秋アニメ『虫かぶり姫』エリアーナ役・上田麗奈インタビュー|繊細さが求められた役作り、猫の存在で変化したライフスタイル | 超!アニメディア

秋アニメ『虫かぶり姫』エリアーナ役・上田麗奈インタビュー|繊細さが求められた役作り、猫の存在で変化したライフスタイル

TVアニメ『虫かぶり姫』より、エリアーナ・ベルンシュタイン役・上田麗奈さんのインタビューをお届け。

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(C)由唯・一迅社/虫かぶり姫製作委員会
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TVアニメ『虫かぶり姫』が2022年10月6日より、AT-X、TOKYO MX、関西テレビ、BS日テレで放送開始となる。“勘違い”ラブファンタジーとして、原作小説&コミカライズ版はシリーズ累計300万部を突破する人気作だ。

主人公のエリアーナ・ベルンシュタインは侯爵令嬢。幼い頃から本に夢中の彼女には「本の虫」ならぬ「虫かぶり姫」というあだ名がつけられていた。変わり者の姫には婚約者・王太子クリストファーがいたものの、その実態はお互いの利点のためだけの“名ばかりの婚約”だ。

エリアーナは王宮書庫室への出入りと引き換えに婚約したものの、ある日クリストファーが子爵令嬢アイリーンと仲睦まじく語り合う姿を目撃してしまった……。婚約解消の危機と不安、クリストファーへの複雑な想いが交錯する姿がドラマティックに描かれている。

超!アニメディアでは、主人公・エリアーナを演じている上田麗奈さんにインタビューを実施。『虫かぶり姫』の魅力、役作りなどについて話をうかがった。

[インタビュー・編集:吉野庫之介 文・Hide Gomibuchi]



繊細さが求められた役作り


――初めて原作を読まれた際の感想や世界観の印象について教えてください。

表紙の絵がすごく可愛らしくて、見た目の印象がまず強かったです。実際に読んでみたら、その見た目のフワフワ感やキラキラ感、パステルな感じもイメージ通りで、少女漫画好きとして心がときめく内容でもあるし、エリアーナのちょっとした心情の変化がわかるほど、登場人物の表情がとても丁寧に描かれていて、そうした面でも読みやすい作品だなと。それにプラスして、政治的なことが物語に絡んでいくところも『虫かぶり姫』ならではで、先の展開が気になりました。

――アニメも原作の世界観を大切に作られていますよね。

原作の持つ柔らかさやキャラクターの細かな表情、演出の仕方もすごく意識されています。アフレコ段階では絵コンテの状態だったのですが、きっとこの表情を捉えたいんだろうなというのが伝わってきて、原作へのリスペクトを感じました。

――エリアーナを演じるにあたって意識されたことはありますか?

エリアーナは心情の変化がとても繊細なキャラクターなので、そのさじ加減が難しく、自分でも気づかないレベルの違いでディレクションが入るんです。序盤はとくに悩みながら、どこを歩いていけばエリアーナになるのか、何度もテイクを重ねながら演じていました。

当初は興味の有無がわかりやすく表に出る子というイメージだったので、セリフに抑揚をつけて少し明るめに読んでいたのですが、思っていたよりも声に色が乗らないというか、本に対する熱量も含めて感情が出てこない子なんだと感じて。それからは努めて心の動きが見えづらくなるよう意識していました。

――貴族ならではの浮世離れ感というか。

そうですね。貴族だからこそ現実をまだ見切れていない部分もありますし、きっと心を動かさないようにすることが彼女にとって自分を守る方法にもなっていて。また、本をたくさん読んでいる「本の虫」ゆえに頭身以上の知識があって、貴族の偉い人からも重宝されて守られている。本人も本にしか興味がないから、より浮世離れした感じが出ているのかなと思います。

物語が進むにつれ、クリストファーなど周囲の人々との関わりのなかで少しずつ感情が豊かになっていくのですが、その小さな変化の付け方は難しかったですね。





――婚約者であるクリストファーにはどのような印象を持たれましたか?

クリス様は本当に愛が重くて、ちょっと怖さすら感じます(笑)。原作を読んでいてもエリアーナに対する熱量がすごすぎて、これだけ愛してもらったら嬉しいだろうなと思うと同時に、絶対にこの人からは逃げられないんだろうなと……。

そんな恐れは感じつつも(笑)、クリス様はなんでもできるように見えて、実はエリアーナと同じくらいの恋愛経験しかなくて不器用な一面が可愛らしかったり、二人が一緒にいることで生まれる相乗効果を感じたりもします。

また、エリアーナにはあまり見せないのですが、アレクセイやグレンと真面目な話をしている時に見せる厳しさや冷たい一面から彼が経験してきた闇のようなものを感じるとともに、国を守ることへの責任感や重さも滲み出ていてかっこいいなと思います。





――ちなみに、上田さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?

本当にみんないい人たちなのですが、アーヴィンはずるいキャラクターだと思います(笑)。最初は不敵な笑みを浮かべて得体の知れない感じがあったのですが、物語を知っていくほどにクリス様とはまた違った頼もしさを感じて。リーダーとしてもそうですが、男の人としてもこういう人についていきたいと思わせる腹の座り方をしていて魅力的だなと思います。

ヒューマンドラマ的な重みもある作品


――タイトルの「虫かぶり姫」は、本に熱中している比喩でつけられています。その「虫かぶり」にちなんだところで、上田さんが今熱中していることはありますか?

熱中とは少し違うかもしれませんが、猫と一緒に暮らすようになってから生活が一変したなと感じていて。何年か前までは部屋に冷蔵庫や食べ物を置かないような暮らしをしていたのですが、彼らと暮らし始めてからは「この子たちのためにもっといい環境を作ろう」と冷蔵庫も買って、食べ物もちゃんと入っている生活になりました(笑)。

――猫ちゃんたちとの印象的なエピソードがあれば教えてください。

家に何かいるかも……という怖い話ならあります(笑)。猫が何もないところを見て目で追ったり、前足で何かをちょんちょんと触るようなアクションを起こしたりするんです。ある特定の場所で上を見上げて急に興奮し始めるとか。鳴き声も戸惑いや興奮があるような鳴き方で、そこに一体何があるんだろうと……。

――それは……いますね(笑)。また、読書に関したところでこれまでに感銘を受けた本はありますか?

子どもの頃に読んだ児童書のクリフ・マクニッシュさんの作品が心に残っています。独特の文章と世界観が印象的で、本から得る活字の情報だけで自分の頭の中にこんなにもイメージが広がるんだと驚いて。大人になって思うのですが、子どもたちに響くような物語を大人が童心にかえって作るというのは本当に大変な作業ですよね。

――そうした意味では子どもの役を演じることのある声優の仕事にも通じるものがありますよね。

そうですね。童心にかえるのは難しいことですが、自分の中にある経験や感情を引っ張り出してお芝居をすることが多いですよね。 

たとえば、怒る演技をする際にもあの時こういうことで怒ったなという経験があると、怒りにも種類ができてくる。自分の体のどこで怒っていたとか、心臓下がっていく感覚があったなとか。

――愛情の表現という面では日常生活での猫ちゃんとのやり取りも活かせたり?

そうした意味では活かせることもあれば、逆効果になる場合もありますね。別作品で妹に語りかけるシーンがあったのですが、同じ愛しいものに対する語りかけであっても「今のはペットに話しかけているような感じでした」というディレクションをいただいたことがあります(笑)。

――たしかに対象によっても向ける感情の差異はありますよね(笑)。感情の引き出しを増やすために普段意識されていることはありますか?

増やすために具体的に何かアクションを起こすというよりは、日頃起こることを忘れないようにするのが私には合っているのかなと。良いことや悪いことがあったとして、なぜそう思ったのか、その時どういう行動をとったのかという経験を忘れないようにしています。そうして「自分はこういう人間なんだ」というところまで分析して思考をつなげていく。受け身ではあるのですが、一歩ずつ立ち止まっていくことを意識していこうと思っています。

――あとは他者を観察して身につくこともありますよね。

その点では注意していることもあります。他者とのコミュニケーションの中で何かしらの違和感があった時に、その感知したものは合っていても解釈が間違っていることが多い。なぜそういう表情や言葉選びになったのか?というのを自分だけの経験や知識の範囲で都合の良いように解釈してしまい、そこに経験の浅さが出てしまうんですよね。相手のことを深く知るためにも傾聴する気持ちを大切にしていきたいです。

――興味深いお話をありがとうございました。最後に読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。

『虫かぶり姫』は少女漫画や恋愛漫画が好きな方に響くエピソードも多いのですが、どの世代の方にも楽しんでいただける要素が詰まっています。キラキラ感やフワフワ感といった乙女チックな部分はもちろん、ヒューマンドラマ的な重みもある作品となっていますので、ぜひ多くの方々に『虫かぶり姫』をご覧いただけたら嬉しいです。



TVアニメ『虫かぶり姫』
10月6日(木)より放送開始!

<放送情報>
AT-X  毎週木曜日21時00分~
【リピート放送】毎週月曜日9時00分~/毎週水曜日15時00分~
TOKYO MX 毎週木曜日23時30分~
関西テレビ  毎週木曜日26時55分~
BS日テレ 毎週木曜日24時30分~

<MAIN STAFF>
原作:由唯(一迅社アイリスNEO/一迅社刊)
キャラクター原案:椎名咲月、喜久田ゆい
監督:岩崎太郎
シリーズ構成:広田光毅
キャラクターデザイン:高橋瑞香
オープニングテ-マ:井口裕香「Prologue」
エンディングテ-マ:伊東歌詞太郎「革表紙」
アニメーション制作:マッドハウス

<CAST>
エリアーナ・ベルンシュタイン:上田麗奈
クリストファー・セルカーク・アッシェラルド:木村良平
アレクセイ・シュトラッサー:内山昂輝
グレン・アイゼナッハ:内田雄馬
テオドール・ウォーレン・アッシェラルド:羽多野渉
アラン・フェレーラ:佐藤元
アーヴィン・オランザ:阿座上洋平
アルフレッド・ベルンシュタイン:島崎信長
ジャン:八代拓

<原作ノベル>
「虫かぶり姫」(一迅社アイリスNEO/一迅社刊) 
第1巻~第6巻好評発売中
第7巻 10月4日発売

<コミック>
「虫かぶり姫」(月刊コミックZERO-SUM/一迅社刊)
第1巻~第6巻好評発売中
第7巻 10月31日発売


(C)由唯・一迅社/虫かぶり姫製作委員会
《吉野庫之介》
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