『イジらないで、長瀞さん』のオープニングテーマ「EASY LOVE」をリリースする上坂すみれがインタビュー企画「Megami’sVoice」に登場 | 超!アニメディア

『イジらないで、長瀞さん』のオープニングテーマ「EASY LOVE」をリリースする上坂すみれがインタビュー企画「Megami’sVoice」に登場

「EASY LOVE」をリリースする上坂すみれにインタビュー。

ニュース
注目記事
上坂すみれアーティスト写真
  • 上坂すみれアーティスト写真
  • 「EASY LOVE」初回限定盤
  • 「EASY LOVE」アニメ盤
 アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2021年5月号には、シングル「EASY LOVE」をリリースする上坂すみれが登場。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。

「EASY LOVE」初回限定盤

複雑な愛情表現が詰まった『長瀞さん』のOP


――表題曲の「EASY LOVE」は、上坂さんが長瀞さん役で出演する『イジらないで、長瀞さん』のオープニングテーマです。作品への印象は?
 ヒロインといえば“ツンデレ”というイメージだったので、好奇心や好きという気持ちが“イジる”に変換されることに新しい価値観を感じ、令和っぽいなと思いました。物語冒頭の長瀞さんは、センパイに対して容赦がなく、顔立ちも野性味が強くて、ちょっと怖いんですね。でも、物語が進むにつれて、彼女なりの愛情表現や素直になれないかわいさ、いじらしさが理解できるようになりました。

――冒頭部分で感じる長瀞さんの怖さを、演じる際に緩和できるように考えましたか?
 イヤな子にならないようにという案配が難しかったですが、映像のほうで本当は悪い子じゃないかもしれないとわかるように描いてくださっているので、そこは安心できました。演じる際は、基本はローテンションで、でも終始ニヤけ顔で口元が笑っているイメージでお芝居をしています。

――「EASY LOVE」の曲を聞いた感想は?
 1番の歌詞が入った状態でワンコーラス分のデモを聞いたのですが、「EASY LOVE」というフレーズが印象的で、ラブソングらしさもアニメソングらしさもある曲だなと思いました。元気が出る曲だったので、聞いたときはテンションが上がりました。

――歌詞は森月キャスさんとの共作です。
 題材的に自分で書きたい気持ちがあったのと、作詞をすると歌うときにイメージがしやすくなるということもあって、すでにできあがっていた1番以降は書いてみたいとお願いしました。

――歌詞を書く際は、どういったことを心がけましたか?
 もともと私は作詞をするときは難しい言葉を選びがちなんです。でも、この曲はわかりやすい言葉で書いたほうがいいなと直感的に思って。最近は音楽番組もいろいろと見るようになり、わかりやすい言葉で歌詞を書きつつも薄っぺらくならないJ-POPの魅力も感じていたので、わかりやすさを意識してみました。実際にできあがってみたら、ひらがなが多くてちょっと不安になりましたが(笑)、サビの1行目やBメロは、情景が浮かぶような言葉を選べたなと思います。それから、ライブを意識した歌でもあったので、お客さんに合いの手を入れていただける部分もかなりたくさん作りました。全体のイメージとしては、聞いてくださった方が、防御力は低いけどガンガン進んでいくタイプである長瀞さんのような子を思い浮かべてくださったらうれしいですね。

――レコーディングのときは、どんなアプローチをしようと思いましたか?
 展開がコロコロ変わるので、かわいく歌いつつ、少しトーンを変えたり、主旋律とコールの部分で声に差をつけたりしてみました。ただ、あまり要素が多いと聞いている方が疲れてしまうと思うので、歌いやすさと聞きやすさのバランスをよく考えました。あとは、楽しく歌うことですね。勢いが大事な曲だったので、難しいと思った部分はなかったんですが、とにかく物量が多くて。ハモリや合いの手は6パターンも録ったので、レコーディングのあとはかなりヘロヘロになりました。

――スタッフの方からは、何かディレクションはありましたか?
 ディレクションをしてくださった方が、言葉ではなくて、歌って教えてくださる方だったんですね。私は細かいディレクションがあまり得意ではなく、あまり続くとだんだんしょんぼりしていっちゃうのですが、楽しげに歌ってディレクションしてくださったおかげで、イメージが伝わりやすく、最後までテンションを高く保つことができました。

――ミュージックビデオ(MV)は、制服姿、メイド姿、ヒッピースタイルと、個性が弾けた映像になっていましたね。
 制服以外にヒッピースタイルのヒッチハイカーやメイドさんが出てくると思わなかったので、ちょっとビックリしました。でも、ロケで学校や川沿い、きれいなお屋敷にもいきましたし、すごく楽しい撮影でした。

――MV撮影で印象的だったことは?
 私はロケ地を晴れさせる力があるので、今回も見事に晴れました。それから、今回は学生、メイド、ヒッチハイカーのキャラクターがはっきりしていたので、制服のときははつらつと、ヒッチハイカーは謎めいた雰囲気にして、メイドさんは2人きりだと強気になるようなイメージで表情を作っていきました。全体的に明るめで、笑顔が多めのMVになりましたね。

――カップリング「夢みるメイドガール」でも、上坂さんが作詞を手がけています。
 この曲が最後にできあがったんですが、「EASY LOVE」と3曲目の「ヒミツのトモダチ◇」が激しめの曲だったので、かわいい曲にしたかったんです。それから私は、メイドロボットへの憧れがすごく強いんですね。初めて秋葉原にいって買ったMOSAIC.WAVさんのアルバムに収録されていた「魅惑のツンデロイド」を聞いて以来、メイドロボットっていいなぁと思っていたので、その気持ちを好きなように歌詞を書かせていただきました。

――歌詞に登場するメイドロボットは、どんなキャラクターだと思いながら作詞をしたのでしょうか?
 私のなかのメイドさんは、どんなことがあっても絶対にご主人様に付き従ってくれる忠誠心を持ち、同時にご主人様に恋愛感情を持つようなイメージなんです。そしてなぜか強い。なので歌詞は、昔は兵器として使われていたロボットが、平和になって家庭用のロボットに作り替えられ、やさしいご主人様に会えたという物語を想定しながら書いていきました。

――レコーディングでのこだわりは?
 私の個人名義の曲は、何かと戦っている感じのものが非常に多いんですが、キャラソンを歌うときはかわいい系の曲が多いんです。なので、この曲はキャラソンっぽく、かわいく強いメイドロボが歌っているようなイメージでレコーディングをしました。

――セリフが入っているのも特徴的ですよね。
 ほかの歌詞は一人称ですが、ここは視点を変えたくて、あえて声のトーンも変え、ナレーションのようにしてみました。

――3曲目の「ヒミツのトモダチ◇」の曲を聞いたときの感想は?
 あまり遭遇したことがない雰囲気の曲だなと思いました。歌詞も全部完成していて、自分のボキャブラリーにないワードが多く、そこにも引かれました。

――歌詞に出てくる「ヒミツのトモダチ」はどういう存在だと思って歌いましたか?
『イジらないで、長瀞さん』のセンパイの深層心理みたいなイメージがありましたね。友達がいない人が生み出した、自在にできるイマジナリーフレンド、二次元嫁みたいな。歌詞の解釈は人によってわかれると思いますが、トモダチ側の意見がまったく反映されていない一方的な感じもあって、不思議な歌だなと思っています。

――歌うときのポイントは?
 作詞・作編曲をしてくださったMUTEKI DEAD SNAKEさんが仮歌を歌ってくださって、それを聞いてかっこよく歌うことにおもしろさを感じたので、まずかっこよく。そしてはたから見たら存在しないトモダチだけど、自分には最高の嫁なんだという気持ちを込めて、ノリノリで歌いました。“隠居”というワードから虚勢を張るイメージを感じたので、最初に感じた以上に強気にも歌いましたね。

「EASY LOVE」アニメ盤

一方的な愛を表現した3曲になりました


――ジャケットは、フラミンゴが印象的です。
 今回、はじめましてのデザイナーの方にお願いをしたんですが、いくつかの案からフラミンゴのかわいさに引かれて、このモチーフに決めさせていただきました。フラミンゴの首の形がハートの半分みたいだなと思って選んだのですが、まさかこんなに生々しいフラミンゴが来ると思っていなくて、珍しさのあまり触りまくりました(笑)。衣装のファンタジー感と、ものすごく大きいイヤリングを目立たせたることを意識して撮っていただきました。すごく重いイヤリングだったんですが、かわいく写っていてよかったです。

――アート感が強めのジャケットになりましたよね。
 ダイニングに飾っていてもご飯がまずくならないアート性がありますよね(笑)。曲調は3曲ともバラバラですが、一貫して一方的な愛を表現しているので、フラミンゴが絶対に2羽並ばず、ハートは完成しないところもおもしろくできあがったなと思います。

――この1年、自分の考え方などに新型コロナウイルスの影響はありましたか?
 私にとっては我が身を振り返れる時間をもらえました。家は最高だしネコはかわいいし……。新しい発見が多かったですね。何より、自分で思っているよりもイベントやライブを大切にしていたんだと自覚できました。みんなに会えないさびしさ、みんなに会いたい欲がとても高まる年でもありました。

――では、最後に読者にメッセージをお願いします。
 アルバムが菓子折りのようになんでも詰められるものだとすると、シングルはケーキをひとつだけ作るような感覚で、エッセンスを厳選し濃縮した作品を作れたと思っています。今回の3曲は中止になってしまったライブのことも考えつつ、ライブで歌いたいという気持ちを込めて作りました。すぐにライブをすることは叶いませんが、家でならいくらでも大きな声を出せると思うので、CDをご購入いただき、家で、大きな声で私を応援してくださったらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

Profile
上坂すみれ【うえさか・すみれ】12月19日生まれ。ボイスキット所属。2013年4月にシングル「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。これまでにシングル10枚、アルバム4枚、企画アルバム1枚、EP1枚をリリース。声優としての主な出演作は、『スター☆トゥインクルプリキュア』キュアコスモ/ユニ役など。

「EASY LOVE」リリース情報
発売日:2021年4月21日(水)発売
レーベル:キングレコード
表題曲は、自身が長瀞さん役で出演するテレビアニメ『イジらないで、長瀞さん』のオープニングテーマ。疾走感のあるロックチューンに乗せて、素直になれない恋心を歌い上げる。カップリングは「夢みるメイドガール」「ヒミツのトモダチ◇」。初回限定盤には、表題曲のミュージックビデオとメイキング映像を収録したDVDを同梱。

価格:
初回限定盤1.980円(税込)
期間限定アニメ盤、通常盤各1430円(税込)

Information
上坂すみれがパーソナリティをつとめるトーク番組がYouTubeでスタート!
『上坂すみれのおまえがねるまで』
毎週土曜22時~

(C)ナナシ・講談社/「イジらないで、長瀞さん」製作委員会
《M.TOKU》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集