アニメ!アニメ!では、本作で死柄木弔役を演じる内山昂輝さんにインタビューを実施。TVシリーズが始まり約5年、“悪の支配者”として成長していく死柄木弔はどのように作られていったのかお話をうかがった。
[取材・文・撮影:吉野庫之介]
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答えのない連載漫画キャラの役作り
――TVシリーズ第1期が始まってから約5年が経過しますが、当初と比較して死柄木弔の変化を感じる部分や印象深いシーンはありますか?
内山:この5年間でビジュアル面も含めてそれなりに変化があったと思うのですが、自分のなかではガラッと変わったというよりも、いろいろな展開を経て今があるという感じがするので、変化があるとも言えるし、ないとも言えるという感覚です。
とくに敵(ヴィラン)連合のキャラクターたちはいつもピンポイントで登場してきたので、全ての回でフルに頑張らないといけないんですよ。登場するとすぐにクライマックスがくる感じで。死柄木たちは1期のUSJ襲撃事件で初登場したわけですが、そこから体育祭などの雄英高校メインのストーリーになると登場しない時期も長かったり。だからこそ、すべてのシーンが印象深いですね。
――たとえば目的や行動の変化にフォーカスすると、“オールマイトの引退”は死柄木にとってもターニングポイントとなっていたり。
内山:たしかに。死柄木には、自分の違和感を突き詰めていった結果、すべてがオールマイトにつながっていたという発見があり、その後の彼の行動原理にもなっていたと思うので、オールマイトが一線から退いたというのは大きな出来事だったかもしれません。
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――死柄木の役作りはどのように進められていったのですか?
内山:序盤のほうでは「相手と会話しているんだけど、独り言のように聞こえたほうがいい」というふうによく演出されました。話が通じない嫌な雰囲気がほしいということだったのかもしれません。
――内山さんは他作品などでも“強大な力を持った悪役”を演じる機会があるかと思うのですが、たとえば『HUNTER×HUNTER』のメルエムなどと比較すると、死柄木の異質さをどのような部分に感じますか?
内山:メルエムの場合は人間ではなく“蟻の王”という、そもそも生物として特殊な存在で、生まれてからクライマックスに至るまで急速な成長を遂げていく側面と、王様と崇められる尊大な雰囲気、そして子どものようなピュアさなどが構成要素として挙げられますが、死柄木の場合はやっぱり人間ですからメルエムとは違います。
これから放送されるストーリーのなかでは死柄木の過去が描かれますが、育った家庭環境のなかで“とあるアクシデント”が起こったことにより、彼は今に至る人生を歩んでいる。そういった事情を頭に入れたうえで、彼がどのように物事を考えるのか、ひいては喋りかたはどうなるのかなどと考えることは、いわゆる役作りにありがちなことかもしれません。
ただし、連載漫画の場合はそれができないことのほうが多いんです。『ヒロアカ』もアニメが始まったころは死柄木の過去についてほぼ明かされていない状態だったので、そのときにあった材料のなかで組み立てていって絶えず更新していくしかない。
――たしかにキャラクターを深掘りするにしても、連載漫画では得られる情報量に限界があったり、勝手に予測してはいけない部分がありますよね。
内山:たとえば、悪役として登場したけど実は良い人でしたというパターンもあれば、主人公側に寝返る可能性もあるわけで。最初から純粋な悪として演じると、もしかしたら失敗するかもしれない。だからといって、どっちつかずでニュートラルにやるわけにもいかない。連載中の漫画のキャラクターを演じるということは、そんな“答えのない作業”でもあるんです。
だからこそ、その場のベストを自分自身で見つけていかなければならないし、スタッフの方々の考えを頼りにすることも重要です。結局は、“全員でキャラクターを作りあげていく”というか。また、先が読めないからこそ連載を追いかける楽しみがある。その辺りが連載漫画のアニメ化の醍醐味なんだと思います。
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予想を越えた原作の展開を、今度はテレビアニメとして
――死柄木目線から見て、敵(ヴィラン)連合メンバーの信頼関係はどのようにうつっていると思いますか?
内山:最初のUSJ襲撃時に黒霧や脳無と一緒に戦っていたところから、トガヒミコや荼毘など新たなメンバーが加わり、敵(ヴィラン)側も登場人物が増えていきましたが、連合はすごい仲良しってわけでもなさそうだし、不思議な集まりだなと思っています。
――戦闘シーンでの連携を見ているとヒーロー側と同じく成長を感じます。また、今回のストーリーではいよいよ死柄木の過去が描かれますが、アフレコはいかがでしたか?
内山:今回描かれる死柄木の過去は心地よい展開ではなく、それを背負ったうえでセリフをつくっていくというのは辛く大変な部分もありました。こういう苦しみはこのお仕事には付き物だけど、やっぱりしんどいなあと。
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――最後に今後の注目ポイントを含めて視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
内山:「僕のヴィランアカデミア」的な展開が始まって、デクたちの成長物語の方をもっと見たいんだ!というご意見もあるかと思いますが(笑)、もうしばらくは敵(ヴィラン)連合のお話を楽しんでいただければと思います。
僕らもアニメが始まったころはこんな展開がくるとは予想していませんでした。やはりこれこそが連載漫画の醍醐味だと思いますし、その予想を越えた原作の展開を、今度はテレビアニメとしてぜひお楽しみください。
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『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第5期
毎週土曜夕方5:30
読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット※一部地域を除く
<スタッフ>
原作:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
総監督:長崎健司
監督:向井雅浩
シリーズ構成・脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦・小田嶋瞳
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ
第2クールオープニングテーマ:「Merry-Go-Round」MAN WITH THE MISSION
第2クールエンディングテーマ:「嘘じゃない」崎山蒼志
<キャスト>
緑谷出久:山下大輝
爆豪勝己:岡本信彦
轟焦凍:梶裕貴
エンデヴァー:稲田徹
ホークス:中村悠一
相澤消太:諏訪部順一
オールマイト:三宅健太
死柄木弔:内山昂輝
荼毘:下野紘
トガヒミコ:福圓美里
トゥワイス:遠藤大智
Mr.コンプレス:最上嗣生
スピナー:岩崎了
四ツ橋力也:平田広明
近属友保:杉田智和
花畑孔腔:間島淳司
気月置歳:本田貴子
外典:山下誠一郎
毎週土曜夕方5:30
読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット※一部地域を除く
<スタッフ>
原作:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
総監督:長崎健司
監督:向井雅浩
シリーズ構成・脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦・小田嶋瞳
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ
第2クールオープニングテーマ:「Merry-Go-Round」MAN WITH THE MISSION
第2クールエンディングテーマ:「嘘じゃない」崎山蒼志
<キャスト>
緑谷出久:山下大輝
爆豪勝己:岡本信彦
轟焦凍:梶裕貴
エンデヴァー:稲田徹
ホークス:中村悠一
相澤消太:諏訪部順一
オールマイト:三宅健太
死柄木弔:内山昂輝
荼毘:下野紘
トガヒミコ:福圓美里
トゥワイス:遠藤大智
Mr.コンプレス:最上嗣生
スピナー:岩崎了
四ツ橋力也:平田広明
近属友保:杉田智和
花畑孔腔:間島淳司
気月置歳:本田貴子
外典:山下誠一郎
(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会