読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2020年4月号には、『ネコぱら』でショコラを演じる八木侑紀が登場。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。

――『ネコぱら』という作品に対する第一印象は?
オーディションで資料をいただいたときに、絵柄がものすごくかわいいなと思いました。着ている服もネコたちの耳もすべてがキュートで、「かわいいの塊」といっても過言ではないと感じていました。
――その段階での、ショコラに対する印象はどうでしたか?
全体的に元気がよくて、明るいキャラクターという印象でした。ほかのキャラクターと比べても、セリフに「!」が多かったんですね。彼女のよさを出すためには、全力で明るく演じなければと思い、オーディションのときはずっと口角を上げ続けていました。
――演じるときには、どんなことを心がけていますか?
「うれしい」とか「さみしい」とか、ただひたすらにひとつの感情だけを持って話すことを意識しています。雑念が入らないように心がけることで、ショコラらしさが出せるのではないかなと考えていました。それから、まっすぐに声を通す、大きな声で話す、口を大きく開けることも意識しています。
――第2話でカカオをかくまおうとしたとき、飼い主の嘉祥にそれがバレないように必死でしたが、声で動揺がありありとわかりましたよね。
あそこは、じょうずに隠せてしまうとショコラではなくなってしまうので、「バレバレじゃん」と思っていただけたら大成功です(笑)。それから、とにかく素直な子なので、ほかのネコたちとの関わりやリアクションをきちんと取るように、受け答えや空気の流れを大事にできるように演じています。
――物語が進むに従って、元気なだけではないシーンも出てきていますが、印象に変化はありましたか?
まっすぐな性格で元気というところは変わっていませんが、双子のバニラには弱音を吐くし、迷いネコだったカカオにはお世話を焼くお姉さん的な立ち回りをする。ほかのネコと絡むことで、ショコラのいろいろな面が見えてきて、元気いっぱいだけではないんだなと感じるようになりました。シリアスなシーンでは、本当に悲しいのか、ちょっとお腹がすいているぐらいの悲しさなのかを、監督に相談して演技を考えました。
――物語は8話まで進んでいますが、ショコラのどんなところに魅力を感じていますか?
バニラと一緒にいるシーンは、とくにかわいさが際立っているように感じています。お風呂に入っていてもお布団に入っていても、こそこそと内緒話をしていても、バニラに対する「好き」という気持ちがあふれているからかもしれません。私も、ハート増し増しで演じています(笑)。
――アドリブのシーンは、バニラ役の佐伯伊織さんと打ち合わせをしていますか?
当日アフレコの前に、気になるところを「ここはどうする?」と話したりしました。でも基本的に自由にやらせていただいていて、アドリブでしゃべっていたりもするので、どこまでがちゃんとしたセリフで、どこからがアドリブなのかを見ながら考えていただくのも楽しいかもしれません。
――八木さんは、ショコラと似ているところがありますか?
じつは、私がもともと引っ込み思案で……性格的にはあまり似ていないかもしれません。似ているところといえば……よく食べるところ?(笑)。私も朝ご飯を食べる派なので、そこは似ているかなと思います。あとは甘いもの好きなところかな。
――バニラを演じる佐伯さんとバニラには共通点があると思いますか?
しっかり者だけどマイペースなところが似ていますね。私が何かを確認したときに、佐伯さんは全然聞いていないことがあって(笑)。そういうところはかわいいなぁと思っています。
――アフレコでは、スタッフからどんな指示がありましたか?
キャラクター同士のキャッチボールのなかで、「こうしたほうが、流れがよくなると思います」といった提案をいただいたりしました。その会話のキャッチボールで自然と出てきたセリフを生かして、一瞬たりとも元気じゃない瞬間がないよう常に気をつけました。
――ご主人様の嘉祥への印象は?
素晴らしいご主人様です! ネコを深く愛してくださっているし、しかもおいしいケーキが作れる。気遣いもできて、とても素敵です。嘉祥さんを演じていらっしゃる立花(慎之介)さんもすごく周りを気遣ってくださる方なんですね。立花さんはOVAのときから嘉祥さんを演じていらして、作品の雰囲気もわかっていらっしゃるので、いろいろアドバイスをくださるんです。アフレコの初日にみんなが緊張していたときも話題を振ってくださって、リアルに“ご主人様”だなと思いました。
――第8話まで進んだところで、ショコラ以外でお気に入りの子は?
メイプルです。メイプルは尻尾で相手をあしらったり、寄ってきてもどこかに行っちゃったりするような気まぐれなところが「ザ・ネコ」という感じですごく好きです。高飛車なところも、紅茶が好きなところもグッときます。
――では、いま一番気になる子と言われたら?
アズキとココナツのペアです。一番小柄なアズキが六姉妹の長女さんで、一番大柄なココナツが末っ子なんですが、作中でケンカをしていることが多くて。メインの物語が進行している後ろで、ずっとアドリブでケンカをするシーンもあるんです。それを見ているのが楽しいです。
――八木さんはほかのネコのキャストの皆さんと、OP「Shiny Happy Days」&ED「陽だまりの香り」も担当されています。
OPもEDも作品の世界観をそのまま反映したような歌詞になっていて、OPは元気いっぱいなところがかわいいんです。1回聴いただけでサビも覚えられる、耳になじみやすい曲なので、どうか飛ばさずに何度も聴いて、一緒に歌えるぐらいになってほしいです。EDは、バニラと歌っています。テンポのゆったりとしたバラードで、ちょっと眠たくなるようなところがポイントです。寝る準備をしながら、聞いていただきたいです。
――ショコラとして歌うときに、注意したことは?
OPは、しゃべるくらいの気持ちで歌ってくださいというディレクションをいただいたので、のびのびと歌えました。EDは最初、しっとりと歌いすぎてバニラっぽくなっちゃったんです。ゆったりした曲のなかで、ショコラの太陽のような元気な部分をどう入れたらいいのかを試行錯誤しました。ウィスパー気味なところをあえてハッキリと発音してみて、ショコラらしさが残るようにがんばりました。
――公式webサイトには、ネコ耳をつけたキャスト写真も掲載されています。 
――第9話以降の見どころを教えてください。
私のお気に入りのメイプルが活躍します! シナモンとの関係にも注目です。そして、カカオ中心のお話が、ギュッと詰め込まれます。ショコラたちがカカオに振り回されたりして、カカオが預かりネコから本当の家族になれたんだなと感じられるシーンも出てきます。ショコラも少しお姉さんっぽい姿を見せますので、ぜひちょっと成長したショコラも愛していただけたらと思います。
MegamiにQuestion
八木侑紀の魅力をもっと知りたい、という読者必読! 八木に8つの質問を実施。
Q.チャームポイント
A.147センチの身長
以前は背が低いと合う洋服も少ないし、高いところのものも取れないし……とコンプレックスだったんですが、小柄なキャラクターを演じるときにはそれが武器になることもあって。チャームポイントとして掲げていこうと思います。
Q.ニックネーム
A.八木ちゃん、侑紀ちゃん、こゆき
ニックネームらしいニックネームが「こゆき」くらいしかないんです。「こゆき」はデビューしたくらいに、事務所であだ名をつけようという話になったんですね。「ゆき」という読みの方が割といらしたので、その中で個性を出すべく「(背が)小さいゆき」なので「こゆき」と呼ばれるようになりました。
Q.自分の声の特徴
A.高くて耳に届きやすい声
丸い声ではなくて、ツンとした声なので、耳には届きやすいんじゃないかなと思っています。実年齢よりも幼く聞こえがちです。
Q.自分の性格
A.面倒くさがり
リモコンを元の場所に片づけるとか、そういうちょっとしたことを面倒くさがってやらないんです。そろそろ直していきたいです。
Q.今、ハマっている趣味
A.コーヒー豆をひくこと
外食で食後にコーヒーを出していただいたとき、「飲めないんです」とお断りするのが申し訳なくて、「私が飲めるようになればいいじゃん!」とひらめきまして(笑)。きっと私でも飲めるコーヒーがあるはずだと研究していたら、コーヒー豆をひくことにハマりました。ひいている時間がとても落ち着くんです。コーヒーは、カフェラテにすればなんとか飲めるようになってきています。
Q.「こう見えてじつは……●●なんです」
A.辛いものが好きです
七味も辛いラーメンも、普通に食べられます。
Q.好きなケーキは?
A.ガトーショコラ!
ガムシロップを好物としてあげたくなるくらいの甘党なのですが、中でもチョコレートを使ったお菓子が好きで、ケーキならガトーショコラがお気に入りです。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.しゃいにーはっぴーでいず
『ネコぱら』を見てくださると、まさに「しゃいにーはっぴーでいず」な気持ちになれます! 魅力的なネコがたくさん登場しますので、まずは推しネコを見つけてください。そして最終回まで放送されたあとは、別のネコにも注目しながら何回も見てください。
取材・文/野下奈生(アイプランニング)
PROFILE
やぎ・ゆき/12月7日生まれ。大阪府出身。プロダクション・エース所属。主な出演作は、『旗揚!けものみち』花子役、『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』篠崎奏多役など。
TVアニメ『ネコぱら』作品情報
毎週木曜日夜10時よりTOKYO MXほかにて放映中
TVアニメ『ネコぱら』公式サイト
https://nekopara-anime.com/ja/
(C)NEKO WORKs/ネコぱら製作委員会





