東山奈央、キャラクターソングベストアルバム『Special Thanks!』をリリース!今までに出会ってくれたキャラクターたちに”ありがとう”への気持ちを | 超!アニメディア

東山奈央、キャラクターソングベストアルバム『Special Thanks!』をリリース!今までに出会ってくれたキャラクターたちに”ありがとう”への気持ちを

東山奈央が声優デビュー10周年を記念したキャラクターソングベストアルバムをリリース。本人が自らセレクトした全25曲を、CD2枚組で収録している。発売中のアニメディア9月号ではインタビュー記事が掲載。超!アニメディアでは …

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 東山奈央が声優デビュー10周年を記念したキャラクターソングベストアルバムをリリース。本人が自らセレクトした全25曲を、CD2枚組で収録している。発売中のアニメディア9月号ではインタビュー記事が掲載。超!アニメディアでは、本誌に紹介しきれなかったロング版をお届けする。なお、本誌では、色紙プレゼント企画も実施しているので、こちらもチェックいただきたい。


 

スペシャルサンクス「今までに出会ってくれたキャラクターたち」

――声優デビュー10周年、おめでとうございます。

 ありがとうございます!

――キャラクターソングベストアルバム『Special Thanks!』制作の経緯を教えてください。

「声優デビュー10周年ということで、何かできないかな」というところからスタートしてディレクターさんから「キャラソンベストはどうですか」と提案していただきました。私にとっても思い出深く、濃いキャラソンがたくさんあったので、全部を入れることは無理でも、ハイライト的に入れられたらいいなと思い、ぜひとお願いしました。

――収録曲は多岐にわたるレーベルからセレクトされていますよね。

 リリースさせていただくレーベルの皆さんはもちろん、レーベルの垣根を越えた関係各位の皆さまのご協力により、数多くのキャラソンを入れていただくことができました。まさに「Special Thanks!」がいっぱい重なってできあがりました。

――タイトルの「Special Thanks!」もそんな感謝の想いを込めてつけたのですか?

 そうですね。文字通り「特別なありがとう」という意味もあります。それから、私、ソロデビューをしてからずっと、ブックレットの最後に「Special Thanks」を入れさせていただいているんですね。そこに、スタッフさんや家族はもちろん、「今までに出会ってくれたキャラクターたち」という言葉も入れていて。ああ、まさにこれが答えだなと思ったんです。
 ソロデビュー当時、ディレクターさんから「スペシャルサンクスに誰を入れたいですか?」と聞いていただいたとき、真っ先に浮かんだのがキャラクターだったんです。私と応援してくださる方をつないだのはキャラですから、とにかく感謝の気持ちしかなくて。そんな思いが、タイトルにも詰まっています。

――収録曲についてですが、当然、全部を入れることは叶わない。そのなかで、曲をどう選んでいきましたか?

 メジャーに支持されている楽曲をなるべくたくさん入れつつ、私の主観でも選びたいなと思いました。いわゆる人気曲だけだと、きっと誰が選んでも同じになると思うんです。でも、私個人の名義でリリースさせていただくのだから、きちんと私が選ぶ意図を感じていただけるような内容になるといいなと思って。レコーディングの裏話や、私しか知らない曲にまつわるエピソードも入ったアルバムにしたかったんです。それぞれの選曲理由については、ブックレットのライナーノーツでも書かせていただいているので、ぜひチェックしていただけたらと思います。

――どの曲にもそれぞれ強い思い入れがあるわけですから、選ぶのは難しそうな気がします。

 そうですね。今回収録できなかった曲には思い入れがない、なんてことは絶対にないです。それは大前提として楽しんでいただけたらと思っています。

――特に注目してもらいたい曲は?

「Jumping!!」と「一度だけの恋なら」は、ユニット曲だったものをソロとして歌ったので、注目していただきたいかなと思います。どちらも最初に歌ったのは結構前だったので、もう一度歌い直すのは勇気がいりましたし、何よりみんなで歌っていたものをひとりで表現するということにドキドキして。でも、キャラらしく歌うにはどうすればいいのかを考えるのはすごく楽しかったですし、挑戦した甲斐のあるソロになったと思います。

――ソロバージョンで一番こだわったのはどんなところですか?

 キャラをいかに感じられるように歌うかですね。それもあって、今回はソロバージョンに関しては、そのキャラソンを担当してくださったディレクターさんにそれぞれ録っていただいたんです。どうしたらよりよくなるのかを試行錯誤することができて、間違いのないものができあがりました。

――「一度だけの恋なら」で、レイナは主旋を歌っていませんよね。

 そうなんです! レイナが主旋を歌うよさのある特別なものにしたいという思いもあって、本来なら歌っているところをあえてセリフにしてみたり、原曲を聴いてくださった方もハッとするようなパートも増やしてみました。

――セリフパートは、聴いていてもドキッとしました。

 ふふ、よかったです(笑)。そういったパートで、聴いてくださる方の心をつかめたら、と思ったんです。最初は複雑難解なコーラスも自分で歌うのかなと思っていたんですが、コーラスはメンバーのままになっているので、ユニットらしい厚みは残っているかもしれません。

――レイナがセンターに立って、4に囲まれている絵が浮かびます。

 なるほど、そんなふうにも聴けますね。すごく新しい発見ができそうです。

――「Jumping!!」はカレンらしい元気さが伝わってきて、聴いていてもほのぼのしました。

 ありがとうございます。きっとカレンらしく、ニコニコしているイメージが伝わるんじゃないかなと思います。

カバーはモノマネになってはいけない

――「fragile」は東山さん個人の名義ですよね。

 この曲はOP&EDも歌わせていただいた『月がきれい』というアニメの挿入歌になった曲です。私にとって挿入歌って、キャラのモノローグのようなイメージがあるんですね。「fragile」は私が担当したキャラの登場シーンで流れた曲ではありませんが、心情表現という意味でキャラソンに近いなと思い入れさせていただきました。

――アニバーサリースペシャル盤には、東山さんが出演されたアニメの主題歌のなかから、3曲分のカバーが収録されます。

 キャラソンを歌っていない作品、キャラソンがない作品でも、作品自体には思い入れはあるので。その作品とのご縁をここでも残せないかと思い、主題歌をカバーさせていただけたら、とお願いをしました。

――出演作の多さを考えると、カバー曲を選ぶのも大変そうですね。

 ありがたいことに、多くの作品に関わらせていただいたので、やっぱり選ぶのは難しかったです。

――3曲を選んだ決め手は?

『ゆるキャン△』は、最近の出演作のなかでも特に多くの方にお楽しみいただけた作品なのと、「SHINY DAYS」も思わず口ずさみたくなる楽しい楽曲なので入れさせていただきました。「これから」(『たまゆら~卒業写真~』主題歌)は、『たまゆら』シリーズが声優を始めてから間もない時期の、人生で2番目にオーディションを受けさせていただいた作品であるということが大きいです。当時はお役とのご縁がなかったのですが、その後こうして作品に関わることができてうれしかったんですよね。「春擬き」は、私の声優人生のなかで一番付き合いが長くなったアニメ作品『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズから選ばせていただきました。

――「これから」は『たまゆら』シリーズ最後の「卒業」が明確に示された作品の主題歌でもあったので、聴いていても胸に迫るものがありました。

 作品として明確に「卒業」を提示されることはあまりないので、それがまずすごく印象的でした。これから先に歩き出すけれど、大切な人との別れの曲でもあるので、自分自身とも重ね合わせてしまい、感極まりそうになりながらレコーディングしました。

――歌われた坂本真綾さんも、ベストアルバムのインタビューでこの曲はすごくいい歌だとおっしゃっていました。

 確か『犬フェス!』のパンフレットで、ご自身が好きな曲として「これから」をあげられていたんです。たくさんの曲を歌われてきた坂本さんがあえての1曲として選ばれるくらい大切な曲ですから、最初はカバーさせていただけるのかなと恐る恐るなところもありました。でも、先日ご本人とお会いしたときに、直接「歌ってくれてありがとう」と声をかけていただいて。改めてカバーのお願いさせていただけてよかったと思いました。

――原曲とアレンジが変わっているところもまた違ったよさがありますね。

 扇谷研人さんにアレンジをお願いしたのですが、ご自身も原曲のアレンジがお気に入りだとおっしゃっていたんです(原曲の編曲は河野伸)。そこからさらに別のいいものを、といろいろ考えてくださり、少し宇宙っぽさが感じられるような曲になったなと思っています。作品の主人公・楓ちゃんの亡くなったお父さんの視点を感じるような、やさしい雰囲気になったなと感じました。

――「SHINY DAYS」も「春擬き」も素晴らしいシンガーの方が原曲を歌っていますが、東山奈央としてカバーをするにあたり、どんなことを考えましたか?

 まず、モノマネになってはいけない。それから、東山バージョンもまた別のよさがあると思っていただきたい、という気持ちでした。東山バージョンも、面白いじゃんと思っていただきたいなって。

――レコーディングでは、どこにポイントを置いて歌いましたか?

 東山奈央名義でカバーさせていただいているので、作品全体を俯瞰で見つめる目線を持ちつつも、やはり作中でキャラクターを演じさせていただいているので、そのキャラの気持ちを少しプラスしてもいいのかなと思いました。キャラによりすぎると、キャラソンになっちゃうので、そのいいバランスを探っていきました。キャラに寄せつつ、でもあくまでも自分であり続ける、というのはなかなかないので、面白い経験だったなと思います。

――キャラソンを歌うとき、東山さんが一番こだわっていることは?

 聴いている方が声からだけでも、この子はこんな顔をしているんだろうとか、こんな動きをしているんだろうとイメージできるのが理想だと思っています。物語上だとあまり歌わなさそうなキャラもいるので、そういう子が歌うことになったとき「イメージと違う」と思われないようにしたくて、しゃべっている延長線上で歌うということはいつも意識しています。

すごく幸せな10年でした

――アニバーサリースペシャル盤には、アニメ監督の水島精二さん演出の朗読も入ります。

 水島さんは、私が声優になりたいと思ったきっかけの作品『鋼の錬金術師』の監督さんで、私にとっては神様のような、声優・東山奈央の始まりの方でもあるんです。『BEATLESS』という作品でもお世話になることができたので、今回ぜひとお声がけさせていただきました。

――声優としての東山さんの演技も楽しめますね。

 はい。今回は、年齢や性別をわかりやすく区別することはせず、同年代の女の子が複数出てくるお話にしていただきました。年齢や性別が違うと、演じわけがすごくわかりやすくなりますが、それは外側のお話で。声が分かりやすく違えば、演じ分けも伝わりやすいと思いますが、今回はそういう外側ではなく内面に重きを置くために、あえて年齢の近い子たちで物語を構成しています。

――水島さんの演出の感想は?

 夢のようでした。水島さんは、他愛のないおしゃべりもお芝居の相談もしやすい空気感を作ってくださって。ディレクションもしていただいたのですが、そのときのキャラの気持ちや心情を丁寧にくみ取る指示をしてくださって、すごくためになりました。

――自分としての手応えは?

 面白くなったと思いますし、きっと耳だけでどのキャラがしゃべっているか、わかっていただけると思います。コミカルなお話のなかにエッセンスとして入っているメッセージを、きちんと皆さんに届けられるものにできたと信じています。

――早期予約者特典のCD収録曲でもあり、配信版もリリースされた「WonderLove」についても教えてください。

 作曲を北川勝利さんにお願いして、作詞を自分がというスタイルは、実は初めてだったんです。いつも詞を書くときは曲も自分で作っているので、新鮮でありつつ難しさもありました。

――ペンギンへの熱い愛を語っている歌だそうですが……。

 パッと聴いたときは片想いのかわいさが感じられる曲で、よくよく聴き込むとペンギンに恋してる人の歌だとわかるギミックにしたくて、1番はかわいいラブソング風に、2番で相手が人間じゃないぞとわかるようにしました。

――愛を詰め込む作詞というのは、楽しそうにも感じられます。

 ところが、愛があれば楽しいとは限らないんですよ。もともと作詞はあまり得意ではなく、すごく時間をかけて制作していくタイプなこともあって時間はかかりました。

――作詞のどこが難しいですか?

 作詞だけでなく作曲もですが、自分のイメージに近づけるのに時間がかかるんです。自分の気持ちにフィットする言葉がなかなか見つからず、曲に言葉をあてはめていくのも難しい。思い入れが強ければ強いほど、なんとなくこれかな? くらいでは妥協したくなくて、突き詰めていっちゃうんですよね。でも、すごくかわいい曲になったと思っていますので、CDでゲットできなかった方も、ぜひ配信で聴いていただけたらと思います。

――12月にはアニバーサリーライブの開催も決まっています。

 キャラソンライブはやってみたいと思いつつ、まさか実現するとは、という気持ちもありました。私にとって一生に一度のことになるんじゃないかと思っています。「フェスティバル」と銘打っているくらいなので、ステージの上にさまざまなキャラクターたちをどんどん招いていくという、そんなフェスさながらのお祭り感覚を楽しんでいただきたいです。

――お客さんの前で初めて披露する曲もありますよね?

 CD収録曲を全部歌えるとしたら、初めて歌わせていただく楽曲も結構ありますね。きっとステージに立ったときは、もう会うことができないかも、と思っていたキャラと歌を通して再会することができると思うので、とてもうれしいだろうなあって思います。自分で言うのもなんなのですが、否が応でも貴重なライブになるではないかと思います!

――今回のアルバムやフェスでキャラソンを聴いてそこから作品を知り、アニメを観てみよう、と思う方もいるかもしれませんね。

 とにかく素敵な子、素敵な作品ばかりなので、もしそんなふうに思っていただけたら、CDを作った甲斐があるなと思います。

――改めて、CDが完成しての感想を教えてください。

 今までの思い出をギュッと詰め込んだ1枚を作ることができて、宝物がひとつ増えたなぁという気持ちでいます。

――キャラへの思いも応援してくださる方への思いもたっぷり詰まった1枚になりましたね。

 はい。作品やキャラをきっかけに皆さんと出会うことができて、すごく幸せな10年でしたし、今もその幸せを毎日感じています。10年間、デビュー当時から応援してくださっている方にとっては、懐かしいアルバムになっていると思いますし、最近私を知ってくださった方には、新鮮な出会いが詰まったアルバムになっていると思います。珠玉の……自分のことじゃないと、つい言葉が強気になりますね……。

――自分のことじゃない、ということは、やはりキャラクターは自分とは別の存在としてみているんですね。

 自分が声を当てさせてはいただいていますが、キャラは私とは違う存在として生きていますから。私ひとりで作っているものではないですからね。自分じゃない存在だからこそ手放しで褒めたくなっちゃう(笑)。でも、すごくたくさんの方が力を貸してくださっているのですから、最近は自分名義のものでも、謙虚になりすぎるのも違うと思うんですね。だから、言いたいんです。「自分で言うのもなんですが、豪華なアルバムになりました!」って。

――自信を持って豪華と言っていい、素晴らしいアルバムになっていると思いますよ。

 豪華なんだから豪華としか言いようがないのです……(笑)。今回キャラソンベストを作らせていただいて、改めて本当にいいキャラクターといい作品、そしていい曲に出会わせていただけたと感じることができました。宝箱のようにキラキラとした素晴らしい楽曲がいっぱい詰まったアルバムです。ぜひとも、隅から隅までお楽しみいただき、一緒に宝物にしてくれたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
東山奈央【とうやま・なお】3月11日生まれ。東京都出身。インテンション所属。2017年にシングル「True Destiny/Chain the world」でアーティストデビュー。これまでに、シングル4枚、アルバム2枚をリリース。声優としての主な出演作は、『グレイプニル』青木紅愛役、『彼女、お借りします』更科瑠夏役など。

キャラクターソングベストアルバム『Special Thanks!』
発売日:発売中
レーベル:フライングドッグ
価格:
アニバーサリースペシャル盤:5,000円
通常盤:3,000円

《超!アニメディア編集部》
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