽:若山詩音
山中暦:梅原裕一郎
飛鳥川ちせ:安済知佳
レックス:濱野大輝
キャリバー:高橋良輔
マックス:小西克幸
ボラー:悠木碧
ヴィット:松風雅也
六花ママ:新谷真弓
なみこ:三森すずこ
はっす:鬼頭明里
ナイト:鈴村健一
2代目:高橋花林

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会
《吉野庫之介》
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