【インタビュー】水瀬いのり2曲目の作詞曲は「10年後のソマリが父親に届ける愛の歌」 | 超!アニメディア

【インタビュー】水瀬いのり2曲目の作詞曲は「10年後のソマリが父親に届ける愛の歌」

大人気声優・水瀬いのりが、約1年ぶり8枚目となるシングル『ココロソマリ』を2月5日にリリースする。リード曲の「ココロソマリ」は、彼女が主演するTVアニメ『ソマリと森の神様』のEDテーマであり、作詞も彼女自身が行っている …

ニュース
注目記事
icon
  • icon
  • 【インタビュー】水瀬いのり2曲目の作詞曲は「10年後のソマリが父親に届ける愛の歌」
  • 【インタビュー】水瀬いのり2曲目の作詞曲は「10年後のソマリが父親に届ける愛の歌」


 大人気声優・水瀬いのりが、約1年ぶり8枚目となるシングル『ココロソマリ』を2月5日にリリースする。リード曲の「ココロソマリ」は、彼女が主演するTVアニメ『ソマリと森の神様』のEDテーマであり、作詞も彼女自身が行っている。そんな思い入れの深い楽曲や、彼女が演じているソマリという少女についてなど、『ココロソマリ』の魅力をたっぷりと語ってもらった。

 

──楽曲についてお聞きする前に、『ソマリと森の神様』の魅力と、水瀬さんが演じるソマリについて教えてください。

 本作はソマリという人間の女の子と、彼女から「おとうさん」と呼ばれるゴーレムとの親子の絆の物語です。また作品には、異形と呼ばれる多種多様な種族が登場していて、ソマリと彼らとの交流やその裏で語られる世界の歴史から、“生命とは?”という大きなメッセージを感じていただけるのではないでしょうか。
 私が演じるソマリは、無邪気でやんちゃな子です。後先のことを考えることなく、その瞬間を全力で生きています。なので私も、ソマリの言動ひとつひとつに新鮮さを感じられるよう、お芝居を作り込むというより、ひと言ひと言にしっかり気持ちを込めて演じるようにしています。

──ソマリのどんな一面を愛おしいと感じますか?

 やっぱり笑顔ですね。ソマリの笑顔を見たら、なんでも許せてしまいます。とくにおとうさんを見上げながら笑ったときの屈託ない表情は、何物にも代えられないくらいグッときます。

──ソマリとおとうさんの会話には、ふたりだけの独特の空気感がありますね

 ふたりの会話は微妙に噛み合っていないところが微笑ましいですよね。話したいことを畳みかけるようにしゃべるソマリに対して、おとうさんはクールにひと言相槌を打つ、みたいな。そんなやりとりこそが、ふたりにとって自然だと感じられて心が温かくなります。

──アニメ第1話をご覧になった感想を教えてください。

 オンエアー前に先行上映会もあったので、第1話は4回くらい観ています。そのなかで感じたのは、OPやEDも含めて『ソマリと森の神様』がすごく音楽を大切にされていることです。安田(賢司)監督とお話させていただいたときにも、劇伴(劇中の音楽)への力の入れ方を語ってくださいました。そして本作の劇伴は、NHK大河ドラマ『篤姫』などドラマや映画の劇伴を手がけている吉俣良さんが制作されています。ソマリたちが過ごしている森でのシーンや、彼女たちが訪れるひとつひとつの街にテーマ曲を作ってくださっているので、1回目の視聴ではセリフとアニメーションの美しさを楽しんでいただき、2回目の視聴ではぜひ目を閉じて音楽に耳を傾けていただきながら『ソマリと森の神様』を味わっていただければと思います。

──「ココロソマリ」は水瀬さんの作詞曲です。本作の作詞はどうでしたか?

 親子愛や生命の尊さといった作品のテーマをヒントにしながら作りました。ただ、ストレートに作ってしまうとソマリのキャラクターソングになってしまうので、彼女の気持ちに寄りそいつつも、私が幼少期に見た親の背中や大人と子どもの違いを、私自身の言葉に置き換えながら綴っていきました。作詞自体は思いのほかスムーズに進みましたが、“恋愛”ではなく、しっかりと“親子愛”を伝えるという点は悩みどころでした。改めて言葉を紡ぐことの難しさを感じましたね。
 なかでも大サビの終わりは、言葉に込める思いがあふれすぎてしまって大変でした。悩み抜いたすえにできあがった歌詞には、私のありったけの親子愛を込められたと思います。

──レコーディングはどうでしたか?

 一見するとゆったりとしたバラード曲ですが、歌ってみると曲の変調によるギミックが多く、歌唱難易度が高い曲なんです。なので気持ちを込めて歌えるまで、ひたすら歌い続けました。レコーディング中は、両親のことを考えたり、ソマリの笑顔を思い浮かべながら歌っていました。「ココロソマリ」には、作中から10年後のソマリがおとうさんに向けて届けているというイメージが根底にあります。今のソマリだったらこんな言葉は浮かんでこないけれど、おとうさんと過ごすことで生まれた気持ちや感謝を、大人になったソマリが伝えられたらいいなと思ったんです。大人になったソマリと今の私の年齢を重ねながら書いたところもあったので、自分のことを大切に思ってくれている人に向けて歌うように、あふれる気持ちをマイクに思いっきりぶつけることができたと思っています。

──「ココロソマリ」をどんなシチュエーションで、リスナーに聴いてもらいたいですか?

 お父さんお母さんはもちろん、その人にとって大切な方を思い浮かべながら聴いてほしいです。サビに「重ねた手に伝うぬくもり」というような言葉がありますが、たしかにその温もりが自分のそばにあったことを感じられるのではないかなと。勉強だったりお仕事だったり、今を一所懸命になっている方ほど染みる曲になっているかなと思います。

──聴いたあと、無性に親孝行したくなってしまいました。

 大切な人を「ちょっと温泉にでも連れて行ってあげようか」と思っていただけたら、うれしいです(笑)。

──ちなみに、両親から「愛されているな」と感じる瞬間はどんなときですか?

 私はひとりっ子ですし家族と一緒にいる時間も多いので、両親からの愛を日々もらっている自覚があります。父はわりとシャイな人なので、私の活動やライブもそっと静かに見守ってくれています。でも、携帯電話の待ち受け画面は私の写真だったりします(笑)。いっぽう母は、愛情を言葉や態度でダイレクトに表現してくれます。たまに私と一緒に、雑誌に掲載される写真やMVなどの映像もチェックしてくれるのですが、母はたいてい「どれもかわいいので、NGはありません」と言うんです。なので母のチェックはまったく信用していませんが(笑)、「親の愛ってすごいな」としみじみ感じます。私にとってふたりは一番の味方であり、一番のファンなんだなって。
 そんな両親の喜ぶ顔を見たいという思いが、今の私の活動の大きなモチベーションになっています。声優、そしてアーティスト活動が、大切な両親への親孝行のひとつになっていたらうれしいですね。

──続いて、カップリング2曲についてお聞きします。まず「僕らは今」はどんな楽曲ですか?

 ずばり、ライブを意識した曲です。2020年も6月からライブツアーを開催させていただくので、そこに照準を絞った1曲になっています。「僕らは今」には掛け合いの部分がたくさんあったり、何度も繰り返して歌っていくパートがありますが、私ひとりだけでなくて私を支えてくれるファンの方とスタッフさんみんなの心がひとつになるイメージで作っていただきました。
 歌っていてもすごくパワーをもらえますし、爽快感があります。そんな気持ちいい曲を、ファンの皆さんの前で歌ったらどんな感じになるんだろう、きっと鳥肌が立つような瞬間を味わえるじゃないかなと。みんなと一緒にこの曲を歌える日がすごく楽しみです。

──「Well Wishing Word」はいかがですか?

 こちらはほかの2曲とは打って変わって、ハッピーでかわいらしい一曲です。5thシングル『Ready Steady Go!』に収録されている「Winter Wonder Wander」の作詞作曲を担当された栁舘(周平)さんが書いてくださっていて、今回も頭文字3つにWが並ぶタイトルになっています。栁舘さんは「前曲とリンクするような作品になれたら」とおっしゃっていたので、WWWに込められた想いをちゃんと届けられるようにしたいです。「これはただものじゃない曲が来たな」とワクワクしていただけるような1曲に仕上がったと思います。

──「Well Wishing Word」は恋愛ソングなのでしょうか?

 恋愛ソングなのに、「バイバイ」という言葉がサビの頭に来ると驚きますよね。「ライブで皆さんと会って、そしてみなさんと次のライブまでお別れ」という意味にプラスして、人生的なお別れもかかっている歌になっていて、切なさもある楽曲なんです。そのうえで「お別れの向こう側でも絶対にまた会えるからね」と約束をする最上級のラブソングにもなっています。聴き込めば聴き込むほど、ものすごくメッセージ性のあるラブソングだと思います。

──ライブのラストで歌われたら、感動が込み上げてしまいそうです。

 だからこそ、「また絶対に会えるよ」という約束をしたい。別れがマイナスではなく、明るい気持ちで「バイバイ」と歌える素敵な曲だと思います。

──最後にライブツアーに向けた意気込みと、今年の目標を教えてください。

 今回のツアーは5公演ということで会場数が増えて初めて訪れる地も多いので、普段はなかなかお会いできない人たちとも会えるのがすごくうれしいです。またツアーは東京オリンピックの開催日程と重なっていて、日本中が盛り上がっているなかでツアーをできるというのはすごく貴重な体験です。なので金メダルではないけれど、私もみなさんのなかに残る物を掲げられるツアーになればいいなと思います。
 そして水瀬いのりは今年、声優デビュー10周年とアーティストデビュー5周年を迎えます。節目の年ではありますが、気負わず毎年やってきたことの積み重ねができたらいいなと思っています。そして、個人的な願望としてはちょっと海外に行ってみたいなと。日本とは違う空気を感じることができたらと思っていて、合間の時間に英語の勉強をしています。

──海外のどちらへ行ってみたいですか?

 まずは英語圏へ。あと前々から言っているのですが、TVアニメ『ご注文はうさぎですか?』の舞台のモチーフになったと言われているフランス東部のコルマールという街に絶対行きたいです。英語の勉強が間に合わなかったら、ポケトーク(音声翻機器)を持って行きます(笑)。

 

【PROFILE】
水瀬いのり【みなせ・いのり】12月2日生まれ。東京都出身。アクセルワン所属。2015年にシングル『夢のつぼみ』でアーティストデビューを果たし、シングル7枚、アルバム3枚をリリース。6月からは全国5か所の都市を巡る「水瀬いのり LIVE TOUR 2020」を開催予定。主な出演作は『Re:ゼロから始める異世界生活』レム役など。

【CDリリース情報】
『ココロソマリ』
キングレコードより2月5日発売予定
1,300円(税別)
https://www.inoriminase.com/

 8枚目のシングルは水瀬2作目の作詞曲「ココロソマリ」ほか、ジャンルの異なるカップリング2曲を収録。「僕らは今」は6月開催のツアーにぴったりのアップチューン。「Well Wishing Word」はキュートな曲調ながら、水瀬が「最上級のラブソング」と語るほどエモーショナルな楽曲だ。初回盤には、特典として特製トレカが封入されている。

 

【アニメ情報】
TVアニメ『ソマリと森の神様』
毎週木曜24時30分からTOKYO MXほかにて放送中
※そのほかの放送・配信情報は下記公式サイトでご確認ください。
https://somali-anime.com/

 

取材・文/宮島岳史

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集