天真爛漫だけど気遣いができるところも表現したい
――本作に触れる前、どのくらい『WIXOSS』シリーズについて知っていましたか？
放映されていたアニメは見ていました。最初は、かわいい女の子たちが自分の夢に向かって熱いカードバトルを繰り広げる青春アニメというイメージだったんですが、話が進むにつれて結構ダークな雰囲気だなと感じて。すっかりだまされました。
――『WIXOSS DiVA(A)LIVE』の印象は？
今回は応援してくれる人がセレクター（過去シリーズのプレイヤー）だということにまず驚きました。オーディションのときは、細かな設定はまだわからなかったのですが、台本をいただいてから、もしかしたらこれまでのシリーズとは違う、明るいお話なのかもしれないと感じました。
――福積さんが担当している明日平和（以下ヒラナ）は、前向きでつねに明るいキャラクターですよね。
いままでのシリーズは、夢はあっても下を向いているタイプのキャラクターが多かったので、天真爛漫なヒラナは新しいタイプだと思いました。オーディションでは別の役も受けさせていただいたんですが、ヒラナを演じているときに彼女の視界に引っ張られる感覚があったんです。だから、ヒラナ役に選んでいただいてうれしかったです。
――そんなヒラナを演じるとき、どんなことを心がけていますか？
チーム戦「ディーヴァバトル」のときも、とにかく楽しそうなのがヒラナなんです。でも、ただ楽しんでいるだけじゃなく、きっと信念があるのだと思うし、バトルに対するひたむきさも感じていたので、その思いをまっすぐに出せるように心がけています。ヒラナ自身、突っ走っていきつつ、周りへの気遣いもできるので、その芯のある部分を表現したいと思っています。
――ただ、何かとトラブルを起こすのもヒラナですよね。
がんばる気持ちが空回りした結果というか……。トラブルを起こす元凶ではあるんですが、悪気は決してないんです。正義感も強いし、気持ちが熱いだけでなんですよね。そのホットな部分も、皆さんに伝えていきたいです。
――ヒラナを演じるときに、難しいと感じるところはありますか？
ヒラナなりに感情の起伏はしっかりとあるので、それをどう出していくのかはつねに考えています。
――第4話までで、ヒラナを魅力的だなと感じるところは？
顔芸がすごいところ（笑）。リアクションが大きいところがかわいいんです。それから、自分がなりたい姿がちゃんと見えていて、その上で相手に向き合っているところです。チームを組む前にレイちゃんやアキノちゃんにちゃんと向き合って、どうして一緒にやりたいかを説明する姿は説得力があって、すごく素敵だなと思いました。
――カードバトル中は専門のワードも出てきます。実際にいってみた感想は？
これまでのシリーズで（小湊）るう子ちゃんたちが言っていたセリフを私も言えるんだとうれしくてたまりませんでした。それから本作では、バンド系なら音の波動が飛ぶなど、ディーヴァの系統で攻撃が異なるんです。それを受けたときにどんな感じになるのかを想像しながら演じるのはとても楽しいです。
――スタッフの方からはどんなディレクションがありますか？
私がアニメのレギュラーで出演させていただくのが初めてだったので、最初は必死に声を張っていたんです。そうしたらスタッフの方から「キャラクター同士の心理的な距離を出せると、ヒラナも生き生きして見えるよ」と教えていただきました。それから、ヒラナの表情が崩れたときも「もっとアホっぽくやっていい」とか、ラップをするシーンでは「できなくていいのでノリノリでやってください」と細かく指示をいただいています。
――アフレコには慣れましたか？
ようやく落ち着いて周りの声を聞けるようになりました。レイ（魁令）役の白石晴香さんと、アキノ（温故昭乃）役の星ノ谷しずくさんの演技にも自然に応えられるようになってきています。
――ヒラナに共感できるところは？
ヒラナはレイに憧れているんですが、じつは私も白石さんに憧れていたんです。第1話で、レイがヒラナを呼び捨てにしてくれたときは、私もアフレコで白石さんに名前を呼んでいただいたときのことを思い出してうれしくて。あと、ヒラナと同じように考えずに行動することは多いですね。ただ、私とヒラナで違うのはあとで反省するところ。それから、ヒラナは第１話でメンバー募集のチラシの文字を思いっきり間違えているんです。私は漢字が得意なほうなので、そこは似ていません。
――ヒラナの憧れる部分は？
自分の夢や希望、やりたいことを大きな声で言えるところです。否定的なことを言われても、やりたいと言い切れるところがかっこいいです。
――ヒラナが所属するディーヴァ「No Limit」のメンバーには、どんな印象がありますか？
レイは孤高のプロフェッショナルという雰囲気で、冷たく見られがちですが、ふとした表情からやさしさが伝わってくるんです。話が進むにつれてヒラナに心を開いてくれて、ノリツッコミしたり、ボケたりするようになるんです。すごくお茶目でキュートな女の子だなと思うようになりました。アキノは困り顔で、隅で小さくなっているような印象が強くて、守ってあげたくなります。バトルに積極的ではなかったけれど、「WIXOSS」に対する気持ちは3人で一番強いかもしれない。3人のなかで一番ギャップがあるので、成長を見守りたくなります。
――No Limitで、オープニング「D-(A)LIVE!!」も担当しています。
はじまりの空気感があって、明るくて前向きな歌詞が多く、すごく耳に残る曲です。キャラクターソングを歌うのは初めてだったので、ヒラナだったらどう歌うか、裏声は使わないんだろうなとか考えながら歌いました。レイとアキノに話しかけるような歌詞があるんですが、そこは歌うというより語りかけるようなイメージで。いろいろな歌い方ができてうれしかったです。
――いま、福積さんが気になっているキャラクターは誰ですか？
「カードジョッキー」のMC.LIONちゃんです。小柄でかわいい外見がすごく好きで、セリフの言い回しも愛おしいんです。
――今後の見どころをは？
勢いだけで戦っていたヒラナが、アキノのサポートやレイのアドバイスで、考えながらバトルをしていくようになります。ヒラナの成長も見ていただきたいですし、ヒラナとチームを組んだことでレイやアキノの心の成長も見えていきます。ぜひ見守ってください。
MegamiにQuestion
Q.チャームポイント
A.首筋のホクロ
吸血鬼に噛まれたみたいに2個並んでいるので、中学生のころはよく「私は吸血鬼に噛まれて死んだんだ」と言っていました（笑）。でも、今のところ誰にも気づいてもらえません。
Q.ニックネーム
A.づみちゃん
養成所で一番仲のよかった子が呼んでくれたんだと思うんですが、最初がいつだったのかはちょっと覚えていません。名前が「ふくづみ」でよく「ふくずみ」と間違われるので「づ」と最初から書いてくれる方には愛を感じます。
Q.自分の声の特徴
A.おもしろい声
高いようでそんなに高くなく、通るけれどキンキンしていないと言っていただくこともあります。おもしろい声だねともよく言われます。
Q.自分の性格
A.人との距離の取り方が不器用
手先ではなくて、人との距離の取り方がちょっと不器用なのかなと思います。私は、仲よくなりたいと思うと、ぐいぐい行っちゃうタイプで、たまに驚かれたりするんです。そうなると、次に今度私が引き過ぎちゃって……。パーソナルスペースを見誤ることが多いです。
Q.いま、ハマっている趣味は？
A.飼っているハリネズミの写真や動画撮影
数か月前にハリネズミの「くるみちゃん」を飼い始めました。警戒心が強い生き物なので、最初は顔も見せてくれなかったのが、最近慣れてきてくれて、寝姿を見せてくれるようになったんです。フォルムが好きで、背中はトゲトゲなのにおなかはふわふわというバランス感覚の悪さが愛おしくて、ずっと撮影しています。
Q.もし自分がディーヴァになるとしたら？
A.アイドル系かバンド系
アイドルは女の子の憧れだと思うので、一度やってみたいです。あとはバンド系。楽器を習った経験もあるので、それが持って行けるなら楽しそうですよね。バンド系だったらドラムをやりたいです。
Q.3人でチームを組んだとき、自分は何役？
A.にぎやかし……？
決してリーダータイプではなくて、どちらかというと周りでわーわー言っているにぎやかし役ですね。盛り上がってくると率先してふざけてしまいがちです。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.キラキラスポ根TCG
『WIXOSS DIVA(A)LIVE』は、色使いも世界観もキラキラしているんです。でも、かわいいだけじゃなく、ガチなバトルも繰り広げている。スタッフさんも「スポ根だよね」とおっしゃっています。それに「TCG（トレーディングカードゲーム）」を盛り込みました。
取材・文／野下奈生（アイプランニング）
プロフィール
福積沙耶【ふくづみ・さや】9月26日生まれ。EARLY WING所属。主な出演作は、『五等分の花嫁』『ネコぱら』など。声優ユニット・teaRLoveのメンバーとしても活動中。
『WIXOSS DIVA(A)LIVE』作品情報
毎週金曜日深夜0時30分よりTOKYO MXほかにて放映中
【あらすじ】
カードゲーム「WIXOSS」では、バーチャル空間で3人組となって戦う「ディーヴァバトル」が流行していた。主人公の明日平和は、かつてのトップディーヴァ「夢限少女」に憧れてバトルに参加する。
(C)LRIG/Project WDA
