「もどかしい恋模様を見てほしい」アニメ『それでも歩は寄せてくる』中村カンナにインタビュー | 超!アニメディア

「もどかしい恋模様を見てほしい」アニメ『それでも歩は寄せてくる』中村カンナにインタビュー

夏アニメ『それでも歩は寄せてくる』より、八乙女うるし役を演じる中村カンナのインタビューが「メガミマガジン8月号」に掲載。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

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八乙女うるし役を演じる中村カンナ/八乙女うるし『それでも歩は寄せてくる』(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会
  • 八乙女うるし役を演じる中村カンナ/八乙女うるし『それでも歩は寄せてくる』(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会
  • 八乙女うるし『それでも歩は寄せてくる』(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会
  • 八乙女うるし『それでも歩は寄せてくる』(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会
  • 八乙女うるし役を演じる中村カンナ

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2022年8月号には、夏アニメ『それでも歩は寄せてくる』より、八乙女うるし役を演じる中村カンナが登場。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

歩とうるしのもどかしい 恋模様を見てほしい

――『それでも歩は寄せてくる』という作品の第一印象を教えてください。
じつは、オーディションを受ける前に作品を読んだことがありました。知り合いの声優の方に役者としての演技の方向性を相談していたとき、「こういうキャラクターが合うと思う」と紹介されたのがうるしだったんです。それもあって、オーディションのお話があったときは驚きもありました。

――作品のどんなところがおもしろいなと感じましたか?
コミカルなストーリー展開で、将棋というちょっと硬めに感じられる題材にも触れやすくなっているところです。それから、恋愛もトントン拍子に進んでいくので、そこが読みやすくおもしろいなと感じました。

――うるしの第一印象は?
すごく表情豊かな女の子だなという印象でした。うるしって自分の感情が、全部顔に出ちゃうタイプなんですよね。私はどちらかといえば感情表現豊かなキャラクターを演じるほうが好きだったこともあって、実際に演じてもすごく楽しい子だなと感じています。

八乙女うるし『それでも歩は寄せてくる』(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会

――オーディションのときは、どんな役作りをしていましたか?
オーディション用のセリフがそれほど多くなく、長ゼリフでもなかったので、セリフを読んで感じたことをそのまま声にする感覚でした。それもあって、うるしはわりと素の自分に近い気がします。

――アニメのオーディションに受かったのは、今回が初めてだそうですね。
そうなんです! うるし役に決まったとマネジャーさんから言われたときは大泣きしました。思わず「歩ちゃん役ですか?」って言っちゃったくらいテンパっていましたね(笑)。しかも、しばらく実感がなかったんです。うるしの親友のマキちゃんが花澤香菜さんで、私にとってはレジェンドのような方なので、夢みたいな感覚が強くなっちゃったんですよね。ようやくうるし役に決まったんだと理解できたのは、第3話くらいのアフレコからでした。

――だんだんとアフレコが進むなかで、うるしのどんなところが魅力的だなと感じるようになりましたか?
歩に言い寄られたときに「んあっ!?」みたいなひと言のリアクションがあるんです。でも、それを言った瞬間、心のなかでは「これじゃダメだ」って冷静に自分の感情を整理して強がろうとする。そのテンパり具合と必死に自分の気持ちを計算しようとするところが、うるしの魅力ではないかなと感じています。

――うるしはわりと感情の動きが慌ただしいキャラクターですよね。
リアクションはひと言だけど、毎回違う感情から出ているものなので、前と同じ演技にならないようにと自分でもすごく考えながらのアフレコでした。スタジオでは、うるしに負けないくらい私もテンパっていたと思います。

――うるしは素の中村さんに近いそうですが、演じる際に心がけたことは?
素のまま声を出しても中村カンナであってうるしにならないのでは……と思ったので、最初のアフレコで絵に合わせてかわいめに演じてみたんですね。そうしたらスタッフの方から「もっとがなったり汚い声を出したりしても大丈夫です」って言われて。本当に素の状態でいいんだ……と、それからは飾らずに演じるようにしています。あと、最初のころは台本にないアドリブやリアクションをどこまで入れていいのか悩んでいたんですね。でも、それもディレクションで「もっと入れてもいい」と言われたので、なるべく無理のない範囲で入れるようにしています。

――うるしを演じていて難しかったことはありましたか?
うるしと私に共通点が多いからか、あまりなかった気がします。うるしは将棋部の部長ですが、先輩風を吹かせようとして吹かしきれないところがあるし、私もアルバイト先などで後輩にいじられるタイプなんですね。4人きょうだいの長女なので、年下と接する機会も多くて。本当に好き勝手にうるしを演じている感じです。

――うるしと自分で、一番似ているなと思うのはどんなところですか?
冷静に対応していても、頭のなかでいろんな感情が巡っているところでしょうか。まさに学生時代の私は、うるしと同じタイプだったと思います。

――逆に、似ていない部分は?
うるしのほうが頭がいいです! 彼女は、将棋はもちろんですが、成績も優秀なので、そこは私と違います!

――作品的に将棋のシーンも外せませんが、演じてみての感想は?
将棋のシーンと恋の心理戦が同時進行するので、そこが難しかったですね。それから、将棋を指すシーンは駒の名前や動かし方などを言い慣れていなくて、そこも大変さがありました。でも、将棋シーンが入ることで物語的にも緩急が付いて、よりおもしろくなっていると思います。

――また、うるしにグイグイと迫ってくる歩への印象を教えてください。
一般的には突然「かわいい」って正面切って言われたら、一瞬ドキッとするかもしれないけれど、裏があるのでは……って引いちゃうと思うんです。でも、歩だから許される。歩って、もう「歩」というジャンルがあるんじゃないかというぐらい、キャラクターが確立されているなという印象です。

――確かに、歩は表情変化もあまりないから、どこまで本気なのかがわかりにくいですよね。
そうなんです。歩は中学時代に剣道部にいて、熱い気持ちをまっすぐに伝えることが大切だと思っているから、正面切って攻めてきてもウソじゃないなと思えるんですが、うるしにはなかなか伝わらなくて……。でも、物語のなかで歩視点のエピソードも描かれるので、あの無表情にもだんだんと愛着がわいていきました。

八乙女うるし『それでも歩は寄せてくる』(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会

――うるしと歩以外で、中村さんが気になっているキャラクターは?
みんなそれぞれおもしろいんですが、うるしの親友のマキちゃんだけ高校生っぽくなくて、大学生といわれても納得しちゃうくらいの雰囲気なので気になります。うるしに的確な恋のアドバイスをしてくれるので、彼女がどんな恋愛を経験してきたのかも知りたくなるんです。アフレコ現場でも、「どんな恋をしてきたのかな?」「相手は年上の人かな?」とみんなで話しました。

――アフレコ現場は、とても和やかな雰囲気なんですね。
キャストが少なめだったので、掛け合いもちゃんとできて、私としてはとてもありがたかったです。また、歩役の阿座上洋平さんが座長として、作品にちなんだ話題や声優を目指したきっかけなども聞いてくださって。すごく場が和みましたし、皆さんと仲良くなれました。

――放映目前ですが、ぜひ冒頭の見どころを教えてください。
私は歩とうるしは王道カップルだと思っています。そんな2人はもちろん、歩の幼なじみである角竜タケルと御影桜子の不思議なカップルにも注目してほしいです。どちらの関係もキュンキュンするのですが、ちょっと違いがあるのでその差を見比べつつ、それぞれの個性がぶつかりあっていく展開を楽しんでもらえたらと思います。

MegamiにQuestion!

Q.自分のチャームポイント
A.広いおでこ
自分は見慣れているからいいんですが、友達に見せると「本当に広いね」としみじみされます!
Q.自分のニックネーム
A.かんち、かんちゃん
いまよく呼ばれるのは、かんちとかんちゃんです。カンカンもありましたが浸透しませんでした(笑)。
Q.自分の声の特徴
A.うるさい(笑)
声が通り過ぎるみたいです。でも、お店で店員さんを呼ぶのは得意です。
Q.自分の性格
A.正直で、好きなことに突き進む
知り合いからは「朝ドラのヒロインみたいだね」って言われることもあります。自分としてはあんなにキラキラしていないと思うのですが、ウソがつけなくてこうと決めたらとことん突き進むところが似ているみたいです。
Q.いま、ハマっているものは?
A.スパイスカレー
下北沢で初めて食べてから感動してすっかりハマりました。コロナ禍になってからは、スパイスをそろえて自分でも作るようになりました。
Q.自分にとっての“弱点”は?
A.空腹
おなかがすくと、何も考えられなくなっちゃうんです。アフレコ中におなかが鳴ったらどうしようって考えはじめるといっぱいっぱいになってしまいそうなので、アフレコ前には必ずしっかり食べるようにしています。
Q.学生時代に熱中したことは?
A.推し活。いろんなアーティストさんのライブに行っていました!
学生時代はずっと帰宅部で、推し活に励んでいました。ライブイベントが好きなので声優さんとかアーティストさんのライブに行ったりしてました。いつか、また声が出せるようになったら、ライブでコールをしたいですね。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.もどかしすぎるラブストーリー
制作の人は「ムズきゅんラブストーリー」を浸透させたいみたいで、私も「ムズきゅん」だなぁと思います。でもそれ以上に、もどかしいんですよ。原作を読んでいても、まだ気づいていないの!? みたいなところもあって、小さな進展をもどかしく見守ってもらえたらと思います。

[取材・文/野下奈生(アイプランニング)]
※本稿の内容は「メガミマガジン」2022年8月号でインタビュー時のものです。

■プロフィール
中村カンナ(なかむら・かんな10月26日生まれ。大阪府出身。Rush Style所属。主な出演作は、アプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』ナリタトップロード役、『聖塔神記 トリニティトリガー』エリス・クオイズ役など。

■作品情報:TVアニメ『それでも歩は寄せてくる』
『それでも歩は寄せてくる』の原作は、『からかい上手の高木さん』で知られるマンガ家・山本崇一朗が「週刊少年マガジン」にて連載中のムズきゅん“盤外戦”ラブコメディ。2人しか部員がいない将棋部を舞台に、八乙女うるしと、彼女に惚れている将棋初心者・田中歩の駆け引きが描かれている。
▼放送情報
TBS:7月7日(木)深夜1時35分
※TBSでのレギュラー放送は毎週木曜 深夜1時28分からとなります。
BS-TBS:7月9日(土)深夜2時00分から放送予定。

(C)山本崇一朗・講談社/「それでも歩は寄せてくる」製作委員会


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