気高くも無謀な姫の願いその結末を描くための続編『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章』橘正紀監督×湯川淳チーフプロデューサー対談 | 超!アニメディア

気高くも無謀な姫の願いその結末を描くための続編『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章』橘正紀監督×湯川淳チーフプロデューサー対談

メガミマガジン11月号では現在公開中の『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章』を特集。ここでは橘正紀監督と湯川淳チーフプロデューサーによる対談のなかから、一部を抜粋して紹介します。

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気高くも無謀な姫の願いその結末を描くための続編『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章』橘正紀監督×湯川淳チーフプロデューサー対談
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アニメ・ゲーム美少女キャラクター情報誌「メガミマガジン」。発売中の11月号では現在公開中の『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章』を特集。新たな敵の登場で急展開を迎えた本作の見どころを紹介ししています。今回は橘正紀監督と湯川淳チーフプロデューサーによる対談を掲載。テレビシリーズとの違いなどについておはなしを頂いています。ここでは誌面に掲載したインタビューの一部を抜粋して紹介します。

テレビシリーズとの最大の違いはフィルムスコアリングを採用したこと

――『Crown Handler』(以下、『CH』)を制作するにあたり、もっとも意識したことはなんですか?

湯川 「テレビシリーズ最終話まで視聴いただいたファンの方がモヤっとしていることをきちんと描く」ですね。

 テレビシリーズでは、プリンセスが壊したいと言っていた壁を壊すこともなく、ノルマンディー公との直接対決もなく、「アンジェとプリンセスの物語」という形でまとめました。それは企画を進めていた初期の段階から「女子校生が壁を壊すのは無理があるのでは?」という考えがあったからなんですけど、同時に「それでは視聴者の方はモヤっとするだろうな」とも思っていて。だから続編では、まずそこにふれることを前提としたんです。

――シナリオ作りで苦労したことは?

 まずひとつには、本作のストーリーは基本的に謎解きのような展開になるので、「どういう謎を用意して、どうやって解いていくか」という部分ですね。スパイ同士の対決は、化かしあいだましあいになるので、それをどううまく視聴者の方に伝えるかということが大事になってくる。第2に、本作は19世紀末のロンドンを舞台にしているので、その時代感を再現しつつスチームパンクとしての余白も残すこと。スパイ物のリアリティはリサーチャーの白土(晴一)さんにお任せしていて、白土さんと設定協力の速水螺旋人さんにアイディアを出していただき、そこから話があちこち脱線しながら、中身のディティールを固めていった感じです。

――劇場公開作品ということで、新たに試みたことはありますか?

湯川 まず音響が5.1chになりましたが、なによりフィルムスコアリング(映像に合わせて音楽を作曲する方式)にしたことが最大の違いですね。テレビシリーズはまず音楽があって、それをシーンごとにあてていくという一般的なやり方をしていたんですけど、『CH』では映像が先にあって、音響監督の岩浪(美和)さんが音楽の梶浦(由記)さんに「ここにこういう音楽がほしいです」と伝えて、シーンに合わせて音楽を作っていただきました。

――映像面はどうでしょう?

 じつは絵的な部分は、テレビシリーズの段階でかなり作りこんでいるので「劇場版でさらに!」ということはできなかったんです。

――テレビシリーズの時点で劇場作品並のクオリティに達していたわけですね。

 そうですね。テレビシリーズでは、美術監督の池(信孝)さんが最初にボードを描いてくれたんですけど、この方はずっと今敏監督の作品に美術監督として関わられていた方なんです。ずっと劇場作品の背景を担当されてきた方なので、ものすごく緻密な絵を描かれるんです。その池さんに決めていただいた色のバランスや美術ボード(素材)などをもとに、美術監督をされているスタジオイースターの杉浦(美穂)さんが細かい背景美術を作ってくださったんですけど、あれをテレビシリーズのスケジュールでできたことが奇跡といいますか、僕らにとっては非常に幸運でした。アクションシーンにしても、以前は「このアングルだと新しくCGを作り起こす必要があるからやめよう」ということがあったんですが、『CH』では自由にアングルに凝ることができるようになった。いろいろできるようになったことで、アクションが派手になっているのかもしれないですね。

――派手さでは、劇場に潜入したアンジェとドラゴンが戦うシーンが印象に残っています。

 第1章はかなりシリアスな方向に話をふったので、第2章は少しライトにしようということになり、スチームパンク劇場や機械で動くドラゴンなど見た目的に派手なものや、ケイバーライト爆弾のような大きなガジェットを出すようにしました。

湯川 第1章がどうしてもキャラクターの話にならざるをえなくて、内容もシックな感じになっているので、第2章はアクションメインにしようという話はありましたね。

橘正紀
たちばな・まさき●フリーのアニメ監督、演出家。主な監督作品は、『東京マグニチュード80』『ばらかもん』『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』など。

湯川淳
ゆかわ・あつし●プロデューサー。株式会社バンダイナムコアーツ所属。 主な代表作は『コードギアス』シリーズ、『ガールズ&パンツァー』シリーズ、『アイの歌声を聴かせて』など。

メガミマガジン11月号本誌ではこのインタビューの長文版を紹介。作品への理解が深まる、読み応え抜群の内容になっています。詳しくはメガミマガジン11月号をチェック!


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【作品概要】
MOVIE
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章
全国劇場にて上映中
STAFF……監督/橘正紀 シリーズ構成・脚本/木村暢
キャラクター原案/黒星紅白
キャラクターデザイン/秋谷有紀恵、西尾公伯
総作画監督/西尾公伯 コンセプトアート/六七質
メカニカルデザイン/片貝文洋 音楽/梶浦由記
音響監督/岩浪美和 美術監督/杉浦美穂
アニメーション制作/アクタス
CAST……アンジェ/古賀葵 プリンセス/関根明良 ドロシー/大地葉
ベアトリス/影山灯 ちせ/古木のぞみ L/菅生隆之
7/沢城みゆき ドリーショップ/本田裕之 大佐/山崎たくみ
ノルマンディー公/土師孝也 ガゼル/飯田友子 ほか


(C)Princess Principal Film Project
《メガミマガジン編集部》
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